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ラーメン屋開業・うどん屋開業・そば屋開業で繁盛店を目指す|名言集 17-48 ピーター・ドラッカー解説(未来を予測するな)

レストラン「ROKA」

 ロンドンへ来て3日が経過し、昨日はSOHO地区のさまざま店舗を訪問しました。

どれもが新しいコンセプトの店で、成功しているのは、成功するのが当たり前のような、納得がいくような店舗ばかりでした。

刺激的な店舗が多く、ご案内戴いた、現地で会社を長くやっている社長の話によれば、昔繁盛していた日本食のレストランはほとんど消えて無くなったそうです。

NYにしろ、香港にしろ、或いは当然、日本でも昔ながらの旧態依然とした、日本食の店がまだたくさん生き残っていますが、既にロンドンではそのような店のほとんどは消えてないそうです。

昨晩、デイナーでご案内戴いた和食の店「ROKA」は、インド人の投資家と料理の専門家、プロデユーサー、脚本家、食のデザイナー、インテリアー・デザイナー、酒の専門家等さまざまな分野の専門家が集まって、それぞれの専門分野のアイデアを凝縮したような店舗でした。

だから、普通の日本料理の専門店のような、料理の専門家が作った店舗とは、深さも広がりもまったく異なり、裕福なお客さまの高度なニーズを満たしていることが良く分かります。

まさに、「飲食ビジネス=料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学」を地でいっているような店舗でした。

提供される一品、一品の料理が芸術作品であり、提供タイミングもよく考えられていました

かなり、価格の高いレストランですが、夜のデイナーの時間帯だけでも3回転するような、とにかく、空いた席のない素晴らしいレストランでした。

盛り付けも、細部にわたるまで、細やかに仕上げられていましたし、味も素晴らしかったのです。

但し、オープン・キッチンの厨房で働いている日本人はまったく見かけず、ほとんどの従業員はニュージーランドとか、オーストラリア人だそうです。

このように、ロンドンでは既に、非常に繁盛している和食の店では、日本人スタッフはゼロで、たくさんのレベルの高いお客さまを集めて、大成功しているのです。

そして、これは和食の店に限らず、ラーメン店とか、うどん店に関しても同じようなことが起きる可能性があるのです。

もっともっと、われわれ日本人はこのことを世界に出て理解しないといけないのです。

そして、上記の「ROKA」は姉妹店「ZOOMA」は、日本にこそないのですが、NY、香港ほか、世界展開を始めているのです。

従って、これからの日本のうどん蕎麦店、ラーメン店もマネッジメント・レベルを海外の強い飲食ビジネスに勝てるくらいに高めていかねばならないことがよく分かります。

そうしないと、昔ロンドンで繁盛していた日本食レストランと同じような運命をたどることになりかねないのです。

本日の本文にも書いたように、われわれの日々は、未来の遺産作りに他ならないのです。

私が正月明けの貴重な、13日間の時間を使って、ヨーロッパに来ているのも、当社の未来を作り上げるため以外の何ものでもないのです。

未来を創ることは、日々の良い習慣の蓄積であったのです。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「未来を予測するな」です。

55.未来を予測するな

未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。
未来を予測しようとすると罠にはまる。

(解説)未来を予測するに関して、われわれが日々行っているビジネスの活動、私生活での活動、日々の何でもないような細かい活動もすべて未来への遺産(レガシー)を残すための活動です。

遺産として残ることに認識している、いないに関わらず、すべての行動は良い遺産、或いは悪い遺産として残されているのです。

そして、この遺産は短期的には自分自身のためでもあり、後に続くものたちのためのものでもあるのです。

そうであるとすれば、良い遺産を残すように日々、意識して活動するのと、そうでないのでは長い間に、取り返しのつかない決定的な差が生まれるのです。

私は以前に韓国を訪問しているときに、LGの幹部に「なぜ、サムスンはあんなに強いのですか?」と聞いたことがあります。

その時に返ってきた答えは、「サムスンの会長は、調子が良いときも悪いときも絶対に手綱を緩めないからです。」と、教えていただいたことが非常に強い記憶として今も脳裏に残っています。

永く成功している企業の特徴として、未来への「最高の遺産」を調子の良いときも悪いときも一貫性を持ち、絶対に妥協しないで、日々残して続けているのが大きい特徴です。

戦後の同じころ出発して偉大な世界企業になったホンダとソニーを比較した場合、ホンダの方が良い遺産(DNA)がずっと引き継がれているような気がします。

或いは、世界の製造メーカーに目を転じると、アメリカのGEとかP&Gの方がもっと素晴らしい遺産(DNA)がずっと引き継がれているのは、間違いないのです。

本田の場合は、創業者の本田宗一郎が自身のDNAを残すために、キチガイになったと周囲に思われる位、命懸けで、怒っていたそうです。

遺産を残すとは、自身のDNA(考え方、スピリット)を残すことでもあり、企業経営の場合の世代交代とはDNAを受け継ぐことであるのです。

昔、ある国の偉大な王様がこの世を去る前に、次の世代に大切な遺産を残しておきたいと思い、次のように伝えました。

「どんなときにも困難を乗り越える強さを持つこと。そのためには平和な心が大切だ。平和こそが国を統一するのだ。」

すると、若い息子は父親の言うことがまったく理解出来ず、「父上のお気持ちはよく分かりますが、私は賢く立ち回って権力を手に入れることの方が重要だと思います。大変な状況で平和など役に立ちますか?」と言いました。

賢い王は息子の反応に諦めることなく、ある策を思いついた。

「話して分からないなら、実際に見せてやろう」と家臣たちを集め、「国中を挙げて、盛大な絵画コンクールを開く、題目は平和だ。優勝者には素晴らしい褒美を与えよう!」と告げました。

すると、国中から続々と、素晴らしい作品が集まり、どの絵画にも静かな海、平和な空が描かれ、心が穏やかになるような作品でした。

そして、その中にひとつだけ、全体が暗い色彩で描かれ、明るい部分はほとんどなく、空は厚い雲で覆われ、海が荒れて、切り立って崖には高い波が打ち寄せている嵐の絵だったのです。

王様が優勝作品に選んだのはこの絵だったのです。

家臣は合点がいかずに王様になぜ、この絵を選んだのか尋ねたのです。

すると、王様は絵に描かれている岩の間を指さしました。

そこには、小さな巣があり、生まれたばかりの雛鳥に母鳥がエサをやっていて、周りの嵐とは切り離された平和な別世界があったのです。

王様が若い王子に見せたかったのは、これであり、次の3つが大切だと言ったのです。

1.どんなときにも困難を乗り越える強さを持つこと。
2.そのためには平和な心が大切だ。
3.平和こそが国を統一するのだ。

平和とは、ほかの絵に描かれている凪いだ海や青い空といった、穏やかな世界から得られるものではなく、どんな過酷な状況にあっても自分の大切なことに集中し続ける力から生まれるものなのだったのです。

集中力は、それを向ける場所によって平和の源にもなれば、不穏の種にもなります。

自分の気持ちを落ち込ませるもの、不愉快なこと、つまり「人生の嵐」「ネガテイブなもの」に注意を向けていると、ストレスに負け、幸せをつかむことが出来なくなります。

しかし、自分にとって一番重要なことに集中するようにすれば、一見救いのない環境の中でも、曇りのない心で目標に力を注ぐことが出来、目標を達成することが出来るのです。

自分自身を鍛え、自分の大切なことに集中し続ける力を身につけることが大切なのです。

ある人たち(ブラックホールのごとく、エネルギーと権力、そして健康を奪っていく、ネガテイブな人たち)から離れることです。

そのような人に注意を奪われていると、現実が見えなくなるのです。

恐らく彼らにとっては、自分が他人を支配していると思えることが重要なのです。

自らの自由な発想で生きる人間なら、そんな考えは必要ないのです。

集中力の持ち主であれば、感情やエネルギーは集中力を向けた場所へ向かい、
集中力を注いだ対象が、現実となります。

目標を達成するためには、自分にとって一番大切なことに集中することが大切です。

「ビジネスの成果=責任×夢×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐力」です。

ビジネスにおいて成果を得るには、集中力も大切な要素のうちの一つです。

そして、自分が負うべき責任の大きさに目覚めること、他人が聞いたら驚いてしまうような大きな夢を持つこと、強い意志力、そして集中力、豊富な経験と経験を元にした直観力、最後に忍耐力です。

以上の内容は私の3冊目の書籍「情熱」に詳しく書いてあります。
http://www.yamatomfg.com/book/passion.php)

例え、自分の苦手なことでもあっても未来へ残す最高の遺産作りに必要なことは、集中して実行し続ける意志力が重要であったのです。

レガシーについて更に深く思考を重ねると、よく分かったことは、日本は現在、次の世代に負のレガシーを残そうとしていることです。

既に年金を受けている人たちは良いのですが、これから将来に年金を貰おうとする若い人たちが高齢者になったときには、十分な保証は望めないのです。

これは相当以前から言われてきていることで、これだけ大きい負のレガシーを作ってしまったのは、過去の政治を含めわれわれ全員の責任なのです。

われわれの遠い祖先から始まり、われわれの祖先たちは子孫であるわれわれに莫大なレガシーを残してくれ、今日、われわれがこんなに恵まれた文化的で、豊かな生活を送ることが出来るのは、祖先が積み重ねて残してくれたレガシーのお蔭です。

縄文時代の日本人の平均寿命は30歳、江戸末期でさえ、38歳だったのですが、現在では80歳以上と驚異的に寿命は伸び、江戸時代には考えられないような、お殿様以上の生活をわれわれ日本人全員が送ることが出来ているのです。

江戸時代の人たちに比べ、2倍も長く生きて長い人生を楽しめるのは先人たちが残してくれたレガシーのお蔭なのです。

もし、今、安泰な会社にいて、恵まれた待遇を享受出来ているとすれば、先輩たちが残してくれたレガシーのお蔭であり、反対に厳しい会社にいて、大変な日々を送っているとすれば、未来のためのレガシー作りを行なっているのです。

安泰な会社にいても、豊かで恵まれた状態を享受するだけではなく、未来のためにレガシーを作り続けていないと、次の世代は負のレガシーを受け取らねばならなくなり、現在の日本はこの状態に向かっているのです。

だから、われわれの日々は現在が恵まれた環境であろうと、或いは厳しい環境であろうと、明日のためのレガシー作りをせっせと行っているのです。

世の中には、100年、200年の長く繁栄している素晴らしい会社が、日本にはたくさんありますが、多くの会社は永く繁栄出来ずに、短命で終えていて、長く繁栄出来るかどうかが、正のレガシー作りに日々努力しているか、将来に負のレガシーを残そうとしているかの差です。

だから、日々、自分自身で問うことは、「今自分がやっていることは、将来においてプラスのレガシーになるのだろうか?」ということであり、目先の損得に惑 わされずに、常に、将来においてプラスのレガシーになることだけをやっていると、次の世代、或いは未来は明るいのです。

小さいことでも考えてみることで、例えば、

今、タバコを吸うことは、将来の自分にとって、プラスのレガシーを残すのか、或いはマイナスか?

早起きして学ぶ時間を取ることは、将来にプラスのレガシーを残すのか?

飲酒を止めることは、将来においてプラスのレガシーかどうか?

日々の筋トレは、将来のプラスのレガシー作りに役立っているのだろうか?

このように日々何気なくやっていることも、改めて問うてみると、本当にやらなければいけないことかどうかが分かります。

偉業をなし遂げたアップルのステイーブ・ジョブズは17歳の時に、こんな言葉に出会い、彼の人生が変わったそうです。

「もし、明日、命が終えるとすると、今やっていることをやるだろうか?」

これを毎朝、亡くなる日まで、自分自身に問い続けたそうです。

プラスのレガシーを残すことも、これを自分自身に問うことと、まったく同じであることが分かり、身近なところでは家族の将来のため、子供たち、孫たちのた めにプラスのレガシーを残すことであり、会社の将来のため、後に続く後輩たちのためにプラスのレガシーを残すこと、更には、大きくは日本の将来、世界の将 来のためにプラスのレガシーを残すこと、このような基準で日々の行動を判断すると、大きく間違うことはないでしょう。

だから、われわれの日々の営みはレガシー作りそのものであり、プラスのレガシーもマイナスのレガシーも作ることが出来、しかし、その結果はまったく違った未来になるのです。

これを熱心に取り組む会社とそうでない会社では、必ず、差が開き、レガシーは一朝一夕には出来ず、時間がかかるのです。

だから、本当はレガシーが一番大切であり、もっと言えば、日々のレガシー作りが一番大切であり、毎日、麺専門店の中で単純な作業を営々として、お客さまに感動を与えているのも、実はレガシー作りなのです。

レガシー作りは、実は単純なことですが、継続が大切であり、継続した習慣の結果、素晴らしいレガシーとなって実を結ぶのです。

われわれの日々の営みは大きいレガシーを創るための営みであり、この日々の単純な習慣こそが、われわれの未来を創っているのです。

 

画像は、昨晩、ロンドンのお客さまに夕食でご案内戴いた素晴らしいレストラン「ROKA」の店内です。

日本人スタッフは誰もいませんが、凜とした雰囲気であり、スタッフたちが、キビキビした動作で、料理を作っていました。

1人の日本人シェフがいなくても、レベルの高い料理が提供されていたのです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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