本日のテーマは「40周年記念植樹と営業会議」です。
昨日が前期期末で、スタッフたちの賢明な頑張りで、前期も無事終了し、一夜明けた本日から今期が始まり、本日は朝から全社を挙げての創業40周年記念植樹で、玄関先に全員が集まり、桜の木を5本植樹したのです。
今までは創業記念イベントで、植樹等を考えたことがなかったのですが、創業記念日で植樹を行なうと、桜の花が咲くようになれば、社員たちの心のよりどころになり、木々の緑で心が癒されるのです。
本社移転して5年経過しているのですが、本社の敷地は2千坪あり、敷地の周囲が緑地帯になっているので、緑の植栽を巡らせると、会社の雰囲気が大きく変わってくるのです。
シンガポールは独立以来50周年ですが、建国にあたって国の施策として、海外から観光客を呼ぶために、国内を緑で埋めるようにしたのです。
従って、自動車道路のような大きな道路沿いには、すでに大木になっている木々が、林のように道路の上に生え茂っていて、暑い国ではあるのですが、清涼感が溢れているのです。
私もシンガポールに見倣って、当社の社屋もグリーンで埋めたいと思っているのです。
今回の植樹によって、玄関先が見違えるようになったのですが、その後、全員が食堂に集まり、今期の方針発表会を行ない、全員を集めた方針発表会は普段はやっていないので、基本的なところから説明をしていきました。
最初に説明したのは、今回変更した価値感の内容で、新しい価値感を明確にしたのです。
次に、1月に新しくした使命を明確にし、前期の経営数字の結果、今期の戦略を全員で共有したのです。
方針発表会は、全社員を対象にしているので、前期までの過去の経営数字を詳しく説明し、前期に起きたこと、前期の数字上の課題を説明して、販売スタッフの最後の頑張りで、前期が当初の予定よりどれほど改善されたか等を数字で説明したのです。
変動費率がほんの0.8%改善されただけでも、利益額が1千数百万改善されたのです。
どこをどのように改善すると、どのような変化が現われるかを説明し、今日から始まる新しい今期の予算を説明し、今期はこのような結果になるということを見せてみたのです。
全員参加なので、あまり難しいことは説明し、分かり易く説明をしたので、今期はこのように素晴らしい状態になるということが分かったと思います。
経営の概況説明を行った後、前期の頑張りを称えると、頑張った営業関係のスタッフを中心に皆、感動をしたのです。
この後、新しく結婚したスタッフのお祝いをし、今月の誕生月のスタッフの誕生日のお祝いをしたあと、突然のサプライズですが、前期の頑張りを称えて、社員全員にわずかではあるのですが、金一封を贈ったのです。
急に決めた話だったので、総務のスタッフたちには、封筒に名前を書いたり、新札を封筒に詰めたりで、たいへん明確を書けたのですが、全社員が子供のように喜んでいたのを見て、私もたいへん嬉しくなりました。
皆の頑張りに対して、ほんの気持ちでも構わないので、報いることは非常に効果があることが分かったのです。
その後は営業会議が始まり、最初はいつもの通りの私の話ですが、内容は毎回変えていて、今回は当社に足りない価値感を明確にして、その価値感に関する説明を加えていきました。
当社は5年前に現新社屋に移転したのですが、移転した翌年1月に札幌、高崎、名古屋に3ヵ所のドリームスタジオを開設した直後、予期せぬ出来事の東北大震災が発生し、当社の業績に大きな影響が出て、3年前にも業績に影響を及ぼす出来事が急に発生し、昨年は急激な人手不足で、これも業績に影響を及ぼし、5年間に合計3回も予期せぬ出来事が起き、その度に、スタッフたちが大奮闘し、スタッフたちの頑張りで、成果を上げることが出来たのです。
こうして、当社のビジネスを振り返ってみると、40年前に創業してからずっと奮闘の連続で、製麺機業界の厳しさを味わい続けているのです。
小規模の企業が多い業界なので、特に価格競争が厳しく、当社は安全装置とか使い勝手を良くするための装備等をフルに装備しているので、コストが高くなってしまうのです。
製麺機業界は、特に中小企業の多い、競争の厳しい業界ですが、当社は、そのような業界の中で比較的順調に業績を伸ばしてきたので、傍目には良い業界であると見られているかも知れません。
このような難しい業界の中で生き残ることが出来ると、会社の体質もさらに強くなっているはずです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「多角化ではなく、新たな展開を」
先に挙げたパソコンと本のスーパーのケースは、すべて純粋なイノベーションですが、これらのいずれもが、いわゆる多角化ではなく、IBMのパソコン事業は、コンピュータ産業の枠内にあり、書店チェーンは、長い間、ショッピング・センターやブテイックで、小売業に携わっていた人たちが始めたのです。
外部の予期せぬ変化を、イノベーションの機会として利用し、成功するための条件は、その機会が自らの事業の知識と能力に合致していることであり、小売業の能力がないのに、書店チェーンなどの大量流通業に乗り出した企業は、みな惨敗し、自分の持っている強みの活用こそ、新展開には重要であり、われわれはここで、多角化と、自分の持っている強みの新たな展開の違いを理解しなければいけないのです。
従って、外部の予期せぬ変化は、既存の能力の新たな展開の機会として捉え、イノベーションを起こす大きなチャンスとしなければならず、それまで携わってきた「自らの事業」の性格を変えてはいけないし、多角化ではなく、独自の強みを活かせる、関連した方向へ展開出来なければならないのです。
もちろん前述のケースに明らかなように、製品やサービス、流通チャンネルのイノベーションの追加も必要となり、あらゆるイノベーションのチャンスが存在するのです。
「大企業の優位性」
これらのケースについて次に言えることは、すべてが大企業のケースだということであり、本書で紹介するケースの多くは、大企業のもので、原則として、公開された資料、新聞や雑誌の経営欄で取り上げられたケースのほとんどが、大企業のものであり、中小企業のケースは資料を手に入れることが難しく、信頼関係を損なうことなく公開することは、さらに難しく、特に中小企業は、オーナー企業が多く、外部に開かれていない企業が多いので、幾らドラッカーが指導して成功しても、その成果がオープンになることは、少なかったことが想定されるのです。
しかし外部の予期せぬ変化は、むしろ企業として既に確立された企業、しかもある程度の大きさ以上の企業に適した、イノベーションの機会であるように思われ、ドラッカー自身、中小企業が、外部の予期せぬ変化をイノベーションの機会として利用し、成功したという例をあまり知らないし、イノベーションや起業家精神に詳しい、ドラッカーの知人に聞いても、あまり知らないというのです。
単なる偶然かもしれないのですが、既存の大企業の方が、「より大きな構図」を見ることが出来るのかもしれず、消費者が、どこで、いかに消費しているかを示す数字を常に見ている企業は、何と言っても大規模小売業であり、大規模小売業はショッピング・センターが成功する条件を、よく知っていて、いかなるショッピング・センターが良いかを知っているのです。
そもそも中小企業がIBMのように、まったく新しい製品ラインの開発のために、一流の設計者と技術者からなる2つのプロジェクト・チームを作ることは出来ず、急速に成長しつつある産業に属する中小のハイテク企業は、進行中のプロジェクトに必要な人材にさえ、事欠いているのが普通だからで、従って、外部の予期せぬ変化こそ、おそらく大企業に対し、最小のリスクで、最大のイノベーションの機会を与える領域といってよく、特に既存の大企業によるイノベーションに適しているのです。
専門知識と資源を直ちに動員する能力が大きな意味を持つとは言え、前述のケースも示しているように、単に規模が大きく、事業の基盤が確立しているというだけでは、外部の予期せぬ変化を認識し、イノベーションの機会として利用する体制が取れる訳ではなく、IBMの競争相手も、それぞれの売上数十億ドルという大企業であったのですが、その中に、パソコンを機会として捉えたところは、1社もなく、いずれもIBMとの闘いに忙殺されていたのです。
言い換えるならば、機会は存在しているし、しかも、大きな機会がいくつも存在していて、とくにそれらの機会は、既存の大企業にとって大いなる約束となるのですが、そのようなイノベーションの機会を得るためには、幸運や感覚以上のものが要求され、NYのブレンダーノのような老舗の大規模書店チェーンも、新しい書籍販売市場を自ら構築することは出来なかったのは、意識してイノベーションを求め、イノベーションのために組織し、イノベーションのために、マネッジメントすることが要求されるのです。
ドラッカー博士は上記のように、予期せぬ出来事は中小企業より、大企業の方がイノベーションに有利だと説明していますが、それはイノベーションの大切さを意識している企業だけについての話であり、イノベーションの大切さを理解していないと、IBMのライバルのようになってしまい、現在、大企業であっても、元々は小企業が大企業になった場合がほとんどで、中小企業から大企業に駆け上がる段階では、多くのイノベーションを起こし、自己変革を繰り返してきているはずなのです。
人類の歴史を振り返っても、地球上で一番弱かった生物が進化を続け、人類になり、霊長類の頂点に君臨しているのですが、進化したのは、外部の環境変化によって、進化せざるを得なくなって進化したのであり、われわれのビジネスも人類の歴史と同じであり、中小企業ほど、イノベーションを起こして、進化しないと存続が難しい種であるのです。
中小企業庁と経済産業省による報告書「中小企業におけるイノベーションの特徴」によれば、以下の通りで、イノベーションの実現に向けた中小企業の取組について現状や課題を見ていくと、中小企業によるイノベーションには、どのような特徴があるのかについて、大企業と比較しながら整理してみると以下の通りです。
中小企業のイノベーションの特徴
中小企業は、大企業に比べて経営組織がコンパクトであるといった特性があり、そうした特性を反映して、中小企業によるイノベーションには、次の3つの特徴があると思われる。
1.経営者が、方針策定から現場での創意工夫まで、リーダー・シップをとって取り組んでいること。
2.日常生活でひらめいたアイディアの商品化や、現場での創意工夫による生産工程の改善など、継続的な研究開発活動以外の創意工夫等の役割が大きい。
3.ニッチ市場におけるイノベーションの担い手となっていること。
一方、大企業によるイノベーションについては、大規模な研究開発や、その成果が現れるまでに長期間を要する研究開発のプロジェクトに対し、その組織力を活かして多くの研究者や資金を投入し、イノベーションを実現していることが中小企業と比べた特徴と思われ、中小企業は、イノベーションに向けて「経営者による創意工夫」に最も力点を置いており、また、大企業に比べて「経営者のチャレンジ精神」や「経営者の素早い意思決定」が若干上回っており、経営者の資質やリーダーシップを重視する内容となっている。
一方、「研究開発活動」や「マーケティング活動」では、中小企業は大企業を下回り、大企業は、巨額化している研究開発投資や、大規模な営業網を活用したマーケティング活動にも力点を置いているためと考えられる。
従って、中小企業の場合は、オーナー企業がほとんどで、その強みである経営者の意思決定のスピードが速さ、小回りを利かせた早い展開、全員参加等々、スピードの占める割合が大きく、日本での成功事例としてわれわれが普段見聞きしているのは、小林製薬のユニークな製品群とか、電気配線用機器において、松下電器に一歩も引けを取らない、未来工業等が有名なのです。
従って、中小企業では経営者の力量、リーダー・シップの大切さは大企業と比較しても、比較にならない位、大切なものであり、経営者は現役でいる以上、日々、自分自身との格闘を続けざるを得なく、これは猿の群れを見ていても、ボスざるの生きざまと共通するように思えます。
画像は、昨日の入社式の様子で、今年の新入社員はグループで3名で、海外部門1名、国内1名、讃匠1名で、それぞれ緊張感あふれる入社式でした。
役員も全員参加していたのですが、それぞれ、先輩として心構え等を説明し、新入社員たちがスムーズに馴染めるようにしているのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。