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ラーメン屋・うどん屋・そば屋・パスタ屋開業で繁盛店に|17-89 ピーター・ドラッカー解説(マーケティングは事業全体を完全に包含する)

営業企画で大活躍してくれた山下さん

昨日は、久しぶりに本社で役員会を開催し、役員たちと思考と議論に明け暮れました。

新任役員が就任して数か月で、まだ役員として慣れない人たちがいるので、役員会に出席するのは、早く役員としての責任の自覚と役員としての本来の仕事を遂行して貰うのが目的です。

役員会の合間も、さまざまな業務で中断されましたが、昨日は開発部門の新しい取組みが最終段階に差し掛かり、開発部門のテストの確認に、何度も会議を中断し、現場に行きました。

私も昔は自分自身で開発を行なっていたので、開発の大変さも理解出来、いつ完成するかも分からない、細い針の穴を通すような難しいテーマで、簡単に出来ないことに、開発のスタッフたちは熱心にチャレンジしているのです。

まさに、完成すればイノベーションを起こすことが出来るようなことに、チャレンジしているのです。

今回のチャレンジは既に2年越しのチャレンジで、私の見たところ、95%位完成し、もうあと一息といったところです。

このような難しい仕事、出来ないことにチャレンジし続けることにより、企業体質を強化し、スタッフたちを強くすることが出来るのです。

販売部門も過去出来なかったことにチャレンジし、製造部門も過去の製造台数を超えることにチャレンジし続け、麺學校、企画部門、開発部門、すべての部門が同じく、新しい、出来ないことにチャレンジし続けることは欠かせないのです。

過去、出来なかったことにチャレンジし続けることは、イノベーション体質の強化に繋がるのです。

私は、過去出来なかったことにチャレンジし続けることが大好きで、例えば、経営講義でも一度教えたことを何度も繰り返し、同じことを教え続けることは、大の苦手なのです。

一度、ルーテイン・ワークになったことを行ない続けることは、どちらかと言えば、やりたくない方です。

経営講義は10年間以上の長きに亘って続けてくることが出来ているのも、同じことを教えるのではなく、進化し続けているためです。

もし、麺學校の経営講義の内容が10年前と同じであれば、私が飽きているだけではなく、生徒さんの数も今日のように増えていないはずです。

そして、社内を見回すと目に見えないような部分で進化を続けているスタッフもいますし、10年1日のごとく、同じようなことに取り組んでいるスタッフもいます。

従って、社内全体をマーケテイング体質に変え、イノベーション体質に変えるのは、まだまだエネルギーが要りそうですが、この1年間をかけて、第一段階には到達したいと願っています。

今まで、部分的にはマーケテイング体質であったり、イノベーション体質ではあるのですが、全社員に行き渡らせることが大切であり、まだまだ全社員に行き渡らせるのは、船の動きを変えるように大きなエネルギーが必要です。

そして、一旦決めたことが永く守られ続けるようにするには、社内にDNAとして定着するための膨大なエネルギーが要るのです。

たいへんなことですが、これに成功した一部の企業だけが成功し、生き残っているのです。

これらをやりこなすことが、マネッジメントであり、マネッジメントで成功した企業だけが生き残ることが出来るのです。

社風を変えていき、イノベーション体質に変え続けていくことは、結局、自分自身との闘いであり、ビジネスであろうと、家庭生活であろうと、自分自身のことであろうと、最終的には、すべて自分自身との人生を賭けた闘いであるのです。

自分自身との闘いに最後まで諦めずに、やり続ける人だけが勝利を味わえるのです。

1日、1日を取ってみると、一見平凡な日々の積み重ねのように見えますが、その積み重ねこそ、非常に重要で、価値ある未来を創っているのです。

再来週からのLAでのイベントのお知らせです。

昨年の10月に続き、3月2日(月)から4日(水)までの3日間、LAで、イベントが開催され、私のセミナーも合計3本入っています。
https://www.yamatonoodle.com/

現在の北米の事情に合ったテーマであり、本来は麺學校で教えている、実務に役立つ内容ばかりの私のセミナーで、タイトルは次の通りです。

1.事業計画・レイアウトセミナー((仮)ビジネスの成功、利益差はここで決まる)
“Understanding Successful Noodle Business by numbers”

2.コンセプトの重要性~コンセプトがビジネスの成功を左右する
“Different noodle restaurant concepts that work”

3.利益倍増計画~多店舗展開へのステップアップ~
“Key to expansion strategy for your restaurant business”
Important tip for building a successful business
-Why business concept determines success in business

4.単価の上がる盛り付け実演(ラーメン、うどん、つけ麺)

その他にも、新規開業者と既存店の双方に役立つ面白い内容のセミナーとか、イベントを準備して、御来場をお待ちしています。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「マーケティングは事業全体を完全に包含する」です。

96.マーケティングは事業全体を完全に包含する

マーケティングは事業全体を完全に包含する。
それは最終成果の観点、つまり顧客の視点から見たビジネスすべてである。
それゆえにマーケティングに対する配慮と責任は、企業全体に浸透していなければならない。

(解説)ドラッカー・マネッジメントでは、ビジネスの目的はお客さまの数を増やし続けることであり、そのためには、マーケテイングの活用により、販売活動をしないで、売れ続ける仕組み作りが欠かせないのです。

要するに、マーケテイングとは、自分の売りたいものを敢えて売り込まないで、マーケテング体質、イノベーション体質の組織文化を全社で構築し、自然に売れ続けるようにすることなのです。

経営者が普段に抱えている3大悩みは、1.売上、2.お金、3.人と言われています。

マーケテイングが完璧に完結すれば、1の売上の問題が解決し、その結果、2のお金の問題も解決し、3の人の問題も解決し易くなるのです。

普通、ビジネスを始めたら、売上を立てること、売ることを考えます。

しかし、マーケテイング思考は、売りたいものを売ることを考えるのではなく、顧客視点に立ち、お客さまの立場を理解して、売れ続ける仕組みを作り上げることなのです。

売るということは、自社、自店の商品(売りたいもの)が既にあり、それをお客さまに売り込もうとすることであり、あくまでも自社、自店の都合が最優先なのです。

悪女の法則でも明らかな通り、人は売り込まれると引きますが、簡単に買えないとなると、欲しくなり、売り込まない、売らない方が結果として、売れるようになるのです。

このことはビジネスの本質とも同じであり、ビジネスの本質は先に与えることであり、自分が後、常に相手が先なのです。

マーケテイングとは、販売と対極にあり、お客さまを出発点、原点とした企業活動であり、商品、サービスの最終到達点であるお客さまの購入時点や、使用状況から事業を考え、遡って組み立てていく仕組みです。

要するに、自社、自店の都合は一切考慮せずに、お客さまのニーズを理解し、ニーズに徹底的に応えるのがマーケテイングであり、マーケテイングとは、次のような順序で行なうものなのです。

1.顧客層(市場)を明確にする。
(自店、自社のお客様は誰か、どのような価値観、ライフスタイルを持つ層かを明確にする。誰でもお客さまにしない。)

2.顧客の真のニーズを理解する。
(お客さま自身でさえ気づいていない、お客さまの潜在ニーズを掘り下げる。お客さまのウオンツには対応しない。)

3.顧客のニーズを満たす商品、サービスを供給する。
(自社、自店の都合で、自社、自店の持っている商品を売るのではなく、お客さまの真のニーズに合った商品、サービスを提供する。)

4.販売行為なくして、売れ続ける状態が出来上がる。

マーケテイングにより、お客さまのニーズに対応していると、新しい市場創造も出来るのです。

お客さまの未だ満たされていないニーズに対応し続けると、イノベーションが起こり、今までにない新しい市場を創り出すことが出来るのです。

これは市場創造であり、過去、大きく成功した企業のほとんどが、新しい市場創造をしたのです。

古くは、ホンダのオートバイ、カブを開発するときに、出前をやっている店のニーズに基づき、片手で運転出来るようにして、出前用のオートバイとして普及 し、それまでになかったビジネス・バイクとしての新市場を創り出し、今も世界中で売れ続けている超ロング・セラー商品なのです。

丸亀市にある、骨付き鶏一鶴等もイノベーションにより、今までになかった新市場を創り出し、骨付き鶏市場では一人勝ちしているのです。

古くは、讃岐うどんも新市場を創り出しているので、その意味では小麦粉を使ったイノベーションの結果なのです。

当社の小さい事例では、美味しいうどんを作るために、熟成の必要性を理解し、熟成の原理を見つけ、熟成庫を作り、それまでのうどん店市場では使われていなかった熟成庫の市場を新たに造り出したのです。

従って、マーケテイングの結果、新たなニーズを見つけ出し、新市場を創り出し、市場創造を行なって、新たしいビジネス、即ち、新しい顧客創造を行なっているのです。

従って、ビジネスの目的である顧客創造は、マーケテイングによる顧客ニーズの発掘によって、初めて可能になっているのです。

ビジネスは、常に自社の都合、自社にとって成果の上がり易いように考えがちなのですが、マーケテイング思考は正反対の思考であり、まず、お客さまのニーズを最優先とする、顧客を出発点とした概念なのです。

これを組織の中で達成しようとすると、組織風土、組織文化を完全にマーケテイング思考に置き換えないと出来ないのです。

当社も約10年前から熱心にドラッカー・マネッジメントに取り組み、徐々にこの思考が組織文化になりつつあります。

更に、これらが完璧に組織文化になり、マーケテイング体質とイノベーション体質を完ぺきに身につけることが出来れば、販売の心配が一切なく、お客さま方が行列になり、当社の商品、サービスを待っている理想的な状態になっていることと思います。

そのような理想状態に到達するためにも、日々、マーケテイングとイノベーションの学びを深めていく所存です。

このたび、当社で約10年間、営業企画でありながら、外回りの営業も一人でこなし、大活躍してくれた山下さんが、おめでたい、寿退社となりました。

昨日は、全社で彼女の前途を祝して、お祝いをしました。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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