うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神」「ニーズを見つける 第三の機会、ニーズはイノベーションの母、プロセス・ニーズ、労働力ニーズ」

卒業証書授与式の一コマ
本日のテーマは「ビジネスのスタートは価値感を明確にすること」です。

昨日で、2日間の東京うどん学校とラーメン学校の経営講義を終え、今回の経営講義は、参加した生徒さんの多くが、価値観、使命、コンセプトをほぼ理解することが出来たと思います。

今回は特に、価値観と価値感の順序にスポットライトを当て、この議論に相当な時間を費やして、授業を進めてきたのです。

私の経営講義の中でも、価値観、使命、コンセプトはたいへん難しく、大切なテーマで、価値観等も本人は持っているのですが、普段意識して生活、行動していないのです。

日々、われわれの行動のすべては、われわれ自身が持っている価値感の順序に従って行動しているのです。

われわれの価値感は、生まれ以来、われわれの頭の中に蓄積されてきた経験、知識、あらゆるものがベースとなり、時間をかけて作り上げられたものであり、われわれは普段、自分の持っている価値感について深く考えることは、あまりないのです。

ところが、私の経営講義の中では、自分が持っている価値感にスポットライトを当て、どのような価値感を持って生きて来たかを改めて確認するのです。

今回、経営講義に参加した生徒さんのほとんど全員が、過去、自分の持っている価値感について考えてみたことがなく、持っている価値観の順序がビジネスに大きな影響を及ぼしていることを考えたり、理解している生徒さんは、ほぼ皆無であったのです。

従って、生徒さんは自分の持っている価値感について、意識していないのですが、私はある生徒さんに、「あなたはどのようなラーメン店を開店したいのですか?」と聞いてみたのです。

すると、その生徒さんは、「私は、中国には美味しいラーメン店がないので、美味しいラーメン店を開きたい、そして常に美味しさが安定している状態を保ちたい」と、答えたのです。

すると、その生徒さんの価値感の一番目は、美味しさであり、2番目が品質管理であることが分かり、このような質問を投げかけてみると、その生徒さんが持っている価値観の順序が分かるのです。

この生徒さんは、今までITエンジニアであったので、常に安定した品質を保つ、データ管理とか、品質管理には特に思い入れがあったのです。

このように、価値観は今での職業とか、関心を持って取り組んできたことが、要素になっていることが多いのです。

今回、当社の麺学校に参加したすべての生徒さんたちは、自分自身が持っている価値感の順序に従って、当社の麺学校を選んで参加したのです。

自分の過去の価値感に照らし合わせて、当社の麺学校に参加すれば、支払う費用に対し、得たい価値が得られると判断して参加しているのです。

当社の製麺機を購入するお客さまも同様で、支払うお金に対して、十分な価値が得られると信じて、購入しているのです。

お店に来られるお客さまも同様で、お客さまの持っている価値感の順序と、お店の提供している価値感の順序の合っているお客さましか来店しないのです。

昨日、ソウルから参加している生徒さんが面白い話をしました。 

その生徒さんは、ユーグレナ(緑虫)を使ったラーメン店に行ってみると、そのラーメン店の麺は緑色、スープも緑色、店内の内装も緑色に統一されていたそうです。

そのラーメン店は、健康に良いことを謳っていたのですが、肝心のラーメンが美味しくなかったので、お客さまの数も多くなく、店内は閑散としていたので、その結果、店主の顔も青く(緑色)なっていたとのことでした。

この健康志向のラーメン店の店主の価値感の一番目が健康志向であり、価値感の順位における美味しさは2番目以降で、あまり美味しさにウエイトを置いていなかったために、このような結果になっているのです。

すると、当然、美味しさを一番目の価値感に置いているお客さまを呼ぶことは出来ず、健康志向が価値感の一番目で、美味しいのはその次のお客さましか、呼ぶことが出来ていないのです。

ラーメン店のような嗜好性の高い、飲食店に来店されるお客さまの価値感の一番目は、美味しさであるはずなので、美味しいということは、絶対に外せない要素なのです。

同じような議論の中で、イタリアン系ファミレスで繁盛しているチェーン店で、食べた生徒さんは、それほど美味しくないのに、お客さまがたくさんいたとの話になりました

このチェーン店の価値感の一番目はコストで、価格の安さの追求であり、価格の安さを価値感の一番目に持っているお客さまに支持され、そのようなお客さまで繁盛しているのです。

要するに、このレストランに来ているお客さまは、美味しさよりも価格の安さを優先するお客さまに支持されているのです。

この様に、価値観を明確にすると、その価値感の順序に沿ったお客さましか、来店しないので、ビジネスを始めるということは、価値観を明確にすることがすべてのスタートであるのです。

本年2月21日から始まった、91日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、さらに学びを深めるために、5月26日より7月5日まで41日間の復習を進めてきましたが、さらに理解度を増すため、再再度、チャレンジし、自分自身を大きく変えるのに役立てていきます。

第五章 ニーズを見つける 第三の機会

1.「ニーズはイノベーションの母」

第二章では、すでに存在している(イノベーションの)機会(予期せぬ成功、予期せぬ失敗、ギャップ)について見てきたのですが、「必要は発明の母」という、まだ存在していないもの、すなわちイノベーションの母としてのニーズについて検討を加えると、イノベーションの母としてのニーズは、限定されたニーズであり、漠然とした一般的なニーズではなく、具体的でなければならず、前回の事例の天ぷらを揚げたあとの廃油の処理のように、具体的になっている必要があり、予期せぬ成功や失敗、ギャップは企業や産業の内部に存在しますが、ニーズは、企業の外のお客さまの中に存在し、ニーズは、まだ、自分の会社や仕事の中に表れていないもので、ニーズというのはお客さんが持っているものなのです。

例えば、ステイーブ・ジョブズがipodを発明したのも、ニーズを明確に捉えることができたためであり、その後に続いたipad、iphoneも同様で、ニーズを明確に捉えることが、イノベーションの絶対条件であり、プロセスのイノベーションは次の3つからなり、①プロセス上のニーズ、②労働上のニーズ、③知識上のニーズなのです

「プロセス・ニーズ」

イノベーションの機会としてのプロセス・ニーズの利用は、他のイノベーションとは異なり、環境からスタートすることはなく、課題からスタートし、状況中心ではなく、課題中心であり、それは、知的発見によって、すでに存在するプロセスの弱みや欠落を補うためのイノベーションであり、関係者ならば、誰でもそのようなニーズの存在を知っているのですが、誰も手を付けていないのですが、ひとたびイノベーションを行なうや、直ちに当然のこととして受け入れられ、標準として普及していくのです。

既に一つの例については、プロセス・ギャップの利用の項で述べたウイリアム・コナーは、ある酵素を白内障の手術に欠かせない製品に転換し、白内障の手術そのものは昔から行われており、数世紀かけて改善が重ねられていて、他方、その酵素の存在も、数十年前から知られていたので、そこでコナーは、酵素の保存薬を開発するというイノベーションを行ない、こうして、ひとたびプロセス・ギャップが改善されるや、眼科手術医のうち1人として、コナーの酵素を使わない手術など想像出来なくなったのです。

このイノベーションほど、的が絞られていたのも珍しく、プロセス・ニーズを理解することが、直ちに問題の解決に繋がったのですが、このようなことは、プロセス・ニーズによるイノベーションのすべてとまではいかなくとも、そのほとんどについて言えることで、ここに同じように、プロセス・ニーズによるイノベーションの例があります。

オットマー・メルゲンターラーが植字機を設計したのは1885年であり、それまでの数十年というもの、新聞、雑誌、書籍等、あらゆる出版物の発行部数が、識字率の向上と、輸送手段や通信技術の発達に伴って急速に伸びていて、同時に、出版に関わるほとんどあらゆる技術が進歩していき、高速の製紙機械が開発され、高速の印刷機械が作られたのですが、植字作業だけは、400年前のグーテンベルクの時代から変わっておらず、長い徒弟時代を経た高度な熟練工を必要とする、時間と金のかかる作業だったのです。

メルゲンターラーは、コナーと同じように、ニーズを明確にすることから始め、そして必要な活字を機械的に選ぶキーボード、活字を行に揃えるメカニズム、そして(最も難しい技術として)使用した活字を基に戻す技術を開発し、長い年月と数々の工夫が必要だったのですが、ひとたび生まれるや、植字工たちの激しい抵抗にも関わらず、わずか5年で標準的な機械として普及し、これらのニーズは、プロセス・ニーズから生じていたのです。

麺ビジネスにおけるプロセス・ニーズは、うどんの製造工程における熟成庫の導入があり、過去、うどん業界では、熟成という概念がなく、熟成工程が取られていなかったのですが、当社が熟成の必要性を見つけ、熟成庫「寝太郎」を開発し、販売し、熟成温度も明確に定め、ミキシング直後の第一熟成は、25度Cであれば、3時間、28度Cであれば、2時間の熟成時間であり、プレス後の第二熟成は、1晩の場合は18度C、2晩の場合は16度Cで行ない、この熟成工程を導入することにより、麺質が年中安定するようになると同時に、誰が作っても安定して美味しいうどんを作れるようになったのです。

「労働力ニーズ」

労働力ニーズもまた、きわめてしばしばイノベーションの機会となり、1909年頃、AT&Tの調査部門が、15年後の人口と電話交換手についての予測を行なったのですが、その予測によれば、アメリカでは、電話交換を手作業で行っている限り、1925年ないし30年には、17歳から60歳までの女性のすべてが電話交換手にならなければならず、AT&Tの技術者たちが自動交換機を開発したのは、その2年後で、この問題は解決し、同じように、今日のロボット・ブームも、主として労働力ニーズによるものであり、ロボットに必要な技術は、何年も前から開発されていたのですが、日米を初めとする先進国の製造業が、少子化の結果を身近に感じるようになるまで、半熟練の組立工をロボットに代えるニーズは、大きくならず、ロボットの設計のほとんどは、アメリカからの輸入だったので、日本がロボット先進国となったのは、技術上の優位によるものではなく、日本は、アメリカよりも4,5年早く、ドイツよりも10年早く最初の少子化に襲われたためであり、日本においても、アメリカやドイツと同じように、労働力不足が認識されるようになるには10年の歳月を要したのですが、日本では、その10年がアメリカよりも先に始まっていたのです。

メルゲンターラーによる植字機もまた、かなりの程度、労働力ニーズの圧力のもとに実現し、出版物の爆発的な伸びが、6年から8年の徒弟制度を必要とする植字工の供給を逼迫し、賃金を非常な勢いで押し上げ、その結果、印刷業者たちは、労働力ニーズを痛いほど感じるようになり、高賃金の職人5人を半熟練工に変えてくれる機械には、かなりの金額を払っても良いと思うようになっていたのです。

日本のうどん蕎麦店はもともと手打ちで麺を作っていたのですが、製麺機が開発され、機械で麺を作るようになり、久しいのですが、美味しい麺が作れる製麺機のお蔭で日本のうどん蕎麦、ラーメンが世界に飛躍するようになったのですが、中国の蘭州は、ラーメンの発祥の地であり、4千年の歴史がありますが、麺作りは、今でも手延べであり、職人による手作りで作られていて、100年前に、中国からラーメンが伝わってきた日本は、100年の間に独自に進化し、蘭州のラーメンと日本のラーメンの差は、①手作りか、製麺機であるかということと、②元ダレを使っているかどうかが大きな差で、世界中に広まっているラーメンは、中国のラーメンではなく、日本のラーメンで、麺作りを手作りではなく、製麺機で、楽に美味しい麺が作れるような仕組みが出来ているのが大きな差であり、うどん蕎麦業界における製麺機の活用は、90%をはるかに超え、ラーメン店における自家製麺の比率も急激に上昇を続けているのです。

昨日の東京の外気温も非常に上がり、暑い1日でしたが、東京支店のセミナールーム内でも1日中、熱い議論が続きました。

生徒さんたちは、朝から晩まで頭をフル回転させる、人生を変える貴重な1日でした。

画像は卒業証書授与式の一コマです。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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