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うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「価値観ギャップ、消費者が求めているもの」

昨日は朝からスープ取りで、まず、骨から肉のそぎ落としの作業の後、スープ取りが始まったのです。

本日のテーマは「自己批判の精神は、日本の伝統的な精神文化」です。

来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。

※本イベントは終了となりましたが、今後も定期的にイベントを開催しております。最新情報は下記のURLから
https://www.yamatomfg.com/special-noodle-events/

シンガポールでは、スタッフたちと一緒に毎朝8時(日本時間9時)にホテルを出て、ラーメン学校に向かっています。

前回のラーメン学校では、豚の背骨を使って博多トンコツのスープを作ったのですが、骨に肉がたくさん付いていたために、肉の味が邪魔をし、美味しい博多トンコツスープが出来なかったので、今回はスープを炊く前に肉を骨から外すようにしたのですが、外してみて驚いたのは、20kgの食材から肉を外すと、骨の重さが10kgになり、半減したのです。

ジェイソンに聞くと、シンガポールでは、トンコツはバクテー等の郷土料理に使うので、わざと肉をたくさん残していて、肉の量と骨の量が半々だということが分かったのです。

日本では、反対に肉を食材として使うので、きれいにそぎ落とし、食材として値打ちの無くなった骨だけを使い、ラーメンスープを作っていたので、ラーメンスープは廃物利用の料理であったのです。

また、このことをカナダとシアトルから来ている生徒さんに確認すると、カナダとかシアトルでは、この様に肉がシッカリ付いた骨と、日本のラーメン用のように、肉がほとんど付いていない骨があり、どちらでも選べるようです。

この様に、食材ひとつとっても、国内と海外では様子がぜんぜん異なり、われわれがこの様に、海外に来ないとこのような事情は分からないのです。

そして、昨日は肉をそぎ落としたトンコツから取った、博多トンコツのスープは前回のラーメン学校と違い、非常によく出来たのです。

また、国内では当たり前のように使っている醤油、味噌も海外で日本と同じものを入手するのは非常に難しいので、海外ではその土地に合った食材の確保が欠かせず、今回は現地の醤油を使って、元ダレを作ってみたのです。

海外に出れば、その国に合った食材、その国の事情に沿ったラーメンの指導が必要であり、その国に行かねば分からないことが多く、シンガポールでラーメン学校を始めた意味は大きく、今後はこのようなことも日本のラーメン学校に反映させることが出来、日本のラーメン学校に世界中から来ても、今まで以上に的確な指導が出来るようになり、国内の学校がそうであったように、回を重ねるごとにノウハウが蓄積出来るのです。

それでは、一昨日から説明している当社の価値感の2つ目の自己批判について、更に考察を重ねていきます。

自己批判の精神は、奮闘精神と同じように、つつましく暮らしていた昔の日本人には備わっていた精神ですが、いつしか忘れ去られた精神で、人のことを思いやる心と共通しているのです。

我を優先していると、自己批判は出来ず、我を殺すことが出来る人でないと自己批判は出来ないのです。

人生とかビジネスが上手くいっていない時は、自己批判は出来易いのですが、上手くいっている時に、自己批判が出来続けるかどうかで、永く繁栄出来るかどうかが決まるので、自分の我を殺すことが出来る人でないと、自己批判は出来ないのです。

だから、自己批判の真髄は、順調にことが運んでいる時に、自己批判が出来るかどうかが問われていて、これは我を殺すことの出来る人、素直な人でないと出来ないことでもあるのです。

従って、人生においても、ビジネスにおいても、成功路線をまっしぐらの人にとって、自己批判の精神を持つことは難しいと言えるのです。

それよりもむしろ、挫折を多く経験している人の方が、自己批判の精神は持ち易いと言え、自己批判が人生において、ビジネスにおいて必須の精神であるとすれば、このことは非常に良く分かるのです。

自己批判の精神は、マズローの5段階の欲求の4番目の自己尊厳欲求に反する精神であるので、余計に難しく、人としての修練を積むか、無理やりに社内の価値感に落とし込み、習慣とする以外には、非常に難しいことであるのです。

私もビジネスを通して、多くの成功者、失敗者を見てきて、一時は非常に成功した人でも永く成功出来ていない人はすべて、自己批判の精神が足りなかった人のように思えるのです。

それだけに、自己批判の精神は簡単ではなく、社内の価値感として社内文化になるまでには、たいへんな努力を要するテーマであり、日本のほとんどの企業が気付いていないテーマでもあると思えるのです。

非常に難しいテーマであるだけに、よほどトップが強いリーダーシップを取らないと、理解出来ないテーマでもあるのです。

自己批判と最も相性の良いのは瞑想で、日々、20分以上の瞑想を通じて、自己批判がいつしか自分自身の習慣になれば、自己改革がどんどん進化していくことと思います。

丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

「3.価値観ギャップ」

戦後の日本におけるテレビ販売の成功という予期せぬ成功は、消費者の価値観についての認識ギャップがもたらした機会を示していて、日本の経済界の大物がアメリカでの講演で、テレビは高すぎるので日本の貧しい人たちには買う余裕がないと言った時点のはるか前に欧米の貧しい人たちは、テレビの与えるものが経済合理性の枠外にあることを、身をもって示していたのですが、この日本の知的な経営者は、消費者とくに豊かでない人たちにとって、テレビは単なるモノではないことが見えてなく、豊かでない消費者にとって、テレビは新しい世界との接触であり、新しい生活と人生で、テレビはその頃の人たちの生活を変えてしまい、現在は、これにあたるものはスマートフォンなのです。

フルシチョフもまた、1956年の訪米時に「ロシア人はマイカーを必要としない。タクシーの方が安くていい。」と言ったのですが、車が単なるモノでないことが見えてなく、アメリカのテイーン・エイジャーならば誰でも、フルシチョフに対し、車が単なる輸送手段ではなく、自由、移動、力、ロマンであることを教えることが出来、そしてまさにこのフルシチョフの誤解が、ソ連において、世界で最も荒々しく、起業家的なイノベーションの機会をもたらしたのが、車の闇市で、以上の事例は、「価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断がある」としていますが、まさにその通りであり、成功すればするほど、このような罠に陥り易く、少し興味を持って、周りを見渡せば、誰でも分かることなのですが、外に出ないと分からないのです。

以上のように、価値観ギャップに陥らず、反対に価値感ギャップをイノベーションに利用するには、むしろ、自己批判の精神が欠かせないのです。

外に出て、多くの物を見る意味は非常に大きく、私もお蔭で世界中を回っているので、製麺機メーカーの経営者の中では、外をたくさん見ている方であり、多くの物を見て、現実を知ることは大きな意味があり、日本は世界の常識から大きく外れていることが分かります。

「消費者が求めているもの」

以上の例は、一般的であり、次に、これらの例と同じように一般的ではあるが、事実上大きな意味のあった別の例をあげてみると、アメリカ中西部のある都市の郊外に、数年間で急成長した金融機関の1つがあり、2千支店を持つ、この証券会社は、顧客と証券業界の価値観のギャップに目をつけ、成功し、成長したのです。

メリル・リンチ、デイーン・ウイッターズ、E・F・ハットンズなどの大手証券会社は、あらゆる顧客は、自分たちと同じ価値観を持っているものと信じ、NY証券取引所の会員にとっては、行動の動機や成功の基準は利殖であると信じているのですが、そのような価値観を持つ者だけが、一般的投資家ではなく、投資家の多くは投資のプロではないのです。

一般的投資家は、プロの投資家として金を儲けるためには、十分な知識のもとに、四六時中、資金の運用に取り組まなければいけないことを知っていますが、地方の自由業の人たちや、豊かな農家や、中小企業の経営者には、そのための知識や時間がなく、本業が忙しく、稼いだものを運用に回す時間がないのです。

その中西部の証券会社が目につけたのは、価値観ギャップで、外見上は、ほかの証券会社と変わらないし、NY証券取引所の会員でもあるのですが、この証券会社は業務のうち、取引所を通すものは全体の8分の1に過ぎず、ウオール・ストリートの証券会社が力を入れているオプション取引や先物取引には手を出さず、もっぱら自分たちが「懸命な投資家」と呼ぶ人たちを顧客にしていて、利殖の約束はしないのです。

実は、この利殖をしないということが、アメリカ証券業界ではイノベーションであり、株の売買に精を出す顧客を求めないで、自由業の人たちや豊かな農家や中小企業の経営者など、支出が堅実で、収入が支出を上回るという人たちを顧客にしているだけで、この証券会社は、財産を守りたいという彼らの心理に働きかけていて、扱う商品は、株式、公社債に加え、年金、パートナーシップ投資、不動産投資信託などであり、この証券会社が提供するものは、ウオール・ストリートの証券会社が売ってきたものとはまったく異なる価値、すなわち安心であり、これこそが、「賢明な投資家」にとっての魅力ある価値あるものだったのです。

そのような顧客は、ウオール・ストリートの証券会社の価値観に反しているので、最初は、ウオール・ストリートの証券会社は、そのような顧客の存在さえ知らなかったのですが、今日では、この証券会社の名前は広く知られていて、成長している証券会社として必ず名前が出てくるのですが、今日にいたるも、大証券会社のトップたちは、そのような競争相手が成功していることはもちろん、存在していることさえ認めようとしないのです。

このように、価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断があり、「貧しい人たちが何を買えるかを知っているのは、彼ら貧しい人たちではなく私である。」という考え方があり、フルシチョフが言ったことも、「マルクス主義者ならば誰でも知っているように、人間というものは経済的合理性に従って行動するものである。」ということで、あらゆるギャップのうちで最も多く見られるのが、この価値観ギャップであり、イノベーションを行なう者が価値観ギャップを利用しやすいのは、このためで、しかも彼らは、邪魔されずに放っておかれるのです。

以上の例では、一般的な証券会社にとっての、自分たちと価値観を共有出来る顧客だけを証券会社の顧客と信じていたのですが、新しい証券会社はそうではなく、今まで一般的な証券会社の価値観とは相容れない顧客、即ち、ノン・カスターを顧客にし、今までの証券会社と価値観のまったく異なる顧客をカスタマーにして、大成功したのです。

ドラッカーは、まだ顧客になっていない人たち、すなわち、ノン・カスターへのフォーカスを勧めていて、その人たちは、自分たちの今までの価値観とは違った価値観を持っている可能性の高い顧客で、ノン・カスタマーこそ、これからの可能性の高い顧客になる得る存在であり、生産者や販売者は、ほとんど常にと言ってよいほど、顧客が本当に買っているものが何であるかを誤解しているのです。

もちろん彼らは、自分たちにとっての提供している価値が、顧客にとって価値があるという信念をもたなければならないのは言うまでもなく、いかなるものであれ、一つの仕事に成功するためには、その仕事の価値を信じ、真剣に取り組む必要があり、化粧品の生産者は化粧品の意義を信じなければならず、さもなければ、製品そのものが陳腐化し、顧客を失っていき、病院の経営者は、医療を絶対的な善として信じなければならず、さもなければ、医療も看護も直ちに質が低下していくのです。

しかしそれにもかかわらず、生産者や販売者が提供していると思っているものを買っている顧客は、ほとんどいないのであり、彼らにとっての価値や期待は、ほとんど常に供給者の考えているものとは異なり、そのようなとき、生産者や販売者が示す典型的な反応が、消費者は「不合理」であって「品質に対し金を払おうとしない。」と言うのですが、実は、この種の苦情が聞かれるときこそ、まさに生産者や販売者が顧客の価値と信じているものと、顧客にとっての本当の価値との間にギャップが存在すると考えるべきなのです。

したがって当然、具体的で、しかも成功する確率の大きなイノベーションの機会を探さなければならず、価値観ギャップは、すべてのギャップの根本であり、価値観ギャップを理解することが、すべてのギャップからイノベーションを起こす、最も近道であることが分かるのです。

自社、自店のカスタマーとノンカスタマーを比較すると、ノンカスタマーの方がはるかに多く、お客さまの数を増やし続けるには、ノンカスタマーをカスタマーに変え続ける以外にはなく、ノンカスタマーの持っている価値感は、自社、自店の持っている過去の価値感と異なることが多く、お客さまが持っている価値感は時代と共に変化し続けているので、過去の価値感に固執し続けていると、ビジネスの世界から置いてけぼりを食ってしまうことがあるのです。

従って、お客さまの価値感の変化に気づくことは非常に重要であり、麺ビジネスの世界で、お客さまの価値感の変化を捉えて非常に成功した事例は多くあり、イノベーションを起こして成功した麺ビジネスはすべて、価値観ギャップを活用して成功しているのです。

セルフのさぬきうどんで最初に成功した「はなまる」は、それまでのセルフのさぬきうどん店は、主に男性向けで、女性が胸を張って入れるようなきれいな店ではなく、どちらかと言えば、「早い、安い、旨い」を実現していたのですが、「はなまる」はその上に、きれいな店を作り、女性でも胸を張って入れるようなきれいな店を作ったのです。

次に「丸亀製麺」は、それまでのさぬきうどん店、或いは一般的な麺専門店は製麺機をバックヤードに置いて、わざとお客さまの眼に触れないようにして、実際は機械製麺をしているのに、手打ちと謳っている店が多い中で、製麺機を前面に置いて、実演自家製麺の店を作り、過去の価値感を打ち破り、今までの麺専門店の店主の、お客さまは手打ちを好んでいるが、機械製麺は好んでいないという価値感を打破したのが、「丸亀製麺」であったのです。

そして、「はなまる」とか「丸亀製麺」が麺専門店の価格破壊を起こし、かけうどん1杯100円とか、280円の価格が、それまで都内の蕎麦店等では、かけそば、かけうどんの価格を500円~600円に設定していたのですが、価格に関する信頼性を失わせる原因になり、余計にビジネスに大きな影響を与えたのです。

過去、多くのうどん店、蕎麦店のお客さまは昼のサラリーマンであり、昼の営業で成り立っていて、昼間の回転率を上げることがビジネスで成功する原則であると認識していたのですが、生産年齢人口の減少と共に、サラリーマンの数が減少し、サラリーマンをターゲットにした、高回転型ビジネスが成り立ち難くなり、反対に、東京都町田市の当社のユーザーさまである、「カフェ中野屋」のように、本格的なカフェで、うどんを提供し、昼間の時間当たりの回転数は重視せず、1日を通してのトータルの回転数で非常によい成果を上げているのです。

以上のように、最近、成功しているビジネスの多くは価値感ギャップを活用していて、現在の業績が伸びなかったり、少しでも下降しているのであれば、価値観ギャップが起きていると理解し、解決策を見出すことが、イノベーションによる成果を上げる一番の近道であり、これを成功させるには、自己批判による内省が欠かせないのです。

昨日は朝からスープ取りで、まず、骨から肉のそぎ落としの作業の後、スープ取りが始まったのです。

この様に、一度にさまざまなスープを取るので、あらゆるスープを一度に作ることが出来るのです。

博多トンコツも鶏白湯も最高の出来でした。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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