本日から4日間の出張が始まるので、昨日は主に社内で打合せを行ないました。
そして、最後にお会いした、海外から来社したビジネスマンは素晴らしい履歴をお持ちの方でした。
ロシア系オーストラリア人で、17歳でハンガリーに渡り、20歳の時には既に、500人の従業員を持つ会社を作っていたそうです。
15歳の時に、マクドナルドでアルバイトをしていて、理不尽な仕事を言いつけられて、生涯、絶対に人に使われるようにはならないと、決めたそうです。
若くして大成功したのですが、1998年のロシア崩壊と共に、それまで築いたビジネスの基盤は大きく崩れたのですが、それでも果敢に攻めの姿勢を崩さずに、独自のアイデアと行動力で、次々と新しいビジネスにチャレンジしているのです。
今回も初めての来日であったにも関わらず、通訳も付けずに単身、東京支店に行き、言葉が充分通じなかったのに、英語版の私の本を買って、当社に興味を持ち、はるばる本社まで訪ねてきたのです。
この行動力には驚くと同時に、海外からのお客さまでこのような話を聞くと、たいへん参考になります。
麺ビジネスについても、面白いアイデアを持っていて、われわれの想像を超えたことを実行しようとしているのです。
余りにも熱心であったので、今週金曜日のラーメン学校の最終日にご招待したのですが、世界には、この様に旺盛な行動力で、情熱溢れる人がいるものです。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、本日はイノベーションについてで、今日のテーマは、時間管理の鉄則です。
8.時間管理の鉄則
時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない。
(解説)われわれ全ての人々の人生は、時間で出来ています。
昔から、両親に時間を大切にしなさいと言われたのは、実は人生を大切にしなさいと言われていたのと同じであったのです。
人生で大きな成果を上げる人と、そうでない人の差は、時間管理の鉄則にあり、時間管理を習慣化することが重要なのです。
ドラッカーは、時間の使い方について、多くの経営者、労働者の次のような問題点を指摘しています。
1)経営者は、その企業の将来について、もっと時間と思索を割くべきである。
2)組織に働く者は、成果に何も寄与しないが無視できない仕事に時間をとられている。
3)膨大な時間が、ほとんど役に立たない仕事、あるいはまったく役に立たない仕事に費やされている。
既に、名言集で取り上げている、仕事で成果をあげる者は、仕事からスタートしないで、時間からスタートし、計画からもスタートしないで、何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートするとしています。
次に、時間を管理すべく自らの時間を奪おうとする非生産的な要素を退けるとのことですが、時間管理の方法として、有効な方法は、コビー博士の7つの習慣の 4つ領域の考え方で、第二領域(重要であるが、緊急ではないこと)を最優先し、第一領域(重要で、緊急であること)が起きないようにすることなのです。
特に、時間のロスである、第三領域(重要ではないが、緊急であること、例えば、重要でない急な来客)と、第四領域(重要でなく、緊急でもないこと、例えば、ダラダラとテレビを見ること)に費やす時間を排除することです。
自分自身の1日の行動を常にチェックして、その時間が第一領域から第四領域のどの領域に入るのかを明確にして、第三領域、第四領域の時間を排除し、第一領域が起きないように、第二領域に集中することなのです。
次に、いかなる成果もあげられない人の方がよく働いていて、成果が出ない人との3つの特徴は次の通りでした。
1)ひとつの仕事に必要な時間を過小評価する。
2)彼らは急ごうとする。
3)彼らは同時にいくつかのことをしようとする。
そして、ドラッカーは、時間管理について、「時間をマネジメントできない者は、他のなにものもマネジメントできない。」、「成果をあげる者は仕事からス タートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとらわれているかを明らかにすることからスタートする。」と述べているので す。
次に「ドラッカーの時間管理」は、以下の項目から成り立っているのです。
1).時間を記録する
2).時間を管理する
3).時間をひとまとめにする
以上の3ステップで行い、まず現在の時間の使い方の記録から始まります。
自分で一日のうち活動時間のうち、何時間をどの仕事に使っているかを、実際に記録してみるのです。
記録した時間を分類整理し、やらなくても困らない仕事を洗い出し、そしてそれらを切り捨てて、残った時間をまとめるのです。
残った仕事の優先順位付けですが、これには、「優先順位決定の法則」を使い、4つの考え方で優先順位を決めて、優先度の高い仕事に専念していくのです。
1).過去ではなく未来を選ぶ
2).問題ではなく機会に焦点を合わす
3).横並びではなく独自に方向を決める
4).無難で容易なものではなく、変革をもたらすものに照準を合わす
今回の東京支店での経営講義の課題であったのが、開業に当たって深い思考をしていない方が多かったので、改めて、以下のように再度掲載します。
今からの開業を志している方々は是非、内容をシッカリ理解して戴きたいと思います。
「麺専門店開業、究極の10個の質問」を通しての深い思考
うどん店、蕎麦店、ラーメン店のような麺専門店を始める場合も、何か新しいビジネスを始める場合も思考しなければいけないことは、まったく同じで、深い思考が非常に重要で、これに一番時間を取らなければいけないのですが、ほとんどの人たちは気付いていないのです。
短期間での成功だけを考えるのであれば別ですが、永く成功する麺ビジネスを始めるには、自分自身に対して、以下の質問が重要であり、質問に答えるには、深い思考が必須なのです。
これらの質問に十分に答えることが出来れば、このビジネスの半分は成功したと同じでしょう。
しかし、ほとんどの新規開業者は以下のことを深く思考せずに開業に至り、要するに、思考に時間を取らずに、いきなり、作業に入ってしまっているのです。
機械の設計に例えれば、デザイン・フィロゾフィーに基づいたシッカリとした構想を固めないで、十分な図面も書かないで、いきなり機械を作り始めるのと同じです。
そして、始めてからさまざまな問題点に遭遇し、間違った道に足を踏み入れたことに気づいているのです。
そのようなことにならないために、下記の10個の質問に十分な時間をかけて、深い思考を行なうことをお勧めします。
「麺専門店開業、究極の10個の質問」
1.使命の明確化、情熱の確認
一体、何のために、このビジネスを始めるのか、始めなければいけないのか?
始める理由は何か、そして目的は何か?
始めようとしているビジネスは、本当に自分に合っているか?
一生、情熱を傾けることが出来るビジネスか?
世の中が必要としているビジネスか?
2.コンセプトの明確化(コンセプト=ビジネスの本質)
どのようなコンセプトでこのビジネスを始めようとしているのか?
なぜ、そのコンセプトでやりたいのか?
そして、このビジネスは今まであるビジネスと比べて、どれだけ優れているのか?
このビジネスは、お客さまの抱えているどのような問題を解決しようとしているのか?
(コンセプトを明確にすると、このビジネスの本質が見えてくる)
3.対象顧客の明確化
対象とするお客さまは誰か、なぜ、そのお客さまを選ぶのか?
本当にそのお客さまで良いのか、もっと他に、良いお客さまはいないのか?
4.商品の明確化
商品は何か、そしてその商品は他のライバルと比べて、どれだけ優れているのか?
その商品の完成度は十分に高いのか、今までの商品と比べてどれだけ優れているのか?
その商品は選んだお客さまに合っているのか?
5.投資額の明確化
幾ら位の資金を投資することが出来るのか?(自己資金は幾らか?)
手持ちの資金で、考えているビジネスには足りるのか?
もし、不足していると、いくら位、新たに外部より調達可能か?
6.適切な人材の明確化
この事業を遂行していく上で、一緒にサポートしてくれる価値観が共有出来る人はいるか?
いるとすると、何人いて、人数は十分か?
7.将来の時流への適合
これから先の時流、大きなトレンドに合っているか?
多くの人たちに支持されるビジネスか?
8.地域一番店とかトップへの確認
このビジネスは地域一番店、或いはトップになれるビジネスであるかどうか?
(事例:既に最強の地域一番店がある場所で同じようなビジネスはやらない)
9.収益の確認(ビジネス・モデルの確認)
このビジネスは収益が充分に上がり、再投資が出来、周りに人たちを幸せに出来るビジネスか?
収益が充分得られるようなビジネスモデルが組み立てられるかどうか?
(収益の上がらない、負け戦を行なう人が非常に多い、事例:郊外型で少ない席数、駐車場台数)
10.無益な競争にならないかの確認(戦略の再確認)
ビジネスの本質は強いライバルと競争しないことです。
無益な競争に陥る可能性はないか?
競争しないで楽に一人勝ち出来るかどうか?
ライバルが絶対に真似できない、自店の強みは何か?
以上の質問を自分自身に問い、深く思考すると、以下のことが分かります。
1.このビジネスは本当に自分に合っているのか、情熱を持てるビジネスか?
2.本当にたった1回しかない貴重な人生をかけて、やりたいビジネスなのか?(悔いのない人生を送ることが出来るビジネスであるかどうか?)
3.このビジネスは、周りの多くの人に貢献出来るビジネスであるかどうか?
4.このビジネスは収益が上がり、進化、成長出来るビジネスであるかどうか?
5.このビジネスは、自分を含め、周りの多くの人を幸せに出来るビジネスであるかどうか?
尚、以上の質問を自分だけで解決するのは容易ではないので、その場合は、麺学校の経営講義を先に受講することをお勧めします。
画像は先週のうどん学校の生徒さんの作品事例で、メキシカン料理のブリトーのように、ラップ(皮)で巻いて食べるうどん料理です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。