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うどん・ラーメン・そば屋開業・繁盛店を目指す|「周到な準備」について

うどん学校

本日は、「開業で失敗しないための10ヶ条」の内の 4.「周到な準備」についてです。

麺専門店を開業する場合に非常に重要なテーマが、準備に十分な時間をかけること、「周到な準備」をすることです。ほとんどの失敗する方は、準備がおろそかになって失敗している方が非常に多いです。

例えば、私はもともとエンジニアで、機械の設計をしていました。いい機械を設計するには一番重要なことは、構想をしっかり立てることですが、まずデザインフィロソフィにあたるコンセプトを明確にして、

「何のためにこの機械を設計するのか?」と、

この機械の設計の本質を深く考えてみることです。

弊社の製麺機の場合だと、安全性を優先したり、麺の美味しさを優先したり、あるいは、コンパクトなスペースや使いやすさ、そしてデザイン。検討しなければならない要素が沢山あります。それらに「優先順位」をつけることが重要なのです。機械もむやみやたらに大きくしたり、材料費を沢山かけたり、コストをうんと上げたりすることは競争原理から言えばできません。

できるだけコンパクトで、価格は高すぎなく、扱うのが容易で、堅牢で長持ち、故障がない製品。そういった要素を盛り込んで設計してこそ初めて売れる機械ができるわけです。

そのためにはまず、図面を書いたり作ったりする時間よりも、一番時間をかけなければいけないのは「構想の段階」なのです。これに時間をしっかり取るかどうかによっていい機械が生まれるか、そうでないかが決定します。

麺専門店も同様です。あるいはもっとわかりやすく言えば、家を建てる場合も同じです。家を建てる場合も、「何のためにその家を建てるのか」を、とことん考え抜きましょう。

若い人であるなら今から子育てがあり、子供たちが育っていく段階で、その家が将来の家族のために非常に役立つ家かどうかを。
ある程度の中年の方が家を建てるのであれば、将来を見越して老後になった時に暮らしやすい家かどうか、そういうことも踏まえて家を建てます。
子供を育てるため、老後の豊な生活の為、5年~30年先のことを考えながら建てるわけです。要するに「過去」ではなくて「未来」を考えながら家を建てるわけです。
以上を踏まえて、考えてみれば過去の成功事例、今までの成功事例を考えて麺店を創業しても成功する可能性は低いと言えるのです。

最近では、
「今までこんな店が成功してきた、だからこういう風な店を作ろう」
「あそこであんな店が成功している、だからあの店を真似してやろう」
とかいう方が非常に多いのが見受けられます。

そうではなく、今の日本の状況を考えて、これからどういう風な店が繁盛しそうか、どういう風なビジネスが成功しそうなのか、過去ではなく未来思考でなければならないのです。

日本の場合、今から25年くらい前までは高度成長時代で、日本が非常に経済的に成功した時代でした。25年前から日本の状況が大きく変わり、現在はこれから日本は決して成長がありえない縮小経済の時代になってます。

そういった時代のビジネスはどういう風なビジネスでなければいけないか?
何年も先のことを考えてビジネスを企画しなければいけないのです。

この辺を踏まえて、再度、家を建てる場合に戻ってみると、まず構想段階において、間取りを考えたり、家族構成を考えたり、来客の事を考えて、方角とか吉相とか、それから自分が持っている資金的能力などを踏まえて家の構想に取り掛かります。

建築設計士の方はそういったデザインだけではなく強度計算とかそういうことをしなければなりません。構想の時間や設計の時間が大半で、実際に家を建てて完 成するまではほんの数か月で完成してしまいます。店舗の場合も全く同じで、準備において構想の準備を十分時間をかけていくことが最も重要なのです。

以上のように、自分がもっている価値観をもう一度よく理解しなおしてみましょう。

価値観が正しく、明確になってくると
「なぜ自分がこれを人生をかけてやらなけらばならないのか」
「たった一回の貴重な人生をかけてなぜこのビジネスをやるのか」
という使命が明確になります。

それを踏まえてビジネスの本質であるコンセプトを明確にします。

次に今の時代背景を考えてこれからの時代に合っているものなのかを考えて、それから能力、自分の持っている能力・資金力・経営能力・実施力等にあっているビジネスかどうか。
売上規模はどのくらい狙うのか 売り上げ利益はどのくらい狙うのか。どういうお客様に来ていただくのか そして店のレイアウトと出店場所。そういうことを明確にしていくわけです。

このように事前に検討をしていかなけらばならないこと、要するにハードではなくソフト的な部分が一番重要なわけで、これに十分時間を取ることが重要です。

いったん建ててしまうともう一度建て直すことはほぼ不可能です。
事前に時間を取ってそういうことがないようにすることが重要です。

構想の段階で使命やコンセプトが明確になれば、その結果そのお店にふさわしいお客様も明確になります。お客様が明確になれば、事業計画書ができて、お店のレイアウトも最適化されます。

いわば、周到な準備をすれば、ビジネスを始める前にこのビジネスがどのくらい成功するか、可能性があるかどうかということが判ってしまうのです。

お店を始めてから結果が出るのではなく、始める前にある程度の結果が既に出てくるわけです。

大半の新規開業者はほとんど準備に時間をとっていません。準備に時間を取ってないために、今までのその辺りにあるお店と殆んど変わらないお店を開店してし、似たようなビジネスをやってうまくいきません。

成功の可能性のないビジネスに大切な自分の人生を使ってしまってるんです。ビジネスを始めてからの時間は非常に長い時間です。
その長い時間のために少し余分に準備の時間を取るというのは決して無駄なことではないのです。それこそが後の長いビジネスの時間を非常に成功出来るかどうかが決定するわけです。

写真は本日の、人生のロスを無くす大和うどん学校 [2014年9月校] の一面です

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジティブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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