昨日は地元の高校での講演で、タイトルは「社会で必要な力」で、事前に講演のタイトルだけは戴いていたのですが、事前に高校の関係者との打ち合わせは一切なかったので、私の方で勝手に内容を考えました。
私が作った高校1年生向けに準備したレジメは次の通りで、少し難しかったかも知れません。
「社会で必要な力」
A.社会人としての基本(人間としての基本)は、大きい夢と欲望を持ち続けることで、夢と欲望がその人を生涯、輝かし続ける。日々の行動は以下の通り。
1.心地良い挨拶:自分から先に、相手を幸せにすると、結果、自分が幸せになれる。人生の秘訣は先に与えること。人は自己重要感の塊である。
2.感謝の表明:何ごとにも感謝。何が起きても感謝。感謝をすればするほど、自分が幸せな気持ちになれる。
3.自然な笑顔:周りの人たちを心地よくし、幸せな豊かな気持ちにさせる。周りの人たちのプラスの反応により、自分自身が更に幸せになれる。味方が増える。
4.プラスの言葉:自分自身を変えるミラクル・パワー。コミュニケーションにおいて、一番重要なコミュニケーションは自分自身とのコミュニケーション。常にポジテイブな言葉を発することにより、自分自身の思考を変え、習慣を変え、人生を変えることが出来る。
5.正しい食事:食事の研究(われわれの身体は日々食べている食事で出来ている)。正しい食事の摂り方を理解する(マナーとして、栄養成分面)。
(事例)香港で聞いたインド洋の大津波の話(普段から、防腐剤をたくさん摂取している日本人の死体は腐り難かった)
正しい食事を摂り続ける人生であるか、そうでないかは寿命、パーフォーマンスに大きな差が出る
6.運動:運動は人間には不可欠。人生は脚力、平均寿命が長くなっても、要介護状態では意味がない。ある程度の激しい運動で、免疫力を高める。
7.瞑想:瞑想は意志力を高める。長寿で、豊かで、幸せな人生を送れる人の特徴は意志力。意志力とは、止める力、始める力、望む力。
(参考)スタンフォード大学の人生を変える教室(ケリー・マクゴニガル)
8.正しい死生観を持つ:人は必ず死ぬ。情熱の源泉は正しい死生観。
(事例)アップルのステイーブ・ジョブズ
(事例)江戸末期から明治初期の日本人の平均寿命は38歳
9.長所を伸ばす:短所は気にしない。学校時代は、平均点主義で通るが、社会に出たら、平均点主義は役立たない。社会では、際立った個性、長所でしか勝負出来ない。長所を伸ばすと、短所は自然に消えてなくなる。
10.大きい夢:ビジネスの成果=責任×夢×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐力。情熱のもう一つの源泉は、大きい夢を持つこと。夢の大きさで、人生が決まる。
B.ビジネス上においての大切なことは、信頼で、そのための要素は下記の通り。
1.情熱:夢の実現へのエネルギー。情熱を持てない仕事を選ぶと、人生の時間の大きいロスになる。
(参考)人生における大きな時間のロスの4要素:①正しい仕事に就かなかった場合、②正しい人間関係を結べなかった場合、③正しい場所にいなかった場合、④正しい学びを得なかった場合
2.素直、プラス発想、学び好き:ビジネスに成功している人は、素直でプラス発想で、学び好きな人だけで、日々の勉強は欠かさない
(参考)守破離、Modeling Modify Innovation
(参考)試合の時間と練習の時間
3.一貫性:ビジネスには一貫性が欠かせない、言葉と行動の一貫性。一貫性は信頼であり、ビジネスには信頼は欠かせない。
4.周到な準備:ものごとの成否の80%は準備で決まるので、日々の練習を欠かさない。
5.深い思考:ものごとの本質を深く理解する。
(事例)学校の本質とは?、仕事の本質とは?、人生の本質とは?
6.トップを目指す:トップになれば、すべてが解決する。トップになれるかどうかは、目指すかどうか。
(事例)松田聖子
(事例)県大会、国体とオリンピック
7.真似をしない:重要な部分は見えないところにある。インターネットの発達する以前は真似をしても成功した時代。現在は、真似をしても成果が上がらない。
8.際立った個性:自分の強みを徹底的に磨き上げ、際立った個性を作り上げる。
(参考)長く成功している芸能人、タレントは際立った個性のある人だけ
(参考)BCGのアドバンテージ・マトリックス
9.余裕を持つ:常に自分自身を心地よい状態に保ち、金銭的な余裕、心の余裕、時間の余裕を持ち、人生を楽しむ。
10.ネバー・ギブアップ(忍耐力):成功するのは諦めなかった人だけ。
(事例)ダイソン、フォード、リンカーン、ステイーブ・ジョブズ
本日も、出光佐三(いでみつ・さぞう)で、普通でない商売人のポリシーが経営に一貫性を持って貫かれていることがよく分かります。
12.流通コストを下げるには
生産者、消費者にどうしたら利益を与えるかというと、一番手っ取り早い話が経費の節約である。
いろいろな関門、問屋、卸屋、小売、という経費を節約することである。
13.生産者と消費者をつなぐ商人が生き残る
学校を卒業して商売人になろうとした卒業間際に、内池廉吉博士がこう言われた。
「これから商人というものはなくなる」と。
私はこれから商人になろうとしているのに、これには驚かされた。
また、「ただし、ひとつだけ残るだろう。それは生産が非常に複雑になり、消費者も無論複雑になる。この複雑な生産者と消費者の間に介在して、双方の利益を図る配給者としての商人がひとつ残る。これは学理である」と。
14.信じるものをもつ
私の育った町は特殊な土地柄で、宗像神社という有名な神社があった。
私はその御神徳を受けたと考えている。
私はいま神社の復興をやっているが、神というものをいまの人はバカにしている。
私どもにはバカにできない事実がたくさんある。
私の会社は災害を一度も被っていない。
理屈はいろいろつくかもしれないが、社員は神の御加護と信じているのだからしょうがない。
また信じないわけにはいかないだろう。
15.逆境が人を育てる
いま一人静かに考えると、体の弱かったということは不幸せであったが、その反面、非常に自分というものが変わったものにできたと思っている。
16.自分を犠牲にして経営する
禅的な言葉でいえば自分を殺す、身を犠牲にするというか克己の精神、これが私の信念である。
したがって会社の経営も利益本位じゃなく商売本位、事業本位という考え方になった。
16.理不尽なことには抵抗する
(太平洋戦争前から口にしていた言葉。違法なことをしろという意味ではなく、軍国主義に向かう政府や欧米の石油資本などの理不尽な要求に負けるなという意味が込められている。)
法律、組織、機構の奴隷となるな。
17.金儲けの前に、客儲けをしろ
商売気を離れて油の用意をした。
私のお客だけは油不足で仕事を休むようなことはなかった。
他の事業会社では油が切れて事業を休んだところがたくさん出た。
私はただお客のために油を用意しただけだ。
しかし戦争が済んだら、油は出光に任せておけということになった。
金は儲けなかったが、得意先を儲けたのだ。
18.従業員は家族。家計が苦しいからと言って家族を追い出すのか
(太平洋戦争敗戦で出光の海外部門をすべて失い、海外部門で働いていた従業員たちをどうするか社内で話し合った時の言葉。出光はこの後、一人もリストラせずに経営再建を成し遂げた)
君たち、店員(従業員)を何と思っておるのか。
店員と会社はひとつだ。
家計が苦しいからと、家族を追い出すようなことができるか!
19.人材登用の基本は、登用する人に合わないことをやらせず、得意なことをやらせること
人の頼みがたきを言うは、人その人を得ざりし所以にして、人その人を得れば必ずや好結果を得る。
20.本を読むより、考えて考えて考え抜くことが重要
(知識も大切だが、考えることで生まれる知恵も大切だと説いた言葉)
本を読まなかったので、自然自分で考えるようになった。
本を読んでいたら仕事も人の後を追っかけているようなことが多い。
考えて考えて考え抜くことが大事だ。
21.経営の原点
出光の仕事は金もうけにあらず。
人間を作ること。
経営の原点は人間尊重です。
世の中の中心は人間です。
金や物じゃない。
その人間というのは、苦労して鍛錬されてはじめて人間になるんです。
金や物や組織に引きずられちゃいかん。
そういう奴を、僕は金の奴隷、物の奴隷、組織の奴隷という手攻撃している。
画像は、昨日の地元の高校での講演会の画像です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。