いよいよ今年も残すところわずかになり、このフェイス・ ブックは、元旦から1日も休んでいないので、343日間 、連続で掲載していることになります。
休まない習慣が出来ると、不思議なもので、絶対に休めな くなるのです。
私が飲酒を止めたのも同じで、14年以上も止めていると 、もう他人が美味しそうに飲んでいても平気で、飲もうと は思わなくなります。
良い習慣でも悪い習慣でも、継続するもの です。
私には、まだ悪い習慣が残っているので、良い習慣を残し 、悪い習慣を早く捨て去らねば と思っております。
そして、現在はドラッカー・マネッジメントの復習をフェ イス・ブックに掲載していますが、ドラッカー・マネッジ メントを改めて復習すると、たくさんの学びが得られます 。
既に一通り学んでいるはずですが、まだ自分のモノになっ ていない部分、足りないが分かります。
自分の言葉で説明出来ないで、普段の行動になっていない 部分は、まだ十分に身に付いていない部分 です。
完全に身に付いていれば、大切な決定での判断がぶれるこ とはなくなります。
従って、ドラッカー・マネッジメントも完全に身に付き、 自分のものになり、自然と行動がそのようになり、習慣に なるまで復習し続けなければいけないのです。
そして、私には毎月4日間、真剣勝負の経営講義があるの で、経営講義で使えば使うほど、反復学習が出来、身に付 く速度が加速 します。
従って、経営講義は私にとって、たいへん素晴らしい学習 の場になっています。
新しく学んだ概念を使い、経営講義でさまざまな方向から 説明することにより、私にとっては素晴らしい反復学習に なるのです。
今回、社内のスタッフに順番で経営講義に参加して貰って いますが、私の経営講義の難易度が最初頃とは比較になら ない位高くなり、参加する生徒さんたちにとっては、たい へんだと思います。
普段このような勉強をやっているように見えない生徒さん でも、ガッツのある生徒さんは、繰り返し、私の経営講義 に参加して理解しようと、たいへんな努力をしています。
そのような生徒さんを見れば、この人はこれだけガッツが あるので、開業しても絶対大丈夫だと信頼出来ます。
従って、私の経営講義は新規に麺専門店を開業する生徒さ んにとっては、成功するかどうかを見極めるリトマス試験 紙のような役目を果たしているようです。
いい加減な理解度で、開業する生徒さんは、開業後、店舗 を訪ねてみると、経営講義で教えたこととぜんぜん異なる ことをやってしまって上手くいっていない場合が多いので す。
特に、小さい店の場合は席の取り方は非常に重要な事項で す。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「組 織は目的ではなく手段」です。
21.組織は目的ではなく手段
組織が存在するのは組織自身のためではない。
自らの機能を果たすことによって、社会、コミュニティー 、個人のニーズを満たすためである。
組織とは目的ではなく手段である。
(解説)往々にして、組織が出来ると組織の生存のためが 大義名分になっているのですが、ドラッカーはそれに対し て、組織が存在するのは組織自身のためではなく、社会、 コミュニテイー、個人のニーズを満たすため であるとして います。
組織の本質については、さまざまな情報源に取り上げられ ていますが、参考になる事例として、「All About ビジネス学習 (執筆者:國貞 克則)」より、以下のように引用しました。
「組織の果たすべき3つの役割」
ドラッカーは社会全体を生命体として見ていました。
社会を構成する組織や個人が、その社会に貢献しているか ら社会は成り立っています。
ですから、社会の中の組織はどれも社会に貢献するために 存在し、社会に対するそれぞれの役割を果たさなければな りません。
ドラッカーはすべての組織には3つの役割、「貢献」と「 成果」、そして「人間の幸せ」があると言います。
ドラッカーの考え方は常に理路整然としていて、「ドラッ カー経営学の基本思想」で説明したように、ドラッカーは 社会全体を生命体として見ていました。
社会を構成する組織や個人が、社会に貢献しているからこ の社会は成り立っていて、社会の中の組織はどれも社会に 貢献するために存在します。
それぞれの組織は自らの仕事を通して具体的な成果を出し 、社会に対するそれぞれの役割を果たさなければなりませ ん。
つまり、組織の目的は組織の外にあり、組織の外に対する 「貢献」と「成果」はドラッカー経営学の重要なキーワー ドです。
「仕事を通しての幸せ」
また、多くの人が組織で働く時代になった現代では、人の 幸せは組織のマネジメントによって決まるのです。
つまり、組織の重要な目的がそこで働く人を、仕事を通し て幸せにすることだとドラッカーは言います。
それは報酬とかによるものではなく、仕事自体にやりがい を感じさせるような状態を作ることです。
「3つの役割(Tasks) 」
社会への「貢献」と「成果」、そして「人間の幸せ」とい うキーワードをもとに、社会の中に存在する組織が何をす べきかを考えれば、自ずと結論は見えてきます。
ドラッカーは、組織を運営するマネジメント層が組織を機 能させ、貢献へと導くには次の3つの役割(tasks) を果たさなくてはならないと言います。
1.自らの組織に特有の目的と使命を果たす
(the specific purpose and mission of the institution)
2.仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果をあげさ せる
(making work productive and the worker achieving)
3.自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、 社会的な貢献を行う
(managing social impact and social responsibilities)
以上の3つの役割の中で、1番目の「自らの組織に特有の 目的と使命を果たす」については、あまり違和感はないと 思います。
世の中には、自動車を作っている会社、ラーメンを提供し ている会社など様々な組織がありますが、それぞれの組織 にはそれぞれに特有の目的と使命があり、それら固有の目 的と使命を果たすことによって社会が成り立っています。
2番目の「仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果を あげさせる」が、仕事を通して人間を幸せにするための項 目で、人間は安定や高い給料を与えられることで幸せにな るわけではなく、意味のない作業を続けても幸せにはなり ません 。
意味のある生産的な仕事に従事し、自らの責任を果たし成 果をあげ、そのことで組織や社会に貢献することによって 人間は自分の存在意義を感じるのです。
3番目の「自らが社会に与えるインパクトを処理するとと もに、社会的な貢献を行う」については少し説明が必要 で 、組織が活動すれば社会に影響を与え、工場は公害を発生 させるかもしれませんし、美味しいラーメン屋さんは熱や 匂いを発散させているかもしれません。
組織は自らの目的や使命を果たすだけでなく、組織活動に よって社会に与える影響も処理 しなければなりません。
「知りながら害をなすな」
これは東京電力福島第一原発の例を挙げればよくわかると 思いますが、東京電力は「関東地方に電力を供給する」と いう自らの目的と使命をしっかり果たしていたと思います 。
しかし、あの事故は社会に大きな影響を与え、東京電力自 身も大きな影響を受けました。
ただ、この社会的に責任について何かを約束するというこ とは難しいことです。この点についてドラッカーは、プロ として「知りながら害をなさない」という約束だけはしな ければならない と言います。
その最低限の約束がなければ人が人を信頼できない社会に なってしまいます。
考えてみれば当たり前のことかもしれませんが、この人間 として当たり前のことを改めて教えてくれるのがドラッカ ーなのです。
次は、国永先生の ドラッカー名言録12「企業が、より大きくなる必要はな いが、不断に、よりよくならねばならない」 を引用します 。
ドラッカーは企業の規模についての良し悪しを論じたりは しないのです
要は、量やサイズではなくて、その質であり内容だと、か ねてから主張していて、その代表著書である『マネジメン ト』の中のこの一節も、そうした考え方を端的に表したも のにほかならないのです。
ドラッカーはコンサルタントとしては、大企業を対象とす ることが多かったのですが、中小企業や中小の非営利法人 についても、かねてから相談にのってきたし、いまでも取 り扱っているのです。
この“至言”に関して思い出されるのは、かつて、「大き くなることも決して悪くない。しかし、その大きくなるな り方が問題なのだ。悪性腫瘍のようにメッタヤタラに大き くなるのではダメだ・・・・・・・」 と語ってくれた言葉 である。
また、最近の底の浅いベンチャーブームに対しても、企業 家精神が旺盛なのはよいのだが、自分の「ワーク・オブ・ ビジネス(Work of Business)=WOB」がどういうビジョンにより 、どういう社会的貢献をしようとするの・・・・・などを十分に考えずに事業を立ち上げるのには反対 である・・・ ・・といった趣旨の発言をしていたのも思い出す。
ここでいう「ワーク・オブ・ビジネス」 という言葉は、か つてよくつかっていたが、いまは単に「ビジネス」とだけ 称することが多く、その中身は「事業の本質」 ということ である。
したがって、ドラッカーにとっては事業の本質とその質が 重要なのであって、サイズではないことがここからも読み 取れる。
しかも、単に額に汗して頑張るというだけではいけないの であり、「努力は賞賛の対象にはなるが、事業活動は、規 模の如何と関係なく、そこから生まれる成果、すなわち事 業への社会の拍手喝采の度合いが問題 なのである」という 指摘も、ともに記憶しておきたい言葉である。
さらに同じ発想で「企業が生み出すのは、物でも観念でも なく、人間が値打ちありと認めるもの である。いかに見事 に設計された大きな機械でも、顧客に役に立たねば金属の スクラップにすぎない」とも発言している。
そして、企業はいつでも一種の冒険なのであって、それは 、将来の、しかも極めて不確実な成果をあげるために現在 の資源を投入することなのである。
したがって、こうした“賭け”としての企業は、闇の中へ の跳躍であるので、勇気と信念を必要とする行為なのであ る。
事業に関する決断は組織のサイズに関係なく、人を過去に 拘束せず、未来の形成に一歩踏み込ませるもの なのである というのが、ドラッカーの事業の本質感なのである。
以上の様に、ドラッカーは組織(事業)の本質を非常に厳 しく見ており、組織(事業)は世の中に貢献しなければい けない こと、そこで働いている人たちを幸せにする こと、お客様に貢献する ことを厳しく戒めています。
そして、これは言い換えれば、経営理念に盛り込むべき内 容 と重なるのです。
一般的な企業の経営理念に盛り込むべき内容は以下の通り です。
1.お客さまに対する責任(貢献)、エクスターナル・マ ーケテイングで、要するに使命にあたり、お客さまへの貢 献です。
2.従業員に対する責任(成果、幸福)、インターナル・ マーケテイングで、従業員のレベルを上げ続け、成果を上 げ、従業員の幸福に貢献するのです。
3.社会に対する責任(貢献)
4.株主に対する責任(成果)
永く成功する事業を作る上で、貢献、成果、幸せは欠かせ ないのです。
本日は、日本を代表するバリトン歌手で、東京芸術大学の 名誉教授の多田羅迪夫先生(左から2人目)が本社を尋ね てくれました。
素晴らしい紳士でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキー です。