7月20日(月)、21日(火)の2日間、シンガポールで「1day ramen school」と「1day udon school」を開催し、2日間とも、私も参加します。
(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-singapore/)
本日のテーマは「会社を変える給与システム」です。
今から30年近く前に、現在の当社の給与制度の仕組みを作り上げたのですが、私はそれまで、給与システムについては、まったくの素人であったので、さまざまな書籍から学び、苦労しながら、仕組みを作り上げたことを覚えています。
その頃の当社の給与システムは、さまざまな要素を盛り込んだ斬新なシステムであったのですが、30年も経過すると、世の中が相当変化し、システムが現状の働き方と合わなくなり、変更しなければいけなくなっていたのです。
以前から、変更の必要性を感じ、総務の担当者等にも依頼してきたのですが、なかなか本気で取り組んでくれる人がいないので、再度、私が本気で取り組んでいるのです。
給与システムの見直しをやっていて気付いたのは、給与システムを変更することは、会社の仕組み自体、経営に関する考え方を変更することであることに、気づいたのです。
前回のシステムは、私がドラッカー・マネッジメントを深く学ぶ前であったのですが、今回はドラッカー・マネッジメントをある程度理解しているので、今回の修正により、ドラッカー・マネッジメントを取り入れ、私とスタッフたちの仕事に対する概念、取り組み方が大きく変化する可能性があるのです。
過去の給与システムの課題は、社内の各部門の人たちが、お互いに助け合うようなシステムになっていなかったので、今回の給与システムの大きなテーマは、社内全体が助け合う仕組みを盛り込んだ、全体最適の給与システムなのです。
野球で言えば、資金力のあった巨人軍が、各チームから4番打者ばかりを引き抜いても、優勝出来なかったのです。
われわれ企業の場合は、幾ら個人としての能力の高い人を配置しても、お互いに協力して、全体の成果を上げることを熱心にやらない人が、もし、いたら、成果はまったく上がらないのです。
それよりも、多少能力は低くても、素直でチームワーク作りに熱心な人の方が、よほど全体の成果が上がり易いのです。
当社の場合は、各地に拠点が点在しているのですが、各地の拠点でお客さまに向き合っている内容は、良く似ているので、各拠点間でノウハウの共有をする、助け合うことに熱心な人ほど、全体の成果を上げやすいのです。
社内の各部門のやっている仕事の内容はぜんぜん違うのですが、例えば、販売部門だけでは成果が上がらず、良い製品を作り、納期通りに出荷できる製造チームの協力がないと、お客さまに安心して製品をお届けすることができないのです。
このように、社内の各部門は、お互いに協力することによって、大きな成果を上げることが出来るのです。
もともと当社は製麺機のメーカーであるのですが、麺学校の運営を通じ、ノウハウの提供、開業支援事業、書籍の出版を通じての重要なコンテンツの販売、商圏分析、レイアウト等のさまざまなサービス等々、幅広い分野を担当しているのです。
同じ社内に、製造業とサービス業が混在しているので、給与システムも簡単なシステムでは済まないのです。
従って、企業規模は小さいのですが、その割にやっていることは、非常に複雑で、多岐にわたっているのです。
従って、簡単な給与システムでは通用せずに、非常に複雑なシステムになってくるのです。
多くの人たちが納得出来て、満足し、良い気持ちで働けるような仕組みを作り上げようと思って、ワクワクしながら取り組んでいるのです。
最初から完璧な完成形は難しいかも知れませんが、試行錯誤を繰り返しながら、取り組む価値は十分にある仕事だと思っています。
このような大仕事は、本当は時間の余裕がなければ出来ないことですが、出来上がった素晴らしい状態を想像しながら、現在も細切れの時間を使いながら、仕上げています。
本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、さらに学びを深めるために、5月26日より7月5日まで41日間の復習を進めてきましたが、さらに理解度を増すため、再再度、チャレンジし、自分自身を大きく変えるのに役立てていきます。
「気づかない成功」
さらによく起こることとして、予期せぬ成功は気付きさえしないだけでなく、注意もしない、利用もしないまま放っておき、そこへ誰かが現われ、利益をさらっていき、これが起きると、最も危険な状況で、取り返しがつかないことになり、ある病院用機器メーカーが、生物実験や治療テスト用の機器を開発した結果、良く売れ、しかも突然、企業や大学の研究所から注文がきたのですが、マネッジメントは、誰もその報告を受けなかったし、気付かず、狙った市場ではなかったので、多くの優良な顧客がいることを認識せず、セールスマンを訪問させることもしなければ、アフター・サービス網も作らなかったので、5年から8年ほど経ったとき、その市場は他のメーカーに奪われ、しかも市場規模からくる事業の大きさゆえに、新しく現れたメーカーは、病院市場でトップだったそのメーカーよりも、安い価格と優れたサービスを武器に病院市場にも進出してきたのです。
予期せぬ成功に気づかないのは、普通の会社の今日の報告システムが、注意を喚起するどころか、予期せぬ成功の報告をする仕組みがなく、企業や社会的機関の月ごとあるいは四半期ごとの報告書は、その1ページ目において、目標を達成できなかった分野や問題を列挙していて、当然のこととして、定例の経営会議や取締役会では、目標以上の成果を上げた分野でなく、問題の起こった分野に関心を向けることになり、機会に関心を持つのではなく、問題に関心を持っていて、先ほど紹介した病院用機器のケースのように、予期せぬ成功が新しい市場という定性的なものであるならば、今までに存在しなかった市場なので、毎月の売上数字だけの報告では、その存在さえ教えてくれないのです。
以上のような事件は、中小企業のジャンルで常に起きていて、その市場に依存している中小企業は、いつも脅威に晒されていて、経営資源の乏しい中小企業ほど、外からの脅威に対して、あらゆる方向に注意していても、注意し過ぎと言うことはなく、実は、これとよく似たことが外食の世界でも起きていて、例えば、新規開業者がたまたま素晴らしい立地に出会って、大繁盛したとすると、外食の大手だけでなく、あらゆる外食企業が、鵜の目鷹の目でどこかに良い立地はないかと探しているので、思わぬところで繁盛店を見つけると、そこには新たなお客さまがいることが分かり、その繁盛店のレベル、即ち、商品力、サービス力、店舗力を判断して、その立地に参入しても勝てると判断すると、あとから強いライバルが続々と参入してくるので、繁盛したことがあだになって、たいへんな競争状態を引き起こす可能性があるのです。
従って、もし繁盛してもあとから、強いライバルが参入して来ないような立地で開業することが大切で、そこが1等立地、2等立地であれば、後から強いライバルが参入してくる可能性が高いのですが、3等立地であれば、可能性が低くなり、3等立地では、2店舗が戦え、生き残るのに十分な市場がないためであり、上記の病院機器の場合も、大きな市場があだになったのです。
「機会とは要求である」
気づかない成功(予期せぬ成功)がもたらすイノベーションの機会を利用するためには、分析が必要であり、予期せぬ成功は、分析のための兆候ですが、何の兆候かと言えば、気付かない成功(予期せぬ成功)が、単にマネッジメントの視野、知識、理解の欠如を意味しているに過ぎない場合もあり、急に売上が上がるのは、大きな市場があることを示している兆候であるのに、それを理解するには、マネッジメントのレベルの高さが必要であり、先ほどの外食の場合とまったく同じで、繁盛したことは嬉しいと、喜んでいる場合ではないのです。
例えば、医薬品メーカーの多くが、動物用医薬品市場での成功を拒否したという事実は、世界の畜産市場の規模と、重要性に対するマネッジメントの認識の欠如、第2次世界大戦後における、動物性蛋白質の需要の伸びに対する読みの甘さ、農民の知識や能力の変化に対する、理解の欠如を意味したに過ぎず、メーシーにおける家電の予期せぬ成功は、ブルーミング・デイルが理解したように、消費者の行動、期待、価値観が基本的に変化したことを意味し、第2次世界大戦までは、百貨店の顧客は、特定の社会的経済的階層、特定の「所得階層」の人たちでしたが、戦後は、特定の「生活様式=ライフスタイル」の人たちが百貨店の顧客となり、ブルーミング・デイルは、アメリカの百貨店、特に東部の百貨店のなかで、最初にこの変化を認識し、利用し、新しい大店舗小売店を生み出すことに成功したのです。
一般企業や大学の研究室における試験用機器の予期せぬ成功は、100年近くにわたって存在していた科学機器の使用者間における目的、要求、期待の境界線が、急速に消滅したことを意味し、30年或いは40年という長い期間、自らを病院用機器の設計、生産、販売に携わる者と規定し、しかもそのように規定することによって成功を収めてきたものが、今や自らを試験用機器一般のメーカーとして規定し直し、かっての市場より大きい市場を相手として、製品の設計、生産、販売、サービスのための能力を発展させなければならなくなっていたのですが、気付いたときには、市場の大きな部分は永久に失われ、この様に気づかない成功(予期せぬ成功)は、イノベーションの機会であるだけではなく、それはまさに、イノベーションに対する要求であり、気づかない(予期せぬ成功)は、自らの事業の定義についていかなる変更が必要か、自らの技術と市場の定義について、いかなる変更が必要かを自らに問うことを強いるので、それらの問いに答えたとき、初めて気づかない(予期せぬ成功)が、最もリスクが小さく、しかも最も成果が、大きいイノベーションの機会となるのです。
先ほどの外食店の事例であれば、今までとは異なるライバルと闘う必要が出たことを理解することであり、商品力、サービス力、店舗力において、他の強力なライバルと闘わなければいけない時期に来たことを理解しなければいけないのですが、往々にして、個人経営に近いオーナーにはこのようなマネッジメント上の理解はほとんど出来ておらず、飲食店の場合も、われわれのような企業の場合もまったく同様であり、企業規模が大きくなるにつれて、ビジネスは複雑になり、難しくなってくるので、企業のトップのあり方が問われ、われわれのようなビジネスは、企業のトップの考え方ですべてが決まると言っても言い過ぎでないほど、トップの日々のあり方が問われていて、トップを支える強力なマネッジメント・チームの存在が、その企業の明日を左右し、当社の場合も、強力なマネッジメント・チームの半数は女性たちで、女性たちはたいへんシビアにものごとを判断し、女性たちは、将来の危機の可能性に関して、たいへん敏感で、常にアンテナを高く張っているので、企業の早い時期から、シビアに判断出来る女性たちをマネッジメント・チームに入れることは欠かせないのです。
また、このテーマである気づかない成功、予期せぬ成功、予期せぬ良い兆候には、用心深さが尋常ではないくらい、用心深くしていても構わず、そんなことはあり得ないだろうと、思うことが命取りになるので、トップ・マネッジメントは気付かない成功に関しては、用心深さにおいて、呆れるくらいの用心深さがあっても構わず、当社もこの件に関しては、改めて社内基準を作らねばと思っている次第です。
本日は朝から全体朝礼で、今月の誕生日の人たち9名を、花と金一封でお祝いしました。
本日の朝礼では、橋本部長が新しい規律ある挨拶を全員で共有し、久しぶりに楽しくも、引き締まった朝礼でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。