昨日で、今年最後の出張が終わり、本日から始まる私の冬休みは、普段に出来ない仕事とまとまった思考の時間を取るには最高の時間です。
今年一年を振り返ると、今年は後半にかけて積極的にお客さま訪問を繰り返し、お客さまの抱える課題が、実に多岐に分かれていて、さまざまな問題点を抱えていることが分かりました。
今までは、生徒さんに接したり、お客さまに接するのは、麺学校と経営講義、そして各地でのイベントを通じて接することが多かったのですが、今回のように一軒、一軒訪ねてみると、今まで見えていなかった問題点が見えてくるようになりました。
そこで気づいたのは、ほとんどすべての生徒さんの上手くいっていない原因は、生徒さん自身が自分で作ってしまっている場合がほとんどなのです。
殆どの生徒さんは、初期投資をビビり、初期投資に十分、かけていない場合が多いのです。
そして、郊外でやっているのに、小さい店を作ったり、駐車場のない店を作り、初めから負け戦に臨んでいる場合が多いのです。
最初にお金をケチって、上手くいかなくなってから、追い足すお金は毎月なので大きくなり、時間も長くかかります。
事業計画書をシッカリ作り込むと、無理なことが分かっているのに、楽観的な回転率で計画してみたり、客観的にみると、初めから無理なビジネスに挑んでいるのです。
うまくいっていない生徒さんの現状を見ると、経営講義で指導する限界を感じてしまいます。
当社の場合は、FCのように、本部が決めたことに従わないと、店が開けないようにすることが出来ないので、ジレンマを感じます。
反対に、どう考えても勝ち目がないと思える場合は、この条件では難しいと伝えますが、覚悟を持って取り組み、成功する生徒さんもたまにはいます。
それでも、決して楽に営業出来ている訳ではないのです。
最初にうどん学校を始めたのは14年前、ラーメン学校、蕎麦学校は10年前、経営講義の内容が現在のように、充実してきたのは、多分、5年くらいになると思います。
私の経営講義の内容は、ほとんどの場合、生徒さんが抱いている麺専門店経営に関する常識を覆す内容になっているので、よほど素直な人でない限り、最初は理解出来ないのです。
だから、経営講義は完全な質問方式にして、もし、疑問を持った人は徹底的に内容が理解出来るまで質問をする方式にしています。
ところが、疑問を持った生徒さんがいても質問をしないで、自分の考えを大切にキープしたまま、開店する生徒さんが多いのです。
だから、不振で困っている店に行くと、授業で教えたこととぜんぜん異なることをやっているのです。
そして、このような生徒さんのほとんどが、それなりに真面目にやっているので何とかしてあげたいと思っても、一番大切な部分が違っているので、どうすることも出来ない場合が多いのです。
丁度、教科書の改訂作業を行なっているので、来年に向けてはこのような生徒さんを1人も出さないように、私の経営講義の内容を変えていこうと考えています。
今年最後の経営講義で、それらをお金で分かるように説明すると、多くの生徒さんは納得したので、これからの授業はどんな生徒さんにも分かり易くするために、お金に換算して説明を加えて行こうと思っています。
来年から始まる、私の経営講義に御参加の生徒さんは、楽しみして御参加下さい。
本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「マネジメントが必要なのは企業経営だけではない」です。
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来年からの新しい経営講義の予約も承っています。https://menkaigyou.com/school/lecture_sc
42「マネジメントが必要なのは企業経営だけではない」
多くの人にとって、マネジメントと言えば企業経営を意味する。
だがそれは、単にマネジメントが最初に現れたのが大企業だったからにすぎない。
50年ほど前、マネジメントの研究に取り組んだとき、私も企業のマネジメントに焦点を当てていた。
しかしやがて、企業であれ企業以外であれ、あらゆる近代組織において、マネジメントの研究に取り組んだとき、マネジメントの必要性が明らかになっていった。
(解説)私が8~9年前に、ダイアモンド社主催のドラッカー・マネッジメント塾に通い始めたころ、国永先生に教えられたことで、大きなインパクトがあった 話は、世界中には200ヶ国くらいあるが、非常に豊かな国もあれば、非常に貧しい国もあり、豊かな国と貧しい国の違いは、その国のリーダーのマネッジメン ト・レベルの差であるとのことだったのです。
そして、この話にはたいへん納得させられたことを覚えています。
こうして同様に考えてみると、世の中にはたくさんの企業、店舗があるのですが、非常に成功している企業、店舗、そうでなく、上手くいっていない企業、店舗もたくさんあるのです。
そして、この差はその組織のリーダーのマネッジメント・レベルの差であると言えるのです。
それ以来、私はマネッジメントの大切さを理解し、社内でもドラッカー・マネッジメントを広め、麺学校の生徒さんたちにも同様に、ドラッカー・マネッジメントを広めているのです。
当社の麺学校が他の麺学校とか、料理学校と最も異なっているのは、ドラッカー・マネッジメントを生真面目に取り組んで、それらを広め続けていることではないかと思います。
そして、今日に至る途中では、ドラッカー・マネッジメントだけではなく、ドラッカー・マネッジメントから派生しているたくさんの概念を学んできたのです。
例えば、ゴールドラット博士のTOC理論とか、ビジョナリー・カンパニー②、デザイン・シンキング、システム・シンキング、シナリオ・シンキング等々、数えきれないくらい、さまざまな概念の習得に取り組んで来ているのです。
私が最初にドラッカー・マネッジメントを学び始めて気づいたことは、ドラッカー・マネッジメントを社内で広めるだけではなく、麺学校の生徒さんたちに教えると、生徒さんたちの人生に大きく役立つだろうと思ったことです。
特に使命を明確にすると、お客さまが自動的に決まることなどは、今までの外食ビジネスの考え方になかったのですが、言われてみればその通りなのです。
通常の外食ビジネスをやっているほとんどの経営者は、儲かるか、儲からないかでものごとを判断している場合が多いのですが、ドラッカー・マネッジメント流に考えるとそうではなく、目先の損得では判断しないのです。
ドラッカー・マネッジメントを経営講義に取り入れて話をするようになり、外食ビジネスにおいて、目先の損得ではなく、永い繁栄をもたらす経営方法が分かるようになったのです。
この業界で39年間もやっていると、その間で多くの成功者を見てきました。
しかし、ほとんどの経営者は、残念ながら、一時は飛ぶ鳥を落とすような勢いがあっても、永く成功している人ではないのです。
多くの成功事例と失敗事例を見て来て、永くビジネスで成功するには、マネッジメントの学習が大切であることを実感し、麺学校の生徒さんたちに、ドラッカー・マネッジメントを教えているのです。
従って、私の経営講義の底に流れている思想は、ドラッカー・マネッジメントそのものなのです。
今回、こうして再度、深く復習を始めると、まだ十分に身に付いていなかった部分があったことがよく分かりました。
そして、ドラッカー・マネッジメントを通じて、ものごとの本質を理解すれば、正しい理解が得られやすいことを再認識した次第です。
私の理解による、ドラッカー・マネッジメントの素晴らしいところは、誰でもお客さまではなく、使命、価値観を共有化出来る人だけであり、同時に、働く人たちにも同じことを求めているのです。
ドラッカー・マネッジメントを学べば学ぶほど、社内と社外の境目がなくなるのです。
社内のスタッフも大切なビジネス・パートナーであるし、社外のお客さまも大切なビジネス・パートナーなのです。
どちらも同じように、重要なビジネス・パートナーであり、従業員満足度は、カスタマー・サテイスファクションと大きく関連し、従業員ロイヤルテイは、どうように、カスタマー・ロイヤルテイと関連しているのです。
次に、私のドラッカー・マネッジメントの師である、国永先生のドラッカーの名言録よりの引用です。
ドラッカー名言録18「知識労働者自身に上下はない」
かねてから知識労働者(ノウレッジ・ワーカー)の台頭を重視してきたドラッカーは、その本質やあり方について、しばしば随所で言及しているが、この言もそ の典型的なものの一つであり、この言葉に続いてドラッカーは、高級な知識、低級な知識というものはないからだと、この発言の理由を説明しているのです。
知識の評価については与えられた仕事に関して適切か、適切でないかがあるだけだと喝破し、しかも課題解決自体によって必要とされる経験や予算によって、その従事者の組織内のランクは決まるのです。
さまざまな事柄を医者にたとえるのが好きなドラッカーは、さらに、眼病には眼科医が適切であり、胆嚢の切除にあたるのは腹部専門の外科医だとも述べてい て、ドラッカーは、知識労働を中心とした組織は、権威や権力志向の組織ではなくて、課題解決や目的によって規定されるべき業績志向組織を必要とすると結論 づけているのです。
ドラッカーは知識労働者について、もう一つ大事なことを説いていて、優れた仕事をするためには、常に努力をしなければならないという点についてであり、 「ようやくできた」とか「辛うじて成し遂げた」などという言い方は、知識労働では物の役に立たないと厳しく突き放し、いつも腕の冴えを示せることが、卓越 した知識労働者のあり方だとするのです。
そして、仕事への貢献度の向上を絶えず意識の最先端へおいて、腕を磨くことを片時も忘れないでいるべきだとし、知識労働者の動機づけは、その効果性に、つまり、どれだけ効果性をあげることができるかということに依存するところが大きいとするのです。
だからもし、その仕事が十分効果的でない場合には、知識労働者の働く意欲も、組織目的に貢献する意欲も、組織目的に貢献する意欲もやがて枯渇し、午前9時から午後5時まで、期待された動作をただ単に繰り返すご都合主義者に堕してしまうと訴えています。
ということは、マネジメントする立場からいえば、その努力と成果に対して、厳しい要求をすべきことを意味するのですが、他方、知識労働者のほうも自らの職務上の充足感と刺激の有無に対して高い要求をすべきであると、ドラッカーは述べています。
しかも知識労働者自身に当を得た意思決定をさせるには、課題での成果と、どういうやり方でその達成をすべきかをよく知らせておかねばならないのです。
要するに、自分の知識と技能と作業が、いかに企業全体に寄与するのかがわからなければ、自分自身をマネジメントしたり、モティベートし得ないとしているのです。
この件は、サービスを利益に結び付けるサービス・プロフィット・チェーンと非常に繋がっているのです。
したがって、知識労働者が非常に立派な業績をあげている組織では、どこでもトップが一定の規則的なスケジュールに従って、特に時間をさいて知識労働者たち とテーブルを囲んで座り、寛いで話し合うことをしていると指摘し、これを欠くような場合は、知識労働者は働く意欲を失って、上述したような単に時間に縛ら れて働く人間になり下がるか、その精力と関心をごく狭い専門分野にのみ向けてしまって、組織自体の持つ機会や要求するところからは、ますます離れていって しまうかのどちらかになってしまう。
画像は、一昨日のラーメン学校の作品事例で、クリーム・スープのラーメンです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。