本日のテーマは「人口減少の現実を見る」です。
一昨日は昼から松山の取引先を訪問し、そのまま松山で一泊し、朝一便で羽田へ向かったのですが、空港まで送って貰ったタクシーの運転手さんが話し好きで、聞きもしないのに次つぎと愛媛県と松山市について話してくれたのです。
愛媛県の人口は現在138万人程度ですが、ピーク時が約30年前で、ピーク時には153万人だったのですが、ピークよりすでに1割以上も減少していて、すでに1割以上も減少していることに驚きました。
だから、日本でも地方の県ほど、愛媛県同等、或いは愛媛県以上に人口減少が進んでいるはずです。
因みに香川県の人口は現在98万人で、ピーク時は17年前で、ピーク時には103万人であり、ピーク時より5%の減少で、香川県は愛媛県より人口減少は緩やかであることが分かるのです。
日本の総人口のピークは、平成20年12月の1億2809万9千人ですが、平成28年4月1日現在(概算値)は1億2698万人で、ピークの8年前から既に、111万人の減少ですが、減少率は0.87%しかないので、ほとんど減少していないと同じなのです。
このように日本全体では人口減少率はまだわずかですが、地方では人口減少率が大きく、自分がビジネスをやっている場所、県の人口減少率を把握しておくことが大切なのです。
人口減少率が大きければ大きいほど、ビジネス環境は悪くなるので、少子高齢化の進んでいる地方ほど、不景気度が深刻であるのです。
このように、日本全体を見れば人口減少はわずかであるのですが、地方によれば、大きな変化が起きていて、これは総人口だけでなく、若い人、働き盛りの生産年齢人口はもっと大きく変化しているのです。
日本での生産年齢人口のピークが1995年ですが、国内でのビールの出荷量は1994年がピークで、現在はピークの75%になっているのです。
このようにビジネスには総人口、生産年齢人口が大きく影響していて、知らず知らずのうちに、われわれのビジネスに大きく影響をしているのです。
だから、国内市場だけで勝負していて、過去と同じようなビジネスの延長線上でやっている場合、ほとんどは前年対比を割り続けているはずですが、もし、前年対比を割らないで、伸び続けているとすれば、相当な努力をしているか、或いは、時流に合ったビジネスをやっているかのどちらかなのです。
過去、ビジネス系のコンサルタント等のほとんどが人口推移について、触れていないのですが、ドラッカーが指摘しているように、人口推移ほどビジネスに重要なファクターはないのです。
これからの日本におけるビジネスは、人口が大きく減少を続けていくので、不景気に突入し、不景気の度合いがますます厳しくなっていく中で奮闘し続けていかねばならないことを、まず理解する必要があるのです。
但し、人口が大きく減少していても、高齢者だけは増え続け、年齢層で言えば、一番幸福感を感じ、一番お金を使う年代が70歳代なのです。
70歳代は、これから先の余命も分かり、自分があと何年生きるかもほぼ分かってくるので、今まで貯めたお金を思い切って使える年代なのです。
今の時代の70歳代は、私が小さいころの60歳代のお爺さん、お婆さんよりもっと元気なのです。
お金を持ち、元気であり、人口も多い、60歳代中盤から80歳にかけてのシニアは、これからの目指すべき客層とし、可能性の非常に高い客層なのです。
特に地方に行けば行くほど、高齢者が多いので、お客さまがたくさんいることになるのですが、多くの新規開業者は田舎ではビジネスをやりたがらず、都会とか、人口の多いところを狙うのです。
人口の多いところは競争も激しく、利益を上げることはなかなか難しいのですが、田舎で高齢者相手のビジネスは競争のないブルーオーシャンであり、利益を上げやすいのです。
このような話をいつも麺学校の生徒さんたちにするのですが、なかなか腹から理解する生徒さんはほとんどいないで、ほとんどの新規開業者の人たちは、相変わらず同じように、サラリーマンをターゲットにしてしまうのです。
このような人口減少をもっとも真剣にとらえて対処しているのが、コンビニエンスで、高齢者、独身世帯向けの惣菜等をシッカリ準備したり、配送を行なっているのです。
だから、コンビニエンスを見ていると、これからの日本の食の未来が透けて見えるので、私はいつもセブンイレブンを定点観測しているのです。
同時に外食ビジネスを一番狙っているのがコンビニエンスで、コンビニエンスとは絶対に競争しないような仕組みが大切であるのです。
本日も当社の価値感を掲げ続けます。
1. 顧客に深くフオーカスし、絶えざる奮闘精神で、価値ある奮闘を長期にわたって続ける(顧客との深いコミュニケーション)
2. 自己批判(内省、フィードバック、自己とのコミュニケーション)
3. オープンな姿勢と進取の精神(アライアンス、イノベーション)
4. 効率の追求(利益、コスト)
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
そのために、知識によるイノベーションを起こす場合の必須条件は、次の3つの要件を満たすことであったのです。
1.分析の必要性
第1に、知識によるイノベーションに成功するには、知識そのものに加えて、社会、経済、認識の変化などすべての要因分析をする必要があり、起業家たる者は、その分析によって、いかなる要因が欠落しているかを明らかにしなければならないのです。
2.戦略の必要性
第2に、知識によるイノベーションを成功させるためには、戦略を持つ必要があるのです。
3.マネジメントの必要性
第3に、知識によるイノベーション、とくに科学や技術の知識によるイノベーションに成功するには、マネジメントを学び、実践する必要があり、事実、知識によるイノベーションは、ほかのいかなるイノベーションよりも、マネジメントを必要とするのです。
◆ 時間との闘い
前項を復習すると、100年前には、知識をもつ人、とくに科学や技術によるイノベーションのために、直ちに働きはじめる用意のある訓練された人材を、ごくわずかの国しかもたなかったのですが、今日では、きわめて多くの国が、持っているのです。
知識によるイノベーションの場合、常に「解放期」が起こり、多くの企業が参入し、その後の「整理期」で、ほとんどの企業が淘汰されることを繰り返しているのです。
これらのことは、「2つの意味」をもつのです。
第1に、科学や技術によるイノベーションを行おうとする者にとっては、時間が敵であり、ほかのイノベーション、すなわち、予期せぬ成功や失敗、ギャップの存在、ニーズの存在、産業構造の変化、人口構造の変化、認識の変化にもとづくイノベーションにとって、時間が味方であるのとは大違いであるのです。
科学や知識以外のイノベーションでは、イノベーションを行う者は放っておかれ、たとえ間違っても、修正する時間があり、新しいベンチャーに着手するチャンスも、数回はあるのですが、知識、とくに科学や技術によるイノベーションでは、そうはいかないのです。
新規参入が可能な開放期は短かく、チャンスは2度となく、最初から失敗してはならないのであり、環境は厳しく仮借なく、開放期が過ぎれば、チャンスは永久に失われるのです。
しかし知識産業のなかには、最初の開放期が終わって20年、30年後に、再び開放期が始まるものがあり、コンピュータがその一例であり、コンピュータ産業の最初の開放期は、1949年から55年頃まで続き、当時、世界の電機メーカーのほとんどすべてが、コンピュータ産業に入っていったのです。
アメリカでは、ウエステイングハウス、RCA、イギリスではブリティシュ•ゼネラル•エレクトロニクス、プレッシー、フェランティ、ドイツではジーメンスとAEG、オランダではフィリップスだったのですが、しかし1970年には、それら大手電機メーカーは、すべて不名誉な撤退を余儀なくされたのです。
残ったのは、1949年には存在さえしていなかったような企業であり、あるいは、限界的な存在だった中小の企業であり、アメリカでは、IBMのほかでは、中小のコンピュータ•メーカー7社で、イギリスでは、ICL、GEのコンピュータ部門、プレッシーやフェランテイの残骸であり、フランスでは政府の手厚い保護のもとに、ようやくいくつかのメーカーが残り、日本でも、長期にわたる政府の保護のもとに、辛うじていくつかが残ったのです。
そして1970年代の末、ワープロ、ミニコンピュータ、パソコン、コンピュータと電話交換機の結合をもたらすことになった半導体の出現に伴い、2回目の開放期が始まったのですが、1回目のラウンドで失敗したメーカーは参入せず、1回目のラウンドに生き残った者の多くも、2回目には参入しなかったか、或いは、いやいや遅れて参入したのです。
ユニバック、コントロール•データ、ハネウェル、バローズ、富士通、日立のいずれも、ミニ・コンピュータやパソコンでトップをとろうとはしなかったのですが、例外は、1回目のラウンドのまぎれもない勝者、IBMであり、このようなパターンは、知識にもとづくほかの分野のイノベーションにも見られたのです。
第2に、知識によるイノベーションの開放期が混み合ってきたために、イノベーションを行う者の生き残りの確率が小さくなったのです。
開放期における新規参入者の数は、今後増える一方となるのですが、産業構造は、ひとたび安定し成熟してしまえば、少なくとも1世紀は安定的に続くのです。
もちろん産業構造は、産業によって大きく異なり、技術、資金、参入の容易さ、市場のローカル度によって変わり、それぞれの産業には、それぞれ特有の構造があり、産業によっては大企業、中企業、小企業、専門化した企業など、多様な企業がありうるのです。
ところが、コンピュータ産業や近代銀行業のような知識にもとづく産業の場合は、市場は1つになり、グローバル市場であり、したがって、知識によるイノベーションを行う者のうち、その産業が成熟し安定するまで生き残れる者は、もはやあまり多くはないのです。
しかも主としてグローバル市場と通信の発達により、開放期における新規参入者の数は、大幅に増加しつつあり、ひとたび整理期がくれば、死亡率は昔よりもはるかに高くなり、しかも、整理期は必ずくるので、それは避けられないのです。
自社がどの産業に属するかにより、グローバル市場で闘うのか、ローカル市場で、生き残れるかが決まってくるのですが、簡単に世界流通出来るようなコンピュータの世界は、グローバル市場になり、鉄道のようにその地域のお客さまだけを対象にする場合は、ローカル市場だけの競争になるのです。
昨日は、ラーメン学校のスープ取りの日で、ラーメン学校の中で一番遅くなる日であり、熱心にスープを取っていました。
途中で工場長の橋本さんと一緒に打合せをおこなったりしたのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。