一昨日からソウルに来て、一昨日は早くホテルに入り、いつもより早い時間に休み、十分な休養を取ることが出来ました。
昨日は、ドリーム・スタジオ・ソウルでのイベントの初日で、日本のドリーム・スタジオほどの人数ではなかったのですが、日本に負けないくらい熱心なお客さま方が参加し、多くの質問が寄せられました。
昨日は、コンセプトについてであったのですが、私自身、セミナーで話しながら、価値観から始まるコンセプトの大切さを改めて感じた次第です。
経営セミナーの熱心な聞き方、質問の内容を確認すると、決して遊び半分ではなく、真剣な生徒さんたちばかりで、日本で開催しているイベントと比較すると、大きな隔たりを感じ、日本のように居眠りしているような参加者は、まったくいません。
職業を聞いてみても、元機械工学出身のエンジニアで、現在はFCの餃子店店主であったり、天然酵母、自然発酵のパン屋の店主であったりと、それなりの地位とか、実績のある人たちが多かったように思います。
日本の外食産業、特にうどん蕎麦業界が振るわないのは、熱心な人たちの参入が少ないのが原因であると思います。
特にラーメン業界と比較すると、うどん蕎麦業界は無風地帯なので、熱心な人たちが多く参入すると、成功する確率は非常に高くなり、また、業界が活性化して、ラーメン業界と同じような業界になると思います。
従って、多くの人の目が向いていない、うどん蕎麦業界こそ、絶好の参入のチャンスであり、ラーメン業界とは、競争の厳しさがまったく異なります。
ラーメン業界は、一見競争が厳しいように見えますが、実際はそうではなく、多くの参入者が独自路線を開いて、濃厚魚介つけ麺とか、和え麺とか、新しいチャレンジをし続けているのです。
反対にうどん蕎麦業界は、新規参入者が既存店と同じことを繰り返して、新しいチャレンジがほとんどなく、同質化競争をしているので、活性化していないのです。
当社の歴史を振り返ってみても、常に、競争を避けて、独自路線で進んできたのです。
最初に麺業界に参入するときも、どこにもなかった、手打ち式製麺機「真打」を開発し、リッチメン、坂東太郎と、他社の製麺機とは一線を画した斬新な製麺機を作り続けてきたのです。
次に、年中無休365日のメンテナンス、各地での展示会、ラーメン学校等、同業他社がやっていないことばかりやり続けているのは、元々、自分の中に競争を避けるという意志が働いていたのではと思います。
そして、当社の麺学校では、当社が押し付けたレシピを教えるのではなく、生徒さんが希望するレシピを無化調で、デジタル・クッキングで教えている点も、他の麺学校とはまったく異なるのです。
当然、博多トンコツとか、札幌ラーメン、トンコツ醤油等の基本的なレシピはありますが、例えば、博多トンコツにしても、1店ごとに味が異なります。
これが博多トンコツだというような教科書のようなものは、ないのです。
従って、ラーメン学校では、生徒さんが希望するレシピを教えているのです。
だから、毎回、毎回、生徒さんの希望で、同じ内容のラーメン学校は、1度もなく、毎回が新しいチャレンジであり、今回の東京のラーメン学校のように、パイナップルにチャレンジしたりするのです。
だから、10年間のラーメン学校ではあるのですが、4年前までは毎月1回、4年前に東京支店が出来てからは、毎月2回のラーメン学校を通じて、毎回、新しいレシピ作りにチャレンジし続けてきたのです。
店舗を持っているプロのラーメン店店主でも、恐らく、このように真剣勝負で、こんなにバラエテイに富んだチャレンジをしている店主はないはずです。
当社のラーメン学校が短期間でこんなに進化したのは、生徒さんたちの、あらゆる希望に沿った味に、チャレンジをしているためではないかと思います。
大きく進化を遂げようと思うと、難しいことに敢えてチャレンジしなければいけないような仕組みを作ると、早く進化が出来るのです。
やらざるを得ないような状況に追い込むと、進化が早く、当社のラーメン学校もまさにやらざるを得ない状況に追い込まれたのです。
英語のマスターにしろ、何か得たいものを得ようとすると、やらざるを得ない状況に自分を追い込むのが、一番早いのです。
あとは、そのような状況に追い込まれて、逃げ出さないで、楽しいと思えるような状態を創り出すことなのです。
これは難しいですが、チャレンジするメリットは十分にあり、常に社内がチャレンジし続ける文化を作るのです。
このような価値感を持った人たちを集め、社内文化にすると、面白いことが出来そうです。
来週から、シンガポールでのパワー・アップ・イベント(来週27日(月)~29日(水))がスタートします。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-singapore/)
私は初日だけの参加で、今年になってから訪問した、ロンドン、香港、台中、LAの最新店舗のご紹介を致しますので、既存店の方がたにとっても、今から開業する方がたにとっても、世界の最新外食情報を知るチャンスです。
1.「コンセプトの重要性、コンセプトがビジネスの成功を左右する」
2.利益倍増計画~多店舗展開へのステップアップ~
本日も、ドラッカー選書「イノベーションと起業家精神(下)」(ダイアモンド社)に基づき、イノベーションについて、深くドラッカーから学んでいきます。
ぜひ、一緒にイノベーションと起業家精神を磨いていきます。
◆評価も別に行う
報酬と報奨の問題からも明らかなように、イノベーションの収益パターンは、既存の事業とは異なるので、測定の方法も違うものにしなければならないのです。
既存の事業や製品については「毎年15パーセント以上の税引前利益と、年間10パーセント以上の成長」という目標も意味があるのですが、新しい事業については、意味をなさないだけでなく、ある意味では高すぎ、ある意味では低すぎるのです。
新しい事業は、長い間、往々にして数年間、利益も成長ももたらさないだけでなく、資源を食うだけであるのですが、やがて、突然、急激に成長し、開発に要した資金の50倍以上を回収するのです。
さもなければ、イノベーションとしては失敗であり、そもそもイノベーションは、小さくスタートして、大きく実を結ばせなければならないのであり、そもそもの初めから、小さな特殊な製品の開発や、既存の製品ラインを若干充実させるといったことではなくて、大きな新事業を生むべきものとしてスタートさせなければならないのです。
イノベーションがもたらすべきものについては、過去の経験からのフィードバックによってのみ知ることができ、「イノベーションのための期間をどの程度見るべきか」「資源の投入のタイミングは、いつが適切か」「最初から人材と資金を大量に投入すべきか、それとも最初は担当者1名とし、1人か2人の助手をつけるだけにすべきか」「それでは、いつ規模を拡大するか」「いつ、単なる開発から大きな利益をあげる事業に発展させるべきか」という、これらの問いこそ重要であるのです。
答えは本のなかにはなく、しかも主観や勘、あるいは理屈では答えられないのですが、真に起業家的な企業は、自らの産業、技術、市場におけるイノベーションのパターン、リズム、タイムスパンを知っているのです。
たとえば、前述のイノベーション志向の銀行では、海外での子会社の設立にあたって、少なくとも3年は投資を続けるべきことを知っていて、4年目で単年度の収支を合わせ、6年目の中頃までに、投資した資金をすべて回収する必要があり、6年たっても投資を続けなければならないようでは、そのイノベーションは失敗であり、撤退すべきであるのです。
その銀行では、リース業などの新しいサービスへの進出についても、期間はやや短いかもしれないが、同じサイクルがあるとしているのです。
P&Gも、新しい製品は、開発に着手して2,3年後には市場で売れるようにしなければならないとしているようであり、しかもその1年半後には、リーダー的な製品となっていなければならないとしているのです。
IBMも、新しい製品は5年で市場に出していて、発売後1年で急成長しなければならないとしているのです。
さらに、2年目のかなり早い時期には、トップの地位を得て利益をあげ、3年目の早い時期には資金を回収し、5年目には売り上げのピークに達し、以降はその水準を維持しなければならなく、しかもその頃には、次の新製品が、それを陳腐化させけじめなければならないのです。
これらのことを知るためには、自社と競争相手のイノベーションの実績を体系的に分析しておかなければならず、イノベーションの成果を期待にフィードバックさせ、起業家としての業績を定期的に評価しておく必要があるのです。
こうして、イノベーションからいかなる成果を期待すべきであり、期待できるかを理解して、はじめてイノベーションのための活動をコントロールすることが可能となるのです。
そして、新しい事業を担当する部門と、その経営管理者の仕事ぶりを評価することもできるようになり、いずれの活動を推進すべきか、見直すべきか、廃棄すべきかを決定することもできるようになるのです。
以上のように、常時イノベーションに取り組んでいる企業は、独自の評価の基準を持っているのです。
従って、今まであまりイノベーションに縁のなかった企業が、これからイノベーションに力を入れる場合は、独自の評価基準が出来るまで、試行錯誤を繰り返す必要があるのです。
いずれにしても、イノベーション体質を得て、守り続けるには、たいへんな努力と忍耐を伴うのです。
◆責任体制
既存企業が起業家的たるための組織構造上の要件の最後は、1人の人間、および1つの単位組織に、イノベーションにかかわる全責任をもたせることであり、前述の成長しつつある中堅企業のほとんどが、この責任をCEO自身に、もたせているのです。
大企業では、トップ・マネジメントの1人にこの責任をもたせ、大企業であっても、それほど大きくない企業では、ほかの仕事と兼務することにしてもよいのです。
さらに、巨大企業ともいうべき大企業では、独立した部門や子会社を設立していて、その最も古い例が、今から100年以上前の1872年、民間企業のメーカーであるドイツのジーメンスにおける世界で最初の大卒技術者ヘフナー・アルテネックが設立した世界初の企業研究所だったのです。
この研究所は、新製品や新工程の開発について全責任をもたされ、最終用途や市場の開発についても責任をもたされ、彼らは、技術的な段階だけでなく、新工程や新製品の導入、さらにはそれらの収益についても責任をもたされたのです。
その50年後の1920年代、アメリカのデュポンがこれに似た組織をつくり、開発部と名づけ、デュポンの開発部は、イノベーションの提案を集め、調査分析し、そのうち新事業として取り組むべきものをトップ・マネジメントに提案したのです。
そのあとは、研究、開発、製造、マーケティング、財務など、あらゆる分野の人材を動員することができ、新製品や新サービスが市場に出るまでの数年間にわたり、それらの新事業の面倒を見たのです。
イノベーションの責任は、CEO自身、あるいはトップ・マネジメントの一員のいずれがもつことになろうとも、さらには専任、兼任のいずれになろうとも、独立した責任、トップ自身の責任としなければならず、そしてその責任は、イノベーションの機会の追求を含むものとしなければならないのです。
当社も過去を振り返り、反省するとすれば、私自身がイノベーションの先頭に立った新規事業は成功し、誰かに任せた新規事業は上手くいかなかったのです。
私が常に担当した新規ビジネスは、麺学校であり、特にラーメン学校であったのです。
外部のコンサルタントを招いて新しく取り組んだビジネスも、私が中心になっていなかったら、最終的に成功していないのです。
上記に書いてあるように、中小企業において、トップの関与はイノベーションには欠かせないのです。
昨日は、私のセミナーの後は、藤澤先生の製麺講義で、その後の実技も準備等の作業をすべて負担してくれました。
こうして、講師が次々と生まれてくれると、私の負担が楽になり、10年前は何でもすべてやっていたことを思いだします。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。