ラーメン屋・うどん屋・そば屋・パスタ屋開業で繁盛店に|名言集 17-78 ピーター・ドラッカー解説(真のイノベーションと新奇さを混同してはいけない)

うどん学校の卒業証書授与式

昨日で本社での2日間にわたる経営講義は終了しましたが、一番気になるのは、コミュニケーションが上手く成立しているかどうかで、私が伝えたことが理解されているかどうかです。

私の経営講義の内容は、うどん学校を始めた15年前と比べると、比較にならないくらい、難しくなっています。

15年前には、印刷した教科書は1冊もありませんでしたが、今日では、経営講義の教科書だけでも4冊もあり、事前に熟読し、質問を準備してから、参加して貰っているのです。

15年間の当社の麺学校の進化は非常に激しいものがあり、現在も毎月、毎月、進化を続けているのです。

そのくらい、難易度を上げないと、開業しても簡単には、成功しないのです。

うどん蕎麦店で新規開業者が年間約3千軒、ラーメン店で新規開業者が約4千軒で、合計約7千軒にも達し、ほぼ同数が毎年閉店していて、開店して1年以内の閉店が一番多いのです。

当社のうどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校の年間の卒業生数が約350人で、そのうち、国内だけでなく、海外の生徒さんも多く、卒業生のうち、約30%余 りしか開業しないので、全国の開業者の中で、当社の麺学校を卒業して開業する人たちは、わずか、1~2%しかないのです。

失敗する理由は、深い思考による、十分な準備をしなかったり、プロのレベルに達していなかったり、大きく変化した現在の市場環境を理解していなかったりで、ほとんどすべてが本人の問題なのです。

失敗して閉店すれば、少なくとも何百万円、或いは、1~2千万円のお金が失われ、人生計画が狂ってしまうので、それに比べると、麺学校の授業料なんかは取るに足らない金額なはずです。

上記は、うどん、そば、ラーメン店のような麺ビジネスだけに当てはまるのではなく、今日スタートする、あらゆるビジネスの96%が、10年以内に倒産してしまうという事実があるのです。

そして、当社のように創業40周年を迎えることが出来るのは、ほんの1%以下で、当社は奇跡のようなもので、よほど運が良かったのだと思います。

起業するのは簡単なのですが、永く生き残るのは決して簡単ではなく、目先の損得を一切考えずに、永い繁栄を目指す考え方の大切さを私は理解したのです。

従って、他の会社がまずやっていないような、オーガニックの食堂を作り、社員全員に無料で提供しているのです。

私の過去は、決して順風満帆ではなく、むしろ、たいへんな時期ばかりであったので、余計にこのことが身に沁みて、分かるのです。

もし、順風満帆でここまで来ていたら、このようなことを理解することが出来なかったと思います。

今になっては、順風満帆で来なかったことが良かったと思っています。

既に私も普通であれば、定年退職の年齢を過ぎていますが、まだまだ元気で、こんなに頑張ることが出来ることが、本当に有難いと思います。

まだまだ今も、決して楽な道ではありませんが、生徒さんたちと一緒に、成功方程式を磨き続けていきたいと思っています。

そして、いつの日か、学びも進化し、もっと理想とする近い状態に、近づいていけばと想いながら、日々の業務に励んでいるのです。

昨日は久しぶりに、ドリーム・スタジオ名古屋で、イベントがあり、多くのお客さまが参加し、私のセミナー「オーナー様、店長、スタッフ必聴!~スタッフのモチベーション・アップセミナー~」が夕方にありました。

来場されているお客さま方の気になるコンテンツであったので、多くのお客さまが参加し、熱心な質疑応答がありました。

ドリーム・スタジオ名古屋の開設から既に4年が過ぎ、ドリーム・スタジオに来られるお客さまの数、質とも非常に上がりました。

開業して間もないころは、お客さまも数も少なく、こんなに熱心なお客さまは少なかったのです。

4年経って、見違えるようになりました。

ドリーム・スタジオ名古屋を開設するに当り、4年余り前の夏の暑い時期に、名古屋に来て、いろんな場所を探し回ったことが懐かしく思い出されます。

今では当たり前のように使っている、各地のドリーム・スタジオは、どれも真剣に立地を探した結果なのです。

特に、名古屋と高崎は、なかなか物件が決まらなかったので、何度、物件を見に来たか分かりません。

お客さまに物件についてアドバイスするように、われわれ自身の物件についても、一切妥協しないで決定した結果です。

現在のすべての拠点は、当社にとっての理想的な物件ばかりです。

こうして、過去を振り返ってみると、当社は常に安心領域に止まらないで、安心領域から出続けていることがよく分かります

本日も、ドラッカーの名言の解説で、今日のテーマは「真のイノベーションと新奇さを混同してはいけない」です。

85.真のイノベーションと新奇さを混同してはいけない

真のイノベーションと新奇さを混同してはいけない。
イノベーションは価値を生む。
新奇さは面白いだけである。
ところが組織の多くが毎日同じことを行い、毎日同じものをつくることに飽きたというだけで、新奇なものに取り組んでしまう。

(解説)ビジネスの目的は顧客創造であり、お客さまであれば誰でも良いのではなく、価値観が共有出来るお客さまであり、こちらの望む価格で商品、サービスを買ってくれるお客さまだけです。

例えば、うどん店を開店したとして、「うどんだったら何でも良い、安ければ良い!」というようなお客さまを、集めたくはないはずです。

従って、ビジネスの目的は顧客創造であり、自分が望む、来て欲しいお客様だけを増やし続けることであるのです。

そのお客さまを増やし続ける方法が、「マーケテイング」と「イノベーション」であり、ドラッカーは「マーケティング」と「イノベーション」の2つを顧客創造のための、企業の基本的な機能として挙げています。

そして、イノベーションは単独で存在するのではなく、必ず、「マーケティング」と「イノベーション」はセットで存在するのです。

「マーケティング」と「イノベーション」の2つの機能の大きな違いは下記の通りです。

1.「マーケティング」は、顧客が既に持っている欲求(ウオンツではなく、ニーズ)に対するもので、売る(販売行為)をなくし、自然に売れるようにするも ので、顧客のニーズを理解することが出発点です。次にニーズを満足させる商品、サービスを提供し、需要を発生させ、自然に売れるようにすることなのです。 要するに、ドラッカーの言う「マーケティング」とは、顧客の欲求を満足させる商品・サービスを作り、それが顧客の買いたいという気持ちによって自然と売れ るようにすることであり、「マーケティング」が目指すのは、販売行為を不要にしてしまうことです。

2.反対に、「イノベーション」は、今までなかった顧客の欲求を創り出して、それを満足させます。

「イノベーション」は、単なる新奇さではなく、より大きな価値、新たな価値や行動を生み出し、市場や社会に大きな変化を与えるものなのです。

例えば、エジソンが電燈を発明し、大きな価値を生み出し、人びとの行動を変えたのです。

しかし、エジソンが発明した電灯は、白熱球でしたが、その後、蛍光灯が発明され、更に価値を生みました。

最近、LEDが発明されて、更に、省電力、明るさ、長寿命で、大きな価値を生み出し、社会を大きく変えているのです。

この様にイノベーションは、必ず、お客さまに大きな価値を生み出し、社会を変え、お客さまの行動を変えるようなものでなければ、イノベーションではないのです。

最近では、アップルのステイーブ・ジョブズが開発し、人びとに価値を提供し、人びとの行動を変えた、ipod、iphone、ipadも、すべてイノベーションだったのです。

アップルのiPodやiTunesは音楽の聴き方、音楽の売り方、アーティストやレコード会社の収益構造を変え、社会の仕組みを変えてしまいました。

これらのIT機器は、技術的には既に既知の技術の組合せで、アップル以外にも可能だったのですが、アップルにしか成し得なかったのは、ステイーブ・ジョブズが技術だけに焦点を当てるのではなく、社会や市場に焦点を当てていたためです。

以上のように、「イノベーション」を技術や知識の発明と捉えるのではなく、社会を変えるものだと捉えることが大切であり、それには顧客にフォーカスし、顧客を理解せずに成しえないのであり、この行為自体は、「マーケテイング」に他ならないのです。

マーケテイングとは、一言で言えば、顧客の未だ満たされていない、ニーズを知ることであり、「~で困っている」とか、「~が出来たら良いのに!」を知ることなのです。

そして、顧客の未だ満たされていないニーズ(まだ、世の中に存在していない、商品、サービス)に応え、提供することが「イノベーション」を起こすことなのです。

従って、「マーケテイング」なくして、「イノベーション」はあり得ないのです。

例えば当社の場合、「デジタル・クッキング」は、「イノベーション」です。

「デジタル・クッキング」のお蔭で、勘を排除し、麺とか、スープ、トッピング作りがどんなに楽になったか、分かりません。

素人でも簡単に作ることが出来、何度作っても同じ味が高いレベルで、簡単に再現できるのです。

「デジタル・クッキング」の出発点は、お客さまの困りごとからで、毎日、ラーメン・スープを炊いているラーメン店店主が、作ったスープの味が安定せずに困っていることを聞いたことだったのです。

「デジタル・クッキング」は、料理の世界では、まだほとんど実行されていなかったのですが、機械工学では当たり前の概念です。

機械の場合は、すべて数値を押さえないと、正確な機械を作ることは出来ないのです。

それを料理の世界に応用すると、美味しい料理が誰でも簡単に作ることが出来るようになり、何度作っても、同じものが再現できるようになったのです。

従って、「イノベーション」とは、単なる新奇さではなく、必ず、お客さまに、より大きな価値、新たな価値や行動を生み出し、市場や社会に大きな変化を与えるものでなければいけないのです。

画像は、昨日の経営講義の後のうどん学校の卒業証書授与式の風景で、生徒さんと一緒の感動の雄叫びです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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