昨日の月曜日は、朝から大和の役員会議、経営会議、開発の打合せ、讃匠の経営会議とずっと社内で、会議の連続でした。
会議でのスタッフの発言内容を聞いていると、スタッフ一人ひとりの思考方法、個性、進化の度合い等が手に取るように分かります。
昨日、大和の役員会議で決めたのは、以前から総務に言い続けていて出来ていなかったスタッフ一人ひとりのインターナル・マーケテイングである、データ・ベース作成です。
データ・ベースの項目をずっと拾っていくと、大きく分けて、次のような項目が浮かんできたのです。
1.給与
2.専門分野
3.人間性
4.素質
5.技能
6.礼儀、マナー
7.希望
8.在籍年数
9.貢献度、実績
10.体調
11.家庭環境
12.役員としての資質
以上の項目以外に、当社独自のさまざまな必要な項目が出てくると思いますが、インターナル・マーケテイングをこれから強化し、一人ひとりの従業員満足度、従業員ロイヤルテイを高めていくことに、フォーカスする予定です。
次に、当社のユーザーさまの意識の変化を議論してみると、次のような項目が浮かんできたのです。
1.原材料費比率の上昇、飲食業界平均の原材料比率は40%強
2.昔は、製麺機をバックヤードに隠していたが、今は全面に出している
3.昔は引き合いが雑誌広告であったが、今はインターネットになった
4.インターネットの出現により、口コミ速度が早くなった
5.不景気が当たり前、売上が上がらないのが当たり前になった(全部ではないが、右肩下がりが当たり前の意識が多くなった)
6.全般的に、麺学校に参加する生徒さんのレベルが低くなった(主に国内で、海外は熱心な人が多い)
7.以前は、修行に行かないと開業出来ないと思っていたが、今は大和へ行けば何とかなる、と思うお客さまが多くなり、麺學校参加者が増えている
8.お店で当社の機械を見て、学校に申し込んだり、誰かの紹介で学校に申し込む生徒さんが多い
9.ラーメン業界の人たちは、うどん蕎麦業界より、繁盛店を気にしている
10.ラーメンの自家製麺が非常に増え、自家製麺が当たり前になり、自家製麺の方が美味しい麺が出来ると思っている人が増えた
11.専門的な職人が不要になり、麺職人が不要になった(われわれが推進してきた)この結果、マーケットが広がった
12.健康志向を目指す店舗が増えてきている
13.以前は、うどん店を志す人が多かったが、最近では蕎麦店、パスタ専門店が増え、ラーメンのジャンルでも、和え蕎麦、油そば、焼きそば店が増えている
14.十分な準備をしないで開業し、失敗する人が増えている、特にラーメン店に多い
15.熱心な店主、そうでない店主、繁盛している店、そうでない店の落差が以前より大きくなっていて、成功する店主とそうでない店主の落差が大きくなっている
来月、4月7日(火)~9日は、東京支店でパワー・アップ・イベントを開催し、私もセミナーで参加します。
https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-tokyo/
私3つのセミナー・タイトルは、【オリンピック景気 必勝法!】、【スタッフのモチベーションアップセミナー~オーナー様、店長、スタッフ必聴~】、【富裕層客の獲得必勝法!】で、今年になってから訪問した、ロンドン、香港、台中、LAの最新店舗のご紹介を致します。
新規開業の方がたにとっても、今から開業する方がたにとっても、世界の最新外食情報を知るチャンスです。
本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(上)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。
ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。
Iタイミングの問題
「機会への敏感さ」
経営管理者たちも、認識の変化によるイノベーションの可能性を認めるのですが、ややもすれば、それを非現実的なものとして軽視し、認識の変化を利用してイノベーションを行うことを非現実とするのですが、エンサイクロペディア・ブリタニカやサンダーバード、セレスティアル・シーズニングスには、非現実的な要素はないのです。
いかなる分野にせよ、イノベーションに成功する人たちは、そのイノベーションを行う場所に近いところにいて、彼らがほかの人たちと違うのは、イノベーションの機会に敏感なところだけであるのです。
今日、最も売れているグルメ専門誌の一つは、航空機の機内誌の食べ物欄を担当していた若者が創刊したものであり、彼は、ある日、新聞の日曜版で、3つの矛盾する記事を読み、認識の変化を知ったのです。
1つは、冷凍食品やケンタッキー・フライドチキンなど調理ずみ食品が食品消費量の2分の1を超え、数年後には4分の3に達するという記事で、もう1つはテレビのグルメ番組の視聴率が高くなっているという記事、3つ目が、グルメ料理の普及版の本が、ベストセラーになったという記事だったのです。
これらの明らかに矛盾する記事から、彼は「何か起こっているか」を考え、1年後、グルメ専門誌を創刊したのです。
シティバンクは、採用担当者から、金融とマーケティングで、成績のよい男子学生を採用せよという指示に、応えられないという報告を受けたとき、女性の社会進出が、大きな機会をもたらしていることに気づいたのです。
採用担当者からの報告によれば、それらの分野で最も成績のよい学生は、女性ばかりだったのです。
銀行を含め、ほかの企業の採用担当者も同じ報告をしていたのですが、マネジメントの反応は、「最高の男子学生を採用すべく、さらに努力せよ」というものだったのですが、シティバンクではトップ・マネジメントが、この変化をイノベーションの機会としてとらえたのです。
これらの例は、認識の変化にもとづくイノベーションには、タイミングの問題が決定的に重要だということを示している。
もしフォードが、エドセルの大失敗の後、1年でも行動を遅らせていたならば、新しく出現したライフスタイルによる市場を、GMのポンティアックに奪われていたかもしれないのです。
もしシティバンクが、女性のMBAを採用する最初の企業になっていなかったならば、企業におけるキャリアを求める優秀で意欲的な若い女性たちに、最も人気のある企業にはなれなかったかもしれないのです。
最近、日本において、私が気付く認識の変化は次の通りです。
1.高齢者の高齢者意識が薄くなっていて、高齢者が非常に元気であり、昔であれば、60歳はお爺さん、お婆さんであったのです。
2.男女とも、結婚年齢が遅くなっていて、私が若いころは、女性は25歳が遅いくらいであったのが、今では30歳が平均になり、それに伴い、男性の結婚年齢も上昇しているのです。
3.男女とも、生涯未婚率が高くなり、男性は20%を超え、女性は12%程度で、ますますこの数字は増加しているのです。
4.世界的に離婚率が高くなっていて、アメリカは50%、日本は30%程度に上昇しているのです。
5.新聞、テレビ離れを起こし、情報の収集はインターネットになったのです。
6.女性が働くのが当たり前になり、働いていない女性が当たり前でなくなっています。
7.子どもの数が減少し、結婚した男女が子供を持つ数が減少しているのです。
8.贅沢品がなくなり、誰でも何でも買えるようになり、われわれが現在送っている生活は江戸時代の殿さまより、贅沢な生活なのです。
9.家での食事が少なくなり、家庭の主婦が料理をしなくなったのです。
10.男尊女卑ではなく、むしろ反対になってきたのです。
11.八百屋、魚屋、酒屋等の近隣の単一販売の店舗がなくなり、コンビニとか、量販店が中心になってきました。
12.昔、夜は、家に早く帰ってテレビを見るのが平均的な生活であったのですが、最近では、24時間営業の店が多くなり、時間の消費が画一的でなくなったのです。
13.何でもインターネットで済むようになり、会話、買物、用事等、あらゆることがインターネットを通じて行えるようになりました。
14.昔、外食は贅沢でしたが、今では外食が当たり前になり、贅沢でもなく、日常食になっていて、むしろ、家庭での団欒の方が贅沢になっているのです。
以上は、思いつくままに挙げてみた認識の変化ですが、われわれはこのような認識の変化に気づくことが大切であり、常に認識の変化を気付く習慣をつけておくことにより、それを機会として、イノベーションを起こすことが出来るのです。
「◆小さく着手せよ」
とはいえ、認識の変化をイノベーションの機会に利用しようとして、急ぎすぎることには危険が伴い、そもそも認識の変化と見えるものの多くは、一時的な流行にすぎなく、1年か2年のうちには消えてしまい、一時的な流行と本当の変化は、一見して明らかというものではないのです。
子供たちのコンピュータ・ゲームは、一時的な流行にすぎないかもしれなく、アタリをはじめとするゲーム会社の多くは、それを認識の変化と見て、大きな痛手を受けたのですが、彼らの父親たちがパソコンを使いはじめたことは、本当の変化だったのです。
そのうえ、認識の変化が、いかなる結果をもたらすかを知ることは、ほとんど不可能であり、そのよい例が、フランス、日本、西ドイツ、アメリカなどの学生運動であり、1960年代の末には誰もが、学生運動が社会に対し恒久的かつ重大な影響を与えると見たのです。
今となってみれば、あの学生運動は何だったのか、大学について見るならば、学生運動は、永続的な影響は何ら与えていないのです。
あの学生運動の頃、1968年卒の反抗的な学生たちがやがて15年後には、ヤッピーになるなど、誰が予測できたのでしょうか、1984年の大統領予備選において、ハート上院議員が支持を訴えたヤッピー、上昇志向の超現実主義者、仕事中心の出世主義者になるなどと誰が予測できたのでしょうか。
今日、ドロップアウトは増えるどころか減っていて、最近の同性愛者に対する注目は、あの学生運動と関係があるのでしょうか。
いずれにせよ、これらのことは、1968年当時、学者や評論家、さらには彼ら学生たち自身にも予想できることではなかったのです。
認識の変化をイノベーションの機会としてとらえるうえで、模倣は役に立たず、自らが最初に手をつけなければならないのですが、認識の変化が一時的なものか、永続的なものかはなかなか見極めがつかないので、認識の変化にもとづくイノベーションは、小規模に、かつ具体的に着手しなければならないのです。
認識の変化は、気を付けていると、われわれの周りのあらゆるところで起きているのですが、大切なことはその変化が一時的な流行か、大きな流れのトレンドかを見極めなければいけないのです。
しかし、これを見極めることは非常に難しいので、大きな失敗を避けるために、ドラッカーは小さく試すことを勧めているのです。
こうしてみると、われわれの周りには、常に認識の変化、即ち、イノベーションのチャンスが存在しているのです。
耳を澄ませ、目を大きく開いて、常に認識の変化を見落さないようにすることが重要なのです。
画像は、先週のラーメン学校の最終日で、生徒さんたちにチャーシューの切り方を説明しているところです。
食材のカット方法で、インパクトがぜんぜん異なります。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。