うどん学校・ラーメン学校・そば学校・パスタ学校で開業&成果アップ|「イノベーションと起業家精神(最終)」「価値の創造、効用戦略、真の効用の追求、価格戦略、ジレットとゼロックス」

昨日の講演会の様子

本日のテーマは「2代目の戦略の原点も学び」です。

昨日は、損害保険ジャパン日本興亜株式会社さまに招待され、名古屋での講演のために、午前中に本社を出て、名古屋に向かいました。

会場は損害保険ジャパン日本興亜株式会社の名古屋ビルで、初めて伺ったのですが、想像を超えた大きな、立派なビルであったので、驚きました。

この会社は、損害保険のジャンルでは、東京海上火災を抜き、現在国内1位で、講演は4時から始まり、講演は「従業員満足からつながるお客様満足」で、損害保険のような、当社とはまったく畑違いの会社が、私を講演に呼んで戴いた理由は、私が過去「大和通信」で「従業員満足度と顧客満足度の密接な関係とサービスレベルを上げ、利益に繋げる、SPC(サービス・プロフィット・チェーン)による善循環」のことを説明したことがあるのですが、それを保険会社のデイーラーの自動車修理会社の方が見て、ぜひ、今年の講演に私を呼び、この内容を詳しく聞きたいと思ったそうです。

当社とはまったく縁のない、違った業界なので、最初はお断りしようと思ったのですが、このテーマは、以前から取り組んでおり、私の復習になると思って引き受けたのです。

このような講演は、無理やりにでも引き受けることで、私の知識が広がり、レベルが上がるので、引きうけているのです。

講演に参加したお客さまは、自動車販売、修理会社のオーナーの方(多くは、2代目)と保険会社の社員の方がたでした。

自動車販売、修理会社の方がたの会社の規模は大きくはないのですが、オーナーの方が多いので、熱心に聴講され、講演の後の質問も、熱心な方が何人かいたのです。

2代目の方が多かったのです、質問内容も先代からの古参の従業員とソリが合わないという話や、創業者の伴侶である母親(現会長)と合わない話等があり、それぞれ抱えている悩みを具体的に知ることが出来ました。

このような悩みはほとんどの2代目の方が抱えている悩みで、麺業界でも同じような悩みで悩んでいる方が多いはずです。

2代目の場合は、先代が作った基盤に乗ってのことですが、盤石な基盤である場合もあったり、反対にマイナスの負債の多い基盤であったりするのですが、いずれにしても、創業者よりも楽な仕事に見られがちです。

今回のレジメを作る段階の準備段階で、自動車販売、修理業界のことも少し調べていたのですが、自動車業界もハイブリッドとか電気自動車の台頭、さらに、若者の自動車離れのような逆風の中で、自動車保有台数は減少しているのに、新規参入者増加により、ますます、競争状態は厳しくなっているのです。

そのような厳しい自動車業界の状況の中で、昨日参加していた方がたは、前に向いて進もうとしている若手の人たちばかりだったので、熱心に参加している人たちだったのです。

現在の日本の場合、どんな業界でも同じような問題を抱えていて、麺業界でもうどん蕎麦業界は2代目、3代目が多く、一部の若い方がたは、非常に頑張っているのです。

広島の太閤うどんのオーナーもそのようなうちの1人で、このビジネスに、たいへん情熱を持ち、頑張っているのです。

現在は、年齢の高い創業者から2代目、3代目に代替わりの時期でもあり、代替わりの段階で、父子の軋轢等、多くの問題が起きています。

案外うまくいっているように見える店でさえ、先代とは異なった時代の変化に対応していて、太閤うどんの場合も先代の時代は、お客さまはサラリーマンが主体であったのですが、2代目の現オーナーになり、女性客が中心になっているのです。

これは、太閤うどんだけではなく、上手くいっている世代交代した店舗の多くで、言えることであり、先代のやっていたことをそのまま継続するのではなく、先代が掲げた、商品に対するこだわりとか、お客さまに対する良質なサービス等の創業の精神はDNAとして引き継ぐ必要があるのですが、時代の変化に合わせて、お客さまのライフスタイル、価値観が変わっているので、それぞれの時代に合せた、新しい取組みは必要なのです。

従って、成功している2代目について言えることは、学ぶことに貪欲であり、船井総研の創業者である船井先生の教えである、「素直」、「プラス発想」、「学び好き」は欠かすことの出来ない、経営者が持たなければいけない精神性であるのです。

昨日も参加された方がたと一緒に、2次回の懇親会ではさらに熱心に話し込みましたが、その熱心さが新しい時代を創っていくのです。

従って、あらゆる機会を通じて、われわれは学び続けていかねばならないのです。

本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。

第19章 価値の創造

これまで述べてきた起業家戦略においては、イノベーションを利用することが戦略で、本章で論じる起業家戦略は、それ自体がイノベーションであり、製品なりサービスは昔からあるものでよく、例として最初に取り上げる郵便などは、すでに2000年前からあり、その昔からある製品やサービスを新しい何かに変え、その効用や価値、あるいは経済的な特性を変化させ、物理的にはいかなる変化も起こさなくてよいのですが、経済的にはまったく新しい価値を創造するのです。

本章で論じる起業家戦略には、1つの共通項があり、いずれも顧客を創造し、この顧客の創造こそ、つねに事業の目的であり、あらゆる経済活動が究極の目的とするものであり、(ドラッカー著『現代の経営』参照)そのための方法は、以下の4つ戦略であるのです。

1.効用戦略
2.価格戦略
3.顧客戦略
4.価値戦略

I効用戦略

イギリスの学校では、郵便制度は1837年、ローランド・ヒルによって発明されたと教えているのですが、実際はそうではなく、シーザーの古代ローマにも優れた郵便制度があり、帝国の隅々まで配達人たちが定期的に郵便を届け、1516年、スペイン王カルロス1世は、この古代ローマに立ち返り、郵便の独占権をタキシス家に与え、タキシス家からの献金などによって選挙侯たちを買収し、神聖ローマ帝国の皇帝の地位に就き、切手収集家ならば周知のように、タキシス家による郵便の独占は1866年まで続いたのです。

17世紀の半ばには、他のヨーロッパ諸国がドイツにならい、100年後には、アメリカの植民地が続き、そしてキケロ、セヴィニェ夫人、チェスターフィールド、ヴォルテールなどヨーロッパの偉大な書簡作家たちが、後世に残る手紙を書いたのは、すべてローランド・ヒル以前のことだったのですが、いかなる技術も、いかなる新しいものも、特許がとれそうないかなるものも生み出さなかったにもかかわらず、今日の郵便制度を発明したのは、やはりローランド・ヒルで、当時、郵便の料金は、受取人払いであって、距離と重さによって計算していて、料金が高く、時間もかかり、いちいち重さを量らなければならなかったのです。

ヒルは、この料金を距離にかかわりなく一律にし、前払いとし、印紙を貼らせ、一夜にして、郵便は便利で簡単になり、投函さえすればよくなり、値段も安くなり、職人1日分の賃金である1シリングに相当していた料金が、1ペンスとなり、大きさの制限もなくなり、こうして、郵便制度が生まれ、ヒルは、サービスとしての郵便を変え、新しい効用を創造し、これこそ重要なことであり、ヒルによって実現された90パーセント安という料金の低下さえ、二義的なことにすぎなく、重要なことは、郵便が便利になり、誰でも利用できるようになり、もはや儀礼や訓戒のための書簡だけではなくなり、洋服屋が、郵便で請求書を送れるようになり、郵便は爆発的な伸びを見せ、4年で2倍、次の10年でそのさらに4倍となり、値段も無視できる水準になったのです。

◆真の効用の追求

効用戦略には、価格はほとんど関係なく、この戦略は、顧客が目的を達成するうえで必要なサービスを提供し、この戦略は、顧客にとって真のサービスは何か、真の効用は何かを追求するのです。

アメリカの花嫁は陶磁器を欲しがるのですが、結婚祝いを贈る側としては、一揃いでは高すぎ、何か1つを選ぶにしても、何を欲しがっているかがわからないので、陶磁器以外のものにしてしまうので、陶磁器の需要はあったのですが、効用に結びついていなかったので、中堅食器メーカーのレノックス・チャイナは、これをイノベーションの機会としてとらえ、昔の習慣である「花嫁目録」を使って、食器の注文を受けたのです。

花嫁は、小売店を選び、欲しいセットと、お祝いをくれそうな人たちの名前を伝えておき、小売店はそれらの人たちに「いくらぐらいのものがよろしいですか」「それではコーヒーカップ2つでいかがでしょう」「もうコーヒーカップは揃いましたので、デザート用のお皿がよろしいようです」と勧め、こうして花嫁は満足し、贈り主も満足し、レノックス・チャイナは大いに満足するのですが、そこにはハイテクも特許もない、あるのは、顧客のニーズに焦点を合わせることだけであり、この花嫁目録は、その単純さにもかかわらず、いや、むしろその単純さのゆえに、レノックス・チャイナを人気ある陶磁器メーカーに押し上げ、アメリカで最も急速に成長する中堅企業の1つにし、この戦略によって、顧客は自分の欲求やニーズを、自由に満足させることができるようになったのです。

洋服屋は、受け付けに3時間かかり、料金は受取人払いであって、しかも洋服そのものと同じような値段では、郵便で請求書を送ることができないのですが、ローランド・ヒルは、サービス自体は変えず、それまでと同じ郵便係と郵便馬車、配達人を使ったのですが、彼の郵便は、まったく新しいサービスとなり、効用が新しくなったのです。

2価格戦略

◆ジレットとゼロックス

長年の間、世界で最も有名なアメリカ人の顔は、かみそりの刃の箱を飾っているキング・ジレットであり、毎朝、世界中の何百万という男たちがジレットのかみそりの刃を使ったのですが、安全かみそりを発明したのはキング・ジレットではなく、安全かみそりについては、19世紀末の10年間に、数十にのぼる特許が認められ、1860年、70年頃までは、ひげの手入れをしなければならないのは、貴族、自由業、大商人など、ごくわずかの男たちだけであって、彼らは床屋に行くことができたのですが、突如、商人、店員、事務員などが、外見を立派に見せる必要が出てきたのですが、自分で西洋かみそりを使える者、平気でそのような危ない刃物を便える者はあまりいなかったし、床屋は高く、もっと悪いことに時間がかかったのです。

そこで多くの発明家が、安全かみそりなるものを考案したのですが、いずれも売れなかったのは、床屋は10セントだったが、最も安い安全かみそりが5ドルであり、1日1ドルが高い賃金だった頃としては、あまりに高く、ジレットの安全かみそりが、とくに優れているわけではなく、生産コストはむしろ高かったのですが、ジレットは、安全かみそりを売ったわけではなく、彼は、卸値22セント、小売値55セントという、生産コストの5分の1の価格をつけ、自社の刃しか使えないように、安全かみそりを設計し、刃は1枚の生産コストが1セント以下で、それを5セントで売り、刃は6、7回使えたので、床屋の10分の1以下の料金の1セント以下でひげをそることができ、ジレットが行ったことは、メーカーが売るものではなく消費者が買うもの、すなわちひげそりそのものに値をつけることであり、ジレットのとりこになった消費者は、同社の競争相手の安全かみそりを5ドルで買い、1セントか2セントで刃を買ったほうが、総額としては安上がりで、彼らもそのことを知っていて、消費者というものは、広告代理店やラルフ・ネーダーが思っている以上に賢明であるのですが、ジレットの価格設定は、彼らにとって意味があり、彼らはひげそりに対して対価を払うのであって、モノに対して払うのではなく、ジレットのかみそりとその刃は、西洋かみそりよりもはるかに快適であり、かつ近くの床屋よりもはるかに安かったのです。

コピー機の特許が、ハロイドというニューヨーク州ロチェスターの無名の会社に属することになり、印刷機械の大手メーカーのものとならなかったのは、後者が、コピー機が売れる可能性を見出せなかったからであり、彼らの計算では、コピー機は最低4000ドルで売らなければならなかったのです。

カーボン紙がただ同然のときに、コピー機にそれだけの金を払う者がいるはずがなく、しかも、4000ドルを支出するには、投資に対する見返りを説明する計算書と、取締役会用の承認要請書という、秘書用の事務機としてはとても考えられない書類を必要としたので、ハロイドすなわち今日のゼロックスは、特許を買い取ったそのコピー機に大幅に手を加えたのですが、最大のイノベーションは、価格設定の仕方にあり、同社はコピー機を売らないで、コピー機が生み出すもの、すなわちコピーを売り、コピー1枚当たり、5セントや10セントならば、購入のための承認要請書など必要なく、上司の許可なく、雑費として秘書が支出でき、コピー機の価格をコピー1枚5セントとして設定したことがイノベーションとなったのです。

社会的機関を含め、供給者のほとんどが、戦略として価格設定をとらえようとしないのですが、価格設定の仕方によって、顧客は、供給者が生産するものではなく自分かちが買うもの、すなわち1回のひげそり、1枚のコピーに対し対価を払うようになり、もちろん総額として払う額はさして変わらず、支払いの方法を、消費者のニーズと事情に合わせることが必要であり、消費者が実際に買うものに合わせなければならず、供給者にとってのコストではなく、顧客にとっての価値に対して価格を設定しなければならないのです。

画像は、昨日の講演会の様子です。

講演会を終えた後で、次回はこの様にやらねばという反省がありました。

今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。

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