本日のテーマは「お客さまへのフォーカス」です。
来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。
※本イベントは終了となりましたが、今後も定期的にイベントを開催しております。最新情報は下記のURLから
https://www.yamatomfg.com/special-noodle-events/
シンガポールからの深夜便のフライトは、昨日の朝6時前に羽田に到着し、出迎えのスタッフに案内されてホテルに入り、12時までホテルで仮眠を取り、その後、うどん学校の実技最終日の作品チェックに参加しました。
先月は、シンガポールから到着後、ホテルを取っていなかったのですが、今回はスタッフたちの計らいで、仮眠用のホテルを確保してくれていたので、12時までの仮眠でかなり快適になりました。
深夜便のフライトでも、私はフライト中は余り眠ることが出来ないので、本当は現地に夜到着するようなフライトの方が楽なのですが、このような深夜便も到着したらすぐ仕事が出来るので、これはこれで便利なのです。
昨日は、東京のうどん学校のスタッフ2名とドリームスタジオ・ソウルのジョンさんを交えて、学校終了後に食事に出かけたのですが、その席上で先日参加した本社での営業会議のことで話が盛り上がったのです。
営業会議では毎回、会社の価値感、ポリシー、戦略等について話し合っているのですが、私は会社として利益を出すことは当然大切ですが、それよりももっと大切なことは、会社が多くのお客さま方から、なくてはならない存在であると思って戴けることであると説明をしたのです。
要するに、大和製作所がこの業界で活躍してくれたお蔭で、業界が、世の中が良くなったと言って戴けることであると確信しているのです。
当社が存在したお蔭で、業界の人たちが製麺機で怪我をしなくなったとか、麺が美味しくなり、多くの人たちを喜ばすことが出来たとか、無添加とか、無化調の安心安全な麺類を提供して、多くの人たちの健康増進に役立つことが出来たとか、当社がビジネスを通して行っていることにより、少しでも世の中が良くなっていくことが大切であると思っているのです。
だから、目先の儲けよりも世の中を良くする方に取り組んでいると、最終的に多くのお客さまに喜んで戴けて、利益が出るようになると思っているのです。
銀行とか、金融機関から見れば、たくさんの利益を出す企業の方が頼もしく見えると思いますが、私は目先の利益よりもどれだけ世の中に貢献したかの方がもっと大切であると信じているのです。
或いは、上場していれば、どれだけ大きな利益を出すか、或いは毎期、最高益を更新し続けることが株価が高くなり、評価されるわけですが、われわれは、そのような利益最優先のビジネスではなく、世の中に役立つことを最優先したビジネスを展開する必要があるのです。
これは、最終的に当社の持っている価値感であり、使命であり、同時に経営理念であり、まず最初に価値感、使命、経営理念が決まり、結果として、このような行動になっていくのです。
40年前に起業した時には、このような基本的なことは何も分からずに起業したので、多くの失敗を繰り返した結果、ビジネスにおいて一番大切なことを理解することが出来たので、これからビジネスを始める人たちに、ビジネスにおいて最も大切なことを最初に教えているのです。
ビジネスを始める生徒さんたちにとって、簡単に理解して貰えることではないのですが、当社のスタッフたちにとっては当たり前のことであり、同時にスタッフたちにとって、自分たちが日々行なっていることが世の中に貢献していることは、たいへん誇らしいことでもあるのです。
私が経営講義を通して、生徒さんに説明するだけでなく、生徒さんたちが当社のスタッフたちを通して受ける刺激も、生徒さんたちに以上のような考えを理解して貰うことにたいへん役立っているのです。
先日、来社し、当社で製麺のトレーニングを受けた上で、シンガポールのラーメン学校に参加した女性の生徒さんは、シンガポールのラーメン学校に参加した他の生徒さんたちに、彼女が当社で受けたサービスについて熱心に話していたのです。
突然の来社で、当社で事前トレーニングを受けることを期待せずに当社に来たにも関わらず、2日間にわたり、2人づつのスタッフが付き添い、製麺のトレーニングとメンテナンスのトレーニングを行ない、当社の宿舎に泊めてあげたのです。
そして、本社の食堂で食べたオーガニックの食事に感動し、当社のスタッフたちの親切な応対への感動を、一緒に参加している生徒さんたちに伝えていたのです。
以上のような対応は、当社にとって、急な来客であり、スタッフたちの負担は増えるだけなのですが、お客さまにとってはどれだけ助けになるか分からないのです。
もし、マニュアル通りであるとか、儲けを優先すれば、当然このような行動を取ることはあり得ないのですが、われわれの価値感は少し違っているので、異なった行動を取ることが出来るのです。
当社の価値化の一番目では、「顧客を中心に据え、奮闘者を根幹とし、苦しい奮闘を長期にわたって続ける」であるので、常にお客さまが第一番目に来ているのでそのような行動に自然に向かうのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「5つの前提と3つの条件」
前記の例、とくに岩佐多聞の成功は、ニーズに基づくイノイベーション、とくにプロセス・ニーズによるイノベーションが成功するためには、以下の5つの前提があることを教えているのです。
(1)完結したプロセスについてのものであること
(2)欠落した部分や欠陥が1ヶ所だけあること
(3)目標が明確であること
(4)目標達成に必要なものが明確であること
(5)現状より「もっと良い方法があるはず」との認識が浸透していること
つまり受け入れ体制が整っていることなのです。
「ニーズの理解」
しかも、ニーズに基づくイノベーションには3つの条件があるのです。
第一に、何がニーズであるかが明確に理解されていることであり、何となくニーズがあると感じられてだけでは不十分で、それだけでは、目標の達成のために、何が必要なのかを明らかにしようがないのです。
例えば、数学教育に問題があることは、何百年も前から感じられているのですが、数学が簡単にわかる生徒は少なく、恐らく5人に1人もいないだけでなく、残りは一生数学が分からないままであり、確かに集中的に繰り返し勉強させれば、試験で合格点を取れるようにすることは出来、日本では特に、数学に力を入れることによって合格点を取れるようにしているのですが、だからといって、日本の子供たちがとくに数学が分かっている訳ではなく、試験のために勉強するが、その後は忘れてしまうので、10年たって20代も後半になれば、欧米人と同じように合格点は取れなくなるのです。
もちろんいつの時代にも、才能のない生徒でさえ、数学が分かるようにしてしまう天才的な教師がいるのですが、誰も真似ることが出来ず、ニーズは感じられているのですが、だが理解はされていないので、数学を教える上で必要とされるのは、天賦の才か方法論か、或いは心理的、情緒的な問題が絡むのか、それについては誰も知らず、まさにニーズが充分に理解されていないために、解決策も見つかっていないのです。
これは、日本における数学教育だけではなく、英語教育についてもまったく同様であり、ニーズが明確ではなく、もし、シンガポールのように公用語のひとつが英語であれば、ニーズが明確であるので、英語教育も今のような状態ではないはずで、従って、プロセス・ニーズによるイノベーションでは、まず最初に、ニーズが明確であることは欠かせないのです。
「知識の入手可能性」
第二に、イノベーションに必要な知識が手に入ることであるのです。
製紙業界には、現在よりも無駄が少ない経済的なプロセスという明確なニーズが以前からあり、既に1世紀にわたって、多くの優秀な人材がこの問題に取り組んでいて、ニーズが何であるかは明確に理解されていて、リグニン分子のポリマー化であり、これは容易なはずであって、既にほかの分野では行われていて、十分な経験を持つ優れた人たちが、1世紀に及ぶ絶え間ない努力をしてきたにもかかわらず、そのための知識は得られていないので、相変わらず「何か別の方法を試してみよう」と言っているだけなのです。
ライト兄弟が飛行機を発明する前から、人類が空を飛ぶというニーズはあったのですが、知識が不足していたので、実現していなかったのですが、ライト兄弟が初めて、試行錯誤の結果、知識を身につけて人類による飛行を始めて可能にし、一旦知識が出来上がると、それからの飛行機の進歩はたいへんな速度で、世界中に広がったのは、写真とまったく同じであったか、写真よりも早かったのです。
最近では、同じようなものにインターネットがあり、この広がりの速度は、更に早くなっていて、知識の活用によるイノベーションは加速していくと言えるのです。
「使い方との一致」
第三に、問題の解決策が、それを使う者の仕事の方法や価値観に一致していることであるのです。
写真の素人は、初期の写真技術があまりに複雑なため、使いこなせなかったので、彼らは、とにかく簡単に、ある程度の出来栄えの写真が撮れるようになることを望んでいたので、労力や技術を不要にしてくれる、プロセスを受け入れる素地はあり、同じように、眼科の手術医は、優雅で流れるような出血のないプロセスに強い関心を持っていたので、これを可能にしてくれる酵素は、彼らの期待や価値観に一致していたのです。
ところが、明確なニーズに基づくイノベーションでありながら、当事者の仕事のやり方に合わなかったために、なかなか受け入れられない例が実際にあり、すでにかなり前から、弁護士、会計士、技師、医師などの専門家が必要とする情報の量は、それを見つける能力の向上を上回って増大していて、彼らは、専門図書館やハンドブック、或いは情報サービスで情報を探すのにかなり時間をとられるとこぼしているので、当然、優れたデータバンクが成功するはずで、コンピュータのプログラムとデイスプレーが、弁護士は判例、会計士には税制、医師には医薬品や毒物の情報を、直ちに与えることが出来たのですが、今日、それらのデータバンクは、収支に見合うだけの加入者を得るのに苦労しているのです。
例えば弁護士向けの判例検索サービスであるレキシスでさえ、必要な数の加入者を集めるのに、10年以上の年月と膨大な費用がかかったのですが、その理由は、おそらくデータバンクが、問題をあまりに簡単に解決してしまうことにあり、専門家というものは記憶力、即ち必要な情報を記憶し、或いはその情報の取材地を記憶する力を大切にするので、未だに弁護士を志す若者は、「必要な判例は覚えるように。或いはどこにあるかを覚えるように。」と先輩から言われるのです。
従って、データバンクは、いかに仕事に役立ち、時間と費用を削減してくれたとしても、彼ら専門家たちの価値観に反し、ある有名な外科医は、自分の行なった診断をチェックし、治療に必要な情報を与えてくれるサービスをなぜ使わないかと聞かれて、「簡単に探せたのでは、私が要らなくなってしまう」と答えたというのです。
当社が製麺機「真打」を開発した時も同じ様なことが言えて、今から考えれば、嘘のような話ですが、それまでの手打ち職人のプライドが、このような機械でうどんを打つことを認めなかったのです。
ニーズによるイノベーションの機会は、体系的に探すことが出来、電気に関してエジソンが行なったことが、それであり、ヘンリー・ルースはエール大学の学生だった頃に行ない、ウイリアム・コナーが行なったこともそれだったのです。
ニーズに基づくイノベーションは、まさに体系的な探求と分析に適した分野であり、ひとたびニーズを発見したならば、まず、先に述べた5つの前提に照らしてみることが必要であり、しかる後に、3つの条件に合致しているかどうかを調べることが不可欠であり、すなわち、ニーズは明確に理解されていて、必要な知識は現在の科学技術で手に入れられるか、そして得られた解決策は、それを使うはずの人たちの使い方や価値観に一致しているかであるのです。
昨日は、昼から東京支店で、うどん学校の生徒さんたちの最終作品のチェックと修正を行ないました。
併せて、新しい盛り付けにもチャレンジしてみたのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
昨日は午前中は、ラーメンの仕上げ、午後からは、経営講義で私のフライトの時間ギリギリまで、経営講義を行ない、深夜便で羽田まで移動し、本日は、昼からうどん学校に参加し、生徒さんの作品のチェックをしました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。