本日のテーマは、「ドイツの戦後復興の象徴」です。
一昨日夜に、成田、羽田、高松空港経由で帰宅し、昨日から久しぶりに本社に出社し、大和、讃匠のスタッフたち全員と再会し、主に留守中の社内の打合せを行ないました。
12日間の出張中は異次元の世界でしたが、社内に戻ると、瞬く間に普段の喧騒の世界に戻り、出張中の出来事ははるか以前のような気持になりました。
今月末には、LAでのイベントに合せた出張を控えていたり、国内でも幾つかのイベントと出張が重なっているので、本社でいるのは、わずかしかないのです。
大阪(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-osaka/)
昨日は、一緒に同行していた役員も含め、役員全員が本社にいたので、短い時間の役員会議を開催し、現在、当社が抱えている問題点をあぶり出すと、幾つかの問題点のうち、スタッフの採用の課題が浮き上がりました。
スタッフの採用においても、今まで通りの募集方法で募集していると、応募者が非常に少なくなっています。
例えば、ドリーム・スタジオ大阪でも、業務が忙しくなり、人手が足りなくなっていて、パートの事務補助が出来る人を募集しているのですが、期待しているような人の応募がなかなかないのです。
応募者がゼロではないのですが、非常に少なく、こちらが期待しているような素養を持っている人が来ないのです。
当社の場合は、能力よりもむしろ、人間性にウエイトを置いているので、人間性において、満足するような応募者が来ないのですが、当社の方針として、人間性においては、絶対に妥協しないのです。
そこで当社は、事務補助として募集するのではなく、清掃係として募集することにしたのです。
過去、他の拠点でも同じように、事務補助で募集すると、なかなか採用することが出来なかったのですが、清掃係として募集すると、人間性の素晴らしいスタッ フを採用出来、掃除はもちろんきれいにやってくれるのですが、掃除だけではなく、本当は欲しかった事務補助の仕事まで範囲を大きく広げてくれているので す。
人間性がよければ、能力を伸ばすことはそれほど難しいことではなく、人間性を良い方向に変えることは、非常に難しいので、能力は伴っていなくても、人間性の良い人を採用し、能力は徐々に伸ばしてあげることが大切であるのです。
すると、募集時は簡単で誰でも出来そうな職種で募集した方が、より広い範囲で応募者を集めることが出来るのです。
現在の日本は人手不足が加速しているので、人の募集の方法にも、過去の募集方法のままではなく、新しい募集方法、即ち、イノベーションが必要であるのです。
当社のようなメーカーにおいては、新しい機械の開発がイノベーションだと思われがちですが、実はそうではなく、どのような仕事とってもすべてがイノベーションの対象であり、特に問題を抱えている課題ほど、イノベーションの対象であるのです。
昨日も役員会議で出てきた人の課題として、インストラクターの採用がなかなか思うように進んでおらず、女性を採用したいのですが、女性よりも男性の応募者の方が多いのです。
今朝もこのことについて、散歩をしながら、インストラクターは女性が良いか、男性が良いかについて、考えてみました。
私は、当社の麺学校が比較的上手くいっている原因の一つが、現在活躍している松原先生を初め、過去ずっと女性インストラクターが担当してきたことの要素が大きかったと思います。。
女性と男性の大きな違いは、女性の場合は、繰り返し業務に飽きないで、対応出来ることであり、反対に男性は、飽きてしまうのです。
15年前にうどん学校を開校したときには、実務の指導から講義まで、ずっと私一人で行なっていましたが、毎回、同じ内容の繰り返しは、飽きてきました。
私が現在、麺学校で担当しているのは、実技の最終日の生徒さんの作品チェックと経営講義ですが、盛付は毎回生徒さんが変わり、テーマも季節に合わせて変 え、経営講義も内容がだんだん難しく、複雑になっていて、毎回、生徒さんも変わるので、内容も同じ内容は、一度もないのです。
従って、今後とも、インストラクターは女性を採用する予定であり、昨年新卒で入社した三ツ井さんも、この仕事をたいへん楽しんで取り組んでいるので、女性にピッタリの仕事であると思います。
しかし、インストラクターで募集すると、応募者が少ないので、今後は調理補助とか、さまざまな、もっと軽い名称で、人間性の素晴らしい人で、能力はまだ十分でない人を採用し、能力を伸ばしていってあげようと思っています。
このように、うまくいっていない課題には、必ず、小さいイノベーションの芽が隠されていて、今まで通りではなく、新しい対策が要求されているのです。
再来週6月14日(日)から16日(火)までの3日間、ドリーム・スタジオ高崎にて、皆さんのパワーをアップするイベントを開催し、私も参加します。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/)
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。
更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。
「マネッジメントへの挑戦」
「しかも、予期せぬ成功は腹が立つ」
長年の主力商品、シンボル的な製品の改善と完成に力を入れている企業が、花形セールスマンからの求め、或いは、大事な顧客の求めを無下に断れなく、それまでの製品に、殆ど意味のないような手直しを加え、市場に出したとします。
そのような代物が売れるはずがないと思っていて、そのようなものが売れることなど望んでもいないのですが、ところが、その代物が市場を席巻し、主力商品と 目論んでいた売上を食った場合、当然、不愉快に感じ、ドラッカー自身、実際に何度も耳にしたことですが、庇を貸して母屋を取られたとこぼすのです。
その反応は、半生を注いできた愛すべき婦人服の座が、望みもせず、好きでもない家電に取られてしまった会長と同じであり、まさに予期せぬ成功は、マネッジ メントに対する挑戦であり、前述の鉄鋼メーカーの会長は、電炉の提案を却下するとき、「もし電炉が機会であるなら、われわれのトップ・マネッジメントがと うに手を打っていたはずだ」と言ったのですが、マネッジメントが報酬を支払われているのは、その判断力に対してであり、無謬性に対してではなく、マネッジ メントは、自らの過誤を認め、受け入れる能力に対して報酬を支払われているのですが、このことを理解しているものは、稀なのです。
以上の話はスタッフたちに、特に聞かせたい話で、正しい判断力が要求されるのは、トップ・マネッジメントだけではなく、マネッジメントも上にいくほど、判 断力の正しさは厳しく要求されるのですが、今日では社内のあらゆる部門が大切な仕事をして、日々、自分で判断することが要求され、特に営業関係者、開発関 係者、メンテナンス、総務、企画部門とあらゆる部門が日々、刻々と変化する情勢の中で、常に間違わない判断を要求されます。
幾ら価値基準を明確にしておいても、出張中の現地での判断で間違えてしまったり、普段の仕事の中での判断を間違えてしまい、成果を上げることが出来ないス タッフがいて、成果が上がっていない部門は特に、判断のミスが多く見受けられ、マネッジメント専門家の場合の判断ミスは、誰にその仕事をさせるかという場 合のミスが多く、彼では無理かもしれないが、他に適当な人がいないので、しょうがないから、彼にやらせようとした場合は、ほとんどの場合、問題が起きてい るのです。
そして、何でもないようなところで、判断ミスをして泣きたくなるような場合もあり、余りにも判断ミスが多い人は、社内での信頼がなくなり、大切な仕事はま ず来なくなり、従って、何ごとを行なう場合も、自分は常に正しい判断をしているかどうかを、自分自身で確かめる必要があるのですが、自分がやろうとしてい る仕事の本質を深く思考し、理解すると、判断ミスすることはほとんどなく、仕事の本質、本当の意味が理解出来ていないので、判断ミスをしてしまうのです。
動物用医薬品業界において、世界の主導的な地位を占めているスイスの医薬品メーカーがあるのですが、扱っている動物医薬品のうち、自ら開発したものは一つ もなく、それらの医薬品を開発したメーカーが、動物用医薬品市場に進出するのを嫌ってくれたために、扱えるようになったに過ぎなく、抗生物質を中心とする それらの医薬品は、もともと人間用に開発したものだったので、獣医たちが注文を寄こしたとき、開発したメーカーは、喜びはしなかったし、ときには売ること を拒否さえしたのです。
当然、動物用に調合を変えたり、包装を変えるようなことはしなっただけでなく、1953年頃には、抗生物質を動物の治療に使うことは、「貴重な医薬品の濫 用」であると主張するある医薬品のメーカーの医師さえいたので、スイスのその動物用医薬品メーカーは、動物用医薬品としてのライセンスを簡単に取得出来た だけでなく、困った成功から解放されて喜ぶメーカーさえあったほどだったのですが、その後、人間用医薬品は、世界中で激しい価格競争に晒され、しかも行政 による厳しい規制を受けるようになった結果、今日では、動物用医薬品が医薬品業界で最も利益率の良い分野になり、その利益を享受しているのは、それらの医 薬品を開発したメーカーではないのです。
われわれの周りには、深く理解しようとすれば、上記のスイスの製薬会社が見つけ出したようなブルー・オーシャンの市場は必ず存在するのでが、われわれは、 それを探し出す努力をしていないだけで、このスイスの製薬会社も予期せぬ成功を見逃さなかったので、得ることが出来た、チャンスであったのです。
われわれの得意分野の中で、常に新しいブルー・オーシャンのマーケットを探し出すことをトップ・マネッジメントの仕事にするべきで、トップ・マネッジメントのうちの一人だけが、他の仕事は何もしないで、この仕事だけに取り組んでも、大きな価値があるのです。
世の中と、世の中の価値観は変化を続けているので、昨日までは大きな意味がなかったビジネスでも、いつの間にか、ビッグ・ビジネスになり得る可能性があり、われわれは、無限の可能性の海の中で生きているのです。
「気づかない成功」
さらによく起こることとして、予期せぬ成功は気付きさえしないだけでなく、注意もしない、利用もしないまま放っておき、そこへ誰かが現われ、利益をさらっていき、これが起きると、最も危険な状況で、取り返しがつかないことになるのです。
ある病院用機器メーカーが、生物実験や治療テスト用の機器を開発した結果、良く売れ、しかも突然、企業や大学の研究所から注文がきたのですが、マネッジメ ントは、誰もその報告を受けなかったし、気付かず、狙った市場ではなかったので、多くの優良な顧客がいることを認識せず、セールスマンを訪問させることも しなければ、アフター・サービス網も作らなかったので、5年から8年ほど経ったとき、その市場は他のメーカーに奪われ、しかも市場規模からくる事業の大き さゆえに、新しく現れたメーカーは、病院市場でトップだったそのメーカーよりも、安い価格と優れたサービスを武器に病院市場にも進出してきたのです。
予期せぬ成功に気づかないのは、普通の会社の今日の報告システムが、注意を喚起するどころか、予期せぬ成功の報告をする仕組みがなく、企業や社会的機関の 月ごとあるいは四半期ごとの報告書は、その1ページ目において、目標を達成できなかった分野や問題を列挙していて、当然のこととして、定例の経営会議や取 締役会では、目標以上の成果を上げた分野でなく、問題の起こった分野に関心を向けることになり、機会に関心を持つのではなく、問題に関心を持っていて、先 ほど紹介した病院用機器のケースのように、予期せぬ成功が新しい市場という定性的なものであるならば、今までに存在しなかった市場なので、毎月の売上数字 だけの報告では、その存在さえ教えてくれないのです。
以上のような事件は、中小企業のジャンルで常に起きていて、その市場に依存している中小企業は、いつも脅威に晒されていて、経営資源の乏しい中小企業ほ ど、外からの脅威に対して、あらゆる方向に注意していても、注意し過ぎと言うことはなく、実は、これとよく似たことが外食の世界でも起きているのです。
例えば、新規開業者がたまたま素晴らしい立地に出会って、大繁盛したとすると、外食の大手だけでなく、あらゆる外食企業が、鵜の目鷹の目でどこかに良い立 地はないかと探しているので、思わぬところで繁盛店を見つけると、そこには新たなお客さまがいることが分かり、その繁盛店のレベル、即ち、商品力、サービ ス力、店舗力を判断して、その立地に参入しても勝てると判断すると、あとから強いライバルが続々と参入してくるので、繁盛したことがあだになって、たいへ んな競争状態を引き起こす可能性があるのです。
従って、もし繁盛してもあとから、強いライバルが参入して来ないような立地で開業することが大切で、そこが1等立地、2等立地であれば、後から強いライバ ルが参入してくる可能性が高いのですが、3等立地であれば、可能性が低くなり、3等立地では、2店舗が戦え、生き残るのに十分な市場がないためであり、上 記の病院機器の場合も、大きな市場があだになったのです。
久しぶりに本社に帰り、暫くぶりの美味しい昼食を堪能しました。
私が長い出張から帰国したためか、調理の担当者は大好物のスイカを準備してくれていました。
たいへん美味しいスイカで、久しぶりの社内の食事は美味しく、身体に良いものばかりです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。