久しぶりであったLA訪問も本日が最終日で、明日は朝8時半にホテルを出て、12時半発の便で帰国の途に就きますが、先週の土曜日に出発し、明日日曜日の夕方に成田到着で、ちょうど1週間の短い旅でした。
今回の旅の一番の思い出は、私のセミナーで、もっと英会話を磨くことと、今までアメリカを何度も訪問し、今までは、自分に関係のない他国であるとしか思ってなく、こんなにアメリカを身近に感じたのは、初めての体験でした。
セミナーを3日間体験して、アメリカは日本と違い、もともと麺文化がない国なので、詳細に至るまで、微に入り、細に入り、克明に指導する麺学校の必要性を余計に感じます。
或いは、国内であれば、製麺機だけの販売が当たり前ですが、北米では製麺機だけではなく、周辺部分もセットにしての販売が、これからは必要になってくることでしょう。
当社が創業した頃と比較すると、当初は製麺機だけの販売だけで十分であったのが、今では麺学校とか、経営講義とか、ビジネスがだんだん複雑になってきているのと同様に、北米の場合は、更に複雑の度合いを増してくることが想定されます。
そして、多くの参加者と語らい、北米の地に、美味しくて、健康に良い日本の麺文化を広げていくことこそ、これからのわれわれの大切な使命であることを再認識しました。
本日は、2軒のユーザーさまを訪問してきました
最初の1軒目は昔ながらの日本にある老舗の蕎麦店をそのまま、アメリカに移動させたようなお店で、私と近い年齢の店主と奥さま、次の世代の方が熱心にお客さま対応とか、料理を作っていました。
こちらの店は、初めての訪問ですが、日本から異国の地へ来て、私と同年齢の方が一生懸命に現役として働いている様子に心打たれました。
もし、この方々が日本にいたなら、恐らく、定年後の余生を楽しんでいる年齢ですが、異国の地で新しいビジネスを興し、今からの新しい挑戦にチャレンジしていることは素晴らしいことであると再認識しました。
2軒目に訪問した店は、うどん学校の生徒さんが開いたお店で、過去、何度か訪問していますが、だんだんと繁盛の度合いを増しています。
ご夫婦で7年前に開業したのですが、この方がたも私とほぼ同じ年齢で、最初の店と同様に、たいへん頑張っていらっしゃいます。
このように、若い人たちだけでなく、団塊の世代の方がたも会社勤務していれば、定年退職して悠々自適の生活を送ることが出来る年代なのに、さらに異国の地で、新しいビジネスにチャレンジして成功している姿に感動を覚えます。
2軒目のお店は、訪問する度に進化していて、今回は夕食時間帯でしたが、近隣のお店はほとんどお客さまがいないのに、この店だけは満席で、表には何人もの行列が続いていました。
料理の内容も開店した頃とは比較にならない位に複雑になっていて、みんなで違ったメニューを合計6品注文しましたが、なかなかの商品力でした。
ビジネスには、日々進化と、複雑化は避けて通れないようで、お客さまのニーズに合わせた複雑化は必須であると思います。
まさに、「飲食ビジネス=料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学」です。
ダイキン工業はもともと、エアコンで世界最大の企業であった米国のキャリア社を追い落として、世界一になりました。
キャリア社は、集中冷暖房に強く、ダイキン工業は、部屋ごとに冷房装置を設置するタイプに強かったのですが、M&Aで集中方式の会社を次々と買収し、両方ともに強くなった会社で、世界一になったのは、トップの強いリーダーシップを感じます。
15.ダイキンが欧州でエアコンのシェアNO.1になった理由
2003年、欧州が記録的な猛暑に見舞われたとき、エアコンの注文が生産量の3倍くらいに増え続けました。
大幅な増産をしたいのはやまやまですが、売れ残って在庫を抱えるリスクもある。
私も現地を訪れ、目の前で起きた現象を驚きの目で見ていました。
そのとき肌で感じたのが「欧州は空調の夜明けを迎えている」ということでした。
それまでエアコンを全然知らなかった人々が、猛暑によって「エアコンってこんなに快適なものだったのか」と実感した。
こうなったら彼らがエアコンを手放せなくなるのは必至です。
私は増産に踏み切り、この決断の結果、いまでは欧州市場でトップシェアを誇るようになりました。
16.思い切って部下に任せてみる
徹底した現場主義は、素早い経営判断をする上で役に立っていますが、私自身、多くの人の話を聞いても、すぐには決められないこともあります。
その場合は「一か月後にみんなで結論を出してこい。私はそれに従うから」などというときもあります。
決めてくれると思っていたリーダーが決めないと、社員たちは責任逃れができなくなるから、自分の問題として真剣に考えます。
最後には現場に即した良い答えをちゃんと出してきたりする。
その答えが正しいかわからない場合も、大きな影響がないようなら、思い切って採用する。それが現場への権限委譲やリーダーの育成につながります。
17.外国で売る商品は現地スタッフが開発する
商品に対する要求も国によって違います。
たとえばエアコンの場合、日本では25度前後の適温を保つ機能が求められますが、シンガポールでは冷えれば冷えるほど好まれます。
現地のニーズを的確にとらえた商品を低価格で大量に提供する必要が出てきました。
R&D(研究開発)もすべて日本人でやるのではなく、現地の人々が欲しがっている商品を現地スタッフが開発してローコストで提供する時代になりました。
18.社員たちに仕事を任せ、達成感と成功体験を与える
リスク覚悟で相手をとことん信じ、任せてみる。
たやすいことではないですが、現地社員にしてみれば、自分の力で達成できたという成功体験になり、何ものにも勝る活力と帰属意識につながります。
19.活躍できない人も適した場所さえあれば能力を発揮する
いま、海外で活躍している連中の中には、国内で「もういらんわ」といって放り出された奴がたくさんいます(笑)。
でも、彼らは海の向こうの荒れ野のような修羅場でたくましく育ってくれました。
20.無難に立ち回る人間の評価ばかり高くなる組織はいけない
協調性があるとか、無難に立ち回る人間の評価ばかり高くなる組織になったらいけません。
まずはどんな人材がいるのか探索しておき、しかるべき時期が来たら、ここぞという場所に配置するのです。
21.世界展開するために国籍や肌の色や宗教が違っても優秀な人材を採用する
海外の優秀な人材の採用に一層力を入れたい。
兵站(へいたん)が広くなりすぎて、日本人を派遣していたら追いつかないのです。
国籍や肌の色、宗教が違っても結局人は同じです。
トコトン話せば通じる人には通じます。
そんなことが理解できる人や会社がこれから生き残るのだと思います。
22.社会や業界、専門やマーケティングを一度否定してみる重要性
目先の目標に向かって猪突猛進するタイプは、突発的で劇的な変化が発生する時代は厳しいと思います。
走りながらも目標を確認し、必要なら修正できるしなやかさがない人は難しい。当たり前と思っていた社会や業界、専門やマーケティングといったものをまず一度否定してみる。
自分で否定と肯定の振り子を振りながら正しい方向を見つけるべきです。
23.余剰人員はクビを切らずに、将来の成長のために再配置する
オイルショックが起こったとき、余剰人員を削減する代わりに、販売会社をつくってそこに出向させました。
それが現在の強い国内販売網の基盤になったのです。
今回も、3月までに1000人規模の人材の再配置を検討しています。
景気が回復したときの大きな礎となるはずです。
24.厳しいときこそ経営改善、人材育成のチャンス
厳しい時代こそ、企業の体質改善や人材育成の大いなるチャンスです。
「人を基軸に」の信念を貫き、帰属意識やチームワークを高め、吹きすさぶ風の中、しなやかに前進していけたらと思います。
25.突出した変人社員のアイデアを生かすには経営陣の強力なサポートが必要
バランスがいいとはいえない人材が、独自の個性でつかんだ情報なりアイデアなりを、上手に現場にフィードバックするには、経営陣がともに現場に入り込ん で、強力にサポートしてやるくらいの体制を整えないと意味がありません。そうでないと、ただの奇人変人で終わってしまいます。
結果、その人を潰すことにもなりかねません。
26.乱世に強い人材の特徴と活かし方
乱世に強い人材は、上手に修羅場を経験させると恐ろしいほどの力を発揮します。
過去の評価に関係なく、いかにそんな人材に目をつけられるか。
平時のポジションではただの「うつけ」でも、状況が変わればとんでもないことをやりそうだという人材を常日頃からチェックしておき、ここぞというときに適材適所の修羅場に放り込むのです。
画像は本日夕食で訪問したうどん学校卒業生の店の「野菜天カレーうどん」で、なかなかの味でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。