うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神」「プロセス・ギャップ、いかに見つけるか」

訪問した焼き肉店での様子

来週6月22日(月)から、明日24日(水)までの3日間、ドリーム・スタジオ大阪にて開催され、私のセミナーは23日(火)、24日(水)で、レジメは次の通りで、①については、未発表のレジメです。
① 麺専門店のレイアウト・事業計画書のポイント!(NEW)
② 富裕層客の獲得必勝法!(4月東京支店)
③ 人材を制す者は、売上げをも制す!(6月ドリームスタジオ高崎)
http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2175&ref=top

本日のテーマは、「サービスと価格」です。

昨日夜は、高崎市内の地元に以前から長く繁盛していて、30店舗近くの大型店のある焼肉屋があるとのことで、スタッフ全員で夕食を兼ねて行ってみました。

料理が出てくる前に、従業員が何人かが、注文を取りに来たり、食器を持って来たりしましたが、従業員の中にサービスレベルの低い女性が混じっていて、少し不愉快な思いになり、デユッセルドルフのカフェのサービスを思い出しました。

われわれ一行は6人で、4人掛けテーブルが2つに離れている席に通されたので、3人づつに分かれて座るようになり、別々のコンロで肉を焼くようになり、いろんな食材を盛っているファミリーセットがお値打ちであったので、それを1個注文して、両方のテーブルでシェアするようにして、最初来た若い男性の店員に2テーブルように、分けて持って来て貰うように頼んだところ、気軽に応じてくれたのです。

ところが、その後にやって来た中年の女性のウエイトレスが、不機嫌そうに、出来ないと言い、大皿にまとめて盛ってきたのです。

大皿に盛っている食材を2つに分けるだけであるので、どう見ても簡単に出来るのに、やりたくなかっただけであったのです。

これだけ、サービスが重要な時代に、それも何十年も続いているレストランで、30店舗もある、地方の名店がこんなサービスをしていることに驚いたのですが、これは、その従業員一人の問題ではなく、裏にある会社の仕組みの問題であり、良いサービスが出来るような会社の仕組みが取れていないのです。

最初にわれわれの要望を受けた若い男性の従業員は、その後もわれわれのテーブルに何度も顔を出していましたが、われわれの要望を聞かずに、対応しなかったことへのお詫びは、まったく無かったのです。

本日のセミナーでは、富裕層ビジネスの話をしましたが、富裕層になるほど、個別対応が重要であり、高いサービスレベルが要求されるのですが、同時にその分だけ、高い価格にも応じてくれるのです。 
セミナーの中で、デイズニーランドは、富裕層を対象にしたビジネスであるかどうかを、ご参加の方がたと議論したのです。

デイズニーランドの客単価は、入場券が5千円余りで、施設の中で飲食をしてお土産を買えば、優に1万円に届き、その上、地方から行けば、交通費、宿泊費、さらに周りの人たちへのお土産ももっと必要になるので、ある程度の余裕がないと、家族揃っては行けないのです。 
従って、デイズニーランドは、富裕層を相手にしていますが、富裕層だけではなく、一般の人たちも対象にしていて、あらゆる客層に素晴らしい、富裕層並のサービスをしているので、何度でもリピートするのです。

昨晩、われわれが行ったレストランもデイズニーランド並のサービスをしていれば、われわれの満足感もまったく異なっていたはずなのです。

サービスレベルを上げるのは、従業員一人ひとりの問題ではなく、全社的な課題であり、会社の仕組み、内部環境、例えば、給与制度等も大きく影響を及ぼしているのです。

今まで、日本では一般的に営業部門では業績給制度が取り入れられていますが、業績給にすれば、サービスレベルは上がり難くなるのです。

濃いサービスをしようとすればするほど、時間と手間は余分にかかり、目先の成果を上げるの足を引っ張るのです。

従って、良いサービスを行なうようにするには、会社の仕組みを根本から見直さなければいけないのです。

従って、目先の成果とサービスレベルを上げることは、反比例していて、永い成功とサービスレベルを上げることは、正比例の関係にあるのです。

サービスレベルを上げるには、サービスマインドの高い人の採用が最も重要であり、社内の仕組み作りが次に重要で、最後に教育訓練が大切であるのです。

同時に、即戦力を期待するのではなく、長い忍耐の時間も大切であるのです。

本日の参加者の最後の質問で、群馬県はヤマダ電機が強く、安売りに反応する人たちが多く、安い価格に反応する人たちが多いので、そのようなビジネスでないと難しいのではないかとの質問があったのです。

そこで、私は群馬が本社の自動車会社のスバル自動車の話をして、スバルの車は、価格が安くて成功しているのではなく、むしろ他の自動車会社と比較すると、価格は高いが、独特な水平対向のボクサーエンジンとか、アイサイトを初めて自動車に装着する等、他社とは圧倒的に違う差別化で成功していることを説明し、併せて、ヤマダ電機の業績は、最近の方が以前より悪いことを説明したのです。

外食業界でも、以前から価格を下げて、一時成功したように見えていた「すき家」、「マクドナルド」も苦しんでいるし、価格を上げた「吉野家」が回復していることを挙げ、価格を下げることは自分で自分の首を絞める戦略であることを説明したのです。

このように、ビジネスは短期間の成功ではなく、永く成功することが大切であり、目先の損得に捉われてはいけないし、絶対に競争してはいけないのです。

本日のドラッカー・マネッジメントのテーマである、価値観ギャップはわれわれのビジネスのイノベーションを起こす、最も重要なテーマであることが、改めてよく分かります。

本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。

更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。

4.「プロセス・ギャップ」

1950年代の末、ある製薬会社のセールスマンが、独立して事業を興そうと医療のプロセスにギャップを探し、直ぐに見つけ、当時、最も一般的に行なわれていた手術の一つに、老人性白内障があり、手術は定型的かつ機械的なもので、完璧なダンスのように途切れることなく、すべてを掌握して行なえる手術だったのですが、ただ、1ヶ所だけ、流れの切れるところがあり、ごく小さな筋肉を切開し、血管を縫合しなければならなかったので、血が流れ、眼球を損なう恐れがあり、手術自体は、優しい手術だったが、そこだけは手術をする者にとって気掛かりで、手術の流れが変わることが不安の種になっていて、何度手術をしても怖い部分だったのです。

製薬会社のセールスマン、ウイリアム・コナーは、ちょっと調べてみたところ、筋肉組織を瞬時に溶かすことが出来る酵素が、既に1890年代に分離されていることを知ったのですが、当時は、その酵素を数時間しか生かしておくことが出来なかったのですが、酵素を保存する技術は長足の進歩を遂げているはずであり、事実、コナーは数か月足らずで、酵素の効力を失うことなく保存期間を延ばす保存薬を見つけ、数年後には、世界中の眼科手術医が、コナーの会社アルコン・ラボラトリーズの酵素を使うようになり、20年後、彼はその事業を高い値で、ある多国籍企業に売ったのです。

ここにもう一つ、教えられることの多い例があり、O・M・スコットは、芝生関連の器具、種、肥料、殺虫剤の最大手メーカーであり、現在は大企業の子会社になっているが、芝生業界におけるトップの地位は、同社がまだ中小企業の一つに過ぎなかった頃、シアーズ・ローバックやダウ・ケミカルのような大企業との競争の末、勝ち取ったもので、同社の製品は確かに優れていましたが、競争相手の製品も負けず劣らずであり、O・M・スコットは、定量を均等に播くための器具としてスプレッダーという簡単な手押し車を開発し、その後の地位を得たのです。

芝生の肥料や殺虫剤は、すべて徹底した科学的実験に基づいて調合しているということが売り物であり、散布する量も、気温や土壌の質によって厳密に処方していて、あらゆるメーカーが、科学的とまではいかなくとも緻密でなければならないことを消費者に説いていたのですが、O・M・スコットのスプレッダーが登場するまで、そのための器具を消費者に提供したメーカーはなく、それがないことが、芝生を育てるプロセスの中で、消費者を不安にさせるプロセス・ギャップになっていたのです。

要するに、プロセス・ギャップとは、何か1つの作業を行う一連のプロセスの中で、不安に感じたり困ったりする部分で、例えば、少し前、マンション住まいの奥さま方は、天ぷらを揚げた後の廃油の処理に困っていて、彼女たちは、新聞紙にフライパンの廃油を浸み込ませ、牛乳パックをカットして、その中に丸めていれて、ゴミとして捨てていたのです。

そこで、アメリカのジョンソンは彼女たちに、次のような質問をし、「本当はやりたくないけれど、やらざるを得ないので、やっていることは何ですか?」と聞いたところ、マンション住まいの主婦たちは、上記の回答をしたので、ジョンソンはイノベーションを起こして、「テンプル」を開発し、天ぷらを揚げたあとの廃油の処理が非常に楽になったのです。

以上のように良い流れが途中で切れている場合は、必ず、プロセス・ギャップが起きていて、イノベーションのチャンスが横たわっていて、プロセス・ギャップは、われわれの身の回りにたくさん存在しているのですが、改めて気にしなければ、それが当たり前になっているので、気付かないのです。

ギャップの1番目の業績ギャップが起きている原因の一つでもあり、流れが途切れていて、スムーズに流れていないので、業績の悪化が、起きている場合があり、うどん蕎麦店等では、厨房の作業の流れの中で、天ぷらを揚げる作業も往々にして、プロセス・ギャップになり、メニューの中に天ぷらのメニューが多かったり、天ぷらメニューが多いのに、フライヤーの油面が小さかったり、このバランスが取れていない場合によく起きているのです。

新規開業者がよく起こしているプロセス・ギャップは、開店時の練習不足で、十分な練習をしないで開店し、開店時にお客さまを長く待たせ、怒らせたり、品質の悪い商品を提供して、悪い評判を取っている場合が多く、開店までの流れを一連のプロセスと考えると、多くの新規開業者が陥っている問題点は、最初の計画をキチンと立てていないのと、開店前の練習不足であり、最初の計画の部分は、麺學校の経営講義に参加すると、十分に理解が出来、練習不足に関しては、当社の場合、新規開業者の開店前チェックとして、当社のスタッフを派遣する有料サービスがあるので、開店出来るレベルになっているかどうか、どこに問題があるのかを明確に指摘するので、開店における失敗を未然に防ぐことが出来るのです。

以上のように、流れの中で、スムーズに流れていない部分に着目すると、どこに問題点があるかがよく分かり、肝心なことはこのような棚卸を行なう時間を改めて取ることで、普段、忙しい日々を送っていると、忙しさに流されて、気付かないことがあるのです。

「いかに見つけるか」

では、そのようなプロセス・ギャップは、運や勘によって見つけられるものか、それとも、体系的、組織的に見つけるべきものかですが、ウイリアム・コナーは、手術のプロセスの中に不安になる部分がないかを医師に聞いて回り、小さな芝生用品のメーカーだったO・M・スコットは、何か困っていることはないかを、デイーラーや消費者に聞いて回り、その結果、スプレッダーを開発し、そのスプレッダーを中心として製品ラインを組み、全国的な中堅企業に成長したのです。

プロセス・ギャップは、なかなか見つけられないような代物ではなく、消費者がすでに感じていることであり、眼科の手術医は、目の中の筋肉組織にメスを入れるとき、常に不安を感じ、そのことを人に話していて、金物屋の店員は、芝生の庭を持つ顧客の不安を知っており、そのことを話していて、欠けていたものは、それらの声に耳を傾けることであり、真剣に取り上げることであったのです。

製品やサービスの目的は消費者の満足にあり、この当然のことを理解していれば、プロセス・ギャップをイノベーションの機会として利用することは容易であり、しかも効果的なのですが、それでも深刻な限界があり、プロセス・ギャップをイノベーションの機会として利用できるのは、その世界のなかにいる者だけだということであり、決して、外部の者が容易に見つけ、理解し、イノベーションの機会として利用出来るものではないのです。

以上のように、プロセス・ギャップを見つけるのは、関係者だけであり、案外容易に見つけることが出来、従って、プロセス・ギャップを活用したイノベーションも大きな効果を発揮することが出来そうです。

画像は、昨晩訪問した焼き肉店での様子で、私も草食男子から、徐々に肉食も食べるようになり、焼き肉店へみんなで行くのは初めてでした。

料理はなかなか美味しく、ボリウムもあり、お値打ちで、名店である理由がよく分かります。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

 

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