本日、この文章を書いている時に、藤澤常務からメールが入り、当社の大切なお客さまから、注文している小麦粉が入手出来なくなり、このままでいけば、本日の営業出来なくなるとの連絡があったそうです。
どうも、小麦粉の販売代理店の受発注ミスで、約束通りの日付で送付出来ていなかったようです。
代理店に電話しても繋がらず、お客さまは困り果てて、当社に電話をかけてきたのですが、当社の東京支店に在庫があったので、孟支店長が休みを返上してお届けしたのです。
小麦粉のような、麺専門店にとっての基本材料を販売している業者にとっての顧客満足度を上げる要素は、絶対に受注、配達の正確さ、いつでも連絡の取れることのはずです。
麺専門店は、年中営業しているので、連絡が取れないことは麺専門店に取ってみれば、非常に不都合なことであるし、信頼が一瞬で失われてしまうのです。
これは当社のような製麺機メーカーにとってもまったく同様で、お客さまは年中無休で営業している方がいらっしゃるので、当社のメンテナンスも元旦から大晦日まで年中無休にしているのです。
メンテナンスのほとんどは、電話対応で済んでしまうので、年中無休365日のメンテナンスは、お客さまにとっては、非常に安心できるのです。
従って、そのビジネス毎に、顧客満足度を上げる、お客さまにとっての価値は異なります。
お客さま毎によっても、この価値観の順序は異なります。
年中無休でなく、日曜、祭日に営業をしていないお客さまにとっては、365日のメンテナンスは価値を感じないかも知れません。
従って、当社のお客さますべてにとっての、製麺機を使う上での、共通する価値観は、急な修理の不要な、壊れない、いつでも安心して使用出来るような製麺機のはずです。
私のクラウンも14年間乗っていますが、走行中に急に故障して止まったことは一度もありません。
今でも、大阪地区へはたまに車で行きますが、プリウス等の小型車よりも長距離は快適なので、これからもずっと長く愛用しようと思っています。
このような信頼性はビジネスには欠かせないのです。
麺専門店にとっても、顧客満足度を上げるためのお客さまのとっての最も大切な価値は何かと言えば、麺の美味しさです。
わざわざ、麺専門店を選んで、遠方からでも来てくれるのは、麺専門店の場合は、第一番目は、麺の美味しさで、二番目がだしの美味しさなのです。
だから、当社は常に美味しい麺の作り方を全国のドリーム・スタジオで多くのお客さまにお伝えしているだけでなく、下記のように、関連した教科書を販売し、多くの方がたに書籍を通じても、お伝えしているのです。
これからも、皆さまのお役に立つコンテンツをたくさん揃えます。
ドリーム・スタジオ高崎では、来週の22日(日)から24日(火)までの3日間イベントが開催され、私のセミナーも合計3本入っています。
https://www.yamatomfg.com/special-noodle-events/
現在の時流に合ったテーマばかりで、直ぐに役立つ内容ばかりで、私のセミナー・タイトルは次の通りです。
1.従業員満足度UP=いい人材確保 ~そのために店づくりをどうしなければならないか~
2.利益倍増計画~多店舗展開へのステップアップ~
3.従業員満足度UP=いい人材確保 ~そのために店づくりをどうしなければならないか~
その他にも、補助金について等、新規開業者と既存店の双方に役立つ面白い内容のセミナーとか、イベントを準備して、御来場をお待ちしています。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「貢献を行うための事柄に時間を割くことの重要性」です。
91.貢献を行うための事柄に時間を割くことの重要性
集中が必要なのは、仕事の本質と人間の本質による。
いくつかの理由はすでに明らかである。
貢献を行うための時間よりも、行わなければならない貢献の方が多いからである。
(解説)集中して思考する大切さは、ドラッカー・マネッジメントの理解度が深まれば深まるほど、よく分かります。
そして、ドラッカーの解説本ではなく、翻訳本を読んだ方が結果として理解度の深まり方は速いようになりました。
特に今読んでいる「イノベーションと起業家精神」は改めて、マネッジメントは何かを教えてくれました。
「アメリカでは、起業家とは小さな事業を始める人のことをいう。・・・しかし、小さな事業のすべてが起業家的であるわけではないし、起業家精神の表れであるわけではない。」
ドラッカーの指摘する起業家精神は少し違い、以下の文章を読むとよく分かります。
「郊外でファースト・フードの店やメキシコ料理店を始める夫婦は、(日本でも最近、うどん店、蕎麦店、ラーメン店を始める夫婦は、)リスクを冒している。」
「彼らは起業家だろうか。新しいことをやろうとしているわけではない。外食という風潮に乗ってはいるが、新しいニーズや欲求を創造してはいない。事業はベンチャーだが、彼らは起業家ではない。」
「マクドナルドの創始者は起業家だった。確かに何も発明してはいない。その製品はアメリカのレストランならばどこにでもあった。しかしマクドナルドは、マ ネッジメントの原理と方法を適用し(即ち、顧客にとっての価値は何かを問い)、製品を標準化し、製造のプロセスと設備を再設計し、作業の分析に基づいて従 業員を訓練し、仕事の標準を定めることによって、資源が生み出すものの価値を高め、新しい市場と新しい顧客を再設計した。これが起業家精神である。」
確かにこれは日本の最近の麺ビジネスにも十分に当てはまるのです。
香川大学の高木准教授が指摘しているように、「なぜ、“うどん県”からチェーン店が出てこないのか「丸亀製麺」「はなまるうどん」「つるまる」――。讃岐 うどんを扱っているチェーン店を調べてみると、ある共通点があった。」それは、どれも本社がうどんの本場・香川県でないことなのです。
讃岐うどんの本場香川県では、たくさんの讃岐うどん店がありますが、チェーン店が出来ない理由は、上記のマネッジメントに当てはめると、簡単に理解出来るのです。
要するに、チェーン化するには、マネッジメントが重要なカギであったのです。
本日のテーマの貢献もマネッジメントに置き換えるとよく分かり、私のドラッカー・マネッジメントの師である、国永先生のドラッカー名言録より、引用すると、
「自分はここで何を貢献できるかを考えよ」
ドラッカーが4半世紀前に、新しくアメリカ企業の輪出部長に就いた若い人に「いま、自分はいったいどう考えて、この新しい仕事に就いたらよいのでしょうか……?」と問われたときに与えた答えが、今回の「自分はここで何を貢献できるかを考えよ」である。
このアドバイスは今日まで脈々と生きていて、ドラッカーの新刊である『明日を支配するもの』の最終章でも「自らの果たすベき貢献」として再現されている。
この「貢献」は、英語の原文ではcontribution(コントリビューション)であるが、「貢献」のほかに「寄与、役に立つこと、一助となること」などという訳をつけることができる。
また、このコントリビューションは、「発言」とか「寄付」などという使われ方もする面白い言葉である。
ドラッカーは、「知識の段階から次の行動の段階に移るときの起点となるのが」この貢献だという。
しかも「何に貢献したいかとただ漠然と思うのでもなく、また何に貢献せよといわれたからやるのではなく」自分で真剣に考え抜いて、それぞれの場で自分が何に貢献すべきかをギリギリしぼり出して、それを実行せよと説くのである。
現代のように知識社会になり、働く人々がすべて知識労働者になってくると、上司や組織からの指示を求めて、自らの行動を決めることは少なくなってきている。
割り当てられたことでもなく、さりとて好き放題をやるのでもなく、自ら考え出し、組織に対して最も付加価値を高め、自分の強みを投入するように貢献せよというのである。
しかもドラッカーは、どこで、いかに貢献するかについて、もう2つほど具体的な注文をつける。
それは、「貢献のためのプランは明確かつ具体的なものであり、しかもあまり先を見ず、長くてもせいぜい1年半か2年を、その対象期間とせよ」と限定するのである。
そして、貢献目標は、やさしすぎず、そうかといって、ギャンブルでもするようなイチかバチかではない。
少々背伸びをしたもので、達成可能なものをという条件をつける。それなりに難しくて野心的で大胆ではあるが、無謀で無理な内容のものはいかんというのである。
このようにみてくると、自らの貢献の内容を選び出すには、
(1)状況が求めているものは何か
(2)自分の強みや価値に根差したものは何か
(3)そこから生まれる成果の意味は何か
という3つのファクターを、十分考え合わせればよいというのである。
現在のように、無限ともいうべき選択肢が提供されているとき、運命に支配されずに自らの運命の主人に少しでもなるには、気ままであってはいけない。
「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。責任を持つがゆえに、自由となる」という味わい深いドラッカーの発言を、われわれとしては十分噛みしめるべきではなかろうか。
更に、イノベーションについて引用します。
「革新とは、単なる方法ではなくて、新しい世界観を意味する」
「ドラッカーの経営の考え方の土台にある2本柱は、革新(イノベーション)と市場創造(マーケテイング)である。
しかし、このイノベーションという言葉は、ドラッカーが四半世紀前からしきりと用い、強調してから以降、まことにもって濫用されたキーワードだといえる。
そのひとつの表れは、技術革新と同義に用いて、単にテクノロジーが新しくなることというように狭く解釈しすぎたことである。
その2は、ちょっとした改革や工夫、改善といったものまで含めて、逆に広く解釈しすぎたことである。
その3は、テクノロジーに関して、ハード面だけではなくてシステムやソフト面まで含めてしまい、かえってドラッカーの意図したイノベーションの本義を薄めてしまったことである。
しかしドラッカーは、イノベーションを安易に考えることを戒め、上記の引用の直後で、イノベーションは希望と安全に満ちた世界観ではなくて、危険(リスク)を伴う世界観であると断言している。
そして、革新は人間に対する見方を根本的に変え、危険を冒しながらも新しい秩序をつくっていくものだとする。
したがってイノベーションは、人間の持てる能力を誇示することではなくて、人間が将来の危険に責任をもつことを意味するという含蓄のある発言をしている。
さらにイノベーションとは、危険を冒し危険を生み出しながら、自分の頭の中と周囲の世界に新しい秩序を打ち立てようとする人間の試みであるというような別の言い方によって、イノベーションの持つ意味を躍起になって説こうとしている。
だから平たくいうと、イノベーションが一種の冒険であり、しかも極めて不確実な成果を得るために現在の資源を投入することなので、それを遂行する企業は“賭け”なのであるとする。
あらゆる事業の目論見は、闇の中への飛躍であり、勇気と信念を必要とする行動であることを、口を酸っぱくして力説する。
事業に関する決断は、人を過去に拘束するものではなくて、未来の形成に一歩踏み込ませるものであるという言葉は、かつて私もじかにこの耳で、箱根のセミナーで聞いたが、まことに印象に残る一節であった。
しかしドラッカーは、さりとて闇雲に未知に向かって跳躍するのではなくて、未知のものへの体系的・組織的な飛躍というニュアンスをこのイノベーションは内包していることを指摘する。
だからイノベーションの狙いは、われわれがより大きな力をもって行動できるように、新しい判断力と洞察力を体得することにあるとする。
したがって、そのツールとして科学の力を借りなければならないが、そのプロセスにおいては豊かな想像力が必要であり、いかにして既知の知識ではなくて、未知のものを組み立てるかが強く要求されていることを衝いている点に注目したい。」
以上より、マクドナルドの創業者「レイ・クロック」も今までアメリカで既にあったハンバーガー業界にイノベーションを起こし、日本でもうどんという古い伝統料理に「はなまる」と「丸亀製麺」はイノベーションを起こしたのです。
結果として、新しいものを作り上げたのです。
画像は、ラーメン学校の様子で、生徒さんの盛り付けを修正しているところで、集中力を鍛えるのには、最高のチャンスです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。