昨晩、横浜のホテルに入ると8時前で、本社から来ている柿本さんと合流してホテル近くの横浜中華街で夕食を摂りました。
連休中とあって、街は多くの人たちで溢れかえっていましたが、お客さまで一杯の店とそうでない店の大きい落差がありました。
夕食を摂ろうと、店を探し回りましたが、お客さまがいない店は入りたくないし、一杯な店は待たされます。
それでも暇な店には行きたくないので、繁盛店を目指して行きましたが、さすがに連休の間は、商品のレベルが残念ながら普段より低かったです。
われわれは何度かこの店に来たことがあるので、こんなに落差があるのを見るのは残念でした。
多分、三連休では観光客のような一見客を対象にしているので、こんなことをしていたのかも知れません。
しかし、こんなことをすると、いつも信頼して来店するお客さまを裏切った結果になり、結果として店を駄目にしてしまいます。
このような飲食店だけでなく、ビジネス・ホテルの価格にも驚きました。
関内にある全国チェーンのビジネス・ホテルでも、価格は普段の2倍で、安いシテイ・ホテル並みの価格でした。
それでも、お客さまはホテル内に溢れかえり、今朝の無料朝食の時間には、食堂に長蛇の列が出来ていました。
北海道のような、繁閑の差の大きい場所も価格差が大きいのが特徴ですが、横浜のような普通の場所でもこんなにホテル代の差が大きいのには驚きました。
繁閑の落差による、ある程度の価格差は当たり前だと思いますが、2倍以上になると、価格に対する信頼が無くなってしまいます。
例えば、過去、マクドナルドが極端に価格を下げたり、上げたりして、価格に対する信頼がなくなってしまいました。
従って、お客さまがたくさんいるから価格を上げる、少ないから価格を下げるのは余り良い方法には思えません。
冬季に札幌に出張し、ホテルに泊まると、かわいそうな位に価格を下げているホテルがあります。
安いのは有難いのですが、ここまで価格を下げる必要があるのかと思ってしまいます。
商品の場合、価格が一番信頼のベースであると思います。
併せて、お客さまが多い、忙しい時は商品の品質を落としたり、普段は商品の質を戻すのも当たり前ではあると思いません。
このような裏表のあるのは、信頼を保つのが難しいと思います。
改めて、海外へ進出するということは、相当な努力が必要で、一筋縄ではいかないことが分かります。
今回のダイキン工業のような機械メーカーの場合は、開発に対する考え方も深い話があることが分かります。
41.日頃からサロン的ロビー活動を
日頃から各国の政府関係者やキーパーソンと交流を深めておくことも大事です。ロビー活動と言っても、お金を払って政治家などにアプローチし、自社に有利な政策に誘導しようとする活動とは違います。
当社の環境ロビー活動は、国際機関の関係者や各国の政策担当者、オピニオンリーダーらに、国際ルールや政策の決定に必要な情報を提供したり、当社が改めて調査したりして協力するようなサロン的な活動です。
空調への理解が深まれば、偏った情報に基づく政策決定や行き過ぎた規制の抑制にもつながります。
42.現場だけで軌道修正するのは容易ではない
変化の兆候を読み取り、それに対応するのは現場だけでは難しいからです。
何か違和感を覚えても、現場は自信がないまま走り続けたり、立ち往生したりしてしまうものです。
それまで走ってきた路線を軌道修正するのは容易ではありません。
だからこそ、トップがいち早く「答え」を出し、現場が不安を感じて逡巡したり、迷走したりするロスをなくさなければなりません。
43.国際ルールづくりに参加するときに注意すべきこと
国際ルールを策定する場ではコミュニケーションが何より重要です。
理屈や理論を示すだけでなく、実際に何度も足を連んで説明する。
相手の主張や疑問、関心事をしっかりと聞き、それに応えていかなければ信頼は得られません。
自社の利益を声高に主張するのではなく、社会全体の最適を考えて導き出した結論を論理性、客観性を兼ね備えて主張する必要があります。
44.グローバル競争に勝つには国際ルールをつくる側に回る必要がある
日本の政府や企業は一般に、国際標準化機構(ISO)などの国際機関を通じた標準化、デジュールスタンダード決定プロセスに戦略的に対応する姿勢が乏しいように思います。
しかし、グローバル競争で勝つには、主体的に決定プロセスに参画し、国際ルールを「つくる側」へと回る必要があります。
45.開発に求められるのは「π字型」人材
私は最近、「π字型」の人材という言葉をよく使っています。
何かひとつの専門領域を掘り下げるのが「I字型」で、幅広い知識とひとつの専門領域を持つのが「T字型」。
そのT字型に、もうひとつ異なる専門分野を別に持っているのが「π字型」の人材です。
複数の専門領域を通じた複眼的な思考ができると、技術革新や商品開発につながりやすいと思うんですね。
46.技術のオープン化戦略の時代
技術を囲い込んで利益を独占しようとしても、いずれは追いつかれるかもしれません。
それならば、ある程度開放し、仲間を増やして市場を広げていきながら、そのプロセスで技術の優位性やコスト競争力を武器に大きなパイを奪う。
そんなオープン化戦略がいまの時代に合っているように思います。
47.高い技術力を保持するだけでは競争には勝てない
いつの時代でも、製造業の生命線が高い技術力を保持することにあるのは変わりありません。
しかし、保持するだけでは競争には勝てない。
自社のコア技術が生きる道を模索し、提携や連携、M&A(合併・買収)など、経営のあらゆる選択肢を駆使しながら、自社にとって有利な事業環境を創造することが重要です。
48.暗黙知の伝承を制度化する
モノ作りへの姿勢やその原理原則に対するこだわりといった暗黙知は生産現場でこそ伝承されるものです。
当社でその中核的役割を担っているのが、現在31人のマイスターと、39人のトレーナーです。
彼らはロウ付けやアーク溶接といった領域で高度な技能を持ち、その技能と暗黙知の伝承に情熱を持って取り組んでくれる存在です。
彼ら師匠らが国内外の工場や研修施設などで定期的に指導し、戦略技能や暗黙知を移管しています。
49.組み合わせ技術の製品ではなく、すり合わせ技術の製品で勝負することの大切さ
日本のモノ作りの強みは従来、設計から製造に至る工程で部門間が連携して品質改善などに取り組む「すり合わせ技術」において発揮されてきました。
デジタル家電など標準タイプの部品を集めて組み立てる「組み合わせ技術」の製品が苦戦する一方で、自動車や工作機械などすり合わせ技術が生きる業種では、日本は強みを維持しています。
そうした製品であれば、すり合わせ技術で圧倒的に優位に立てるビジネスモデルを構築し、技術や品質、「匠の技」などを磨き続けることも、世界で勝つ要諦のひとつだと思います。
50.海外進出で大切なこと
「国や地域ごとに異なる市場のニーズを察知し、それに合った商品を提供すること」「コスト面で競合他社と戦えること」「需要に応じて生産し、品切れや供給過剰を生じさせないこと」。
そして、それぞれの生産拠点で徹底的に「現地化」を深めなければ、競合相手に勝てません。
51.最適な解は固定的なものとしてはあり得ない
私は海外拠点について「最適な解は固定的なものとしてはあり得ない」と見ています。
震災や洪水、国家間の緊張など不測の事態が起こり得る状況においては、いかなる変化にも柔軟に対応できる体制が求められるからです。
52.M&A後の基本はフェース・トゥ・フェースのコミュニケーション
先日、買収したグッドマンの幹部が来日して、まさに膝を突き合わせて侃々諤々の議論を重ねました。
買収時に3年間の累計で240億円と想定した定量的なシナジーに加え、新たなテーマの創出も徐々に具体化してきています。
しかし、何よりも大事なのは実行の局面です。
お互いの納得感や信頼感の醸成がなければ、いかに魅力的なテーマでも絵に描いた餅にすぎません。
フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションを基本に、しっかりとした人間関係を築いていくことが、一見遠回りに見えるかもしれませんが、「ポストM&A(買収の次)」で組織を動かしていく要諦だと思います。
本日は東京支店の前田さんの結婚式で、スタッフたちと一緒に参加しましたが、多くの友人たちに祝福された、素晴らしい結婚式でした。
画像は、当社の関東スタッフの女性たちの晴れ姿です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。