まずは、お知らせです。
来週9月22日(火)から24日(木)の3日間、シンガポールにて、ワンデー麺学校を開催し、最初の2日間はラーメン、最後の1日はうどんで、私も3日間とも参加し、ラーメン、うどんの現状についてセミナー、実演を行ないます。(https://www.yamatomfg.com/company/dream-studio/dream-studio-singapore/)
本日のテーマは「社会の変化への対応」です。
本日の私のセミナーは、「人材育成・多店舗展開・海外進出するためには」との広い範囲の内容で、レジメは昨日のうちに完成させています。
昨今、日本は生産年齢人口減少による、客数減少と人手不足がダブり、多くのビジネスは、売上減少と人手不足のダブルパンチで、上手くいっていない場合が多く、当社が担当している麺専門店ビジネス等も、両方の影響を大きく受けているビジネスであるのです。
しかし、日本全体を眺めてみると、麺専門店とか、飲食店ビジネスは、常にオーバーストアで、もっと店舗数が少なくなった方が、お互いの競争も減少し、店舗をやっている人たちも、1店舗当たりの客数が増え、売上が上がり、生活が豊かになるのです。
従って、現在はその大きな過渡期にあり、増えすぎた店舗数が徐々に淘汰される途上であり、新しいものが生まれる、陣痛の苦しみの途上でもあるのです。
これと同じことが小売業では既に起き、全国各地の津々浦々にあった、八百屋、薬屋、タバコ屋、魚屋、酒屋、米屋等々であり、スーパーが出来、コンビニエンスが出来たことにより、ほとんどの店舗が消えてしまったのです。
以上のような小売業は、われわれ飲食業とは違った業種であったので、その当時はあまり関心がなかったので、理解していなかったのですが、すでに小売業で起きたことと似たようなことが、現在のわれわれの業界で起きようとしているのです。
当社も創業以来、この業界は常に安定している業界であると信じてきたのですが、大きな変革期を迎えていること、同時に、新たなビジネスチャンスが生まれつつあることも、実感しているのです。
昨日のセミナーにも、古くから飲食ビジネスをやっていて、飲食ビジネスを果敢にチャレンジしたのに、飲食ビジネスではうまく行かなかったのですが、時代に合ったビジネスを始めたところ、そちらの方は順調に進んでいるとのことでした。
そして、同じく昨日、私のフェイスブックに、或るうどん学校の卒業生から、うどん学校は卒業したのですが、うどん店を開業するための資金を集めることが出来なくて断念し、時流に合った新しいビジネスを始めたとの連絡を受けました。
国内では麺専門店市場は、今までの多くの既存店のように、サラリーマンを対象にすると、市場自体がすでに大きく減少してしまっているのです。
働き盛りのサラリーマンをターゲットにするから、市場は大きく減少しているのですが、日本の総人口はそんなに減少していないので、麺市場そのものが、大きく減少している訳ではなく、シニア、高齢者市場は拡大の一途なのです。
これはうどん蕎麦店市場規模のデータより明白なことですが、ほとんどの既存店の人たちは、市場の変化を受け入れていないのです。
或いは、既存の市場だけに捉われ、売上減少は当たり前で、どうしようもないと思っている人たちが非常に多いのです。
市場構造の変化を理解して、非常に成功した事例は、小売業のコンビニエンスで、コンビニについて調べてみると、以下のような事実があり、その萌芽は42年前に始まっていたのです。
まだ、海の物とも山の物とも判らなかった、コンビニエンスをイトーヨーカ堂が、日本の最初に導入したのが42年前の1973年で、現在ではコンビニエンスが5万店以上に成長し、反対に全国の通津浦々にたくさんあった専門小売店の多くが姿を消したのです。
過去、多くの麺専門店の店主がターゲットにしてきたサラリーマン市場が大幅に減少し、代わりに新しい市場が誕生していて、その市場に焦点を当てているコンビニ等に、市場をさらわれているだけのです。
コンビニエンスはライバルであると思っていない、麺専門店の店主は非常に多いと思いますが、コンビニエンスが狙っているのは、女性、シニア、高齢者であり、昨晩もコンビニへ行けば、女性の好む甘いスイーツ、ドーナッツ類、さらに高齢者用の1人前のお惣菜をたくさん並べているのです。
国内市場は、これからも徐々に縮小していくのですが、縮小していく過程で、その形を大きく変えながら縮小していくので、その変化に対応することが大切なのです。
過去、その変化に一番上手に対応してきたのが、セブンイレブンであり、セブンイレブンの売り場を見ていると、日本の食の未来が見通せるのです。
セブンイレブンの食品売り場の定点観測は、日本の食の未来を見通す絶好の場所だったのです。
本年2月21日から始まった、173日間に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びを終え、最終のまとめに取り組んでいきます。
起業家社会
Ⅰわれわれが必要とする社会
「それぞれの世代がそれぞれの革命を必要とする」とは、トーマス・ジェファーソン晩年の言葉であり、同時代のドイツの偉大な詩人ゲーテも、「存在の理由はなくなり、恵みは苦しみとなる」と、晩年同じ気持ちを謳い、啓蒙思想と、フランス革命がもたらしたものに対する幻滅を表し、彼らの言葉は、200年後の今日、真に困窮した者、障害ある者のためにプロイセンで生まれ、世界に広がり、すべての者の権利となり、今や、生産的活動に携わる者すべての負担となっている福祉国家について言えるのです。
イノベーションと革命の違いは何かについて、ウイキペデイアによれば、革命(かくめい、英語: Revolution、レボリューション)とは、権力体制や組織構造の抜本的な社会変革あるいは技術革新などが、比較的に短期間に行われることで、対義語は保守、改良、反革命などで、「レボリューション」の語源は「回転する」の意味を持つラテン語の「revolutio」で、ニコラウス・コペルニクスの科学革命で使用され、後に政治的変革に使用されるようになり、また漢語の「革命」の語源は、天命が改まるとの意味で、王朝交代に使用され、革命は人類の歴史上、さまざまな方法や期間、動機となった思想によって発生し、その分野には文化、経済、技術、社会体制、政治体制などがあり、技術革新では農業革命や産業革命、社会変革ではフランス革命やロシア革命などで、革命という言葉は様々な分野・概念に派生しており、何が革命で何が革命でないかの定義は、学者の間で議論が続いているのです。
一般に革命という概念は、正当性を備えている既存の政治秩序を変更させる政治的活動と関連しており、歴史的には1688年の名誉革命や1789年のフランス革命などの市民革命を挙げることができ、近代以後の政治理論においては革命の概念は、古い政治秩序の破壊と新しい政治秩序の構築をもたらす動態的かつ抜本的な変革を意味しているのです。
以上のように、今回のドラッカーが使用している革命は、政治的な革命であり、産業革命等の技術革新はイノベーションに関連した革命であり、新しいイノベーションを起こしても、いつしか既成の事実になり、次の新しいイノベーションを必要とし、いったん起きたイノベーションの中で生きている人たちの思考と行動により、イノベーションの結果はどのようにでも、変化し、未開の地で暮らす人たちは、イノベーションを必要としなかった人たちで、従って、いったんイノベーションを起こしても、そのイノベーションはいつしか、既成の事実になり、新しいイノベーションを必要とするのです。
◆恵みは苦しみとなる
組織、制度、政策もまた、製品やサービスと同じように、使命を失ったあと、目的を達したあとも生き延び、目的を達せられなくとも、生き延び、一度できあがったメカニズムは生きつづけるのですが、そのメカニズムの設計にあたって前提とされたものは、先進国の医療制度や年金制度のように、無効になっている100年前の人口構造であり、まさに、「存在の理由はなくなり、恵みは苦しみとなる」のであり、日本の年金制度も人口減に基づいて設計されていなかったので、現在、大きな矛盾をはらんでいるのです。
しかも、ジェファーソンの時代以降明らかなように、革命は解決策にはならず、革命を構想し、方向づけし、コントロールすることはできないだけでなく、それは間違った人間に権力を与え、さらに悪いことには、当然のことのように、結果が約束の逆となり、1826年にジェファーソンが亡くなって数年後、政府と政治の偉大な解剖家アレクシス・ド・トクヴィルは、革命は、体制の牢獄をなくさず、拡大するのみであると指摘し、事実、フランス革命の後に残ったものは、革命前の足かせだった制御不能な官僚システムへの従属であり、政治的、知的、芸術的、経済的活動のパリ集中で、ロシア革命がもたらしたものも、土地耕作者に対する農奴制、全能の秘密警察、腐敗しかつ硬直化した強圧的官僚システムで、まさに自由主義者や革命家が激しく攻撃したツァーの体制そのもので、同じことは、毛沢東の死の舞踏ともいうべき文化大革命にも起こったのです。
われわれはすでに、革命が幻想だったこと、19世紀最大の幻想、いつわりの神話だったことを知っていて、希望でも黎明でもなかったことを知っていて、
革命は成熟による腐敗から起こり、破綻から起こり、自己革新の失敗から起き、しかもわれわれは、理論、価値など、人の心と手によるあらゆるものが、歳をとり、硬直化し、陳腐化し、苦しみに変わることを知っているのです。
◆イノベーションと起業家精神を当然とする社会
かくして、経済と同様に社会においても、あるいはビジネスと同様に、社会的サービスにおいても、イノベーションと起業家精神が必要となり、イノベーションと起業家精神が、社会、経済、産業、社会的サービス、企業に柔軟性と自己革新をもたらしてくれるのは、まさにそれが、一挙にではなく、この製品、この政策、あちらの社会的サービスというように、段階的に行われ、青写真ではなく、機会やニーズに焦点をあてるからであり、暫定的であって、期待したような成果、必要な成果をもたらさなければ消え去るからであり、言い換えるならば、教条的ではなく現実的であり、壮大ではなく着実だからであるのです。
イノベーションと起業家精神は、ジェファーソンが、それぞれの世代の革命によって実現することを望んだものを実現し、しかも流血、内戦、強制収容所、経済的な破局なしに、一定の目的と方向性とコントロールのもとに実現するので、われわれが必要としているものは、イノベーションと起業家精神が、当たり前のものとして存在し、つねに継続していく起業家社会であり、ちょうどマネジメントが、現代のあらゆる組織において特有の機関となり、われわれの組織社会を統合する機関となったように、イノベーションと起業家精神も、われわれの組織、経済、社会における生命活動とならなければならないのです。
そのためには、あらゆる組織のマネジメントが、イノベーションと起業家精神をもって、正常にして継続的な日々の活動、日常の活動としなければならず、まさに、マネジメントに課されたこのような課題を遂行するうえで、必要な原理と方法を提示することが、本書の目的であり、革命のように流血で社会の秩序を大きく変革するのではなく、社会、経済、産業、社会的サービス、企業において、柔軟性と自己革新をもたらしてくれ、一挙にではなく、この製品、この政策、あちらの社会的サービスというように、段階的に行われるのがイノベーションで、イノベーションは、機会やニーズに焦点をあて、暫定的であり、期待したような成果、必要な成果をもたらさなければ消え去り、現実的であり、着実に行なわれるのです。
画像は昨日の私のセミナーの様子です。
一昨日に続き、多くの熱心な方がたに聞いて戴きました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。