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うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「資金構造を超えた成長、フランチャイズ成功の原則、死活問題、突然の不能」

一昨日の東京支店の蕎麦学校での作品事例

本日のテーマは「麺学校の意義」です。

昨日で2日間の東京支店での経営講義を終え、帰路についていますが、2日間の経営講義はたいへん楽しく、有意義なもので、参加している生徒さん自身が気付いていない生徒さんの可能性を思いきり引き出す、大きなチャレンジで、生徒さん方にとって、麺ビジネスを始めることは、人生の大きな目的達成のための手段に過ぎないのです。

生徒さんたちにとって、麺ビジネスを始めることが人生の本当の目的ではなく、目的を達成するための、ほんの手段であるわけですが、ほとんどの生徒さんは、麺ビジネスを始めることが目的になっていたり、麺ビジネスは始めるに当たり、他のビジネスに比べて、比較的にハードルが低いので始めようと考えている人たちが多いようです。

私の役目は、一般的に生徒さんが持っている、麺ビジネスに関する違った常識を修正し、これからの時代における新しい麺ビジネスのあり方を伝え、正しい一歩を踏み出すお手伝いをするのです。

今回の経営講義においても、ある生徒さんの感想として、麺ビジネスはもっと単純なもので、麺の作り方、出汁の取り方等、単純な作業をマスターすれば、簡単に開店できると考えていたのです。

私も自分自身が40年前にビジネスを始めるときは、ビジネスは専門分野(私の場合は機械設計)を究めれば、成功すると思って始めたのですが、オイルショックの後で機械設計だけでは成り立たなかったので、製麺機の製造販売業に携わるようになったのです。

そして、優秀な製麺機の開発が出来れば成功すると思い、徹夜の連続で製麺機の開発に取り組んで完成したのですが、良い商品が出来ただけではビジネスが成功するほど甘いものではないことを、創業直後に思い知らされたのです。

私はモノづくりのプロですが、モノ作りよりも売ることの方がもっと難しく、お客さまという存在の理解が欠かせなかったのです。

そこで初めて、販売の勉強を行ない、マーケテイング、マネッジメントの学びを深め始めたのです。

学べば学ぶほど、マネッジメントの奥深さが分かり、麺ビジネスにおいても、同じようなことが言えるのではなかろうかと思い、私が学び続けてきたマネッジメント理論を麺ビジネスに当てはめてみたのです。

それを15年前にうどん学校を開校して以来、生徒さんに教え続けてきたのですが、生徒さんに教えるごとに、私の学びも深まり、教える内容も深まり続け、最初はなかった経営講義の教科書も4冊ほど出来上がったのです。

従って、現在、当社の麺學校で生徒さんに教えているマネッジメントの内容は、過去15年間の実績に裏打ちされた、同時に私がお客さまのビジネスを通じて、体験したこと、また、私自身の15年間にわたる麺専門店の経営を通じて得られた体験、並びに創業以来40年間にわたる当社の経営を通じて得られた経験を基にしているのです。

従って、一般的なマネッジメントの書籍に書かれているような内容を単に、書き写したようなものではなく、私自身の失敗の体験がベースになっているので、私の経営講義の内容は、リアリテイが高く、生徒さんにとって現実的に感じることが出来るのです。

私は40年間の自身のビジネスにおいて嫌というほど、たくさんの失敗を重ねてきたので、生徒さんたちには私のように失敗をしないように、私の失敗の体験を教えることが、私の役目であると思い、真剣に取り組んでいるのです。

だから、授業中には生徒さんはお客さまではなく、大切なビジネスパートナーであると思って、かなり厳しい話をしています。

当社の目先のビジネスだけを考えると、生徒さんに麺ビジネスの開業を勧め、製麺機の販売に繋がるようにした方が、当社にとっては、よほど効率が良いと思われるのですが、私はむしろそうとは思わないで、この生徒さんは麺専門店を開かない方が良いと思った場合は、むしろ開かない方を勧めているのです。

その生徒さんの人生にとって、幸せになれる可能性の高い道を歩むように勧めているのです。

そのような生徒さんの中には、私の忠告を振り切って開業される生徒さんもいましたが、結果は芳しくないものがほとんどでした。

要するに、当社の麺學校はその生徒さんが麺ビジネスを始めるに当たり、このビジネスが生徒さん自身にとって人生の正しい道であるかどうかを確認するための試金石でもあるのです。

もし、生徒さんたちにとって、この道が正しい道でないとすれば、生徒さんにとっては貴重な人生の時間を大きく失い、時間だけでなく、貴重なお金も失う可能性があり、まさに生徒さんたちにとっては、人生を掛けた大勝負に挑むわけですから、われわれ講師陣も真剣にならざるを得ないのです。

当社の麺學校は、単に製麺技術、料理の技術を教える、麺職人養成の学校ではなく、麺ビジネスの経営者を育成する学校なので、特にマネッジメントには、力を入れており、昨日も遠方から参加していた、すでに寿司ビジネスで成功している経営者が、寿司ビジネスは寿司のプロの料理人である自分が店から離れることが出来ないので、ビジネスの拡大が出来ないが、麺ビジネスは人に任すことが出来そうなので、麺ビジネスを始めたいと言っている生徒さんがいたのです。

そこで、私はマクドナルドを引合に出し、マネッジメントの大切さを教えたのです。

マクドナルドがFCのチェーン店を創業したころのアメリカには、全米の至るところに、現在の日本のうどん蕎麦店、ラーメン店のように、パパママストアのハンバー店がたくさんあったのですが、そのパパママストアにマネッジメント技術を活用して、企業化にしたのが、マクドナルドの創業者レイ・クロックで、パパママ・ストアに、初めてマネッジメントを適用し、最大の成功物語となり、マクドナルドで行なわれたマネッジメントとは、以下の通りです。

1.マクドナルドは、最終製品を規定した
2.次に製造プロセスを規定した
3.設備を再検討し、牛肉、玉ねぎ、パン、フライドポテトの一片に至るまで、同一のものを、同一の時間で、自動的に生産できるようにした
4.顧客にとっての価値が何であるかを考え、それは品質と同質性、サービスの速さ、清潔さと親しみやすさであると結論した
5.そして仕事の基準を定め、従業員を訓練し、給与システムを決めた。

以上のことをこの生徒さんに説明し、現状のすし店をマクドナルドのように、システム化することを勧めたのです。

マネッジメントの技術は、現状で不可能と思っていることを可能にしてくれる技術でもあり、普段にわれわれは、マネッジメントを学び続けなければいけないのです。

本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

◆資金構造を超えた成長

ベンチャー・ビジネスは、キャッシュフローの分析と予測と管理を必要とし、ここ数年、(ハイテク企業を例外として)アメリカのベンチャー・ビジネスの経営状態がよくなっているのは、新しい起業家たちが、起業家精神には財務上のマネジメントが不可欠であることをようやく理解するようになったためであり、財務のマネジメントは、キャッシュフローの予測によって容易に行うことができるのですが、ここでいう予測とは、希望的観測ではなく、最悪のケースを想定した予測であり、キャッシュフローの予測と計画については、昔から、「債務は思ったよりも2か月早く決済しなければならず、債権は2か月遅く決済される」という経験則があるので、ベンチャー・ビジネスにとっては慎重すぎるということはなく、たとえ慎重すぎたとしても、資金が一時的に余るだけの話であるのです。

つねに1年先を見て、どれだけの資金がいつ頃、何のために必要になるかを知らなければならず、1年の余裕があれば、資金の手当てはほとんど可能であるのですが、切迫した状況のもとで資金を調達することは、事業がうまくいっている場合でも困難であり、法外なコストがかかり、重要な時期に、最も重要な人材に寄り道をさせることになり、数か月間にわたって金融機関をまわり、財務の見通しの練り直しに時間とエネルギーを使わされ、挙げ句は、わずか3か月の資金繰りのために、事業そのものを抵当に入れざるを得なくなり、再び時間と頭脳を事業に集中できるようになった頃には、取り返しのつかない大きな機会を逃しているのは、ベンチャー・ビジネスの本質からして、機会が最も大きくなるとき、資金繰りは最も苦しいからであるのです。

成功しているベンチャー・ビジネスは、自らの資金構造を超えて成長し、これまた経験則によれば、新しい事業は、売り上げを40パーセントから50パーセント伸ばすごとに、それまでの資金的基盤では開に合わなくなり、資金構造も変えなければならなくなり、ベンチャー・ビジネスは、成長するに伴い、オーナー自身や家族、あるいは友人という私的な資金源では問に合わなくなり、株式の公開、既存企業との提携、保険会社や年金基金からの資金調達など、大きな資金源をもたなければならなくなり、増資によって資金を調達してきたのであれば、長期の借入を行わなければならなくなり、その逆もあり、成長によって、それまでの資金構造は陳腐化し、障害とさえなり、事業経営には、資金は欠かせず、幾ら赤字であっても資金さえ続けば、事業はやっていけるのですが、資金が途絶えた途端に事業は駄目になるのです。

そして、資金について、現在の時代に余計に難しくなっているのは、ほとんどの資金の動きは目に見えず、コンピュータ・システムで処理されていて、われわれの目には見えないので、会社の資金だけでもなく、家庭のお金も同じで、ほとんどのお金は、ITにより処理されて、ますます見えなくなっているので、この点からも余計に現金の管理は大切なのです。

◆フランチャイズ成功の原則

もちろん、資金計画が比較的容易なベンチャー・ビジネスもあり、レストラン・チェーン、病院チェーン、専門店チェーン、住宅建設業など、各地で類似の事業を展開しているベンチャー・ビジネスでは、各事業単位がそれぞれ独自に資金繰りをすることができ、フランチャイズ制をとったり、あるいは、地元の人たちに有限責任のパートナーとして参加してもらうことができ、このようにすれば、成長と拡大に必要な資金を段階的に調達していくことができ、一つひとつの事業が成功すれば、それが次の事業に対する投資家への保証と誘因になっていくのですが、この方法が機能するためには、以下の3つの原則があるのです。

1.事業単位のそれぞれをできるだけ早く、遅くとも2、3年以内に採算に乗せなければならない。

2.素人のフランチャイジーや外科センターの所長など、マネジメント能力のあまりない人たちでも、本部からの指示なしに無事にマネジメントできるよう、事業内容を定型化しておかなければならない。

3.事業単位のそれぞれが、かなり早い時期に、追加資金を必要としなくなり、むしろ次の事業単位を資金的に助けられるようにならなければならない。

以上のようなマネッジメント・レベルを上げ続けるのは、大きな課題であり、財務のプロは必ず必要なのです。

◆死活問題

このような独立した事業単位として資金を調達することのできないベンチャー・ビジネスにとって、資金計画はまさに死活問題であるのですが、そのようなベンチャー・ビジネスであっても、つねに3年先を見越し、最大の必要資金量を想定して計画しておくならば、必要な資金を、必要なときに、必要な方法で調達することができるのですが、資金源や資金構造を超えて成長してしまったあとでは、自らの独立はもちろん、その生命まで危険にさらすことになり、うまくいっても、創業者は、あらゆる起業家的なリスクをおかして、懸命に働いた挙げ句、他の豊かな者をオーナーにしただけとなり、自らは雇われの身となり、新しくやってきた投資家がオーナーとなり、事実、以上のことは、成長したために起きる、不幸な出来事なのです。

◆突然の不能

ベンチャー・ビジネスは、成長のマネジメントに必要な財務システムを確立しておかなければならず、素晴らしい製品をもち、市場において素晴らしい地位を占め、素晴らしい成長の可能性をもつベンチャー・ビジネスが、次から次へと登場してくるのですが、その多くが、突然、マネジメント不能となり、未収金、在庫、製造コスト、管理コスト、アフターサービス、流通、そのほかあらゆるものをマネジメントできなくなり、1つをコントロールできなくなると、あらゆることをコントロールできなくなり、それまでのシステムを超えて成長してしまったためであり、しかも、ようやく新しいシステムができた頃には、市場は失われ、顧客は、反感とまではいかなくとも不信を抱くようになっていて、流通業者は信頼しなくなり、当然であるのですが、最悪なことに、従業員がマネジメントを信用しなくなっているのです。

急激な成長は、つねに既存のコントロール・システムを陳腐化し、ここでも、成長率にして40パーセットから50パ-セントが、1つの段階として重要な意味をもち、1度コントロールの能力を失うと、取り戻すことは難しいのですが、予防することはかなり容易であり、自社にとって最も重要なこと、たとえば、アフターサービス、未収金や在庫、製造コストについては、財務の観点から検討しておかなければならず、最重要項目が4つないし5つを超えることはほとんどないのです。

これに加えて、マネジメント関連のコストについても気をつけておかなければならず、マネジメット・コストの増大は、マネジメントの人間の雇い過ぎを意味し、マネジメントの構造と仕事の仕方が、事業の変化に追いつけなくなり、コントロールできなくなったことを示し、マネッジメントの人間の雇い過ぎと、マネッジメントの不足はどちらもいけないのですが、バランスを取ることが大切なのです。

それよりも、今の日本で、最も難しくてたいへんなのは、マネッジメントを理解出来る人たちを採用したり、育成したりすることで、プロのマネッジメントを創れるような人材の確保と育成であり、ベンチャー・ビジネスが成長していくためには、それらの最重要項目について、つねに3年先を見越し、コントロールのシステムを確立しておかなければならず、細部にわたるシステムは必要ないし、数字も大雑把でよく、重要なことは、それらのことを意識し、注意し、必要に応じて迅速に対応できるようにしておくことであり、最重要項目に注意さえしていれば、通常、混乱は生じないのです。

3年先を見通しておくことの大切さはその通りで、ほとんどの企業が3年先を、既に起きている未来として理解出来ていないのが問題で、財務上の見通しには、さほど時間はかからないのですが、つねに検討しておかなければならず、そのための技術的な手法は簡単に手に入り、会計の教科書に説明してあるとおりであるのですが、自ら行わなければならないのです。

画像は、一昨日の東京支店の蕎麦学校での作品事例で、トマトと白髪ねぎをアレンジした冷たい蕎麦です。

冷たい出汁とトマトの酸味が混ざり合った、サッパリした蕎麦です。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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