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うどん・ラーメン・そば屋開業・繁盛店を目指す|名言集 11-5 井上礼之

スピード・オブ・トラスト

今回の出張は、国内出張から始まり、連続で北米1週間の出張でしたが、今回の出張の結果、近々、LA他、再度、海外への出張の予定が決まりました。

今回も、実際に来て、いろんな人に会い、現地の事情がよく分かりましたが、もし来ていなかったら、事情が分からず、さまざまな取り組みの速度が遅くなってしまっていたところです。

海外への出張には、貴重な時間とお金がかかりますが、れからのグローバル時代には欠かせない重要事項であることが分かります。

今回の出張においても、信頼の大切さを強く感じ、ビジネスの取引を行なう相手は、必ず、信頼のおける相手だけと行なうことが大切で、価値観の共有出来る相手だけです。

来週、東京支店でのセミナーでは、「信頼 それこそがビジネスの命」~信頼がビジネスの速度を加速する~を話しますが、今回のコンテンツになっているのが、「スピード・オブ・トラスト」(ステイーブン・M・R・コビー著)です。

その一節に信頼に関する次のような話があります。

ある男(ここではジムと呼ぼう)がニューヨーク市で店を構え、近くの会社に出入りする人たち相手にドーナツやコーヒーを販売した。

朝食時や昼食時にはいつも長蛇の列ができた。

彼はある日、待ち切れずに他の店に行ってしまう客が多いことに気づいた。

また、彼一人で切り盛りしていたため、お客にお釣りを渡すのに手間取り、それでドーナツやコーヒーの売り上げが伸びないのでは、と考えた。

そこでジムは、1ドル札と硬貨を入れた小さなかごを店の片隅に置き、そこから客に自分で釣銭を取ってもらう方式に思い切って切り替えた。

勘定を間違える客や、こっそり余分に持って行く客がいると思いきや、結果は逆だった。

大部分の客は極めて正直で、チップを普段より多めに置いていく客もいたほどだった。

また、お釣りを渡す手間がかからないので、客の回転率は2倍に跳ね上がった。

さらに、信頼されていることに気を良くした客が常連になった。

ジムはこうして他者を信頼することによって、コストをかけずに売り上げ倍増を実現したのである。

やはり、信頼が減るとスピードが低下し、コストが上昇する。

そして、信頼が増えるとスピードが上がり、コストが減少するのだ。

以上の様に、信頼はビジネスのスピードを上げて、コストを下げることがよく分かります。

今日のダイキン工業の話は主にM&Aに関する話で、これからグローバルな競争を行なう場合は避けて通れない道で、それには、スタッフのレベル・アップが欠かせないのです。

53.自社特有のものづくり文化を

自らの技能への自負や誇り、同じ価値観を共有する社員同士としての連帯感や一体感、そこから生まれる師弟関係やライバル関係。
こういったもろもろのものが渾然一体となって、特有のモノ作り文化になっていく気がします。こうした文化の醸成は海外で人材を長期的に育成し、技能を伝承するうえで極めて大事な要諦です。

54.M&Aの理想型

普遍的な考え方やノウハウなど、優れているものならば、買収側、被買収側にかかわらず、どんどんトランスファー(移転)し合えばいい。
お互いの自主性や文化の違いを認め合いながら、一緒にやっていくことでいつの間にか融合する領域が広がって成功する、というのがM&Aの理想型だと思います。

55.買収後の対応はケースバイケースで

対話によってお互いを知り、理解を深めるという人間関係の基本が、買収後のシナジーを高めるうえで大事だと思っています。
ですから、買収後のマネジメントについて、一律の型に当てはめることはしません。
これまでの買収では、買収時の経営者とマネジメントの状況などによって、任せてやる気を引き出すのか、本体が引き受けてマネジメントするのか、ケースバイケースで決めてきました。

56.異質なものを組織に取り込むことで、変化に対する柔軟性が広がる

M&Aや提携、連携では、他社の力をうまく取り込み、自らの力とする視点が欠かせません。
異質なものを組織に取り込むことで、変化に対する柔軟性が広がるとともに、こうした交流から新たな企業文化や価値が生まれ、それが強みとなるのです。

57.M&Aは「時間と人」だけではなく「人材育成の場」を買うことにもなる

少々無理はあっても、これからのダイキンを担う人材を抜擢して買収先の国外企業に送り込むという判断は間違っていませんでした。
さらに彼らが抜けた国内の部署では、その役割を引き継いだ次の人材が成長するという効果が得られました。
「M&Aで時間と人を買う」と同時に、「人材育成の場を買う」とも言えるかもしれません。

58.M&Aはグローバル人材を育成するチャンスでもあ

M&Aは人材を育成する絶好の機会とも言えます。
OYLを買収した時の話です。買収調印直後に技術、製造、販売及びコーポレート部門の中から、第一線で働いていた中堅社員290人を結集し、シナジー創出ワーキンググループのメンバーに任命しました。
彼らは買収相手と融合し、成果を生むという、経験したことがないテーマに集中的に取り組みました。
OYL側のメンバーとの対話や議論を通じて、直接「異文化」に触れ、これまで希薄だったグローバルな感覚を磨いていったのです。
立案した計画を実行に移す局面では、予想外の事態に直面したことも珍しくありませんでした。
しかし、そうした経験によって、多くのメンバーが突破力を身につけ、グローバル人材として成長しました。

59.自主経営を貫くが、自前主義には執着しない

私はこれまで、「自主経営を貫くが、自前主義には執着しない」という考え方を経営の根幹としてきました。
最近、その思いはますます強まっています。
自主経営とは、「ありたい姿」や「あるべき姿」を従業員と共有しながら、経営者が戦略の実行局面で幅広い選択肢を持って、主体的に意思決定できることを指します。
あるところでは自前主義に徹底的にこだわって差異化を追求する。
また、別のところではM&Aや提携によって足りないところを補う。
自主経営とは、こうした経営判断を自由自在に使い分けていくことです。

60.経営者は答えのないところに答えを出していくことが求められている

いま、世の中では市場環境や競争条件が大きく変化する「パラダイムシフト」が起こっています。
過去の分析や業界の常識にとらわれていては、もはや戦うことはできません。絶えず現実を見据えながら、実行にこだわり、ビジネスモデルを大胆に変えていく必要があります。
経営者には、いわば「答えのないところに答えを出していく」ことが求められているのです。

61.代理店がある程度の実績で満足してしまうなら子会社化する

ダイキンの場合、まず1990年代後半以降、ドイツやスペイン、イタリア、英国など欧州13カ国で現地の販売代理店を買収し、100%子会社化しました。
販売特権を与えて当社製品を扱ってもらう、それまでの「ソウル・エージェント方式」では、こちらが挑戦的な目標を立てて促しても、代理店がある程度の実績で満足してしまい、戦略の徹底が難しかったからです。
このM&Aで得た優秀な人材は2000年代に急成長した欧州市場で中核的な担い手として活躍し、欧州で断トツのシェアを取ることができました。

62.M&Aを成功させる4つの要諦
1. M&A、提携、連携を日常茶飯事ととらえよ。
2. 相手の弱みも補完し、シナジー効果を創出せよ。
3. 買収後の共同チームでグローバル人材を鍛えよ。
4. お互いの納得感や信頼感の醸成がM&Aの効果を高める。

63.M&Aはお互いのシナジーが見込まれることが重要

自社に欠けているピースを埋めて補うのは当然として、買収先の強みを伸ばし、弱みも補完することでシナジー効果がさらに高まります。
「1プラス1が2以上になる」ような、お互いにとってシナジーが見込まれるM&Aであることが重要です。

64.刻々と変化する状況に即して戦略の軌道修正と実行に次ぐ実行

私自身、海外の最前線に出向いて経営判断するとともに、刻々と変化する現地の状況に即して戦略を軌道修正してきました。
これに現場が実行に次ぐ実行で取り組んだ結果、2010年に空調売上高で世界一を達成できました。
空調の海外売上高比率は今や60%以上に達します。

画像は、スピード・オブ・トラストで、たいへん深い内容で、サービス戦略と相通ずるものがあります。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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