24日(水)は、ドリーム・スタジオ大阪にて、パワーアップイベントが開催され、私のセミナーのレジメは次の通りで、「人材を制す者は、売上げをも制す! 」です。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-osaka/)
本日のテーマは、「事業計画書」です。
昨日から、ドリームスタジオ大阪での私のセミナーが始まり、昨日のセミナータイトルは、「麺専門店のレイアウト・事業計画書のポイント!」と「富裕層客の獲得必勝法!」の2つで、過去最高の人数のお客さまが参加され、会場は超満員になりました。
毎回セミナーを行ないながら、参加者との質疑応答を通じて、多くの気づきがあるので、私は敢えて、参加者の方がたに質問を促がすのです。
参加者の方がたの質問により、セミナーのタイトルと参加者が本当に知りたいことの摺合せをしながら、セミナーを進め、出来るだけ、参加者のニーズに合った内容にするのです。
昨日もある熱心な参加者の方の質問より、事業計画書作成の本質は、自分が進めようとしているビジネスの本質を明確にすることであり、更に、どの様にすすれば、最後発での市場参入者が先輩たちに負けないで、生き残り、勝ち残ることが出来るかを事業を始める前に明確にすることであったのです。
新規に始める人たちは新規参入者であり、既にビジネスを始めている先輩たちが大勢いる中で、先輩たちに負けないで、勝ち残っていかねばならないので、最後発の参入者が勝ち残る戦略が重要なのです。
新規参入者が勝ち残るのに、最も有効な戦略は、「小が大に勝つ戦略」と「トップを目指す戦略」の2つで、この2つの戦略は当社の麺学校の経営講義の中で必ず生徒さんたちに教えている戦略なのです。
「小が大に勝つ戦略」と「トップを目指す戦略」の2つは、新規開業者には欠かせない戦略であり、ほとんどの新規開業者はこのような戦略を知らずに開業し、そのために飲食業界の新規開業者の閉店率は下記のように非常に高いのです。
(参考)閉店しやすい飲食店の特徴が明らかに!?
シンクロ・フードが過去に閉店した飲食店の特徴を発表!
(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000001049.html)
■営業年数別の閉店割合
1年未満:2243件(34.5%)
1〜2年:987件(15.2%)
3〜5年:1364件(21.0%)
6〜10年:1113件(17.1%)
11〜15年:380件(5.9%)
16年以上:407件(6.3%)
従って、開業後2年以内に半分は閉店し、10年以内に約9割の店舗が閉店しているのです。
事業計画書は、さらにどのような店をどのようなサイズで、どこに開店すれば、どのような収益が得られるかが、ほぼ分かります。
経営者としての力量により、優劣は当然差が付きますが、同じように努力すれば、どの様になるかについて、お店を開店する前に、開店後の様子が見えるのです。
最近は、商圏分析という素晴らしいツールと、食べログという業界の人気度ランキングのデータが整備されているので、どのエリアでどのレベルの店を開店すると、ほぼ、売上が幾らになり、利益が幾らになるという結果が得られます。
従って、事業計画書をシッカリ作り込むと、事業を始める前に、成功パターン、即ち、有効なビジネスモデルを作り上げることが出来るのです。
一昔前では考えられないような世界になり、専門分野を深く掘り下げていくと、今まで見えなかったものが見えてくるのです。
更に昨日の事業計画書作成で、事業計画書の出発点は、作成者の価値感の順序であることが改めてよく分かりました。
価値観の順序についても、自分自身でもよく分かっていないような、潜在意識の深い部分に潜んでいる真実の価値感に迫る必要があるのです。
それには、自己探求を行ない続けることが大切であり、自分の価値感の順序はいったい何であるかを見つめ続ける必要があるのです。
私も当社の価値感の順序について、思考を続け、最近では次のような価値感の順序であることを見つけたのです。
1.パートナーの真の幸せにフォーカス
2.誠実(素直、謙虚)
3.価値創造(パートナーの価値創造 )
4.効率の追求
以前は価値感を10個くらい並べていましたが、10個もあると、普段から考え続けたり、理解し、覚えておくことが難しく、スタッフ全員で共有することが出来ないので、やはり、4~5個くらいまでが正しいようです。
このように、昨日は、一人の熱心な参加者が多くの質問をして下さったので、私にとっても多くの気づきが得られ、学びを得ることが出来たのです。
1人でも熱心な参加者がいれば、経営講義もセミナーの雰囲気が大きく変わり、得られるものがたくさんあるのです。
ほんじつも熱心な参加者が一人でもいることを期待して会場に向かいます。
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。
更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。
◆成功の状況
起業家的柔道がとくに成功する状況が以下のように、3つあるのです。
第1は、すでに地位を確立しているトップ企業が、予期せぬ成功や失敗を取り上げず、見すごしたり、無視したりするときであり、ソニーが利用した状況が、まさにこれで、この戦略も既に広く知れ渡っているので、最近のアメリカの大手企業は、ほとんど上手に、この戦略によって2番手以降のメーカーに市場を奪われないようにしているのです。
例えば、GE等は、自社内の技術だけではなく、日本の中小企業の新しい技術にも非常に注目し、常に新しい技術を探し求め、有効な技術とは提携し、社内に取り入れているので、最近では大手企業は、新しい技術の出現には、非常に注意を凝らしているので、中小企業は、更に精緻な戦略が必要になっているのです。
第2は、ゼロックスがもたらした状況であり、新しい技術が出現し急成長すると、新しい技術(あるいは新しいサービス)を市場に導人した者は、古典的な独占体として行動し、すなわち、地位を利用し、市場のいいとこ取りをし、創業者利益を手にするのです。
彼らは、すでに十分立証されていること、すなわち独占的な地位はもちろんのこと、トップの地位でさえ、(ジョセフ・シュンペーターいうところの)博愛的独占体として行動しなければ維持できないということを知らなかったり、あるいは知ろうとしないのですが、これに対し、いわゆる博愛的独占体は、競争相手が価格を下げる前に、自らの製品の価格を下げ、競争相手ではなく自らの手によって、新製品を導入し、自らの製品を陳腐化し、この戦略の正しさを証明する例はいくつもあるのです。
デュポンは、長年にわたり、そのように行動しており、AT&Tも、1970年代のインフレで問題を抱えるようになるまでは、そのように行動していたので、もしトップ企業が、その地位を利用して大きな利益をあげようとするなら、自ら進んで、起業家的柔道を使う者に倒されようとするに等しく、同じように、急成長を遂げつつある新しい市場で、トップ企業が製品やサービスの最適化ではなく最大化を目指すとき、起業家的柔道の犠牲になりやすくなるのです。
2番手以降の起業家的柔道戦略に上手く対応したのが、ステイーブ・ジョブズ復帰後に、アップルが取った戦略であり、ipod、ipad、iphoneを市場に導入した時は、いずれも非常に高価格で導入するのですが、市場に浸透していくにつれて、矢継ぎ早に価格を下げ、追随者に隙を与えないように市場を押さえ、創業者利益を狙おうとして、起業家的柔道戦略に打ち負かされるのは、最近では大手企業ではなく、比較的規模の小さい企業がイノベーションで成功した後、大手企業に起業家的柔道戦略で攻撃されることを注意しておかねばならないのです。
第3は、市場や産業が急速に構造変化するときであり、ファミリェンバンクが登場したときの状況であり、ドイツが1950年代から60年代へと経済発展をするにつれ、一般の消費者たちは、それまでの預貯金やローンを超えた、新しい金融サービスの顧客となったのですが、ドイツの銀行は、昔ながらの市場に固執したままだったのです。
起業家的柔道は、つねに市場志向であり市場追随であのですが、スタートは技術からであってよく、盛田昭夫は、第2次大戦の荒廃から十分立ち直っていない日本を発ち、トランジスタのライセンスを得るために、アメリカに飛び、彼は、真空管の重さと壊れやすさのために当時の技術がニーズに応えきれていない市場、つまりポータブルラジオの市場に目をつけ、あまり金はないが音質にやかましくない若者の市場、しかもそれまでの技術では対応できない市場に目をつけたのです。
同じように、アメリカの長距離通話割引業者は、AT&Tから直接割引を受けるほどの通話量はないが、毎月かなりの長距離通話料を払っている企業を顧客とし、それらの中規模ユーザー市場で相当のシェアを得たあと、大ロユーザーと小ロユーザーを顧客にしていったのです。
時代の変化、市場の変化を見落しているのも、大手企業とか中堅企業よりも、生業店とか、生業の規模の小さい企業の方が見落として、淘汰される事例を良く見かけ、現在の日本の外食産業と麺専門店ビジネスの市場に起きている大きな変化も、生業店の人たちのほとんどは理解出来ていないので、新規開業した店でも、半分以上は2年以内に閉店しているのです。
◆差別化
起業家的柔道の戦略を使うには、業界とメーカー、取引先、商慣習、とくに間違った商慣習、彼らの経営政策の分析からスタートし、しかる後に、市場を調べ、この戦略に対する抵抗が最も小さく、最も成功しそうな分野を探すのですが、もちろん起業家的柔道にも、真のイノベーションが必要であり、同じ製品やサービスを安い価格で提供するだけでは十分でなく、既存のものとの差別化が必要であるのです。
ROLMは、AT&Tと競争して企業用電話交換機を開発していたとき、いくつかの機能を加え、それは、発明でもハイテクでもなかったのですが、ROLMは、AT&Tと違い、マーケティングに力を入れ、同じように、シティバンクはファミリエンバンクを設立したとき、トラベラーズチェックや税務相談など、ドイツの銀行とは違う新しいサービスを加えました。
新規参人者は、すでに地位を確立しているリーダー企業と同じものを、安い価格や優れたサービスで提供するだけでは十分でなく、差別化が必要であり、総力戦や創造的模倣と同じように、起業家的柔道もトップの地位を目指し、やがては支配を狙うのですが、起業家的柔道は、それまでのトップ企業と正面切って競争することはなく、少なくとも、トップ企業が挑戦を気にしたり、脅威とみなしたりする分野では競争せず、起業家的柔道もまた、「弱みを攻撃する」のです。
現在では、既に大企業の方がドラッカー・マネッジメント等も深く理解し、過去と同じような轍を踏まないようにしているので、われわれ中小企業は余計にシッカリ学ばないと、大企業に伍して、生きて行くことが出来ず、ビジネスはますます、複雑な、変化の早い時代になり、われわれは更に学び続けることが重要になり、今回の起業家的柔道戦略でも、裏の裏をかくような、更に複雑な戦略が必要な時代になっていて、イノベーションの基本的な7つの機会の理解と活用は、欠かせないのです。
画像は、昨日のセミナーの様子で、多くの参加者がたいへん熱心に聞いていました。
私にとってもたくさんの得るものがあったセミナーでした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。