ラーメン屋開業・うどん屋開業・そば屋開業で繁盛店を目指す|名言集 17-49 ピーター・ドラッカー解説(終わった問題に時間を割くな)

「一風堂 IPPUDO」の店内

ロンドンへ来て既に4日が経過し、本日昼過ぎからいよいよヨーロッパ大陸へユーロ・スター(ドーバー海峡の海底トンネルを通る列車)で移動し、パリに入ります。

ロンドンの来る前のイメージとして、第一次産業革命の中心的な役割を果たしたにも関わらず、自動車を初め、製造業が壊滅し、シテイを中心とした金融街が中心で、金融を中心に世界で活躍している国というイメージだったのです。

ところが、ロンドンへ来て、さまざまな店舗を見て、まったくのそのイメージが崩れ去り、飲食ビジネスの先進性に感激した4日間でした。

そして、最新の激戦地区の飲食ビジネスの中で、日本から来ているユーザーさまのラーメン店が大活躍したり、うどん店が大変繁盛していたのには驚きました。

日本文化を代表する麺料理が、海外で花咲いている様子を見るのは、たいへん嬉しいことであるし、日本人として誇らしいことでもあります。

今回のロンドンの訪問の結果、(これは想定外であったのですが、)ロンドンはNYにも劣らない、世界の食文化の発信源であることがよく分かりました。

同時に、これからも世界へ向けての食文化の発信源になり得る場所であることもよく分かりました。

食文化が、IT業界等と融合し、ますます複雑化している現在において、ロンドンは旧大英帝国の宗主国であり、未だに、ドバイ、インド、香港、シンガポール、オーストラリア、シンガポール等の世界の有数の国々に、大きい影響を及ぼし続けているのです。

そして、典型的なIT人種である、アメリカ人とかヨーロッパ人、インド人にとって、フランス料理とかイタリア料理はむしろ馴染の深い料理ですが、日本料理 はエキゾチックで、まだ知られていないところが多く、奥深い日本文化を併せると、多くの国の人たちを魅了することが出来る、料理の世界に残された素晴らし いジャンルではないかと思います。

そのような世界に、日本人が余り気づかずに、その良さに気付いた海外の人たちが熱心に取り組んでいるのは、日本人として勿体ないような気がします。

「なぜ、“うどん県”からチェーン店が出てこないのか」という論文を書いた香川大学の高木准教授がいらっしゃいます。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/27/news015.html

世界で活躍する日本の麺料理の猛者が最終的に日本発でなくなるのは、たいへん淋しいことであり、絶対にその様にならないようにするには、われわれは、もっと世界の飲食ビジネス全体のことを知らなければいけないのではと、思います。

その意味で、世界で最も進化している飲食ビジネスをウオッチし続けることは、たいへん意味のあることだと思います。

私は、日本の食の未来を見る羅針盤として、セブン・イレブンの弁当売り場、デパ地下の惣菜売り場を定点観測しています。

世界の食の未来を見る羅針盤の一つが、ロンドンであり、NYであり、パリであることが、今回、ロンドンに来てよく分かりました。

このような世界の食の大きなトレンドを見ることが出来る、定点観測地点を毎年見続けることをこれからは、国内同様に続けていきたいと思います。

世界には、まだまだ、私の知らない、このような隠れた食文化の進んでいる場所がある可能性があるので、今年は時間の許す限り、海外視察をスケジュール化していきます。

今回は、同行スタッフが3名での出張旅行ですが、スタッフたちも私の視点を植え付けてきているので、たいへん参考になっていることと、思います。

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「終わった問題に時間を割くな」です。

56.終わった問題に時間を割くな

たいていの経営者は、その時間の大半を過ぎ去った「きのう」の諸問題に費やしている。

(解説)私のドラッカー・マネッジメントの師である、国永先生のドラッカー名言録から引用します。

「過去から脱却せよ」

ドラッカーが95歳でこの世を去ってから、すでに2ヵ月近く経ち、過去40年近くにわたって、ドラッカーから学んだ中の重要なポイントの1つが、今回の名言である「過去から脱却せよ」だ。

ドラッカーは最近まで、この言葉をうるさいくらいにわれわれに説き聞かせていて、ドラッカーは、効率のよい企業が必ず身につけている思考習慣の1つとして、この「過去からの素早い脱却」を強調する。

効率的な企業は、決してセンチメンタルではなく、その製品や工程や市場に対しても、決して感傷的にはならないだけでなく、物理的な物品に対してよりも、人々とその考え方にむしろ愛着と親しみを持つと、かつてから語っていた。

こうした企業においては、「これこそ我が社の今日を築き上げた製品である。したがって、我々はこの製品を放棄しないし、また放棄することはできない」などというような言い方は、口が腐っても言わないようにしている。

むしろ、そうではなくて「この製品も時々刻々流行後れ、時代後れになっている。したがって、どのくらい迅速に製造をやめ、別な製品の開発に取り組めるか」という言葉を耳にするのである。

このような、本当に効率的なあり方を身につけた企業は、「○○のような製品の市場は、いつの世の中にも存在する」などという戯言は、口にせず、逆に、「仮 に成熟した製品の改良に、さらにより多くの資金や人材を導入したとして、果たして有効な場を発見できるだろうか」という発想を重視するのである。

ドラッカーはかつてから、自分のよく知っている効率のよい企業は、各製品や各業務の寿命は3、4年ごと、最近では1、2年ごとに再検討していると話してい て、「この仕事をすでにやめているものと仮定して、今から我々はこの仕事に着手する気が果たしてあるだろうか」という問いかけをする。

もしも、この設問に対する答えが「ノー」である場合には、「では、一体どういう方法で迅速にこの仕事をやめられるか」という問題を提起するのである。

このように、過去からの脱却を絶えず心し、希望的な考え方には溺れず、何とか「若返らせる」という甘い見方をしないのが、適応力に優れた効率企業の実際なのである。

次に、ドラッカーは、「昨日を捨てよ。自分が得意だと思っていることに溺れるな。物事の「本質」を鋭く透察する心を持て。」と厳しく指摘し、この件に関する国永先生の名言録は次の通りです。

「昨日を捨てよ」

ドラッカーの数多くの至言の中で、まさにそのとおりなのだが、最も実行しにくいのが、この言葉に盛られた〝体系的放棄〟であるといわれている。

ドラッカーは、すでに40年も前から、この「捨てろ(abandon=アバンドン)」を、口を酸っぱくして、米国内外のビジネスマンに説きつづけてきた が、なかなか実践されないのがこのすすめですが、敢然と実行した企業組織は成功したり、見事に起死回生を果たしているのです。

このアバンドンという語は、「a=under(アンダー=その下に)+ban(バン=禁止する)」という古い英語に由来しており、「捨てる、見放す、悪い習慣を止める、諦める、断念する・・・・・」など様々のニュアンスを含んだ言葉である。

そして「変革」と「革新」の推進を企業の根本的なあり方とするドラッカーからすれば、このアバンドンこそ、企業としてのサバイバルへの根源的なあり方になるのである。

そして革新というのは、単に新しくしたり、新奇なものを取り入れることではなく、全く新しく、しかも十分に機能する新機軸を打ち出すことだというのがドラッカーの主張なのである。

したがって「アバンドン」の趣旨は、「もはや成果を上げられなくなったものや、貢献できなくなったものに投入している資源を引き揚げること」である。

そこから、「咋日を捨てることなくして明日をつくることはできない」と、最近著の『明日を支配するもの』の第三章「チェンジ・リーダーの条件」の中でも喝破している発言が出てくるのである。

これは、近代資本主義のエッセンスを「創造的破壊」だとした、ドラッカーと同じくオーストリア生まれで後に米国に移った経済学者のJ・A・シュンペーター(1843~1950)の主張と基本的には軌を一にするが、それをビジネス経営の場からの提言だといってよい。

しかし、捨てるとか廃棄するといっても、ドラッカーはムヤミヤタラにストップすることを促しているのではない。

「体系的(システマティック)に廃棄せよ」といっているのであり、さらに、いますでに行なっていることの廃棄、しかも行ない方の廃棄までも含めていることに注目しなければならない。

そして、システマティックに廃棄すべきかどうかを判断する評価基準としては、あらゆることに関して、あたかも行なっていなかったというゼロベースの仮定によって、いま、この段階でやるか、始めるかという根源問いをせよと述べている。

したがって、すべてを白紙に戻して問い直すこと、ご破算にして考え直すことを敢然と行なえと示唆しているのである。

この考え方を近年、ドラスティックに継承したのが、ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)の手法なのである。

そして答えがノーだったら、検討しようとか、吟味し直そうなどという御託宣をグダグダ言わずに、いま直ちにストップさせるべく行動することを強く説いているのである。

かつてドラッカーは、廃棄ができないことを「経営者のわれへの投資」として戒めていて、これが企業の生命とりになることを力説していたが、その主張はいまもなお変わっていないといえよう。

日本の企業、特に伝統的企業がいま迫られていることは、実はこのシステマティックにアバンドンすることなのである。

日本の古い諺の「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」にもどこか通うところのあるこのアドバイスを、ひとつ経営者はしっかり認識して実践してほしいところである。

昔ロンドンにたくさんあった日本食の店のほとんどが消えて無くなったのは、過去を捨てることが出来なかった結果なのです。

反対に、現在盛業の新しいコンセプトの和食の店は、過去を引きづっているものがないのです。

今、インド、アフリカのような低開発国では、過去の固定電話の遺産がないので、一気に携帯電話から、スマートフォーンまで進み、場合によっては、われわれ日本を飛び越えて進化しているのです。

このように、過去の成功にこだわると、新しい未来を迎えることが出来なくなるのです。

われわれは、常に現在の安心領域に止まることは、許されないのです。

画像は、昨日訪問した「一風堂 IPPUDO」の店内です。

日本人スタッフもいましたが、日本人スタッフ以外の方がはるかに多い店内で、スタッフたちはキビキビとした立居振舞で、お客さまたちを魅了していました。

私が食べたのは、「辛か ベジ麺」で、トンコツを一切使っていない野菜スープの完成度も高かったのです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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