昨日に続き、再び、企業の業績アップの話で、私を含め、企業のトップで業績アップを普段に考え続けていないトップは一人もいないのです。
ところが、企業のトップのほとんどは、経営者の立場で、或いは、従業員を雇う側の立場でいつも業績アップを考えているのです。
私も過去6年間、サラリーマン生活をして、サラリーマンであることの良い点、問題点を見続けてきましたので、自分が会社を始めるのであれば、こんな会社にしようという青雲の志を抱いて、起業したことを昨日のように思い出します。
ところが、一旦、会社を始めると、最初の星雲の志は日々の会社運営の格闘の中に消えてしまったのですが、創業30年を経過する頃から、少しづつではありますが、ゆとりが出てきて、当社の目的に少しづつ近づこうとしています。
そして、これからの日本の就職事情を考えると、これからの企業が人を採用するということは、その人の人生をいかに素晴らしいものに変えてあげることが出来 るか、素晴らしい将来の夢を託せる会社であるか、そのような魅力的な会社を作ることによって、その魅力度で、多くの有為の人材を惹きつけることが出来るの です。
例えば、その会社で働くことによって、従業員はどのような価値を得ることが出来るのか、その価値の大きさが重要になってくるのです。
例えば、多くの人たちが働きたくなる会社の、働くことによって得られる価値
大きく分けて、「報酬」、「学び」、「経験」
昨日のフェイスブックに書いたように、幸せ感を感じる報酬を超えると、それ以上幾ら超えても、極端な満足感は得られないのです。
例えば、年収300万円の人の出来ることと、600万円の人の出来ることの差は大きく、例えば、300万円では、家族旅行が出来なくても、600万円になれば、出来るのです。
ところが、600万円を超え、800万円になっても、900万円になっても、出来ることの種類はそれほど変わらず、出来ることのグレードが変わってくるのです。
例えば、600万円であれば、国内旅行しか出来なかったのが、900万円になれば、海外旅行が出来るようになる程度で、ある程度の金額を超えると、大きな満足感の差はないのです。
ところが、報酬以外の分野での学びとか、経験には限界がなく、幾らでも上に高めることが出来、高めることにより、更に、貢献度が大きくなり、満足感が大きくなってくるのです。
われわれが仕事する目的は次の通りです。
1.社会貢献
2.自分の人生の充実
すべての仕事は社会貢献につながっていて、社会貢献がゼロの仕事はあり得ないし、そのような仕事では、対価を払って貰えないので、仕事にならないのです。
そして、仕事をするのは、自分の人生の充実を図ることであり、そのことが、更に多くの人たちの人生の充実につながってくるのです。
人生の充実のためには、当然、十分な「報酬」による豊かな生活、家族の幸せ、学び続けることにより、自分自身のレベルを上げ続け、更に豊かな生活と社会貢献に繋がるのです。
仕事を通じた豊富な経験は、更に、自分のキャリアアップの大きな力になることでしょう。
このように、働く人たちを幸せにすることにより、会社は成果を上げて、更に多くの人たちを幸せにすることが出来るのです。
企業は成果を上げるには、周りの人たちを幸せにして、社会に大きく貢献し続ける仕組みを作ると、企業は成長し続けることが出来るのです。
昨日も書いたように、グーグルは社員を幸せにすることを目指し続けている企業なので、世界中から、働きたい人が押し寄せる会社になっているのです。
そして、従業員一人ひとりの夢と幸せは異なるので、①自分の夢は何か?、②自分の幸せとは何か?を従業員一人ひとりに問い続けることが大切なのです。
これは、時代の変化とともに、夢の基準、幸せの基準も変わり続けるのです。
本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(下)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。
ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。
◆さらに走りつづける
この戦略では、明確な目標を1つ掲げ、そこに全エネルギーを集中しなければならない上に、成果が出はじめるや、さらに大量に資源を投入しなければならないのです。
デュポンは、実用に堪える合成繊維の開発に成功するや、市場が反応するはるか前に、大工場を建設し、繊維メーカーや一般消費者向けに、広告、展示、見本提供の絨毯爆撃を行ったのです。
イノベーションが事業として成功したあと、本当の仕事が始まり、この戦略は、トップの地位を維持していくための継続的な努力を要求し、さもなければ、すべては競争相手のために市場を生むだけに終わるのです。
リーダーシップを握った以上、前よりも激しく走らなければならず、イノベーションの努力をさらに大規模に続けなければならなくなり、開発費も、イノベー ションが成功した後においてこそ、増額しなければならず、新しい製品の利用法を開発し、新しい顧客を発掘し、新しい製品を試してもらわなければならないの です。
この戦略は、天下を取るための昔の武将の闘いであり、或いは、第一世界大戦とか、第二次世界大戦と同じような戦争に相当し、一旦戦争が始まったら、2度と後に引き返すことが出来ないし、負けることが出来ないのです。
従って、下記のように、常に戦争の勝敗の推移を見てきたダイナマイトを発明したノーベルが、ダイナマイトの製造でカルテルを戦略的に結成したのは、勝つための戦略の大切さを見てきたためであろうと考えられるのです。
◆自らの手による陳腐化
そして何にもまして、この戦略によって成功した起業家は、競争相手によってではなく、自らの手によって、自社製品や工程を陳腐化させていく必要があり、次 世代の製品や工程を開発するためには、最初の成功をもたらしたと同じだけの努力と資源を投入しなければならないのです。
さらには、価格を立てつづけに下げなければならず、高価格を維持することは、競争相手に傘をさしかけ、やる気を起こさせるだけであるのです。
経済史上最も長く続いた私的独占、すなわちアルフレッド・ノーベルがダイナマイトを発明したあとに結成したカルテルが、この方針を堅持し、ダイナマイト・カルテルは、ノーベルの特許が消滅してかなり年月のたった第一次犬戦後も、世界市場を独占していたのです。
彼らは、需要が10パーセントから20パーセント増大するごとに価格を引き下げ、生産増に必要な投資は償却ずみだったので、その結果、カルテルは高収益を維持し、したがって、新規参人者にとって工場の新設は魅力がなかったのです。
デュポンが、ナイロンについてこれと同じ方針をとったことは偶然ではなく、そもそもデュポンは、ダイナマイト・カルテルのアメリカのメンバーであり、ワングはワープロについて、3Mはあらゆる製品について、同じ方針をとったのです。
3リスクの大きさ
◆僥倖
前記の例は、すべて成功物語であり、したがって、実際にこの戦略がいかに大きなリスクを伴っているかは示していないのは、失敗の例は、紹介したくとも残っていないからですが、われわれは、成功よりも失敗のほうがはるかに多いことを知っているのです。
この戦略には、チャンスは一度しかなく、直ちに成功するか、さもなければ完全な失敗であり、息子の頭に載せたリンゴを一の矢で射ち落とさなければならな かったスイスの射手ウィリアム・テルと同じであり、失敗すれば息子を殺してしまうかもしれないだけでなく、しかも自分も殺されるのです。
これこそまさに、この戦略をとったときに起業家がおかれる状況であり、まずまずの成功や惜しい失敗などなく、成功と失敗しかなく、成功でさえ、あとからしかわからないのです。
少なくともわれわれは、次の例が失敗していた可能性のあることを知っていて、運や偶然によって救われたにすぎないのです。
ナイロンの成功は僥倖であり、1930年代には、事実上ナイロンのための市場はなく、綿糸やレーヨンと競争するには、あまりに値段が高く、当時の最も贅沢 な繊維、絹よりもさらに高く、しかも厳しい不況のさなかにあって、日本は絹をいかなる安値でも輸出するつもりだったのです。
ナイロンを救ったのは、日本の絹輸出にストップをかけた第2次大戦の勃発で、1950年頃、日本が絹産業を再建したときには、すでにナイロンはゆるぎない地位を築き、コストと価格もはるかに安くなっていたのです。
3Mの最も有名な製品であるスコッチテープについては、すでに述べたとおりである。ここでも、偶然がなければ、失敗のまま終わっていたにちがいない。
◆リスクの大きさ
この戦略は、リスクが大きく、ほかの戦略、たとえば創造的模倣(次章参照)がとられるのは、この戦略では成功よりも失敗のリスクのほうが大きいからであ り、強い意志がなければ失敗し、努力が十分でなければ失敗し、イノベーションとして成功しても、十分な資源を投入しなければ失敗し、事業として成功して も、十分な追加資源を投入しなければ失敗に終わるのです。
成功すれば報奨は大きいが、リスクが大きく、非常な困難を伴い、したがって、この戦略は大きなイノベーションにしか使うべきではなく、たとえば、フンボル トのように新しい政治秩序を生み出すことや、ホフマン・ラロッシュのビタミンのように新しい医療分野を生み出すこと、あるいはメイヨー兄弟のように診断と 治療について新しい医療の方法を生み出すことにしか、使うべきではないのです。
実際、これが使えるイノベーションの種類はごく限られていて、しかも、イノベーションの機会についての深い分析と正しい理解が必要であり、エネルギーと資源の集中が必要であるのです。
多くの場合、ほかの戦略を使うべきであり、ほかの戦略のほうが望ましく、リスクが大きいからではなく、「総力による攻撃」に必要なコスト、努力、資源に見合うほど大きなイノベーションの機会はあまりないからであるのです。
以上の様に、この戦略に長けた企業の多くは、大きな戦争を経験したり、戦略の大切さを理解している人たちだけなのです。
西ヨーロッパ大陸は、現在こそ平和な時代が続いていますが、第二次世界大戦以前は、常に戦火に見舞われていたのです。
昨日から、新しい週が始まり、長かった休み明けの元気そうな顔のスタッフたちが揃いましたが、私は皆に負けない位、元気一杯です。
今月末には、スタッフたちと一緒に、ロンドン、ドイツ、スイスに再度行きますが、画像は、前回ロンドンで最高に人気の高かった和食の店の最後のデザートでした。
盛り付けの素晴らしさに、全員、圧倒されたのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。