本日のテーマは「野菜村での麺ビジネス」です。
本日は今年最後の日曜日で、スタッフたちと一緒に、岡山県にある当社のユーザー様の「吉備の国、野菜村」に向かっています。
私は最近、麺を使った新しいビジネスの研究を行なっていて、先日は、地元の観光ホテルが自家製麺を始めて非常に成功している「せとうち荘」の事例を取材し、先々週は、山梨県で、田舎の手打ちの製麺所が、うどん玉の販売に成功している事例を見てきました。
うどん学校に参加する生徒さんのほとんどは、飲食店としてのうどん店を目指しているのですが、飲食以外にも、麺ビジネスは多くの選択肢があるのです。
うどん学校の生徒さんだけでなく、一般的に新規に麺ビジネスを始める人たちのほとんどは、飲食としての麺ビジネスを目指すのですが、今からの人口減の日本においては、飲食以外の麺ビジネスの方が可能性が高く、ブルーオーシャンで、競争が少ないのです。
従って、最近のうどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校の経営講義においては、飲食に限らず、幅広い麺ビジネスを勧めているので、私自身がつねに面白い麺ビジネスの成功事例を探し続けているのです。
カフェ+麺ビジネスもそのひとつで、生徒さんに勧めるだけでなく、自社でもモデル店を出してみようと思っているのです。
従って、創業40周年を境に、当社の使命を下記のように新しくしたのです。
1.麺ビジネス成功支援会社
2.美味しい日本の麺文化を世界に広める
3.麺の力で世界を変える
1番目の使命は、今までは、麺専門店繁盛支援会社であったのですが、飲食店としての麺専門店ではなく、広く麺ビジネス全体を捉え、麺ビジネスの成功支援会社になることを目指しているのです。
現在、うどん店、蕎麦店、ラーメン店等を新規に出店する生徒さんの一番の課題は、人手と駐車場の問題で、現に人手が足りないために開店出来ない店が多いのです。
よほど、繁華街の人口の多い場所でない限り、ほとんどの立地は、駐車場の必要な場所ばかりで、郊外型の飲食店の場合は、駐車場が大きなネックになっている店舗が多く、駐車場が足りないために成功しない店舗が多いのですが、最も肝心なことは、駐車場が足りないためにお客さまを呼べていないことを自覚していない店主が多いことです。
駐車場の問題を解決する方法として、以前から考えているのは、現在は全国にJAのふれあい市場、道の駅等がたくさん出来ていますが、そのような場所に飲食店と出店し、同時に、出来立ての麺、だし、具材等の販売を行なうのです。
ショッピングセンターとか、スーパーマーケットに、テナントとして出店する方法もあるのですが、家賃が安くない場合が多いのと、店内に多くある飲食店の1店になるだけなので、それらの飲食店の中でトップになることが大切で、また、スーパーマーケットが集めているお客さましか、対象に出来ないので、そのスーパーマーケットの価値感、コンセプトと自分がやりたい店のコンセプトが合っているかどうかが大切なのです。
往々にしてあるのは、スーパーマーケットが集めたい客と、自店に来て欲しいお客さまのミスマッチが起きていることです。
先ほども、岡山の現地の野菜村を見て来ましたが、6次化農業と蕎麦店を組み合わせて、相乗効果を上げていました。
こちらのお客さまは、もともとが漬物屋さんが原点で、漬物が売れなくなり、浅漬けに変わり、更に、野菜サラダと野菜の加工場に変わっていったのです。
ずっと漬物屋さんのままであれば、生き残るのが難しかったのですが、時代の変化に合わせて、一早く、浅漬けに取り組み、次に野菜サラダと野菜の加工業に転向し、ここで作っている無添加のキムチが非常に美味しく、そして現在は、当社の坂東太郎を使い、十割蕎麦を提供し、美味しさで評判になっている蕎麦店の経営まで行っているのです。
まだ蕎麦の物販は行なっていなかったので、当然、蕎麦の物販をお勧めし、蕎麦の場合は、打ち立ての美味しさを長く保つことが出来る、冷凍保管、冷凍配送をお勧めしました。
飲食店の場合、普通、飲食だけしか考えない人が多いのですが、これからは、飲食店こそ、物品販売に力を入れるべきであるのです。
美味しい商品を販売することにより、買ったり、貰った商品が美味しいと、まだ店舗に来たことのないお客さまは、実際の店舗に来たくなり、相乗効果が発揮できるのです。
だから、単に物販部門の売上がプラスになるだけでなく、美味しい商品を販売することにより、お店の宣伝が出来ているので、一石二鳥の効果が上がり易いのです。
これからも、さまざまな麺ビジネスの研究を行ない、皆さまに新しい情報を提供し続けます。
本年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「予期せぬ失敗」
予期せぬ成功とは異なり、予期せぬ失敗は、取り上げることを拒否されたり、気付かれずにいることはないのですが、それが機会の兆候と受け取られることは殆どないので、現実にビジネスでもっとも多いのは予期せぬ失敗で、件数が多いだけに、単なる失敗とか、警告と受け取らずにイノベーションのための機会と、とらえることにより、新しい可能性が開け、麺専門店開業における失敗も、ほとんどすべてが、本人にとっては予期せぬ失敗で、開業に当たって、本人は当然上手くいくと思って開業しているので、上手くいかないのは、予想外の予期せぬことで、下記のデータのように、うどん、そば、ラーメン店の新規開業者の40%以上が1開店年以内に、70%以上が、開店3年以内に閉店しているのです。(シンクロ・フードの過去に閉店した飲食店の特徴より)
それに比較して、当社の製麺機のユーザーさまと麺学校の卒業生の閉店率は、以下の通りです。
「製麺機のユーザーさま(麺学校に参加していないお客さまの閉店率)」
うどん蕎麦店で、1年未満が6.3%、3年未満が14.4%
ラーメン店では、1年未満は4.6%で、3年未満が12.9%
「うどん学校、蕎麦学校、ラーメン学校の卒業生で製麺機のユーザー」
うどん蕎麦店で、1年未満が4.9%、3年未満が12.7%
ラーメン店では、1年未満は0%で、3年未満は6.6%
以上より、明確なことは新規開業者の閉店による失敗は、本当は、予期せぬ失敗ではなく、下記にドラッカーが指摘しているように、単に計画や実施の段階における過失、貪欲、愚鈍、雷同、無能などの結果に過ぎないのです。
「失敗が教える機会の存在」
予期せぬ失敗の多くは、単に計画や実施の段階における過失、貪欲、愚鈍、雷同、無能などの結果に過ぎないのですが、慎重に計画し、設計し、実施したものが失敗したときには、その失敗そのものが、変化とともに機会の存在を教えることが多く、製品やサービスの設計、マーケテイングの前提となっていたものが、もはや現実と乖離するに至っているのかもしれないし、顧客の価値観や認識が変わっているのかもしれないのです。
同じように売れ続けていても、同じものを買ってはいるが、違う価値を買っているのかもしれず、かっては1つの市場、1つの最終用途であったものが、まったく異質の2つ、或いはそれ以上の市場や最終用途に分かれてしまったのかもしれなず、そのような事例が、下記の錠前の話です。
「それらの変化はイノベーションの機会である」
ドラッカー自身、高校を出て社会に入った早々、予期せぬ失敗を目にし、見習として働いていた商社は、英国領土インド向けに100年以上も前から金物、とくに錠前を輸出し、毎月、船1隻分の錠前を輸出し、それらの錠前は、ピンで簡単に開けられる安物だったのですが、1920年代当時、インドでは所得が上がってくるにつれて、錠前の売れ行きは伸びるどころか、かなり急激に減り始めたので、ドラッカーの雇用主は、対策を講じたのです。
錠前を頑丈なものに、つまり上等なものに設計し直させ、しかも余計なコストをかけずに品質を向上したが、新しい錠前はまったく売れなかっただけでなく、この錠前の輸出の不振が原因となり、この商社は4年後に倒産し、その商社の10分の1の規模しかない、生き残るだけで精一杯だった弱小の競争相手が、この予期せぬ失敗の中に、大きな変化の兆候があることを知ったのです。
インド人のほとんどを占める田舎に住む農民にとって、錠前は神秘的な存在であり、いかなる泥棒も、錠前を開けようとしなかっただけでなく、鍵がかけられることはなく、たいてい、鍵はどこかに無くされていたので、ドラッカーの雇用主が生産コストを抑えつつ、苦労して作った頑丈な錠前は、鍵なしでは開けられず、農民にとっては便利などころか、不便極まりない代物で、一方で、当時成長しつつあった中流階級は頑丈な錠前を必要とし、そもそも錠前が売れなくなったのは、彼らが安物の錠前を買わなくなったことが原因であり、彼らにとっては、改良後の錠前でさえ十分に頑丈ではなかったのです。
そこでドラッカーの働いていた会社の競争相手は、インド向けの錠前を2種類作り、1つは、価格はそれまでの3分の1、利幅は2倍という押しボタン式の超安物の鍵なし錠前、もう一つの価格は2倍、利幅も大きい3つの鍵を付けた頑丈な錠前で、いずれの売れ行きは好調で、その商社は、2年足らずでヨーロッパ最大のインド向け金物輸出業者になり、そして10年後、第2次世界大戦によってヨーロッパのインド向け輸出が中断されるまで、その地位は続き、これは昔の面白い話の1つに過ぎず、コンピュータ、市場調査、ビジネススクール出身の経営学修士(MBA)の時代である今日では、われわれは少し賢くなっているのです。
新規開業者が失敗する理由の大半が、過去の常識、過去のノウハウ、過去の知識で開店しているのですが、現在は、既に始まっている未来で、過去ではなく、多くの人が現在だと思っている、既に過ぎ去った日本の過去は次の通りです。
既に過ぎ去った日本の過去
1.生産年齢人口の減少に伴う、働き盛りの人口の大幅な減少(売上(市場)縮小、人手不足に拍車)。
2.サラリーマンの小遣いの半減(サラリーマンから、女性とシニアへ)
3.世帯構成の変化で、1人世帯の大幅な増加
4.世界的に草食男子化、肉食女子化で、女性パワー増大
5.機能的ベネフィットから、感情的ベネフィットへ
6.インターネットの発達による、パラダイムの変換
(事例:①95点以上の高い商品力、②開店チラシ、開店広告は絶対にやってはいけない、③一番でなければ生き残れない、④小が大に勝つ戦略しか有効でなくなる(●競争変数を増やす、●強烈な個性で勝負する)、⑤競争は絶対にしない、⑥学ぶ人とそうでない人のギャップが非常に大きくなる)
以上のように、われわれを取り巻く環境は、われわれが気付かない間に、大きく変貌し、さらに変化が加速していこうとしているので、われわれは日々、学びの時間を確保しないと成功しない時代に生きているのです。
従って、これからの時代を見据えて言えるのは、一生懸命に努力する1%以下の人たちだけが成功の恩恵に預かれて、その他大勢の人たちは日々、生きていくだけに汗を流し、そんなに楽しくない人生を送らざるを得ないのです。
われわれは、真剣に学びの時代に生きていることを自覚しなければいけないのですが、当社の麺學校に入学する、どちかと言えば比較的意識レベルの高いはずの人たちでさえ、十分にマネッジメントの教科書を読んでいなかったり、理解せずに経営講義に参加する生徒さんが多いのが現状で、当社の麺學校に来ないで開店する、99%の人たちのほとんどは、十分なマネッジメントの学びをなしで、開店しているので、上手くいく方が珍しいので、学びには情熱とエネルギーが必要であるのと、日々継続の忍耐と習慣が必要なのです。
「ビジネスの成功=責任×夢×情熱×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐」
そして、技術革新によるイノベーションのほとんどは、予期せぬ失敗を起点とし、エジソンの電灯の発明のための何千回にわたる失敗、ダイソンの掃除機の開発の途上で起きた5千回の失敗もすべて、予期せぬ失敗を繰り返し、克服したので成功したので、予期せぬ失敗をイノベーションに活用している多くの事例は、技術革新の分野に見られるのです。
画像は、途中で立ち寄った道の駅では、丁度餅つきをしたのです。
道の駅等の集客のポイントは、地元の人たちにいかに買って貰えるか、来て貰えるかで、です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。