本日のテーマは「永い繁栄の原点は、マネッジメントへの理解」です。
本日は、30数年来のお客さまが金沢から、家族4人で当社を訪ねて来られました。
30年前ですから、当社の規模が本当に小さくて、当社に信用がなかったころから当社の製麺機を購入し、繁盛店として20年間くらい使って戴き、その後は和風レストランに模様替えしたので、製麺機を使わなくなり、少し間が空いていたのですが、新規にうどん店を開くようになり、新しい製麺機を購入して戴いたのです。
本日は、2代目として、立派にお店を継いでいる2人のご子息、奥さまと合計4名で来社されたのですが、このように古くから当社をご支持して戴いているお客さまが次の世代の方と一緒に来られると、感無量になります。
このお客さまは私より少し年長で、脱サラで独立して開業したのが33年前で、開業前までは文具関係の会社に勤務していて、麺ビジネスはまったくの素人であったのです。
最初は製麺所からの仕入麺だったのですが、麺質に納得がいかず、開業3年後くらいに香川県の当社まで製麺機を見に来てくれたのです。
その頃の当社は、社員数が10名余りで、毎月徹夜の連続で、私が機械の開発から、製造、販売、メンテナンスまで、1人で何役もやっていたころで、規模は小さいのですが、破天荒に元気の良い会社だったのです。
私は、まだ若いころだったので、1人で日本中を駆け巡っていたころでした。
お客さまの方も、子どもさんたちが小学生のころで、子どもさんも一緒に家族総出で、当社に来ていたようです。
そのころのうどん店ビジネスをやっているお客さまにとって、製麺機の価格は非常に高い買い物であるのと、製麺機の品質によって商売が大きく左右されるので、製麺機の購入はたいへん慎重だったのです。
本日もご来社戴き、最初に購入した機械は20年くらい使ったのですが、ぜんぜん故障しなかったので、当社の製麺機は頑丈で、美味しい麺が作れるイメージを持っていて、今回、新たにうどん店を始めるにあたっても、迷わずに当社の製麺機を入れようと決めたそうです。
本日、お客さまが当社に到着されたのは、午後1時くらいで、一緒にオーガニック食堂で、昼食を取りながら、思い出話に耽ったのです。
食事の後は、私が普段執務しているドリームルームに移動して、現在行っている和風レストランと新しく始めたうどん店の話、今後の麺ビジネスの方向性等、さまざまな話題に花が咲いたのです。
2人のご子息もスッカリ商売人になっていて、お父さんのビジネスを熱心に引き継いでいて、傍から見ても安心感のある状態だったのです。
私は40年もこの業界にいるので、多くのお客さまの栄枯盛衰を見て来て、次の世代への移行がいかに難しいかも分かっているのです。
また、ほとんどのお客さまは1代限りの家業で終わり、ビジネスとして後継出来る状態にはなっていない場合がほとんどであったのです。
お父さんが苦労して始めたビジネスを、何とかして子供たちに継がせようとしている親たちは多いのですが、なかなか子供たちが継ごうとしていなのです。
今回、ご来社されたご家族を見て感じたのは、このように後継ぎがシッカリしていて、次の世代に受け渡すことが出来ているのは、規模の大小ではなく、少なくともマネッジメントの基礎が出来ているのです。
このお父さんも当時有名だった外食業界のコンサルタントについて、一時は、熱心にマネッジメントを学ばれていたのです。
マネッジメントの基本原則を理解して、外食ビジネスに取り組むのとそうではないのとでは、ぜんぜん違った結果が得られるのです。
私もたくさんの失敗を繰り返しているうちに、マネッジメントの大切さに気づき、いつしかマネッジメントの勉強にのめり込むようになったのです。
創業以来の40年間に多くのお客さまの栄枯盛衰を見てきて、ほとんどのお客さまはすでに消えてしまっている方が多いのですが、その一方で、長く生き残れているお客さまの特徴は、マネッジメントを学んだ人たちばかりなのです。
麺ビジネスのような、どちらかといえば、そんなに複雑でないビジネスにおいても、永く繁栄をするためには、マネッジメントは欠かせないのです。
私も自分自身の体験を通じて得た貴重な体験、ノウハウを生徒さんたちと共有し、生徒さんたちの長い成功に貢献したいと思っているのです。
本日も当社の価値感を掲げ続けます。
1. 顧客に深くフオーカスし、絶えざる奮闘精神で、価値ある奮闘を長期にわたって続ける(顧客との深いコミュニケーション)
2. 自己批判(内省、フィードバック、自己とのコミュニケーション)
3. オープンな姿勢と進取の精神(アライアンス、イノベーション)
4. 効率の追求(利益、コスト)
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
◆若手との会合
第3に、起業家的な企業では、トップ・マネジメントの人間が、開発研究、エンジニアリング、製造、マーケテイング、会計などの若い人たちと会っていて、会合では、トップ側が「今日はこちらから話をする会ではない。話を聞きたい。みなさんの考え、とくにこの会社のどこにチャンスがおり、どこに問題があるかを聞きたい。新事業、新製品、新市場についての考えを聞きたい」、さらには「わが社や、わが社の方針について、あるいは業界や技術や市場におけるわが社の地位について、何でも聞いてほしい」と言うのです。
この種の会合は頻繁に開く必要はないのは、トップの人間にとって時間の負担が大きいためであり、若い人たち25人から30人と午後や夜の時間を過ごすのはトップの人間1人につき、年に2、3回でよく、この種の会合は、下から上へのコミュニケーションのための優れた機会であり、若い人たち、とくに専門職の人たちが、狭い専門分野から離れて企業全体を見る絶好の機会であるので、必ずもたなければならず、そのうえ、若い人たちはトップ・マネジメントが何に関心をもち、それがなぜであるかが理解できるようになり、トップの側も、若い人たちの価値観、ビジョン、関心を理解できるようになり、そして何よりも、企業全体に起業家的なものの見方を浸透させるうえで大きな効果があるのです。
ただしこの種の会合で行われる提案については、1つだけルール化しておくべきことがあり、それは、製品や工程、市場やサービスについて何か新しいこと、新しい仕事の仕方を提案する者には、提案の具体化についても責任をもたせるようにすることであり、提案者は、しかるべき期日までに、会合を主宰したトップの人間と会合の参加者全員に対し、提案の具体化について報告し、さらには、その提案を実施するならば、何が起こるか、逆に、提案が意味をもつためには何をしなければならないか、顧客や市場について、何を前提としているのか、どれだけの資金や人材が必要か、どれだけの時間が必要か、いかなる成果を期待できるかを明らかにしなければならないのです。
この種の会合から、起業家的な考えが数多く生まれ、しかしここでも、それらの成果でさえ、会合から得られる最も重要なことではなく、それは、組織全体に、起業家的なものの見方、イノベーションに対する受容性、さらには新しいものに対する貪欲さが浸透することだというのです。
4イノベーションの評価
人は期待にそって行動し、企業自らが自らの起業家的な成果を評価して、はじめて起業家的な行動がもたらされるので、既存企業が起業家的であるためには、自らの業績評価のなかに、イノベーションの成果についての評価を組み込まなければならないのですが、通常、自らの業績の評価にあたって、イノベーションの成果を含めている企業は驚くほど少なく、イノベーションの成果測定、あるいは少なくともその評価を、企業自らの業績評価に組み込むことは、とくに難しいことではないのです。
「注目する数字は、改善される」と、以前から言われている通り、評価をしていない数字は注目しないので、改善されないので、評価をすることは、たいへん大きな意味があり、評価をすることにより、成果が上がるのは、よく分かります。
◆個々のプロジェクトの評価
第1に、1つ1つのプロジェクトについて、成果を期待にフィードバックする必要があり、これによって、企業は自らの計画能力と実行能力の質と信頼性を知ることができ、開発部門の経営管理者ならば、プロジェクトに着手するときに、「いかなる成果を期待すべきか。いつまでに期待すべきか。いつ進捗状況を評価すべきか」を考え、必ず成果と期待を照らし合わせているのです。
そのようにしてはじめ、「自分は楽観的すぎないか、あるいは悲観的すぎないか」、さらには「成果を性急に求めすぎないか、あまりに待ちすぎないか」「成果のインパクトを過大評価していないか、過小評価していないか」を知ることができ、その結果、自分たちが得意とすることや苦手とすることを知るとともに、それらの傾向を是正することができるようになり、このようなフィードバックは、開発研究だけでなく、イノベーションにかかわるあらゆる活動において行わなければならない、その理由の1つは、自分たちが得意とすることを知っておくためであり、なぜかはわからないが、人間というものは、うまく行えることはいくらでもうまく行えるからであるのです。
もう1つの理由は、よろしくない傾向を知っておくためであり、たとえばそれは、イノベーションに必要な時間を過小評価してしまうという傾向であり、逆に過大評価してしまうという傾向であったり、あるいは、必要な開発研究の規模を過大評価しながら、その成果を製品やプロセスに結びつけるうえで必要とされる資源を過小評価してしまうという傾向であるのです。
あるいはまた、よく見られることとして、まさに新しい事業が軌道に乗ろうとしているときに、マーケティングや販売促進の手を抜き、それまでの努力を無にしてしまうという傾向であるのです。
ある世界的な大銀行の1つは、自らの成功の要因として、韓国などの新市場への進出、あるいは機械リースやクレジットカードなど新しい事業への進出について、つねに成果を期待にフィードバックさせてきたことをあげていて、この銀行は、そのようにすることによって、その後の新しい事業について、「何を期待できるか、いかに早く成果を期待できるか、いつ、どれだけの人材と資金を動員すべきか」を正しく把握することができるようになったというのです。
このようなフィードバックのシステムは、イノベーションだけでなく、警備プログラムや給与体系、その他あらゆる種類の試みについて行う必要があり、もちろん成果の期待へのフィードバックは、「問題が生じ、再検討が必要になることを示す最初の兆候は何か、問題が起こりそうであっても、実際にはうまくいくことを示す兆候は何か」、さらには「予想していたよりも時間がかかることを示す兆候は何か」を知るためにも必要であるのです。
上記のように、イノベーションに取り掛かる前に、どこまでの成果を期待するのか、いつまでに終えるようにするのかの、規模と時期を明確にしておき、実際の状態がそれとどれだけ違いが出て来ているのかを比較測定しながら、さまざまな要素をチェックしていくことがよく分かりました。
画像は、本日ご来社されたお客さまと家族の方がたです。
私が手に持っている一升瓶は、金沢で有名な3年熟成の日本酒だそうです。
せっかくですが、私はアルコール類は飲まないので、次回の慰労会で、社員に楽しんでもらう予定です。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。