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うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神」「愚かさの違い、判断としての起業家戦略」

昨日の1day Lamen Schoolの様子

7月5日(月)から7月7日(水)までの3日間、ドリーム・スタジオ名古屋にて、「麺専門店繁盛支援イベント」を開催し、さまざまなセミナーがあります。

https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-nagoya/)

本日からLAでのイベントが始まり、朝一番で私のセミナーが始まったのですが、参加者の質問の多くは、レジメで準備した、マネッジメントの中心課題の「コンセプト」ではなく、ラーメンとは何かとか、ラーメンビジネスにおいて何が大切かとか、スープの取り方、麺の作り方で小麦粉の問題等、テクニックに関する部分がほとんどで、日本人であれば、当たり前のことでも、外国人には分からない内容がほとんどでした。

特に、今回のイベントで今までと大きく異なったのは、日本人比率が少なくなり、23名中2人だけが日本人で、海外でもラーメンの人気が非常に高まっていて、日本のラーメンを学びたい、真剣な外国人が非常に増えています。

本日のテーマは、最近、非常に増えてきた「海外展開の課題」についてです。

昨日のセミナーでの最初の質問は、日本には客席が9席のような小さいラーメン店が多いのに、外国で開店する場合は、そうではないのはなぜかという質問でした。

特に日本から海外出店する場合に、たくさんの失敗をしているのが、この点で、日本人と外国人では、ラーメンを食べる速度がまったく異なり、日本人はラーメン一杯を10分くらいで食べ、食べるとすぐに店を後にするのですが、北米他、多くの国では、ランチでもだいたい1時間くらいかけ、友人等と話しながら食事を摂るのが当たりまえで、海外では席数の大きい店を始めないと、売上が上がらず、日本から進出しているラーメン店が失敗するのは、席数が足りないことが多いのです。

海外でラーメン店を開く場合、香港とか、シンガポール或いは、NYの一等地のような特別に家賃が高い場所を除き、私が勧めているのは、50席以上の席数の多い店舗で、特に北米の場合は、州によっても法律が異なりますが、トイレは男女別、お客さま用と従業員用を分け、車いす仕様のトイレにしなければいけないので、トイレが占める面積も非常に異なり、余計に広いスペースが必要になります。

海外での出店の場合は、どんなことが起きるか分からず、内装工事等が順調に進む場合がほとんどなく、大家との交渉も複雑な場合が多いのです。

日本のような規則正しい国で住み、事業をしていると、問題続出が当たり前の国でのビジネスはタフな神経がないと出来ず、海外へ出ると、世界観を変えないと海外でのビジネスは出来ず、何があっても当たり前で、相当神経を図太くしておかねばならないのです。

そして、普通に上手くいく方が当たり前ではなく、日々、多くのことに鍛えられるので、その分、国内でいるよりも早く成長出来るのです。

アメリカで飲食ビジネスを行なう場合、食材の温度管理等の衛生基準は、特に厳しく、一定温度以下の冷蔵庫保管しなければいけない食材が、もし違った温度帯で保管されていて、不意にやってくる検査官に見つかった場合は、その場で営業停止になるのです。

そして、ラーメンビジネス等、海外で非常に伸びている日本の食ビジネスの競争は非常に厳しくなってきていて、そのレベルも年々高くなり、誰でも海外へ行けば成功するというレベルではなくなってきています。

昨日のセミナーでは、日本人は2名だけでほとんどの参加者はアメリカ人で、すでにラーメンを作ったり、麺を作っていたりして、ラーメンビジネスのことを十分に理解している人が非常の多くなっていました。

そして、参加者がすでに米国内にある、いろんな繁盛しているラーメン店へ行き、どこの店のオーナーは当社のラーメン学校の卒業生で、あの店は非常に繁盛している等の情報に非常に詳しいのです。

それだけ、日本人以外のラーメンのプロがたくさん生まれて来ているということで、あと10年もすれば、ラーメンも完璧にアメリカに根付いた、アメリカの食文化になるのではと思います。

併せて、盛付にしてもオーソドックスな盛り付けではなく、日本の生徒さん以上に、斬新な盛り付けに興味を持つ参加者が多く、アメリカではとくに、斬新な盛り付けにたいへん興味があり、これはお客さまが求めているニーズでもあるのです。

彼らなりに熱心に学ぼうとする姿勢が旺盛で、日本で同じようなイベントを行なってもほとんど質問がないのに、たくさんの質問がつぎつぎと、休みなく、熱心に上がってくるので、こちらも余計に熱が入るのです。

スープの取り方も、昔風の日本のやり方で取っている人が多く、ある参加者は、当社のラーメンスープの教科書がたいへん役立ったと話していました。

そして、私が実演した盛り付けをみて、何人もの参加者がぜひ、日本の当社のラーメン学校に参加したいと希望していました。

日本からラーメン店で海外出店を狙っている人たちは、このような熱心な人たちとの競争になるので、海外が国内よりも成功し易いと、思わない方が良いと思います。

海外の場合、平均して食材費は日本よりも安いのですが、人件費は進出する国によって、日本より高い国もあり、日本とは異なるビジネスモデルが必要になり、早期に勝てるビジネスモデルを作ると、一人勝ちが出来そうです。

昨日も朝10時から12時まで、参加者たちの質問攻めに合い、海外のラーメンビジネスをすでに初めている人たち、或いは今から始めようとしている人たちの生の声をたくさん集めることが出来ました。

そして、熱心な多くの人たちと知り合うことが出来、これからいよいよ海外が日本のように大きなラーメン市場になることが伺えます。

本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びは、最近、一応終えたのですが、さらに、学びを深めるために、大切な部分の復習を進めていきたいと思います。

更に、イノベーションと起業家精神を磨き、会社を大きく変えるのに、役立てていきます。

◆愚かさの違い

価値戦略の例は、多少なりとも頭を使えば、誰でも同じ戦略を考えるのではと、当たり前のことに思われるかもしれないのですが、理論経済学の父デヴッド・リカードは、「利益は、賢さの違いからではなく、愚かさの違いから生まれる」と言い、まさに起業家は、自らが賢いからではなく、ほかの者が何も考えないから成果をあげることが出来、何も特別なことではなく、わかりきったことで、成果をあげるのですが、これらの例が示すように、顧客が何を買うかを考える者は、必ず勝てるにもかかわらず、それは稀にしか見られず、しかも実際には、競争になることさえないのはなぜかと言えば、理由の一つは、経済学とその価値論にあり、たしかにあらゆる経済学が、顧客は製品ではなく、製品が提供するものを買うというのです。

ところがそのあと、経済学は、製品の価格以外のこと、すなわち顧客が製品やサービスの所有や占有のために支払うものとしての価格以外のことについては、いっさい言及しなくなり、製品が顧客に提供するものについては、2度と触れず、不幸なことに、製品やサービスの供給者は、この経済学に従うのですが、たしかに「製品AのコストはXドルである」ということには意味があり、あるいは「生産コストをカバーし、かつ資本コストをカバーして適切な利益を計上するにはYドルを得なければならない」ということにも意味があるのですが、「したがって顧客は、製品Aに対し現金Yドルを支払わなければならない」ということにはならず、正しい言い方は、「顧客が製品に対して支払うものとして、われわれにYドルをもたらさなければならないのですが、顧客がいかに支払うかは顧客次第であり、製品が顧客のためにできること次第であり、顧客の事情に合うもの次第であり、顧客が価値とするもの次第であるのです。」でなければならず、単なる価格を超えたものとしての価格設定が必要であり、価値の概念が必要であるのです。

以上の考察のほかに、多くの人たちと一握りの成功者を分ける一つのものは、実行するかどうかで、ほとんどの人は、分かっているのですが、実行しないだけであり、実行した一握りの人だけが成功を手にすることが出来、例えば、経営講義ではいつも、トップを目指す大切さを話しているのですが、ほとんどの生徒さんは頭ではたぶん、その重要性は分かっていると思いますが、実際にトップを目指す人はほとんどいないし、また、筋トレの大切さを理解している人は多いのですが、ほとんどの人は実行しないし、身体に良い食事を摂ることの大切さを理解している人は多いのですが、これもほとんどの人は実行しないだけであり、成果を得ることが出来るかどうかは、実行するかどうかだけの差であったのです。

キング・ジレットは、40年にわたるひげそり市場の事実上の独占を行なってきたのですが、これと同じ洞察で、小さなハロイドを、10年後に売り上げ数十億ドルを誇るゼロックスに変えたものも、GEに対し蒸気タービン市場における世界的リーダーの地位を与えたものもこの洞察で、これらの企業は、いずれも大きな利益をあげつづけ、それらの利益は、彼らが自ら得たものであり、顧客に満足を与え、顧客が買いたいものを提供したこと、彼らの支払う額に見合うものを提供したことによって得たものであるのです。

読者の多くは「マーケティングの初歩にすぎない」と言うかもしれないのですが、そのとおりであり、マーケティングの初歩以外の何ものでもなく、顧客にとっての効用、顧客にとっての価格、顧客の事情、顧客にとっての価値からスタートすることが、マーケティングのすべてであり、40年間にわたってマーケティングが説かれ、教えられ、信奉されながら、実行する者がなぜあまりに少ないのは、ドラッカーにも説明できないのですが、起業家戦略の基礎としてマーケティングを行う者が、産業や市場におけるリーダーシップを、直ちに、しかもほとんどリスクなしに手に入れているという事実は残るのです。

今回も「イノベーションと起業家精神」について学びを深めていくと、いかに自分が知らないことが多かったことに気づかされ、必要に迫られて学ばない限り、深い学びを行なうことは難しいのです。

◆判断としての起業家戦略

起業家戦略は、イノベーションや、起業家としてのマネジメントと同じように重要であり、これら3つのものが一体となって、イノベーションと起業家精神が生まれ、利用しうる起業家戦略はかなり明確であって、種類もあまり多くはなく、イノベーションや、起業家としてのマネジメントに比べて若干具体性に欠けるのですが、イノベーションの機会がどこにあり、いかに分析すべきかは、優れて明らかであり、既存企業や社会的機関に、起業家精神を発揮させるための正しい原理と方法、間違った原理と方法もきわめて明らかであり、ベンチャー・ビジネスが行うべきことや、行うべきでないことも明らかであるのですが、いかなるイノベーションにいかなる起業家戦略を適用するかの判断には、大きなリスクが伴い、ある種の起業家戦略は、ある種の状況に最適であり、たとえば、私が起業家的柔道と呼んだ戦略は、主導的な地位にある企業が自己満足の状態にあるとき、うってつけの戦略となり、起業家戦略のそれぞれに特有の利点や限界も明らかであるのです。

そして何よりも、起業家戦略というものが、顧客にとっての効用や価格、顧客に特有の事情や価値からスタートするとき、成功の確率がきわめて高いことも明らかであり、イノベーションとは、市場や社会における変化であり、それは、顧客に対しより大きな利益をもたらし、社会に対しより大きな富の増殖能力、より大きな価値、より大きな満足を生み出し、イノベーションの値打ちは、顧客のために何を行うかによって決まり、同じく起業家精神も、つねに市場志向、市場中心であるのです。

しかし、起業家戦略は意思決定の分野に属し、したがってリスクを伴ない、それは直感や賭けではなく、とはいえ、厳密な意味での科学でもなく、それは判断であり、今まで学んできた起業家戦略を行使するには、深い学び、豊富な経験による直観力、努力、忍耐も必要とし、経営者としての能力を総動員しなければいけないことが分かりました。

マネッジメントの達人の域に到達している人たちは、ドラッカーが展開しているマネッジメント理論、マーケテイング理論、イノベーション理論を手足のように、自由自在に使いこなし、ビジネスに大きな成果を残し、世界に大きな衝撃を与え続けた、アップルのステイーブ・ジョブズも企業家戦略をフルに使いこなしていたことが理解出、われわれがまだ、期待以上の成果を上げることが出来ていないのは、起業家戦略を使いこなせていないだけであり、理解度がまだ足りないだけであり、今回、一通り読んでみても、まだまだ理解の深さが足りないことが分かり、われわれ経営者に深い学びを与え続けてくれるドラッカーの素晴らしい遺産に深く感謝したいと思います。

昨日の1day Lamen Schoolの様子で、松原先生が熱心に製麺の講習をしていて、参加者が熱心に聞いているところです。

参加者の人たちとの交流で、たいへん役立つ、楽しい1日でした。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)

藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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