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ラーメン屋開業・うどん屋開業・そば屋開業で繁盛店を目指す|名言集 17-54 ピーター・ドラッカー解説(必要なのは顧客を作りだすこと)

ライン川の雄大な光景

昨日は、朝早くホテルを出て、スイスに近いドイツまで車で往復5時間かけて行ってきました。

往きは、スイスの田舎街の景色、スイスとドイツの国境の検問を抜け、ドイツの田舎の景色を堪能し、帰りは、ライン川の雄大な光景に感動しました。

往復とも、スイスとドイツの田舎の住宅を沢山見たのですが、どの住宅を見ても、日本のプレハブ作りのような建物はなく、すべてが重厚な作りであり、街の景観に溶け込み、建物自体が街の観光資源になっているのです。

聞いてみると、住宅の寿命は非常に長く、自分の代で新たに建てる人は少なく、ほとんどがリノベーションで、現代的に使い易くして、古い家屋を使い続けているのです。

私が泊まっているチューリッヒ湖畔のホテルは、湖畔のホテルの中では比較的に新しいホテルですが、室内の設備は、最新式の非常に快適な機器が充実しています。

特に室内のトイレと浴室の入り口にある大きなガラス扉と金具類の精密さは、スイス時計を見るようなメカニズムであり、細部までのこだわりが徹底していました。

今回、ご案内戴いた方々の話を総合すると、スイスも豊かな国になってきたのは、ここ100年以内で、それまでは産業がない国であったので、長男は農家の跡を継ぐのですが、次男以下は仕事がなく、周りの国々へ傭兵に出稼ぎに行くような貧しい国だったのです。

ところが、産業革命以降、スイスは機械工業、精密機械工業が発展し、何度もあった世界大戦に一度も巻き込まれずにきたお蔭で家屋とか、産業が破壊されずに残り、今日の繁栄をもたらせたのです。

但し、自国内の人口は少ないので、産業を興しても、国内需要は少ないので、国外に進出する機運がもともとあったのです。

今回のスイス、ドイツを見て回り、考え方が質実剛健であり、常に永い繁栄を目指し、短期間の成功など、考えてもいないような国民性に見えました。

そして、ヨーロッパの民族の代々続く思考とか、価値観への理解もこれからのグローバル時代を生き抜く、われわれ日本人にとって、欠かせないものであると、改めて思った次第です。

これからは、国内でいても、海外へ出ても、さまざまな人種と一緒にビジネスをやらなければいけない時代になり、多様な価値観の理解が大切になってきます。

日本人の持つ価値観の良いところは大切にして、また海外の人たちが持つ、異なる価値観にも触れて、相互に理解しながら、自分自身の価値観を見つめ直していけば、もっと素晴らしい世界が広がるように思います。

今回の出張も、本日からハンガリーに移動し、ハンガリーで2泊の後、ロンドンに移動し、帰国の途に就く予定です。

今回はヨーロッパ13日間の出張でしたが、私の価値観を考える上で、大きな影響を受けました。

現在、世界の国民一人あたりのGDPの高い国はヨーロッパに集中していますが、こうした原因の多くがヨーロッパの歴史と価値観が元になっているような気がします。

因みに世界1位は、ルクセンブルク、2位は、ノルウェー、3位はカタール、
4位はスイス、5位はオーストラリア、6位はデンマーク、7位はスウェーデンと続き、日本は既に24位に落ち込んでいます。

今回は、今年の初めにこんなに素晴らしいチャンスが持てたことを、スタッフの人たち、お客さま方がたと共有し、必ず、未来に大きな成果に繋がるようにしたいと思っています。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「必要なのは顧客を作りだすこと」です。

61.必要なのは顧客を作りだすこと

ビジネスの目的の正しい定義はただひとつ。
顧客を作り出すことである。
There is only one valid definition of business purpose: to create a customer.

(解説)上記の名言集の英語を正確に翻訳すると、「ビジネスの目的の正しい定義はただひとつであり、一人の顧客を作り出すことである。」のです。

普通は、「to create customers.」として、多くのお客さまを創り出すことであると理解しがちですが、そうではなく、一人の顧客を創り出すことであるとしているのが、ドラッカーの本質ではないかと思います。

私が国永先生のドラッカー塾で叩き込まれたのは、使命を明確にすれば、お客さまは自動的に決まり、そのお客さまは使命、価値観の共有出来る人だけであるということが、今までの一般的な常識とはまったく異なる点でした。

普通、多くのお客さまを獲得すると、ビジネスは成功するように思われているのですが、実際はそうではなく、私のビジネスを振り返ってみても、上手くいっている時と、そうでない時の大きな違いは、誰を顧客にしているかという点でした。

やみくもに誰でもお客さまにして、価値観の合わないお客さまを獲得していた時は、ビジネスは上手くいっていなかったのです。

特に当社の場合は、販売した後のメンテナンス期間が長いので、一旦お客さまになって戴くと、その後が非常に長いのです。

従って、どのような方が当社のユーザーさまになって戴くかによって、当社のその後の業績に大きな影響を及ぼすのです。

多分、麺専門店を既に開業している方、或いは、今から開業しようとしている方にとっても、お客さまの真の価値を理解していない方が多いのではないかと思いますが、お客さまこそ、ビジネスを成功に至らしめるか、或いは、ダメにするかの決め手になるのです。

従って、ビジネスは顧客選定で、半分以上の成否が決まるのは、盛り付けが、食器選定で半分以上決まるのと同様のことなのです。

ビジネスは、自分が決めた、自社、自店のお客さまになって欲しいと思えるお客さまから選んで戴けるようにすることなのです。

ここで大切なことは、お客さま分類を年齢とか、性別で分類するのではなく、お客さまが持っている価値観で分類することなのです。

当社の場合であれば、飲食ビジネスを成功させることが出来るような価値観、考え方を持ったお客さまに選んで戴くのと、反対のお客さまに選んで戴くのでは、長い間に天地の開きが出てくるのです。

お客さまが持っている価値観、考え方で永く繁栄するかどうかが決まるのですから。

当社でも、飛ぶ鳥を落とすような勢いのあるお客さまから引合を受けるような場合がときどきありますが、当社が判断するのは、そのお客さまが永く成功するような素地を持ったお客さまかどうかです。

過去も、飛ぶ鳥を落とすような勢いのあったお客さまから引き合いを戴き、納品しても長く続かずに、店が駄目になり、納品した機械を引き取ったことが何度かあります。

お客さまも当然、たいへんですが、当社も納品した機械を引き取る位、残念であり、実質的な損害を被る場合が多いのです。

上記のことは、お店にとってもまったく同じことで、どのような価値観を持ったお客さまを選ぶかどうかで、お店の未来が決まってきているのです。

世の中の価値観は変わり続け、食べ物に関して言えば、以前は価格が最優先事項であった時代があります。

或いは、今でも一般的には、小遣いの乏しいサラリーマンにとっては、ランチの価格は重要な選択事項であり、高い価格のランチを選ぶサラリーマンは少ないのです。

ところが、自分を大切に思っている人は、価格よりも質で選ぶ方が多いのです。

健康に良い食べ物を身体に入れて、良い成果を上げて、素晴らしい人生を送りたいと願っている人と、そうでない人の将来の人生の結果は、大きな差があることが想定されるのです。

すると、どちらのお客さまを自店のお客さまにするかによって、お店の将来は大きく異なってくることが見えてきます。

ビジネスは、短期で終わるものではないのですから、

価値観の選定の次に重要なのが、価値観は時代とともに、変化し続けることなのです。

例えば、第二次世界大戦後直後の、食べるものがなかった時代は、健康志向は無理であったのですが、今は飽食の時代で食べるものは、有り余っている時代なのです。

併せて、身体によくない食べ物が氾濫している時代であり、身体に良いかどうかの知識を持ち合わせているお客さまとそうでないお客さまの人生を比較してみると、寿命とか、得られる成果、豊かさ等々、さまざまな点で大きな開きが出てくるのです。

従って、どのような価値観を持っているお客さまを選ぶかによって、長い間には、お店の成果が大きく異なってきます。

価値観とは生き方なのです。

現在、スイスにいますが、スイス、ドイツ、パリ、ロンドン等、一般の住宅でも、200年、300年経った建物は当たり前に使われているのです。

昨日夜も、チューリッヒ市内の街並みを散策していると、古い建物は1500年代に建てられていて、今もシッカリ使われているのです。

ところが日本の場合は、貧弱な木造住宅の場合、建築後30年しか経過していない建物でも平気で壊されて、建て替えられているのです。

これは、長い目で見ると、ヨーロッパの国々と、日本との国力の差が大きくつくのは当たり前のような気がします。

家屋という一番価格の高い、資産が資産として、長く使えるようになっていないのです。

ヨーロッパの国々の家屋は、壁が厚く、頑丈に作られているので、最初の建築資金は日本より高いかも知れませんが、長く使用できるのです。

それだけではなく、そのような住宅は街の景観に溶け込み、重厚感があり、街全体の公共資産になっていて、観光資源にもなっているのです。

従って、今回、見て回ったスイス、ドイツ、フランスも国全体が公園のような国であり、住宅自体が観光資源になっているのです。

お店についても、そのような、重厚な建物を店舗として使っているので、建物から伝わる味があるのです。

この様に、どのような価値観を持ち、どのような思考を持つお客さまを自店、自社のお客さまにしたいかによりビジネスは大きく変わってきますし、もっと大切なことは、自店、自社自体が正しい価値観を持っているかどうかが、問われている時代ではないかと思います。

画像は、スイス、チューリッヒ湖畔の素晴らしい夜景です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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