うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神」「顧客戦略、GEとマコーミック、価値戦略」

講師の松原と海外担当のパベット

7月5日(月)から7月7日(水)までの3日間、ドリーム・スタジオ名古屋にて、「麺専門店繁盛支援イベント」を開催し、さまざまなセミナーがあります。

http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2244

本日のテーマは、最近、非常に増えてきた「海外進出」についてです。

29日からのLAでのミニラーメン学校に備えて、昨日日曜日は、スープ作りのために、調達している豚骨と丸鶏を炊き始めました。

豚骨は背骨とゲンコツですが、日本では考えられない位、骨に肉が残っていて、骨からだけではなく、肉からスープが取れそうです。

毎回、アメリカでスープを取るときに感じるのですが、アメリカの豚とか鶏は、日本よりはるかに高品質で、良いスープが取れます。

材料さえ吟味して購入すれば、海外でラーメン店を開業しても、日本のようにラーメン店が多くないので、骨の仕入では困らないのではないかと思います。

うどんの場合は、スープに昆布とか特殊な海産物を使い、小麦粉も澱粉の粘り強さが必要な特殊な小麦粉なので、海外で開店する場合はラーメンよりうどんが、はるかに難易度が高いのです。

海外でラーメン店を開業する場合の注意点は、現地の水の水質、そして現地で調達できる小麦粉の品質、骨の品質等には注意が必要です。

水とか、小麦粉の品質は、当社に送って貰えれば、簡単に分析が出来、どの程度、ラーメンとか麺専門店に合っているのかが分かり、もし、水の硬度が高い場合は、軟水器を設置すると、簡単に水質が改善されるのです。

更に、現地で入手できる副材料、例えば、醤油を筆頭にあらゆる種類の調味料の品質を確認する必要があり、これらの副材料はラーメン学校とか、うどん学校に参加する折に一緒に持って来て試してみると、どの材料が合っているかどうかが簡単に分かるのです。

昨日は、盛付に使う野菜類、フルーツ類とか、肉類等々をスーパーに買い出しに行ってきましたが、往々にして日本で手に入る野菜と海外で手に入る野菜が異なる場合が多いのです。

海外の場所によっては、日本と同じような野菜とかフルーツを調達することが出来るのですが、ほとんどの場合、同じような野菜の入手は困難です。

特に困るのがネギ類で、うどんの薬味の細ネギと白髪ねぎ用の長ネギは日本と同じものはまず手に入らないのです。

茄子等も日本のように濃い紫色ではなく、日本のように小型で形の良いものはなく、キュウリ等も馬鹿でかいのが多いのです。

ごぼう等もほとんどなく、手に入る野菜でも、色、形、味が異なる場合が多く、日本のようなスマートな盛り付けがなかなか出来ないのです。

反対に現地の材料の良さを見つけ、現地の材料に合った形の盛り付けに変える方が、斬新な盛り付けが出来ます。

カリフォルニアでは寿司にアボカドを使ったように、その土地の食材をうまくアレンジすれば、日本にはない、もっと面白い料理が可能なのです。

従って、私は海外に出れば、必ず現地のマーケットとか、スーパーマーケットに行き、食材の調査を始めるのです。

イノベーションを起こすのは、技術関係だけではなく、料理の世界でもイノベーションは必要で、フレンチのシェフが和食を究め、フレンチと和食が融合した新しい料理が誕生し、ハンバーガーにさえ、和の文化が取り入れられようとしているのです。

或いは、ハンバーガーではすでにモスバーガーが照り焼きバーガーとか、ライスバーガーで和食との融合を行ない、完全に定着しているのです。

海外に出て、日本人が経営しているうどん店、蕎麦店、ラーメン店等を見れば、日本の原型から離れられない人たちがほとんどで、まだ、日本の麺類に馴染のないお客さまだけをターゲットにしているのであれば、それでも何とか通用しますが、海外のお客さまに本当に受けようとする、それだけでは難しいのです。

海外、特にアメリカでは、基本的に1食当たりのボリウムが大きく、「ボリウムがデカいこと=美味しい」の関係が出来上がっているので、ボリウムは必須なのです。

また、味付けもその国々で嗜好がことなり、塩度の濃さに違いがあるのです。

さらに、海外の場合、法律も異なるので、その土地の事情に精通しない限り、ビジネスは成立しないのです。

海外進出に関しては、当社もノウハウを深め続け、最新情報を収集し、併せて海外への見聞を高めています。

本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。

更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。

3顧客戦略

◆GEとマコーミック

大型蒸気タービン市場におけるGEのリーダー企業としての地位は、第一次大戦前、顧客の事情を徹底的に検討することによってもたらされ、発電用として、それまでのピストンエンジンに代わって登場した蒸気タービンは、設計上、高度のエンジニアリングを必要とする複雑な装置で、調達した電力会社がメンテナンスしきれるものではなく、電力会社は、新しい発電所を建設する5年から10年ごとに蒸気タービンを調達するのですが、そのためには技術的なバックアップが必要で、蒸気タービンのメーカーがコンサルティングのための大きな支援チームを組織し、維持しなければならなかったのです。

アメリカの法律では、電力会社が大きな支出をする場合、州の公益事業委員会の許可が必要であったので、電力会社は、コンサルティングには金を払えず、各州の公益事業委員会は、そのような仕事は電力会社自らが行うべきであると判断していたので、各州の公益事業委員会が認めなかったので、GEは、コンサルティング費用を請求できず、一方、蒸気タービンそのものの寿命にかかわらず、ブレードは5年から7年ごとに替えなければならず、しかもブレードは、蒸気タービンを製造したメーカーから調達しなければならなかったのです。

そこで、GEは発電所向けの世界一のコンサルティング部門をつくり、コンサルティング部ではなく、関連機器販売部と名づけ、しかもこのコンサルティング部門は、電力会社に対するサービスについて代金を請求せず、蒸気タービンそのものの価格も、競争相手より高くせず、GEはコンサルティング部門のコストと利益を交換用ブレードの価格に上乗せしたのですが、10年もたたないうちに、ほかのメーカーもこのシステムを理解し、真似を始めたのですが、その頃には、すでにGEが世界市場においてトップの地位を占めていたのです。

以上は、お金の貰い方に関する戦略であり、最終的に必要とする額を入手出来れば良いのであり、お客さまの事情に合わせ、お客さまが納得できる貰い方に変え、最終的にライバルに打ち勝ったのですが、この方法であれば、回収に時間がかかるので、資金に余裕がない会社には難しい方法でり、このようにさまざまな戦略は資金余裕のある場合と、そうでない場合であれば、資金余裕がないと、取れる戦略の範囲が狭まるのです。

このGEのはるか前の1840年代、顧客の事情に対応するという同じ考え方が分割払いなるものを生み出した事例で、サイラス・マコーミックは、収穫機を発明した大勢の1人にすぎず、需要があることは確かだったのですが、ほかのメーカーと同じように、彼も製品を売ることができなかったのは、農民に購買力がなかったためであり、収穫機の代金が2、3年で回収できるのは、誰にもわかっていたのですが、当時、農機具代を農民に貸す銀行はなく、そこでマコーミックは、3年の分割払いで売ることにした結果、農民は彼の収穫機を買えるようになり、事実、買ったのです。

一般的に、メーカーは(経済学者、心理学者、道徳家と同じように)、合理的に行動しない顧客についてこぼすのですが、合理的に行動しない顧客など存在でず、昔から言われるように、存在するのは無精なメーカーだけであり、顧客は合理的に行動し、単に、顧客の事情がメーカーのそれと異なるだけであり、公益事業委員会の規則や規制は、意味のない恣意的なものに思われるかもしれないのですが、公益事業委員会監督のもとに事業を行わなければならない電力会社としては、それは現に存在する事実であり、アメリカの農民は、1840年代の銀行が考えていたよりも、信用力はあったかもしれないのですが、当時のアメリカの銀行が、農民の設備投資に対し融資をしなかったことも事実で、イノベーションのための戦略は、それらの事実が、顧客にかかわりを持つかぎり、不可避の事実として認めるところから始まり、顧客が買うものは、それが何であれ、彼らの事情に合ったものであり、事情に合ったものでなければ、何の役にも立たないのです。

現在は以上のような時代と異なり、ビジネスを始めるバックグラウンドは、至れり尽くせりに準備されていて、非常に恵まれているのですが、ただ一つ、上記の時代と異なるのは、ビジネス自体が非常に複雑になっていて、われわれは、多くのことを学ばないと成功しないことで、時代の移り変わりの速度が高速になり、ビジネスがグローバル化し、自動車メーカー等もグローバル化に遅れたメーカーが淘汰されてしまい、その典型的な事例はイギリスの自動車メーカーであり、ほとんどのイギリスの自動車メーカーは消えるか、他の自動車メーカーに買収されたにもかかわらず、日本のほとんどの自動車メーカーが生き残っているのは、グローバル化で成功し、特に、自動車業界で最後発のホンダが、現在、日本では2位、世界では8位になっているのも、グローバル化の成功なのです。

4価値戦略

起業家戦略としての価値戦略は、メーカーにとっての製品ではなく、顧客にとつての価値を提供することで、この戦略は、顧客の事情を、顧客が買ってくれるものの一部として受け入れるという前述の戦略の延長線上にあり、アメリカ中西部のある中堅企業は、ハイウェイ建設用ブルドーザー、露天掘りの表層土除去用重機械、炭鉱の石炭運送用大型トラックの潤滑油の半分以上を供給していて、この潤滑油メーカーは、あらゆる種類の潤滑油を揃えている大手石油会社と競争関係にあり、このメーカーが成功しているのは、単に潤滑油を売ることによってではなく、このメーカーは一種の保険を売っているのです。

土木業者にとっての価値は潤滑油そのものではなく、機械の稼働であり、大型機械が動かなくなるために失われる時間は、潤滑油の年間費用をはるかに上回る損失をもたらし、そもそも請負契約そのものが、工期を正確に算定し、寸刻を惜しむことを前提にしていて、ペナルティは厳しく、その中西部の潤滑油メーカーは、そのような土木業者のために、機械のメンテナンスについて分析を行ない、次に、年間のメンテナンス計画と費用を示し、潤滑油を原因とする年間稼働時間の損失を一定時間内に抑えることを保証し、もちろん自社の潤滑油の使用を前提とするので、土木業者が買うのは潤滑油ではなく、彼らは、稼働時間という、彼らにとって最も大きな価値を買うのです。

最後の例は、いわば製品からシステムへの移行というべきものであって、ミシガン州ジーランドのハーマン・ミラーの例であり、ハーマンミラーは、イーメス椅子なるオリジナル・デザインの椅子メーカーとして有名になったのですが、ほかのメーカーがオリジナルの椅子に進出してくるや、一般企業や病院のオフィス全体を売るようになり、大きな成功をおさめ、さらにその後、未来オフィスなるものが流行しはじめると、施設マネジメント研究所を設立し、仕事の流れ、生産性、労働環境、コストの観点から、オフィスのレイアウトとオフィス機器に関するアドバイスを売るようになり、同社は、顧客にとっての価値を明らかにしたのです。

「顧客が実際に買っているものは、仕事や志気や生産性である。したがって代金も、それらのものに対してでなければならない。」と言っているのです。

当社のような製麺機メーカーにとっても事情はまったく同じで、お客さまが買うのは、製麺機ではなく、美味しい麺が簡単に誰にでも作れ、安定的に供給されることであり、最終的に美味しい麺作りを通して、永く繁栄することであり、そのためには、美味しい麺作りのノウハウはもちろん、性能の良い、安全で、使い易い製麺機、365日年中無休のメンテナンス、麺学校でのデジタル・クッキング、商品力アップ等のテクニック、ノウハウの習得、経営講義でのマネッジメントの理解等が欠かせず、当社はそれらの麺専門店の経営者に必要なテクニック、ノウハウの提供をすべて行っており、更に、グローバル化に合わせて、それらを海外に広げ、われわれのビジネスの先輩には、既にグローバル化で成功した、日本の自動車メーカーと、グローバル化で失敗した、日本の家電メーカーの貴重な教訓があり、失敗した先輩たちの轍を踏まないためにも、われわれは常に学び続けなければいけないのです。

明日からLAでのイベントが始まりますが、今回は本格的にスープを炊くので、ゲンコツを取り寄せてみると、背骨にもたくさんの肉が付いているのです。

スープは、講師の松原と海外担当のパベットで取りましたが、なかなかの出来で、時間も予定より早く終わりました。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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