来週6月22日(月)から24日(水)までの3日間、ドリーム・スタジオ大阪にて、パワーアップイベントが開催され、私のセミナーは23日(火)、24日(水)で、レジメは次の通りで、①については、未発表のレジメです。
① 麺専門店のレイアウト・事業計画書のポイント!(NEW)
② 富裕層客の獲得必勝法!(4月東京支店)
③ 人材を制す者は、売上げをも制す!(6月ドリームスタジオ高崎)
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/)
本日のテーマは、「学びの場」です。
昨日は朝の便で総務のスタッフ河原さんに高松空港まで送って貰い、高松空港から羽田に移動し、迎えの東京支店の孟さんと一緒に東京支店に向かい、東京支店では、昨年より懸案であり、気掛かりであった製麺実演室がようやく完成し、応接室もきれいに仕上がり、当初思っていた以上に広く、使い勝手よく出来ていたのに安心しました。
昼食は、東京支店の栗原さんが作ってくれたサラダといつものカレー、そして少しのタンパク質で済ませると、午後1時から私の出番で、今回から始まったパスタ学校の盛り付けの指導です。
パスタの盛り付けは、今までのうどん、蕎麦、ラーメンとは異なり、基本的に汁無し麺であり、濃度の薄いだし汁の代わりに、濃度の高いソースを使い、味付けをするのです。
ところが、生徒さんの中には、他の麺類のつけ汁のような感覚で、ソースを別添えしている場合がありましたが、後からソースを麺に絡めると、麺が上手くほぐれずに、絡みが悪いことが分かりました。
このようなこともよく考えれば分かることであり、やってみれば分かることなのですが、今までの他の麺のノウハウとか経験の上で深く考えずにやっていると、よく陥る問題点です。
生徒さんの作品を見ながら、他のうどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校と同様に生徒さんの作品の修正を行ないましたが、基本的な部分は他の麺類と同じ部分があり、また異なる部分があることも、生徒さんの指導をしながら良く分かりました。
生徒さんの盛り付けのチェックと修正をした後、たまたま、改装された東京支店の本棚に置いてあった、都内のパスタ有名店のシェフたちによるメニュー集の本があり、有名シェフたちによる盛り付け事例が、たくさん掲載されていました。
たった今、盛付指導を終えた後であったので、私の修正した方法と有名なイタリアンのシェフたちの盛り付けの違いを見比べてみて驚いたのは、盛付の方向性はほとんど同じであったのです。
トマト系のパスタ、オイル系、クリームソース系、魚介系、肉類系、野菜を多く使ったパスタ、色使いの方法等、私が指導した方法と有名シェフの盛り付けの方向性がほとんど同じであったのには、自分ながらに驚きました。
有名シェフの盛り付けでも、非常にきれいな盛り付けがあった反面、そうでもない盛り付けも多くあり、パスタの盛り付けの難しさも改めて感じたのです。
そして、パスタにはうどん、蕎麦、ラーメンと少し異なった、独特な世界観があることも理解出来、これからのパスタ学校の進め方にも、たいへん参考になりました。
今年1月と5月から6月にかけて、ヨーロッパに行き、スタッフたちと一緒に多くのパスタ料理も体験してきましたが、これから世界で、そして日本でヒットしそうなパスタの方向性も見えてきました。
当社のパスタ学校では特に、日本で好まれるパスタについての方向性に気を付け、日本でヒットしそうな日本風パスタの味付け、盛付に注意したのです。
日本古来の調味料である、醤油、味噌、酢等の調味料をふんだんに使ったパスタはこれからの日本のパスタの方向性を考える上で、重要な調味料であると考えられます。
併せて、現在の日本の麺文化の方向性は、うどん、蕎麦、ラーメンの基本的な調理方法である、たっぷりの出汁に麺が浮いている、汁あり麺から、最近流行している和え麺、混ぜ麺のような汁無し麺の方向に向かっています。
私は、ラーメンスープの大きなトレンドは、濃度が薄い方向から、濃い方向への流れであると見ていましたが、濃度の濃さが更に深まり、混ぜ麺等の非常に濃度の高い麺料理が好まれるようになっているのです。
パスタ料理もほとんど、汁無し麺であり、混ぜ麺、和え麺、焼きそば、焼きうどん等とたいへん共通性があり、これからの麺料理の大きなトレンドを考えると、汁無し麺の方向も大きなトレンドのようです。
このように考えると、パスタ料理を学ぶことは、これからの大きな麺のトレンドを理解する上で、或いは、これからの新しいうどん、蕎麦、ラーメンのイノベーションを起こす上でも非常に重要なことであることが改めてよく分かりました。
麺の種類についても、今回はパスタファブリカ、リッチメン、真打の多加水手打ち方式の麺の比較試食をした結果、生徒さんの感想としては、真打で作った多加水手打ち式方式の麺が一番美味しかったとのことでした。
今回のパスタ学校の体験を踏まえて、大和流の新しいパスタ学校、要するに汁無し麺料理の提案をしたいと考えています。
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。
更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。
「弱みへの攻撃」
I創造的模倣
「弱みへの攻撃」は、南北戦争における南軍将校の言葉であり、起業家戦略としては、「創造的模倣」と「起業家的柔道」という2つの戦略が、これに該当するのです。
◆イノベーターよりも創造的
創造的模倣は、ハーバード・ビジネススクールのセオドア・レヴィットの造語で、明らかに矛盾した概念であり、創造的ということは、オリジナルということであり、あらゆる模倣に共通していることは、オリジナルではないということであるのですが、これは、まさに内容とぴったりの言葉であり、この戦略は模倣であり、この戦略で起業家は、すでにほかの誰かが行ったことを行うのですが、この創造的模倣の戦略を使う起業家は、最初にイノベーションを行った者よりも、そのイノベーションの意味をより深く理解しているがゆえに、創造的となり、日本の場合でも、模倣戦略はたびたび実行されるのですが、最近ではそのほとんどが失敗しているのは、イノベーションを行なった者よりもはるかに低いレベルの模倣を行なっていて、形だけ真似て、イノベーションのコンセプト、要するに本質を理解していないためで、創造的模倣においては、本質の理解が欠かせないのです。
IBMがこの戦略を最も多く使い、大きな成果をあげ、P&Gが、石鹸、洗剤、トイレタリーの市場でトップの地位を獲得し維持するために使い、日本の服部セイコーが世界の時計市場において、トップの地位を得るために使ったのです。
1930年代初め、IBMは、ニューヨークのコロンビア大学の天文学者のために、高速の計算機をつくり、その数年後の1930年代半ばには、ハーバード大学の天文学者のために、コンピュータの原型ともいうべき計算機をつくり、第2次大戦が終わる頃には、記憶装置とプログラム能力を備えたコンピュータをつくったのですが、そのIBMが、コンピュータのイノベーターとして歴史の本で取り上げられることはあまりなく、それには、それなりの根拠があり、IBMは、その先駆的なコンピュータを1945年に完成し、二ユーヨークの街中で大勢の人たちを集めて実演した後、自らの設計を捨て、ペンシルベニア大学で開発されたENIACに乗り換えたのは、ENIACの設計者は認識していなかったのですが、給与計算に使いやすく、IBMは、計算事務という平凡な仕事に使えるよう、ENIACの設計を取り入れ、生産し、アフターサービスすることにし、1953年、ENIACのIBM版が世に出るや、直ちにそれは、企業用の多目的メインフレーム・コンピュータの標準となり、これが創造的模倣の戦略で、誰かが新しいものを完成間近までつくりあげるのを待ち、そこで仕事に取りかかり、短期間で、顧客が望み、満足し、代価を払ってくれるものをつくりあげ、直ちにそれは標準となり、市場を奪うのです。
IBMは、パソコンについても創造的模倣の戦略を使い、アイデアそのものはアップルのものであり、IBMは、パソコンが経済的でなく、最適にほど遠く、金のかかる間違った製品と見ていたのですが、なぜかそれは成功していたので、
IBMは直ちに、パソコンの標準となり、支配者となり、少なくとも先端的となるべき製品の設計にかかり、その成果がPCで、2年後には、IBMのPCはアップルのリーダーシップを奪い、最も売れる製品、標準たる製品となり、P&Gもまた、石鹸、洗剤、トイレタリー、加工食品などの市場で、ほとんど同じ戦略を使ったのです。
時計業界は、半導体が開発されたとき、それまでの時計よりも正確で信頼性が高く、しかも安い時計がつくれることを知り、スイスの時計メーカーもクォーツ・デジタル時計を開発したのですが、すでに従来型の時計に多額の投資を行っていた彼らは、新製品を贅沢品として位置づけ、時間をかけて導入していくことにしたのですが、他方、国内市場向けに腕時計をつくっていたセイコーは、半導体にイノベーションの機会を見出し、創造的模倣の戦略をとり、クォーツ・デジクル時計を普及品として世に出し、スイスのメーカーが気づいたときにはすでに遅く、セイコーの腕時計が世界のベストセラーとなり、スイスのメーカーはほとんど市場から追いやられたのでが、時は流れ、現在ではスイスのメーカーがデザイン力で息を吹き返し、日本勢は高級時計では見る影もない状態になっています。
創造的模倣の戦略は、「総力による攻撃」と同じように、市場や産業の支配まではできなくとも、トップの地位の獲得を目指し、リスクははるかに小さく、創造的模倣を行う者が動き出した頃には、市場は確立し、製品が市場で受け入れられているどころか、通常、最初のベンチャー・ビジネスが供給できる以上の需要が生まれていて、市場もすでに明らかになっていて、少なくとも明らかにできるようになっていて、しかも、顧客が何を買っているか、いかに買っているか、何を価値としているかを、市場調査によって明らかにすることができるようになっているのです。
最初のベンチャー・ビジネスが直面した無数の不確定要素も、ほとんどが明らかにされているか、少なくとも、分析し調べることが可能になっていて、もはやパソコンやクォーツ・デジタル時計が何であるか、何をするものなのかを説明する必要はなく、もちろん、イノベーションを行った者が、最初からすべてを行ってしまい、創造的模倣の戦略に対して戸を閉めていることもあり、ビタミンのホフマン・ラロッシュ、ナイロンのデュポンのように、行うべきことをすべて行ってしまっていることがあるのですが、これまで創造的模倣に成功した起業家の数を見るかぎり、最初にイノベーションを行った者が、すべてのことを行い、市場を占有してしまっていることは、それほど多くはないのです。
創造的模倣のもう1つのよい例が、「非ピリン系アスピリン」ともいうべきタイレノールであり、これほど、創造的模倣の戦略が何であり、成功するための条件が何であり、いかにうまくいくかを示してくれる例はなく、アメリカでタイレノールなる商標名で売られている、アセトアミノフェンは、長年鎮痛剤として使われていたが、ごく最近まで、処方箋がなければ手に入れられない医薬品であり、アセトアミノフェンよりもはるかに古いアスピリンが市場を独占していたのですが、アセトアミノフェンは、アスピリンほどの効き目はなく、鎮痛剤としては効いても、解熱剤としては効かないのですが、その反面、血液の凝固作用がないので、アスピリンのように、長期間にわたって大量に投与しても胃の異常や出血をもたらすという副作用もないので、ようやくアセトアミノフェンが処方箋なしで売られることになったとき、最初に市場に出された製品はアスピリンの副作用に苦しむ患者のための薬として売られ、成功し、成功は予想をはるかに上回ったのですが、まさにその成功が、創造的模倣の機会を生み出したのです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アスピリンに代わる鎮痛剤の市場が存在すること、しかもアスピリンのほうが、やがて解熱や血液凝固を必要とする限定された市場になってしまうであろうことを理解し、そこで、タイレノールを一般薬として売り、2年のうちに、このタイレノールが市場を獲得したのですが、この戦略は以上の様に、たいへん有効性が高いのに、リスクが少ないので、使い易い戦略なのですが、いかに本質を極めているかが重要であり、本質を極めていないと、単に時間とお金の膨大なロスに繋がるだけであり、私は、このビジネスを通して、「はなまる」をコピーした店、「丸亀製麺」をコピーした店のほとんどが駄目になった事実を知っているので、本質を極める大切さを実感しているのです。
最近、アップルのとっている戦略のほとんどが、創造的模倣戦略であり、ipodの原型はソニーのウオークマンであり、iphoneの原型は、既存の携帯電話であり、既に市場が切り拓かれている商品であり、それらの既存商品に対して、すべてイノベーションを起こした、新しいコンセプトの商品を提供したのです。
従って、単に真似るのではなく、常に新しいイノベーションの様子が含めていることが重要であるのです。
グーグルの成功も既に市場がヤフー等により切り拓かれていたのですが、既存の検索エンジンの大きな課題を突き、イノベーションに成功したのであり、ウイキペデイアの成功も、マイクロソフトの百科事典エンカルタが既に市場に存在していたのですが、問題点を突いて、市場を制覇し、従って、そのビジネスの本質の理解なくして、創造的模倣戦略は成立しないのです。
画像は、昨日の東京支店でのパスタ学校での生徒さんの作品事例です。
島根県の生徒さんで、自分で作ったズッキーニを持参しての参加で、グリーンとイエローのズッキーニの対比が素晴らしく、美味しい作品でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。