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うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神」「価値観ギャップ、消費者が求めているもの」

高松中央図書館におけるセミナーの様子

来週6月15日(月)から、明日16日(火)までの2日間、私のセミナーがドリーム・スタジオ高崎にて開催され、私のセミナーのレジメは次の通りで、①については、未発表のレジメです。
① 麺専門店のレイアウト・事業計画のポイント!(NEW)
② 富裕層客の獲得必勝法!(4月東京支店)
③ 人材を制す者は、売上げをも制す!(6月ドリームスタジオ高崎)
https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/)

本日のテーマは、「繁盛店への道」

先週土曜日に、高松市中央図書館にて、日本政策金融公庫の開催でのセミナーの内容で、新規に開業する人たちを対象にした内容で、主な項目は以下の通りです。

1.目先の損得に捉われずに、正しいことを行なう
2.情熱のあることしか、やらない
3.ビジネスは必ず、トップを目指す
4.ビジネスを始める前に、価値観を明確にし、使命、コンセプトを明確にする
5.本質を極める
6.ビジネスにおけるサービスの占める割合が増し、サービスを制する者は、ビジネスを制す
7.小が大に勝つ戦略
8.日本の環境の現実を理解する
当初は、講演時間は2時間とお聞きしていたのですが、実際に会場へ行ってみると、90分であったので、すべての準備した内容を話すのは無理だと思い、セミナーの最初に参加者の方がたに、聞きたい内容を確認したのです。

すると、一番先に挙げられたのは、「7.小が大に勝つ戦略」で、二番目は、「3.ビジネスは必ず、トップを目指す」で、三番目が「2.情熱のあることしか、やらない」で、ここまで説明したところで、時間切れになってしまったのです。

私は新規開業者を対象にしたセミナーであったので、恐らく若い人たちが多いと思って会場に行ったのですが、実際はそうではなく、中高年齢者がほとんどで、若い方は非常に少なく、高齢者も目立ち、時代の大きな変化に驚かざるを得ませんでした。

私が起業したのは丁度40年前のことで、その頃は起業する人たちのほとんどは若い人たちであり、6年間勤務した川崎重工を退社し、青雲の志で新規事業に取り組んだことを覚えています。

タイトルの中で、私は新規開業者にとって重要であると思われる順序でレジメを組んでいて、5番目までがビジネスの本質的な部分であり、6番目以降はどちらかと言えば、テクニックに当たる部分であったので、本当は1番目からリクエストをして欲しかったのです。

40年前に私が起業したころは、政策金融公庫の前身である、国民金融公庫での金利も6.5%でしたが、現在は2%で、貸付基準も金額も現在の方がはるかに緩く、新規開業者にとってはたいへん有利になっていて、新規開業者にとって有利な環境になっているにもかかわらず、日本では新規に開業する希望者が年々減少し、世界レベルで見ると、世界最低ランクになっています。

日本の国も経済の発展期、バブル期を経て、現在は沈滞期を迎えているわけですが、沈滞期を乗り越えるには、元気のある若い人にこそ、新規開業を目指して欲しいところであり、最近の当社の麺学校の生徒さんたちを見ても、若い人たちよりも、むしろ中高年者の方が増え、全体に元気な開業者が減っているのが気になります。

先日、ある人から、私は団地の草刈りについて面白い話を聞いたのです。

それは、その団地では草刈りを休日に2時間ほど、無料の勤労奉仕で行なっており、もっと多くの人に参加して欲しいと思い、2時間の勤労奉仕に対して、500円のクオカードを渡すようにしたのです。

その結果、意に反して、以前より参加者が減少したのです。

以前は、義務感とか、奉仕に賛同して参加していたのに、自分の2時間の労働が500円という単価で評価されたことへの反発で、不参加が増えたとのことでした。

このように、われわれの価値感は、時代と共に変化し、まして現在の日本では、経済至上主義では動いておらず、損得の判断だけではなく、人間の尊厳に基づく判断がもっと重要になっているのです。

本日のドリーム・スタジオ高崎での私のセミナーのテーマである「人材を制するものは、売上を制す」、或いは、ビジネスを制すについても、単に給与を高くすれば、人材を採用出来る世の中ではなくなっています。

そして、働く人材自体が非常に少なくなっているのが現状であり、働く人たちの価値感が以前とは大きく変わっているので、雇用者側の論理ではなく、働く側の価値感で理解しないと、有為な人材を採用することは出来ないのです。

本日のドラッカー・マネッジメントのテーマである、価値観ギャップはわれわれのビジネスのイノベーションを起こす、最も重要なテーマであることが、改めてよく分かります。

本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。

更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。

「3.価値観ギャップ」

日本におけるテレビ販売の成功という予期せぬ成功は、消費者の価値観についての認識ギャップがもたらした機会を示していて、日本の経済界の大物がアメリカでの講演で、テレビは高すぎるので、日本の貧しい人たちには買う余裕がないと言った時点のはるか前に欧米の貧しい人たちは、テレビの与えるものが経済合理性の枠外にあることを、身をもって示していたのですが、この日本の知的な経営者は、消費者とくに豊かでない人たちにとって、テレビは単なるモノではないことが見えてなく、豊かでない消費者にとって、テレビは新しい世界との接触であり、新しい生活と人生だったのです。

フルシチョフもまた、1956年の訪米時に「ロシア人はマイカーを必要としない。タクシーの方が安くていい。」と言ったのですが、車が単なるモノでないことが見えてなく、アメリカのテイーン・エイジャーならば誰でも、フルシチョフに対し、車が単なる輸送手段ではなく、自由、移動、力、ロマンであることを教えることが出来、そしてまさにこのフルシチョフの誤解が、ソ連において、世界で最も荒々しく、起業家的なイノベーションの機会をもたらしたのが、車の闇市で、これらの例は一般的で、一人ひとりの企業人や、病院や大学の経営者にとっては、あまり役に立たないかもしれないのです。

以上の事例は、下記のように、「価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断がある」としていますが、まさにその通りであり、成功すればするほど、このような罠に陥り易く、少し興味を持って、周りを見渡せば、誰でも分かることなのですが、外に出ないと分からないのです。

外に出て、多くの物を見る意味は非常に大きく、私もお蔭で世界中を回っているので、同じ製麺機メーカーの経営者の中では、外をたくさん見ている方であり、多くの物を見て、現実を知ることは大きな意味があり、日本は世界の常識から大きく外れていることが分かります。

「消費者が求めているもの」

たしかにこれらの例は、あまりに一般的であり、次に、これらの例と同じように一般的ではあるが、事実上大きな意味のあった別の例をあげてみると、アメリカ中西部のある都市の郊外に、この数年間で急成長した金融機関の一つがあり、2千支店を持つこの証券会社は、顧客と証券業界の価値観のギャップに目をつけ、成功し、成長したのです。

メリル・リンチ、デイーン・ウイッターズ、E・F・ハットンズなどの大手証券会社は、あらゆる顧客は、自分たちと同じ価値観を持っているものと信じ、NY証券取引所の会員にとっては、行動の動機や成功の基準は利殖であると信じているのですが、そのような価値観を持つ者だけが、一般的投資家ではなく、投資家の多くは投資のプロではないのです。

一般的投資家は、プロの投資家として金を儲けるためには、十分な知識のもとに、四六時中、資金の運用に取り組まなければいけないことを知っていますが、地方の自由業の人たちや、豊かな農家や、中小企業の経営者には、そのための知識や時間がなく、本業が忙しく、稼いだものを運用に回す時間がないのです。

その中西部の証券会社が目につけたのは、価値観ギャップで、外見上は、ほかの証券会社と変わらないし、NY証券取引所の会員でもあるのですが、この証券会社は業務のうち、取引所を通すものは全体の8分の1に過ぎず、ウオール・ストリートの証券会社が力を入れているオプション取引や先物取引には手を出さず、もっぱら自分たちが「懸命な投資家」と呼ぶ人たちを顧客にしていて、利殖の約束はしないのです。

実は、この利殖をしないということが、アメリカ証券業界ではイノベーションであり、株の売買に精を出す顧客を求めないで、自由業の人たちや豊かな農家や中小企業の経営者など、支出が堅実で、収入が支出を上回るという人たちを顧客にしているだけで、この証券会社は、財産を守りたいという彼らの心理に働きかけていて、扱う商品は、株式、公社債に加え、年金、パートナーシップ投資、不動産投資信託などであり、この証券会社が提供するものは、ウオール・ストリートの証券会社が売ってきたものとはまったく異なる価値、すなわち安心であり、これこそが、「賢明な投資家」にとっての魅力ある価値あるものだったのです。

そのような顧客は、ウオール・ストリートの証券会社の価値観に反しているので、最初は、ウオール・ストリートの証券会社は、そのような顧客の存在さえ知らなかったのですが、今日では、この証券会社の名前は広く知られていて、成長している証券会社として必ず名前が出てくるのですが、今日にいたるも、大証券会社のトップたちは、そのような競争相手が成功していることはもちろん、存在していることさえ認めようとしないのです。

このように、価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断があり、つまるところ、「貧しい人たちが何を買えるかを知っているのは、彼ら貧しい人たちではなく私である。」という考え方があり、フルシチョフが言ったことも、「マルクス主義者ならば誰でも知っているように、人間というものは経済的合理性に従って行動するものである。」ということで、あらゆるギャップのうちで最も多く見られるのが、この価値観ギャップであり、イノベーションを行なう者が価値観ギャップを利用しやすいのは、このためで、しかも彼らは、邪魔されずに放っておかれるのです。

以上の例では、一般的な証券会社にとっての、自分たちと価値観を共有出来る顧客だけを証券会社の顧客と信じていたのですが、新しい証券会社はそうではなく、今まで一般的な証券会社の価値観とは相容れない顧客、即ち、ノン・カスターを顧客にし、今までの証券会社と価値観のまったく異なる顧客をカスタマーにして、大成功したのです。

ドラッカーは、まだ顧客になっていない人たち、すなわち、ノン・カスターへのフォーカスを勧めていて、その人たちは、自分たちの今までの価値観とは違った価値観を持っている可能性の高い顧客で、ノン・カスタマーこそ、これからの可能性の高い顧客になる得る存在であり、生産者や販売者は、ほとんど常にと言ってよいほど、顧客が本当に買っているものが何であるかを誤解しているのです。

もちろん彼らは、自分たちにとっての提供している価値が、顧客にとって価値があるという信念をもたなければならないのは言うまでもなく、いかなるものであれ、一つの仕事に成功するためには、その仕事の価値を信じ、真剣に取り組む必要があり、化粧品の生産者は化粧品の意義を信じなければならず、さもなければ、製品そのものが陳腐化し、顧客を失っていき、病院の経営者は、医療を絶対的な善として信じなければならず、さもなければ、医療も看護も直ちに質が低下していくのです。

しかしそれにもかかわらず、生産者や販売者が提供していると思っているものを買っている顧客は、ほとんどいないのであり、彼らにとっての価値や期待は、ほとんど常に供給者の考えているものとは異なり、そのようなとき、生産者や販売者が示す典型的な反応が、消費者は「不合理」であって「品質に対し金を払おうとしない。」と言うのですが、実は、この種の苦情が聞かれるときこそ、まさに生産者や販売者が顧客の価値と信じているものと、顧客にとっての本当の価値との間にギャップが存在すると考えるべきなのです。

したがって当然、具体的で、しかも成功する確率の大きなイノベーションの機会を探さなければならず、価値観ギャップは、すべてのギャップの根本であり、価値観ギャップを理解することが、すべてのギャップからイノベーションを起こす、最も近道であることが分かるのです。

自社、自店のカスタマーとノンカスタマーを比較すると、ノンカスタマーの方がはるかに多く、お客さまの数を増やし続けるには、ノンカスタマーをカスタマーに変え続ける以外にはなく、ノンカスタマーの持っている価値感は、自社、自店の持っている過去の価値感と異なることが多いのです。

お客さまが持っている価値感は時代と共に変化し続けているので、過去の価値感に固執し続けていると、ビジネスの世界から置いてけぼりを食ってしまうことがあるのです。

従って、お客さまの価値感の変化に気づくことは非常に重要であり、麺ビジネスの世界で、お客さまの価値感の変化を捉えて非常に成功した事例は多くあり、イノベーションを起こして成功した麺ビジネスはすべて、価値観ギャップを活用して成功しているのです。

セルフのさぬきうどんで最初に成功した「はなまる」は、それまでのセルフのさぬきうどん店は、主に男性向けで、女性が胸を張って入れるようなきれいな店ではなく、どちらかと言えば、「早い、安い、旨い」を実現していたのですが、「はなまる」はその上に、きれいな店を作り、女性でも胸を張って入れるようなきれいな店を作ったのです。

次に「丸亀製麺」は、それまでのさぬきうどん店、或いは一般的な麺専門店は製麺機をバックヤードに置いて、わざとお客さまの眼に触れないようにして、実際は機械製麺をしているのに、手打ちと謳っている店が多い中で、製麺機を前面に置いて、実演自家製麺の店を作り、過去の価値感を打ち破り、今までの麺専門店の店主の、お客さまは手打ちを好んでいるが、機械製麺は好んでいないという価値感を打破したのが、「丸亀製麺」であったのです。

そして、「はなまる」とか「丸亀製麺」が麺専門店の価格破壊を起こし、かけうどん1杯100円とか、280円の価格が、それまで都内の蕎麦店等では、かけそば、かけうどんの価格を500円~600円に設定していたのですが、価格に関する信頼性を失わせる原因になり、余計にビジネスに大きな影響を与えたのです。

過去、多くのうどん店、蕎麦店のお客さまは昼のサラリーマンであり、昼の営業で成り立っていて、昼間の回転率を上げることがビジネスで成功する原則であると認識していたのですが、生産年齢人口の減少と共に、サラリーマンの数が減少し、サラリーマンをターゲットにした、高回転型ビジネスが成り立ち難くなってきたのです。

反対に、東京の町田市になる当社のユーザーさまである、「カフェ中野屋」のように、本格的なカフェで、うどんを提供し、昼間の時間当たりの回転数は重視せず、1日を通してのトータルの回転数で非常によい成果を上げているのです。

以上のように、最近、成功しているビジネスのほとんどは価値感ギャップを活用していて、現在の業績が伸びなかったり、少しでも下降しているのであれば、価値観ギャップが起きていると理解し、解決策を見出すことが、イノベーションによる成果を上げる一番の近道であるのです。

画像は、先週土曜日の高松中央図書館における、私のセミナーの様子で、多くの参加者たちが熱心に参加していました。

特に、JETROの高松の責任者の方まで、一般の参加者に混じって参加していたことに驚きました。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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