うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神」「業績ギャップは需給のギャップ、医療の例」

チャンギ空港の入り口にて

今回のシンガポールはたいへん実り多い出張で、シンガポール人の間で好まれる味の追求の点でも、これからの新しいビジネス展開の上でも、多くの貴重な情報を得ることができました。

昨日は昼食の後、素敵なカフェで、当社のスタッフ5名とジェイソンと一緒に、これからの東南アジアにおけるビジネス展開の可能性を話し合ったのです。

最初、私は英語でジェイソンと話していたのですが、だんだん深い内容になってくると、話がもどかしくなり、海外担当のスタッフに通訳を頼み、あらゆる方向から、お互いの将来のビジネスの可能性を探りました。

ジェイソンはシンガポール人であり、たいへん真面目な上に、愉快な青年で、毎月ボランテイアで刑務所の囚人の更生の手伝いをしているので、ジェイソンのラーメン店では、元服役者が働いていて、日本では、普通誰でも嫌がるようなことを平気でやっているのです。

ジェイソンはいつもユーモアたっぷりで、周りを楽しくさせるのが得意で、エンターテイナーの素質があり、その部分だけを見ると、とても囚人の更生のボランテイア活動をやっているように見えないのですが、一本、心の通った青年なのです。

日本人だけで幾ら打ち合わせをしても、出て来ないようなアイデアが、シンガポール人が1人混じっていると、想定外のアイデアが出てきて、その上に次の新しいアイデアを積み上げていき、更に面白いアイデアが出来上がりました。

昨日は何時間にもわたって、カフェを梯子しながら、楽しい話合いの時間を取り、得られた結果より、異文化が混じりあうことの大切さが、改めてよく分かりました。

その後、昨日の深夜便でシンガポールを後にし、今朝8時40分頃、成田空港に到着し、メールとかフェイスブックをチェックしてみると、新しい情報が入っていました。

そして、昨日の私のフェイスブックに、ラーメン学校卒業生のYip Wai Khuenさんより、次のようなコメントがありました。

「藤井先生、シンガポールのセミナーお疲れ様でした。
シンガポールは、確かにGDPは日本を超えましたが、貧富の差は、日本よりすごい差があります。
国民の幸福度は日本人のほうが幸せだと思います。
僕は高校を卒業した後に、2年くらいシンガポールで働きましたから、色々な事を体験しました。
例えば若者が政府に対して発言が出来ない事や強制的にルールを作り、表向きは欧米並みに進めていますが、中身は共産党と一緒だと思います。
でもリー氏は本当に素晴らしいリーダーでした。」

Yip Wai Khuenさんの母国はシンガポールではないのですが、実際にシンガポールで働き、若者から見たシンガポールの矛盾を体験したのです。

Yip Wai Khuenさんは現在、日本で働いているのですが、若い時からいろんな国を経験することにより、自然とグローバル感が身に付いていて、さまざまな国の長所、短所を直に身体で体験しています。

日本の多くの若者は、若い時に海外での生活の体験をしていない人が多いのですが、実際に海外で働き、外から日本を見て、日本と外国を比較してみることは、その後の人生に大きなインパクトがあるのではと思います。

私自身は若い頃に海外体験はないのですが、川崎重工へ入社し、岐阜工場の航空機事業部で勤務していた頃、寮の周りには、アメリカの軍人、マクダネルとか、ヒューズ等の航空機メーカーの技術者たちとその家族が住み、その人たちと交流をしていたので、アメリカの一部を垣間見ているような生活でした。

だから、アメリカとか海外に対しては、若い頃からたいへん興味を持ち、海外の情報について、貪欲に収集していたのです。

その頃の癖は今も引き継いでいて、海外に行って、何を見ても興味一杯で見ているので、レストランビジネスだけではなく、建物、景色、乗り物(自動車、オートバイ、列車、航空機等動くものは何でも)も、常にカメラに収めているのです。

当社が比較的早くから海外ビジネスに取り組んでいるのも、そのような私自身の体験によるところが多いのかも知れません。

少し前のフェイスブックにも書いたのですが、世界の自動車メーカーとしては、後発で市場に参入した日本の自動車メーカーが世界で頭角を現し、長い歴史のあったイギリスの自動車メーカーが全滅したのは、グローバル化の成否であったのです。

日本の自動車メーカーは、足腰の弱い未熟な状態から海外に無理やり進出し、特にアメリカでは相当鍛えられた結果なのです。

自国内で行なうビジネスと遠い他国で行なうビジネスでは、その難易度はまったく異なるのです。

今から振り返ると、自動車メーカーのことを簡単に言えるのですが、国内でビジネスを行なうのと、無理やり外国に出るのは、大きなリスクを伴っていたのです。

北米市場に一番乗りしたのは、最も後発で、その頃最も弱小メーカーであったホンダであったのです。

安心領域を乗り越えて、無理やり海外に出たので、今日のホンダがあり、その頃、ホンダと同じような規模であったメーカーで、海外に出なかったメーカーは既に、存在していないのです。

若い人たちに、もっともっと海外に出るように勧めたい、内向きにならないで、外向きになるように勧めたいのです。

そして、同じことを自分自身と自社のスタッフにも言っているのです。

本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、さらに学びを深めるために、5月26日より7月5日まで41日間の復習を進めてきましたが、さらに理解度を増すため、再再度、チャレンジし、自分自身を大きく変えるのに役立てていきます。

「業績ギャップは、需給のギャップ」

ここに、似たような問題を抱える産業がもう一つあり、製紙業にも、生産プロセスにかかわる業績ギャップがあるのですが、製紙業界では、このギャップをイノベーションの機会として利用する方法を、まだ開発しておらず、あらゆる先進国とほとんどの途上国が、紙の需要を伸ばしてきたにも関わらず、製紙業の業績はかんばしくなく、史上最高の利益を3年続けると、そのあとで必ず過剰設備と不況の年が5年続くのですが、製紙業界ではいまだに、製鉄業の電炉に相当するものを発見するに至っていないのが、大きな課題で、パルプの繊維が、モノマーであることが認識されたのは80年から90年も前のことであり、これをポリマーによってつくることなど、さほど困難ではないはずであり、無駄の多い非効率的な機械的プロセスを効率的な化学的プロセスに変えることが出来、すでに衣料用繊維については、1880年に開発したレーヨンによって、これを実現しているのですが、巨額の研究開発費を投じているにも関わらず、そのような紙の開発には、誰も成功していないのです。

これらの例が示すように、業績ギャップをイノベーションの機会として利用するためには、まず、解決すべき問題を明確にしなければならず、そして、既知の技術と既存の資源を利用してイノベーションを実現しなければならないので、開発のための努力が必要なのですが、革新的な知的発見を必要とする状況であるならば、起業家の出番はまだ早く、機は熟していないと言うべきであり、しかもイノベーションは、複雑であってはならず、単純でなければならないのと、華々しいものではなく、当たり前のものでなければならないのです。

以上より、よく分かるのは業績ギャップの原因は、需要と供給のギャップであり、需要が供給を上回れば、業績が上がり、需要が供給を下回ったときには、業績が下がり、それをビジネスに非常に有効に活用しているのはフェラーリで、新しいモデルを開発して、もし需要が世界中で4千台あるとすれば、3999台しか作らず、常に需要を少し下回る供給しかしないので、高い価格を守り通せ、同じような戦略を取っているのが、有名ブランドのルイ・ヴィトンで、フェラーリと同様に、需要と供給のバランスを巧みに操り、決して作り過ぎをしないのです。

高炉一貫製鉄業、製紙業、いずれの場合も装置産業であり、1回の設備投資が巨大で、設備投資により一気に供給が増え、需要を上回り、価格バランスが崩れ、業績が悪化する、業界の構造的要因で、需要と供給のバランスを緩和して、価格下落を防ぐことが出来るのが、製鉄業では電炉であり、われわれのビジネスにおいても、どんなビジネスにおいても、業績が落ちる原因は、需要と供給のバランスが大本の原因であり、その面白い事例がコーヒー・チェーンのドトールとスターバックスなのです。

セルフ式コーヒーは、日本では最初にドトールが口火を切り、その後、スターバックスが参入してきたのですが、今は、スターバックスはドトールの約2倍の売上に達し、私の宿泊するホテルの隣にドトールがあり、たまに利用するのが、気になるのがタバコの臭いで、分煙にはなっているのですが、禁煙席でも匂い、その点、スターバックスは完全に禁煙を貫いていて、タバコを吸わない私でもまったく気にならないし、スターバックスでは、第3の場所を提供しているので、PCを開き、コンセントを使って仕事が出来るので、価格はドトールの1.5倍ほどですが、まったく気にならないのです。

ドトールとスターバックスの差こそ、需要と供給の差で、禁煙を好むお客さま、雰囲気を好むお客さまの数が、喫煙で価格の安いコーヒーを好むお客さまの数を上回り、それぞれのお客さまの需要と供給の差であったのです。

この様に、需要と供給のギャップにより、業績のギャップが生まれているので、業績ギャップの原因になっている需要と供給のギャップに注目することが大切であり、どんなビジネスでも業績を落としているビジネスは、需給ギャップが生じていて、需給ギャップが改善されると、自然に業績は改善されるのです。

コーヒーの原料である、コーヒー豆の輸入量は漸減しているにも関わらず、セブン・イレブンがコーヒーを始めたり、コメダ珈琲が郊外型店舗で活躍しているのも、需要と供給のバランスで、新しいタイプの需要が増え、古いタイプの需要が減り、需要と供給のバランスで業績が決まり、われわれは常に、新しい需要を創り出していかねばならず、まさに、ビジネスの本質は顧客創造にほかならず、新しい需要の目を見つけ続けることが、マーケテイングであり、それを結果として成功させるのが、イノベーションであるのです。

「医療の例」

社会部部門にも業績ギャップは存在し、先進国における医療サービスは、その典型で、1929年では医療サービスにかかる費用は、GNPの1%をはるかに下回っていたのですが、そのわずか50年後の1980頃には、病院を中心とする医療サービスは、あらゆる先進国でGNPが増大しているにも関わらず、アメリカでは、7%から11%に達し、しかも医療サービスの生産性は向上するどころか低下し、サービスの質よりも、費用の方が急激に上昇していて、3倍から5倍の速さで増加し、ドラッカーの想定通り、2012年の日本における対GDP当たりの医療費は、10.3%、ドイツ11.3%、イギリス9.3%、フランス11.6%、アメリカは16.9%に達し、今後も伸び続けることが想定されています。

先進国では今後も、高齢者人口の増大に伴い、医療に対する需要は伸び続け、しかも費用は年齢と相関関係にあり、医療サービスの費用は、今後さらに急速に上昇を続けるのですが、医療サービスの費用の上昇の現象の本当の原因は、明らかにされているわけではなく、イギリスとアメリカでは、すでに的を絞り込んだイノベーションが行なわれ、成功していて、いずれも国の医療システムの欠陥を機会としてとらえているのです。

イギリスの民間医療保険は成長を続け、専門医による診断と手術を保証する企業内福祉制度として人気を得ていて、イギリスでは、医療費削減のため、政府管掌保険は疾病を優先させ、整形外科については保険金の給付を限定していて、関節炎による股関節の変形など、生命に関係ない手術は数年待たされるのですが、この民間医療保険は、その種の手術についても直ちに保険金を払うのですが、これに対し、医療費の上昇などに配慮せず、あらゆるニーズに応えようとしているアメリカでは、入院費の個人負担が爆発的に上昇していて、そこにイノベーションの機会が生まれたのです。

すなわち、病院機能の解体で、スキャナー、コバルト照射装置、自動検査装置、リハビリテーション装置など、高額の医療器具を必要としない医療サービスが、新事業として続々病院の外に出され、妊産婦と新生児のための宿泊施設的な妊産婦センター、入院や術後措置を必要としない手術のための外科センター、神経科センター、高齢者医療センターであり、これらの医療施設は、病院に代わるものではなく、集中治療や緊急治療の役割は病院が担い、これらの医療部門の新事業は、今日の医療に関わる業績ギャップを、イノベーションの機会として捉えたものであり、これらいずれも、産業や社会的部門におけるイノベーションとして理解し易い例なのです。

まさに業績ギャップが、なぜ大きなイノベーションの機会となるかを教えてくれ、産業や社会的部門の内部では、誰もがギャップの存在に気づきながら、無視せざるを得ず、それに気づかない多くのライバルは、あちらをいじり、こちらを直し、こちらの火を消し、あちらの穴を埋めるのに忙しいので、誰かが行なったイノベーションと闘うどころか、それを検討する余裕さえなく、取り返しがつかなくなるまで気付きもしないのです。

その間、イノベーションを行なったものは、誰にも煩わされることがなく、成果を独り占めでき、社会部門における業績ギャップも、需要と供給のギャップで起きていて、新しい需要に新しい供給が追い付いておらず、古い需要には供給が間に合っていて、需給のギャップが起き、従って、われわれは常に新しい需要の起きている現場を理解しなければいけないので、それには、街に出て、現場を確認しなければいけないのです。

昨日も博多の街に出て、新しい上質な蕎麦店が2時頃でもひっきりなしにお客さまが来店しているのを見て、新しい需要は起きているのに、ほとんどの人は気付かず、古い需要を追いかけ続け、供給過剰で業績が上がらず、新しい需要は、街に出て自分の目で見て、確認する他はないのです。

シンガポールでは、国を挙げて建国50周年の記念イベントを行なっており、国内の至るところに関連した国旗、マーク、装飾がされています。

画像はチャンギ空港の入り口の道路沿いにしつらえられていた、大きな装飾物で、夜間は点灯されて、賑やかなのです。

国民全員の誇りになっていることがよく分かります。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

他の受講生の声も見る

全国8ヶ所にある麺開業.comの相談場所で、メニュー開発や、スープ・だし講習、経営についてなどの無料のイベント・セミナーを多数行っています。

開催場所ごとのイベントを見る

【業界唯一】古い製麺機の処分コストが0円に

[sc_rand_image type="sp"]
[sc_rand_image type="pc"]