本日のテーマは「ビジネスの根底にあるもの」です。
来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。
(http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2994)
シンガポールでのラーメン学校も本日がいよいよ最終日で、昨日はさまざまなフルーツのラーメンで、通常のスープのある熱いラーメン、冷たいラーメン、つけ麺、混ぜ麺等あらゆるフルーツラーメンを試してみましたが、生徒さんたちにとって参考になるだけでなく、私の学びも深めることが出来、レシピのデータベースをさらに広げることが出来たのです。
使ったフルーツは、パイナップル、ぶどう、リンゴ、なし、そしてトマト、その他の野菜類ですが、どれも思った以上に美味しく出来上がり、今後、使えるフルーツは、マンゴー、ココナッツ、オレンジ、これからの日本であれば、桃等も十分可能性があると思いました。
フルーツ単体だけではなく、野菜との組み合わせも動物系を使わない新しい味作りには欠かせなく、これからはフルーツの香味油も可能性を秘めています。
シンガポールのスーパーで購入したトリュフの香味油も面白い香りと味で、これからの可能性は非常に大きいと思います。
フルーツは火にかけるだけでなく、熱を入れない生のフルーツも冷たいスープには美味しく、熱を入れたフルーツと入れない生のフルーツの組合せもなかなか美味しく、ラーメンの範囲がさらに広まりそうです。
今回も前回と同じように、本日最終日は1日中経営講義の予定でしたが、生徒さんたちのリクエストにより、本日の午前中は盛り付けの最終指導、午後から経営講義に特化するようにしたのです。
日本では、経営講義に時間を大きく費やしているのですが、海外では生徒さんが、ラーメン文化に馴染んでいないので、ラーメンの基本的な部分の指導に時間がかかっているのと、事前の資料の送付の不足に問題があるようです。
今回までの当社の課題(反省)として、次回以降は、生徒さんたちに技術編の資料の送付を早期に行ない、参加する前に生徒さんに麺作り、スープ、トッピング等の全貌について事前知識を十分に持っておいて貰うことが必要であり、参加する前に予習を行なっておかねばならないことがよく分かりました。
また、昨晩はスタッフたちと一緒に勉強のために、早速、若い生徒さんに教えて貰った「LADY M」へ行ってきました。
行って感じたのは、本質的な商品力の高さで、アメリカ発のスイーツとしては、非常にレベルの高さを感じ、コストにこだわっていない商品力の高さで、日本でも、高級なスイーツの店へ行っていつも感じるのは、店舗の内装、外装、接客等のレベルの高さは感じるのですが、コストにとらわれ過ぎていると感じるのです。
サービスレベルは決して高くはなかったのですが、商品レベルにおいては、妥協している部分がぜんぜん見受けられず、明確なコンセプトの確立であり、コンセプトの一貫性です。
日本の場合は、コンセプトの明確さが足りず、部分的にコストダウンに捉われていて、舞台裏を見せてしまっているような気がするのです。
このことを本日、学校に到着してカナダから来ているこの生徒さんと話していると、この生徒さんもまったく同意見であり、コストに捉われない、平均的なものでない、特に突出すべきところは徹底的に突出している。
Iphoneを例に挙げて話し合ったのですが、コストに妥協していないから、このようなレベルの高いデザインが出来るのであり、日本メーカーのようにコストに捉われると、プラスチックの型で成型した製品しか作れず、決してこのようなデザインは出来ないのです。
この生徒さんはもともと台湾出身ですが、台湾国家が最近経済的に上手くいっていないのも、日本の国と同じように、政治がキチンと機能していないことが大きな原因で、台湾の税率も日本とほぼ同じような状態だそうです。
毎回シンガポールへ来て感じるのは、国としてのシンガポールの素晴らしさで、車で走っていると、50年前の建国した当時に植えたであろう道路沿いの樹木が道路上にきれいに生い茂っているのが見えるのです。
気温は毎日34度から26度Cの間で、暑い方ですが、生い茂った樹木のお蔭で、涼しく感じるのです。
ビジネスの成否も、国の成否もまったく同じで、精神の大切さが最も重要であり、われわれはさまざまな事例からたくさんのことを学びとることが出来るのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
第五章 ニーズを見つける 第3の機会
1.「ニーズはイノベーションの母」
第二章では、すでに存在している(イノベーションの)機会(予期せぬ成功、予期せぬ失敗、ギャップ)について見てきたのですが、「必要は発明の母」という、まだ存在していないもの、すなわちイノベーションの母としてのニーズについて検討を加えると、イノベーションの母としてのニーズは、限定されたニーズであり、漠然とした一般的なニーズではなく、具体的でなければならず、前回の事例の天ぷらを揚げたあとの廃油の処理のように、具体的になっている必要があり、予期せぬ成功や失敗、ギャップは企業や産業の内部に存在しますが、ニーズは、企業の外のお客さまの中に存在し、ニーズは、まだ、自分の会社や仕事の中に表れていないもので、ニーズというのはお客さんが持っているものなのです。
例えば、ステイーブ・ジョブズがipodを発明したのも、ニーズを明確に捉えることができたためであり、その後に続いたipad、iphoneも同様で、ニーズを明確に捉えることが、イノベーションの絶対条件であり、プロセスのイノベーションのニーズは次の3つから成り立っているのです。
① プロセス上のニーズ
② 労働上のニーズ
③ 知識上のニーズ
「プロセス・ニーズ」
イノベーションの機会としてのプロセス・ニーズの利用は、他のイノベーションとは異なり、環境からではなく、課題からスタートし、状況中心ではなく、課題中心であり、それは、知的発見によって、すでに存在するプロセスの弱みや欠落を補うためのイノベーションであり、関係者ならば、誰でもそのようなニーズの存在を知っているのに、誰も手を付けていないので、ひとたびイノベーションが成功すると、直ちに当然のこととして受け入れられ、標準として普及していくのです。
すでに1つの例として、プロセス・ギャップの利用の項で述べたウイリアム・コナーは、ある酵素を白内障の手術に欠かせない製品に転換し、白内障の手術そのものは昔から行われ、数世紀かけて改善が重ねられ、他方、その酵素の存在も、数十年前から知られていたので、そこでコナーは、酵素の保存薬を開発するというイノベーションを行ない、こうして、ひとたびプロセス・ギャップが改善されるや、眼科手術医のうち1人として、コナーの酵素を使わない手術など想像出来なくなったのです。
このイノベーションほど、的が絞られていたのも珍しく、プロセス・ニーズを理解することが、直ちに問題の解決に繋がったのですが、このようなことは、プロセス・ニーズによるイノベーションのすべてとまではいかなくとも、そのほとんどについて言えることで、ここに同じように、プロセス・ニーズによるイノベーションの例があります。
オットマー・メルゲンターラーが植字機を設計したのは1885年であり、それまでの数十年というもの、新聞、雑誌、書籍等、あらゆる出版物の発行部数が、識字率の向上と、輸送手段や通信技術の発達に伴って急速に伸び、同時に、出版に関わるほとんどあらゆる技術が進歩し、高速の製紙機械が開発され、高速の印刷機械が作られたのですが、植字作業だけは、400年前のグーテンベルクの時代から変わっておらず、長い徒弟時代を経た高度な熟練工を必要とする、時間と金のかかる作業だったのです。
メルゲンターラーは、コナーと同じように、ニーズを明確にすることから始め、そして必要な活字を機械的に選ぶキーボード、活字を行に揃えるメカニズム、そして(最も難しい技術として)使用した活字を基に戻す技術を開発し、長い年月と数々の工夫が必要だったのですが、ひとたび生まれるや、植字工たちの激しい抵抗にも関わらず、わずか5年で標準的な機械として普及し、これらのニーズは、プロセス・ニーズから生じていたのです。
麺ビジネスにおけるプロセス・ニーズは、うどんの製造工程における熟成庫の導入があり、過去、うどん業界では、熟成という概念がなく、熟成工程が取られていなかったのですが、当社が熟成の必要性を見つけ、熟成庫「寝太郎」を開発し、販売し、熟成温度も明確に定め、ミキシング直後の第一熟成は、25度Cであれば、3時間、28度Cであれば、2時間の熟成時間であり、プレス後の第二熟成は、1晩の場合は18度C、2晩の場合は16度Cで行ない、この熟成工程を導入することにより、麺質が年中安定するようになると同時に、誰が作っても安定して美味しいうどんを作れるようになったのです。
「労働力ニーズ」
労働力ニーズもまた、きわめてしばしばイノベーションの機会となり、1909年頃、AT&Tの調査部門が、15年後の人口と電話交換手についての予測を行なったのですが、その予測によれば、アメリカでは、電話交換を手作業で行っている限り、1925年ないし30年には、17歳から60歳までの女性のすべてが電話交換手にならなければならず、AT&Tの技術者たちが自動交換機を開発したのは、その2年後で、この問題は解決し、同じように、今日のロボット・ブームも、主として労働力ニーズによるものであり、ロボットに必要な技術は、何年も前から開発されていたのですが、日米を初めとする先進国の製造業が、少子化の結果を身近に感じるようになるまで、半熟練の組立工をロボットに代えるニーズは、大きくならず、ロボットの設計のほとんどは、アメリカからの輸入だったので、日本がロボット先進国となったのは、技術上の優位によるものではなく、日本は、アメリカよりも4,5年早く、ドイツよりも10年早く最初の少子化に襲われたためであり、日本においても、アメリカやドイツと同じように、労働力不足が認識されるようになるには10年の歳月を要したのですが、日本では、その10年がアメリカよりも先に始まっていたのです。
メルゲンターラーによる植字機もまた、かなりの程度、労働力ニーズの圧力のもとに実現し、出版物の爆発的な伸びが、6年から8年の徒弟制度を必要とする植字工の供給を逼迫し、賃金を非常な勢いで押し上げ、その結果、印刷業者たちは、労働力ニーズを痛いほど感じるようになり、高賃金の職人5人を半熟練工に変えてくれる機械には、かなりの金額を払っても良いと思うようになっていたのです。
日本のうどん蕎麦店はもともと手打ちで麺を作っていたのですが、製麺機が開発され、機械で麺を作るようになり、久しいのですが、美味しい麺が作れる製麺機のお蔭で日本のうどん蕎麦、ラーメンが世界に飛躍するようになったのです。
中国の蘭州は、ラーメンの発祥の地であり、4千年の歴史がありますが、麺作りは、今でも手延べであり、職人による手作りで作られていて、100年前に、中国からラーメンが伝わってきた日本は、100年の間に独自に進化し、蘭州のラーメンと日本のラーメンの差は、①手作りか、製麺機であるかということと、②元ダレを使っているかどうかが大きな差で、世界中に広まっているラーメンは、中国のラーメンではなく、日本のラーメンで、麺作りを手作りではなく、製麺機で、楽に美味しい麺が作れるような仕組みが出来ているのが大きな差であり、うどん蕎麦業界における製麺機の活用は、90%をはるかに超え、ラーメン店における自家製麺の比率も急激に上昇を続けているのです。
昨日は、白味噌が無いことに気づき、ジェイソンと一緒に外に出たのですが、街路樹がいつもきれいに整備されている様子が良く分かります。
午後からは、松原先生が通常のラーメンスープ、私がフルーツのスープを中心に仕上げていきました。
楽しい理科の実験のようです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
本日のテーマは「学びは、寿命が尽きるまで」です。
来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。
(http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2994)
シンガポールでのラーメン学校も本日からいよいよ終盤に突入で、昨日でほぼ、スープ取りと下準備は終わり、昨日の夕方にはスープ合わせの一部を行ないましたが、生徒さんたちは博多トンコツスープの美味しさに感動していたのです。
特にカナダから来た生徒さんの1人は科学調味料とか、豚の匂いに非常に敏感な生徒さんで、トンコツスープは臭いのでやりたくない、鶏系しか考えていないと言っていた生徒さんが、こんなに美味しい博多トンコツスープのラーメンは食べたことがないと、感動していたのです。
特に、科学調味料を一切使わずに、この味を創りだせたことに感動していて、なぜ、このようなことが出来るかとの質問があったので、これもデジタル・クッキングの為せる技であると説明したのです。
デジタル・クッキングであれば、勘では出来ないような微妙な味の再現が何度も可能であり、誰が行なっても可能で、昨日も生徒さんに提示したラーメンスープは、私は一切タッチしておらず、松原先生が作ったのですが、松原先生でなくても、レシピがあれば、誰でも同じ味がいつでも再現できるのです。
本日は生徒さんたちが朝から自分の求めるラーメンスープに挑戦していて、それぞれが自分の求める味が出来たことに、たいへん喜んでいるのです。
私は自分自身の学びも兼ねて、今回は生徒さんからもリクエストのあったフルーツのスープに取り組んでいて、ブドウ、梨、パイナップル、リンゴ、ココナッツミルク、その上にオレンジ等も取り組んでいく予定です。
当社のラーメン学校は、毎回、毎回、新しい取組みで、常に新しい可能性を探っていて、毎回が新鮮で、ワクワクする楽しいラーメン学校であり、今回もシンガポールのように常夏の素晴らしい場所で、このような素晴らしいラーメン学校を開催出来るようになったことは、たいへん有難いことだと思います。
今回参加している一番若い生徒さんから教えて貰ったのは、NYとかシカゴに「LADY M」という、最近急成長している、商品力、店舗力、サービス力の特別レベルの高いスイーツの店舗があり、シンガポールにはすでに3店舗が来ているというのです。
世界で10店舗程度しかないのに、シンガポールに3店舗、香港に2店舗あるのに、日本には1店舗もなく、シンガポールとか、香港の地位が日本より上がっていることがよく分かる現象です。
この話を聞いてので、今晩でもぜひ、この店舗に行ってみたくなったのですが、自分のビジネスの質を高めようと思うと、どんなビジネスにおいても最高レベルのビジネスを観察し続けることが欠かせないのであり、そこには必ず、自分のビジネスにプラスになるヒントがあるのです。
トヨタ生産システムを発明した大野耐一さんは、アメリカのスーパーマーケットを見て、ヒントを得たのですが、異業種を見ることにより、自分のビジネスにイノベーションを起した人は多いのです。
むしろ異業種の方が、参考になることが多く、私も常に異業種の最高のものを見続けてきているのです。
生徒さんたちに、私が今晩この店に行こうと思っていると話をしたら、生徒さん全員が驚いていたのです。
一番若い生徒さんのお父さんは、50歳だそうですが、お父さんにこの話をしても、絶対に見に行くことはないとのことでした。
ビジネスには、精神的なフレキシビリテイが必要で、いつまでも、何にでも興味を持ち続ける心がないと、若い気持ちがないと、世の中からいつしか取り残されてしまうので、絶対に若々しい気持ちを無くしてはいけないのです。
無くしてはいけない精神は、奮闘精神、自己批判、素直、フレキシビリテイ、謙虚さも同様で、何歳になろうと、絶対に失ってはならない精神であり、これらの精神を持ち続けることにより、歳を取ることはないのです。
だから、私がもし100歳になってもこれらの精神を失うことがなければ、今と同じような気持ちで生きていくことが出来、併せて、年齢を重ねたことによる、深い洞察力がプラスされているのです。
だから、人生において、ビジネスにおいて失敗しないためには、以上のような精神を保ちながら、一方ではあらゆる学びを深め続けることなのです。
日本人として学び続けていかねばならないのは、日本の伝統文化をもっと深く理解すること、次には、中華思想、インド哲学、イスラムの思想、ユダヤの思想等、グローバル化が進むにつれて、われわれは世界の思想を理解する必要があり、まだまだ年を取れないのです。
年齢が何歳になろうと、学びから外れることはなく、現代に生きるわれわれは、寿命が尽きるその日まで学びを止めることが出来ないのです。
同時に、このような素晴らしい時代に生きることが出来ているわれわれは、非常に幸せであると思います。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
4.「プロセス・ギャップ」
1950年代末、製薬会社のセールスマンが、独立して事業を興そうと医療のプロセスにギャップを探し、見つけ出しのです。
当時、最も一般的に行なわれていた手術の一つに、老人性白内障があり、手術は定型的かつ機械的なもので、完璧なダンスのように途切れることなく、すべてを掌握して行なえる手術だったのですが、ただ、1ヶ所だけ、流れの切れるところがあり、ごく小さな筋肉を切開し、血管を縫合しなければならなかったので、血が流れ、眼球を損なう恐れがあり、手術自体は、優しい手術だったが、そこだけは手術をする者にとって気掛かりで、手術の流れが変わることが不安の種になっていて、何度手術をしても怖い部分だったのです。
製薬会社のセールスマン、ウイリアム・コナーは、ちょっと調べてみたところ、筋肉組織を瞬時に溶かすことが出来る酵素は、既に1890年代に分離されていることを知ったのですが、当時、その酵素を数時間しか生かしておくことが出来なかったので、酵素を保存する技術は長足の進歩を遂げているはずであり、事実、コナーは数か月足らずで、酵素の効力を失うことなく保存期間を延ばす保存薬を見つけ、数年後には、世界中の眼科手術医が、コナーの会社アルコン・ラボラトリーズの酵素を使うようになり、20年後、彼はその事業を高い値で、ある多国籍企業に売ったのです。
ここにもう一つ、教えられることの多い例があり、O・M・スコットは、芝生関連の器具、種、肥料、殺虫剤の最大手メーカーであり、現在は大企業の子会社になっていますが、芝生業界におけるトップの地位は、同社がまだ中小企業の一つに過ぎなかった頃、シアーズ・ローバックやダウ・ケミカルのような大企業との競争の末、勝ち取ったもので、同社の製品は確かに優れていましたが、競争相手の製品も負けず劣らずで、O・M・スコットは、定量を均等に播くための器具としてスプレッダーという簡単な手押し車を開発し、その後の地位を得たのです。
芝生の肥料や殺虫剤は、すべて徹底した科学的実験に基づいて調合しているということが売り物であり、散布する量も、気温や土壌の質によって厳密に処方していて、あらゆるメーカーが、科学的とまではいかなくとも緻密でなければならないことを消費者に説いていたのですが、O・M・スコットのスプレッダーが登場するまで、そのための器具を消費者に提供したメーカーはなく、それがないことが、芝生を育てるプロセスの中で、消費者を不安にさせるプロセス・ギャップになっていたのです。
要するに、プロセス・ギャップとは、何か1つの作業を行う一連のプロセスの中で、不安に感じたり困ったりする部分で、例えば、少し前、マンション住まいの奥さま方は、天ぷらを揚げた後の廃油の処理に困っていて、彼女たちは、新聞紙にフライパンの廃油を浸み込ませ、牛乳パックをカットして、その中に丸めていれて、ゴミとして捨てていたのです。
そこで、アメリカのジョンソンは彼女たちに、次のような質問をし、「本当はやりたくないけれど、やらざるを得ないので、やっていることは何ですか?」と聞いたところ、マンション住まいの主婦たちは、上記の回答をしたので、ジョンソンはイノベーションを起こして、「テンプル」を開発し、天ぷらを揚げたあとの廃油の処理が非常に楽になったのです。
以上のように良い流れが途中で切れている場合は、必ず、プロセス・ギャップが起きていて、イノベーションのチャンスが横たわっていて、プロセス・ギャップは、われわれの身の回りにたくさん存在しているのですが、改めて気にしなければ、それが当たり前になっているので、気付かないのです。
プロセス・ギャップは、ギャップの1番目の業績ギャップ他、すべてのギャップが起きている原因の一つでもあり、流れが途切れていて、スムーズに流れていないので、業績の悪化が、起きている場合があり、うどん蕎麦店等では、厨房の作業の流れの中で、天ぷらを揚げる作業も往々にして、プロセス・ギャップになり、メニューの中に天ぷらのメニューが多かったり、天ぷらメニューが多いのに、フライヤーの油面が小さかったり、このバランスが取れていない場合によく起きているのです。
新規開業者がよく起こしているプロセス・ギャップは、開店時の練習不足で、十分な練習をしないで開店し、開店時にお客さまを長く待たせ、怒らせたり、品質の悪い商品を提供して、悪い評判を取っている場合が多く、開店までの流れを一連のプロセスと考えると、多くの新規開業者が陥っている問題点は、最初の計画をキチンと立てていないのと、開店前の練習不足であり、最初の計画の部分は、麺學校の経営講義に参加すると、十分に理解が出来、練習不足に関しては、当社の場合、新規開業者の開店前チェックとして、当社のスタッフを派遣する有料サービスがあるので、開店出来るレベルになっているかどうか、どこに問題があるのかを明確に指摘するので、開店における失敗を未然に防ぐことが出来るのです。
以上のように、流れの中で、スムーズに流れていない部分に着目すると、どこに問題点があるかがよく分かり、肝心なことはこのような棚卸を行なう時間を改めて取ることで、普段、忙しい日々を送っていると、忙しさに流されて、気付かないことがあるのです。
「いかに見つけるか」
では、そのようなプロセス・ギャップは、運や勘によって見つけられるものか、それとも、体系的、組織的に見つけるべきものかですが、ウイリアム・コナーは、手術のプロセスの中に不安になる部分がないかを医師に聞いて回り、小さな芝生用品のメーカーだったO・M・スコットは、何か困っていることはないかを、デイーラーや消費者に聞いて回り、その結果、スプレッダーを開発し、そのスプレッダーを中心として製品ラインを組み、全国的な中堅企業に成長したのです。
プロセス・ギャップは、なかなか見つけられないような代物ではなく、消費者がすでに感じていることであり、眼科の手術医は、目の中の筋肉組織にメスを入れるとき、常に不安を感じ、そのことを人に話していて、金物屋の店員は、芝生の庭を持つ顧客の不安を知っており、そのことを話していて、欠けていたものは、それらの声に耳を傾けることであり、真剣に取り上げることであったのです。
製品やサービスの目的は消費者の満足にあり、この当然のことを理解していれば、プロセス・ギャップをイノベーションの機会として利用することは容易であり、しかも効果的なのですが、それでも深刻な限界があり、プロセス・ギャップをイノベーションの機会として利用できるのは、その世界のなかにいる者だけだということであり、決して、外部の者が容易に見つけ、理解し、イノベーションの機会として利用出来るものではないのです。
以上のように、プロセス・ギャップを見つけるのは、関係者だけであり、案外容易に見つけることが出来、従って、プロセス・ギャップを活用したイノベーションも大きな効果を発揮することが出来そうです。
一昨日でスープ作りの重要な部分は終え、昨日は朝からチャーシュー作りとか、野菜スープとか、さまざまな作業に入っていきました。
チャーシューも、昔ながらの巻チャーシューから、低温調理、鶏チャーシュー等、さまざまなチャーシューを作ります
元ダレ、香味油もありとあらゆる種類のものを準備しているのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
本日のテーマは「自己批判の精神は、日本の伝統的な精神文化」です。
来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。
(http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2994)
シンガポールでは、スタッフたちと一緒に毎朝8時(日本時間9時)にホテルを出て、ラーメン学校に向かっています。
前回のラーメン学校では、豚の背骨を使って博多トンコツのスープを作ったのですが、骨に肉がたくさん付いていたために、肉の味が邪魔をし、美味しい博多トンコツスープが出来なかったので、今回はスープを炊く前に肉を骨から外すようにしたのですが、外してみて驚いたのは、20kgの食材から肉を外すと、骨の重さが10kgになり、半減したのです。
ジェイソンに聞くと、シンガポールでは、トンコツはバクテー等の郷土料理に使うので、わざと肉をたくさん残していて、肉の量と骨の量が半々だということが分かったのです。
日本では、反対に肉を食材として使うので、きれいにそぎ落とし、食材として値打ちの無くなった骨だけを使い、ラーメンスープを作っていたので、ラーメンスープは廃物利用の料理であったのです。
また、このことをカナダとシアトルから来ている生徒さんに確認すると、カナダとかシアトルでは、この様に肉がシッカリ付いた骨と、日本のラーメン用のように、肉がほとんど付いていない骨があり、どちらでも選べるようです。
この様に、食材ひとつとっても、国内と海外では様子がぜんぜん異なり、われわれがこの様に、海外に来ないとこのような事情は分からないのです。
そして、昨日は肉をそぎ落としたトンコツから取った、博多トンコツのスープは前回のラーメン学校と違い、非常によく出来たのです。
また、国内では当たり前のように使っている醤油、味噌も海外で日本と同じものを入手するのは非常に難しいので、海外ではその土地に合った食材の確保が欠かせず、今回は現地の醤油を使って、元ダレを作ってみたのです。
海外に出れば、その国に合った食材、その国の事情に沿ったラーメンの指導が必要であり、その国に行かねば分からないことが多く、シンガポールでラーメン学校を始めた意味は大きく、今後はこのようなことも日本のラーメン学校に反映させることが出来、日本のラーメン学校に世界中から来ても、今まで以上に的確な指導が出来るようになり、国内の学校がそうであったように、回を重ねるごとにノウハウが蓄積出来るのです。
それでは、一昨日から説明している当社の価値感の2つ目の自己批判について、更に考察を重ねていきます。
自己批判の精神は、奮闘精神と同じように、つつましく暮らしていた昔の日本人には備わっていた精神ですが、いつしか忘れ去られた精神で、人のことを思いやる心と共通しているのです。
我を優先していると、自己批判は出来ず、我を殺すことが出来る人でないと自己批判は出来ないのです。
人生とかビジネスが上手くいっていない時は、自己批判は出来易いのですが、上手くいっている時に、自己批判が出来続けるかどうかで、永く繁栄出来るかどうかが決まるので、自分の我を殺すことが出来る人でないと、自己批判は出来ないのです。
だから、自己批判の真髄は、順調にことが運んでいる時に、自己批判が出来るかどうかが問われていて、これは我を殺すことの出来る人、素直な人でないと出来ないことでもあるのです。
従って、人生においても、ビジネスにおいても、成功路線をまっしぐらの人にとって、自己批判の精神を持つことは難しいと言えるのです。
それよりもむしろ、挫折を多く経験している人の方が、自己批判の精神は持ち易いと言え、自己批判が人生において、ビジネスにおいて必須の精神であるとすれば、このことは非常に良く分かるのです。
自己批判の精神は、マズローの5段階の欲求の4番目の自己尊厳欲求に反する精神であるので、余計に難しく、人としての修練を積むか、無理やりに社内の価値感に落とし込み、習慣とする以外には、非常に難しいことであるのです。
私もビジネスを通して、多くの成功者、失敗者を見てきて、一時は非常に成功した人でも永く成功出来ていない人はすべて、自己批判の精神が足りなかった人のように思えるのです。
それだけに、自己批判の精神は簡単ではなく、社内の価値感として社内文化になるまでには、たいへんな努力を要するテーマであり、日本のほとんどの企業が気付いていないテーマでもあると思えるのです。
非常に難しいテーマであるだけに、よほどトップが強いリーダーシップを取らないと、理解出来ないテーマでもあるのです。
自己批判と最も相性の良いのは瞑想で、日々、20分以上の瞑想を通じて、自己批判がいつしか自分自身の習慣になれば、自己改革がどんどん進化していくことと思います。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「3.価値観ギャップ」
戦後の日本におけるテレビ販売の成功という予期せぬ成功は、消費者の価値観についての認識ギャップがもたらした機会を示していて、日本の経済界の大物がアメリカでの講演で、テレビは高すぎるので日本の貧しい人たちには買う余裕がないと言った時点のはるか前に欧米の貧しい人たちは、テレビの与えるものが経済合理性の枠外にあることを、身をもって示していたのですが、この日本の知的な経営者は、消費者とくに豊かでない人たちにとって、テレビは単なるモノではないことが見えてなく、豊かでない消費者にとって、テレビは新しい世界との接触であり、新しい生活と人生で、テレビはその頃の人たちの生活を変えてしまい、現在は、これにあたるものはスマートフォンなのです。
フルシチョフもまた、1956年の訪米時に「ロシア人はマイカーを必要としない。タクシーの方が安くていい。」と言ったのですが、車が単なるモノでないことが見えてなく、アメリカのテイーン・エイジャーならば誰でも、フルシチョフに対し、車が単なる輸送手段ではなく、自由、移動、力、ロマンであることを教えることが出来、そしてまさにこのフルシチョフの誤解が、ソ連において、世界で最も荒々しく、起業家的なイノベーションの機会をもたらしたのが、車の闇市で、以上の事例は、「価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断がある」としていますが、まさにその通りであり、成功すればするほど、このような罠に陥り易く、少し興味を持って、周りを見渡せば、誰でも分かることなのですが、外に出ないと分からないのです。
以上のように、価値観ギャップに陥らず、反対に価値感ギャップをイノベーションに利用するには、むしろ、自己批判の精神が欠かせないのです。
外に出て、多くの物を見る意味は非常に大きく、私もお蔭で世界中を回っているので、製麺機メーカーの経営者の中では、外をたくさん見ている方であり、多くの物を見て、現実を知ることは大きな意味があり、日本は世界の常識から大きく外れていることが分かります。
「消費者が求めているもの」
以上の例は、一般的であり、次に、これらの例と同じように一般的ではあるが、事実上大きな意味のあった別の例をあげてみると、アメリカ中西部のある都市の郊外に、数年間で急成長した金融機関の1つがあり、2千支店を持つ、この証券会社は、顧客と証券業界の価値観のギャップに目をつけ、成功し、成長したのです。
メリル・リンチ、デイーン・ウイッターズ、E・F・ハットンズなどの大手証券会社は、あらゆる顧客は、自分たちと同じ価値観を持っているものと信じ、NY証券取引所の会員にとっては、行動の動機や成功の基準は利殖であると信じているのですが、そのような価値観を持つ者だけが、一般的投資家ではなく、投資家の多くは投資のプロではないのです。
一般的投資家は、プロの投資家として金を儲けるためには、十分な知識のもとに、四六時中、資金の運用に取り組まなければいけないことを知っていますが、地方の自由業の人たちや、豊かな農家や、中小企業の経営者には、そのための知識や時間がなく、本業が忙しく、稼いだものを運用に回す時間がないのです。
その中西部の証券会社が目につけたのは、価値観ギャップで、外見上は、ほかの証券会社と変わらないし、NY証券取引所の会員でもあるのですが、この証券会社は業務のうち、取引所を通すものは全体の8分の1に過ぎず、ウオール・ストリートの証券会社が力を入れているオプション取引や先物取引には手を出さず、もっぱら自分たちが「懸命な投資家」と呼ぶ人たちを顧客にしていて、利殖の約束はしないのです。
実は、この利殖をしないということが、アメリカ証券業界ではイノベーションであり、株の売買に精を出す顧客を求めないで、自由業の人たちや豊かな農家や中小企業の経営者など、支出が堅実で、収入が支出を上回るという人たちを顧客にしているだけで、この証券会社は、財産を守りたいという彼らの心理に働きかけていて、扱う商品は、株式、公社債に加え、年金、パートナーシップ投資、不動産投資信託などであり、この証券会社が提供するものは、ウオール・ストリートの証券会社が売ってきたものとはまったく異なる価値、すなわち安心であり、これこそが、「賢明な投資家」にとっての魅力ある価値あるものだったのです。
そのような顧客は、ウオール・ストリートの証券会社の価値観に反しているので、最初は、ウオール・ストリートの証券会社は、そのような顧客の存在さえ知らなかったのですが、今日では、この証券会社の名前は広く知られていて、成長している証券会社として必ず名前が出てくるのですが、今日にいたるも、大証券会社のトップたちは、そのような競争相手が成功していることはもちろん、存在していることさえ認めようとしないのです。
このように、価値観ギャップの背景には、必ず傲慢と硬直、それに油断があり、「貧しい人たちが何を買えるかを知っているのは、彼ら貧しい人たちではなく私である。」という考え方があり、フルシチョフが言ったことも、「マルクス主義者ならば誰でも知っているように、人間というものは経済的合理性に従って行動するものである。」ということで、あらゆるギャップのうちで最も多く見られるのが、この価値観ギャップであり、イノベーションを行なう者が価値観ギャップを利用しやすいのは、このためで、しかも彼らは、邪魔されずに放っておかれるのです。
以上の例では、一般的な証券会社にとっての、自分たちと価値観を共有出来る顧客だけを証券会社の顧客と信じていたのですが、新しい証券会社はそうではなく、今まで一般的な証券会社の価値観とは相容れない顧客、即ち、ノン・カスターを顧客にし、今までの証券会社と価値観のまったく異なる顧客をカスタマーにして、大成功したのです。
ドラッカーは、まだ顧客になっていない人たち、すなわち、ノン・カスターへのフォーカスを勧めていて、その人たちは、自分たちの今までの価値観とは違った価値観を持っている可能性の高い顧客で、ノン・カスタマーこそ、これからの可能性の高い顧客になる得る存在であり、生産者や販売者は、ほとんど常にと言ってよいほど、顧客が本当に買っているものが何であるかを誤解しているのです。
もちろん彼らは、自分たちにとっての提供している価値が、顧客にとって価値があるという信念をもたなければならないのは言うまでもなく、いかなるものであれ、一つの仕事に成功するためには、その仕事の価値を信じ、真剣に取り組む必要があり、化粧品の生産者は化粧品の意義を信じなければならず、さもなければ、製品そのものが陳腐化し、顧客を失っていき、病院の経営者は、医療を絶対的な善として信じなければならず、さもなければ、医療も看護も直ちに質が低下していくのです。
しかしそれにもかかわらず、生産者や販売者が提供していると思っているものを買っている顧客は、ほとんどいないのであり、彼らにとっての価値や期待は、ほとんど常に供給者の考えているものとは異なり、そのようなとき、生産者や販売者が示す典型的な反応が、消費者は「不合理」であって「品質に対し金を払おうとしない。」と言うのですが、実は、この種の苦情が聞かれるときこそ、まさに生産者や販売者が顧客の価値と信じているものと、顧客にとっての本当の価値との間にギャップが存在すると考えるべきなのです。
したがって当然、具体的で、しかも成功する確率の大きなイノベーションの機会を探さなければならず、価値観ギャップは、すべてのギャップの根本であり、価値観ギャップを理解することが、すべてのギャップからイノベーションを起こす、最も近道であることが分かるのです。
自社、自店のカスタマーとノンカスタマーを比較すると、ノンカスタマーの方がはるかに多く、お客さまの数を増やし続けるには、ノンカスタマーをカスタマーに変え続ける以外にはなく、ノンカスタマーの持っている価値感は、自社、自店の持っている過去の価値感と異なることが多く、お客さまが持っている価値感は時代と共に変化し続けているので、過去の価値感に固執し続けていると、ビジネスの世界から置いてけぼりを食ってしまうことがあるのです。
従って、お客さまの価値感の変化に気づくことは非常に重要であり、麺ビジネスの世界で、お客さまの価値感の変化を捉えて非常に成功した事例は多くあり、イノベーションを起こして成功した麺ビジネスはすべて、価値観ギャップを活用して成功しているのです。
セルフのさぬきうどんで最初に成功した「はなまる」は、それまでのセルフのさぬきうどん店は、主に男性向けで、女性が胸を張って入れるようなきれいな店ではなく、どちらかと言えば、「早い、安い、旨い」を実現していたのですが、「はなまる」はその上に、きれいな店を作り、女性でも胸を張って入れるようなきれいな店を作ったのです。
次に「丸亀製麺」は、それまでのさぬきうどん店、或いは一般的な麺専門店は製麺機をバックヤードに置いて、わざとお客さまの眼に触れないようにして、実際は機械製麺をしているのに、手打ちと謳っている店が多い中で、製麺機を前面に置いて、実演自家製麺の店を作り、過去の価値感を打ち破り、今までの麺専門店の店主の、お客さまは手打ちを好んでいるが、機械製麺は好んでいないという価値感を打破したのが、「丸亀製麺」であったのです。
そして、「はなまる」とか「丸亀製麺」が麺専門店の価格破壊を起こし、かけうどん1杯100円とか、280円の価格が、それまで都内の蕎麦店等では、かけそば、かけうどんの価格を500円~600円に設定していたのですが、価格に関する信頼性を失わせる原因になり、余計にビジネスに大きな影響を与えたのです。
過去、多くのうどん店、蕎麦店のお客さまは昼のサラリーマンであり、昼の営業で成り立っていて、昼間の回転率を上げることがビジネスで成功する原則であると認識していたのですが、生産年齢人口の減少と共に、サラリーマンの数が減少し、サラリーマンをターゲットにした、高回転型ビジネスが成り立ち難くなり、反対に、東京都町田市の当社のユーザーさまである、「カフェ中野屋」のように、本格的なカフェで、うどんを提供し、昼間の時間当たりの回転数は重視せず、1日を通してのトータルの回転数で非常によい成果を上げているのです。
以上のように、最近、成功しているビジネスの多くは価値感ギャップを活用していて、現在の業績が伸びなかったり、少しでも下降しているのであれば、価値観ギャップが起きていると理解し、解決策を見出すことが、イノベーションによる成果を上げる一番の近道であり、これを成功させるには、自己批判による内省が欠かせないのです。
昨日は朝からスープ取りで、まず、骨から肉のそぎ落としの作業の後、スープ取りが始まったのです。
この様に、一度にさまざまなスープを取るので、あらゆるスープを一度に作ることが出来るのです。
博多トンコツも鶏白湯も最高の出来でした。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
本日のテーマは「自己批判」です。
来週10日(日)から12日(火)までの3日間、新潟の新潟卸センターで、1年ぶりののパワーアップ・イベントを開催し、私のセミナーも現在の時流に合わせ、多くの方の悩みである、次の3つ(①麺専門店の事業計画書作成&物件選び&レイアウト作成のポイント大公開!、②これであなたも悩まない、究極の人手不足解決法はこれだ!、③究極の売上対策!)を用意しました。
(http://www.yamatomfg.com/events/detail.php?id=2994)
一昨日からシンガポールに来ていますが、昨日は8時にホテルを出発し、学校に到着すると、カナダのカルガリーから最初の生徒さんが到着しており、暫くすると2人めの生徒さんが同じカナダのカルガリーから到着したのです。
2人共、中国系カナダ人で、車で10分くらいの距離に住んでいるのですが、当社のラーメン学校に参加するまではお互いに知らなかったそうです。
そして3人目の生徒さんがシアトルから先週、当社に来た女性の生徒さんで、今回はラーメン学校開校以来初めの人数が少ない学校で、生徒さんたちは、個別授業を受けるような状態で、今後はあり得ないと思いますが、今回の生徒さんは非常にラッキーな生徒さんたちです。
昨日も同行のスタッフが教えてくれたのですが、シンガポールのチャンギ空港が世界で一番便利な空港だそうで、海外に住んでいる日本人も、これからは日本の麺学校に参加するよりも、シンガポールの麺学校に参加した方が何かと便利ではないかと思います。
但し、授業は基本的に英語ですが、日本人スタッフが必ずいるので、日本語も通じるのです。
今回は生徒さんの数が少ないので、当社のスタッフたちもこれからの海外でのラーメン学校の講義内容のチェックに役立ち、この様に生徒さんの少ない学校は、私を含め、講師たちのレベルを上げるための、格好のチャンスなのです。
また、生徒さんの数が少ないので、昨日は授業終了後にシンガポールの当社のユーザー様の繁盛店「三宝亭」へ夕食を兼ねて、生徒さんたちと一緒に研修に行ったのですが、このようなことが出来るのも、人数が少なかったためで、「三宝亭」は夜は居酒屋のようになっているので、サイドメニューも多く、海外でラーメン店を展開する生徒さんたちのたいへんな参考になったはずです。
それでは、昨日からの当社の価値感の2つ目の自己批判について考察を重ねていきますが、今までの日本にない文化なので、当社の社内に馴染むようになるには、少し時間がかかると思います。
自己否定の反対語は自慢、慢心、うぬぼれで、人はたいへんな苦しい時期には、簡単に自己否定でき、自己否定をし過ぎる傾向にあるのですが、問題は上手くいっている時期で、ビジネス経験の浅い人ほど、上手くいっている時期に有頂天になり、これから先もこのような上手くいくことが永遠に続くと勘違いしてしまい、墓穴を掘ってしまい、取り返しのつかない状態に陥ってしまうのです。
今回、台湾の企業に身売りをしたシャープにしても、9年前の2007年までの業績は常に右肩上がりの最高の業績をずっと維持していた優良企業であり、他の同業他社からは羨望のまなざしで見られていた企業だったのです。
だから、上手くいっている時期がずっと続いていた企業であり、同じ電機業界では、以前はソニーは学生が最も勤務したい企業であったのですが、現在は見る影もない状態になっているのです。
この様に、企業は業績の良かった時期の後は、必ずといって良いくらいに厳しい冬の時期を迎えるのは、リーマンショックのような外部環境のせいではなく、どうも内部の問題があるということなのです。
外部環境の急激な変化ではなく、内部の規律(DNA)が薄れたり、なくなったり、内部環境の変化によって企業は強みを急速に失っているのです。
最近の日本の大企業を見ていても、電機メーカーのほとんどは同じような状態に陥ったのに比較して、自動車メーカーの方が健全な会社が多いのは、このような内部の規律が、自動車メーカーの方が取れているような気がします。
また同時に、マズローの5段階の欲求説の第4段階の自己の尊厳欲求に反するのが自己批判の精神なので、われわれ人間にとっては人間の欲求説に反することである、自己批判は一番難しいことであるのです。
だから、感情的には、受け入れにくくとも理性で受け入れる他はなく、物事を常に冷静かつ理性的に受け止め、感情を抑えて自己批判を行う必要があるのです。
自己批判は思想、品格、素質、技能を革新する優れたツールであることが分かっているので、自己批判を続けることは自己改革の素晴らしいツールになり、続けていくことで、いつしか自分自身を改革することが出来ているのです。
1週間で1%の進化、或いは1日で1%の進化を成し遂げようと決意したら、一番の近道は自己批判を日々、繰り返すことであったのです。
自己批判と最も相性の良いのは瞑想で、日々、20分以上の瞑想を通じて、自己批判がいつしか自分自身の習慣になれば、自己改革がどんどん進化していくことと思います。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
2.「認識ギャップ」
「コンテナー船の例」
ある産業や社会的部門の内部の人たちがものごとを見誤り、従って現実について誤った認識を持っているとき、当然、その努力は間違った方向に向かい、成果を期待出来ない分野に努力を集中してしまうのですが、そのとき、それに気づき利用する者にとって、イノベーションの機会となる認識ギャップが存在し、その良い例が、今日の世界貿易の担い手たるコンテナー船なのです。
今から65年前の1950年代初め、貨物船は死滅すべき運命にあるとされていて、1次産品のばら積み以外は、航空機にとって代わられると予測されていて、海上輸送費は急速に上昇し、港での貨物の滞留がひどくなるにつれ、ますます時間がかかる様になったので、船は沖合で待機させられ、貨物はますます滞り、盗みの被害は増大し、主たる原因は、海運業界が長年にわたり、成果を期待出来ない課題に力を入れていたことにあり、彼らは船舶の高速化、省エネ化、省力化に力を入れていて、海上、すなわち港と港の間で経済性を追求していたのです。
船舶は資本財であり、あらゆる資本財にとって、最大のコスト要因は遊休時間で、その間、利益を生まないものに対し、金利を払わされるので、海運業界で働く者はすべて、貨物船の最大のコストが金利であることを知っていたのですが、彼らはすでにかなり低くなっているコスト、すなわち、海上にあって稼働状態にある船舶のコスト低減に力を入れ続けたのですが、問題の解決は、積み込みと輸送の分離という簡単なことであり、空間が充分にあり、事前に作業が出来る陸上で積み込みを行なっておき、後は入港した船に載せるだけのことだったのです。
それは船舶の稼働時だけでなく、遊休時のコストの削減に努力を集中することであり、それがコンテナー船であり、この簡単なイノベーションの結果は目を見張るものがあり、その後、30年間において、海上輸送は5倍に伸び、輸送コストは60%削減され、船が港に停泊する時間も4分の3に削減され、港の混雑や盗みも減少したのです。
以上の事実がわれわれに教えてくれるものは、部分だけを見るのではなく、全体を見通す視点を持つことが大切で、全体を見れば、以上の課題は簡単に分かるのです。
私もサラリーマン時代は船の設計もしていたのですが、そのころはタンカーの全盛時代であり、タンカーの場合はポンプで積み荷のオイルを圧送するので、このようなことに疑問を持ったことはなく、その後、コンテナー船が出現し、コンテナー船の時代になったころには、私は既に造船設計を離れていました。
私の造船設計の時代も、燃料消費の少ない省エネ船等がテーマであり、抵抗の少ない船型の研究が主で、港での荷物の積み下ろしの高速化については、それほど、大きな課題ではなく、船だけの問題として捉えるか、輸送システム全体の問題として捉えるかによって、解決のアプローチはぜんぜん違ったものになり、今回の課題でも、船だけの課題として捉えると、運行時における高速化しか課題にならないのですが、システム全体の課題として捉えると、長い停泊時間がもっと大きな課題であり、荷物の積み下ろしに大きな時間を取られていることが分かり、そちらに目を向けることにより、大きなイノベーションの機会を見つけることが出来たのであり、部分最適を目指すか、全体最適を目指すかの差でもあるのです。
われわれのビジネスもまったく同じであり、当社の場合は製麺機だけの問題として捉えるか、麺専門店全体の問題として捉えるかによって、解決しなければいけない本当の課題がまったく異なり、要するに、システム全体を高い視座で見るか、低い視座で見るかによって、見える世界がまったく異なってくるので、常に高い視座でものごとを見ることが大切であると教えてくれているのです。
当社もお客さまの問題を製麺機だけの問題と捉えずに、使命を麺専門店繁盛支援会社と明確にし、お客さまの繁盛が当社の使命であるとしたので、麺学校で生徒さんに麺、だし、トッピング等の実技だけでなく、マネッジメントに注力し、生徒さんたちを麺専門店の経営者になれるように指導してきたのです。
以上のことは、うどん蕎麦店、ラーメン店にとっても、同じことで、今までのうどん蕎麦店、ラーメン店の店主は、客席回転率を上げれば上げるほど、売上が上がると信じて、回転率が上げるためにサラリーマンを対象にし、女性客が入店すれば、長居するので嫌がっていたのですが、既に20年前の1995年に生産年齢人口はピークを打ち、サラリーマンの数は減少を続け、ピークより12%以上も減少しているのと、サラリーマンの小遣いが半減し、昼食に十分な支出が出来なくなっているのです。
従って、サラリーマンを対象にしている店は、業績を落としている場合が多く、これからは、シニアと女性客を対象にした方が、可能性が高いことを理解している店主は非常に少ないのが麺専門店業界の課題です。
年間のうどん蕎麦店の新規開業者数は約2千店余り、ラーメン店は約3千店で合計5千店余りですが、当社の麺學校の卒業生が年間約350名で、そのうち、開業に至るのは約3分の1の約120名程度なので、年間の開業者のうち、当社の麺學校を卒業して開業する人たちの比率は、2%余りなのです。
年間約5千名余りの新規開業者のうち、当社の麺學校卒業生はわずか120名程度しかいないので、この比率を上げることが失敗者をより少なくするための大きなポイントで、こんなに大きな差があるのは、大半の新規開業者の麺学校に対する認識のギャップであり、麺学校の大切さの理解がなされていないので、このギャップを埋めるのが、当社の課題なのです。
「小さなイノベーション」
認識ギャップは、先のコンテナー船の事例のように、間違った方向への真剣な努力が事態を改善せず、むしろ悪化させ、船舶の高速化が港の混雑と海上輸送の一層の遅れをもたらすような時には、その努力の方向性が間違っていることが多く、そのような時には、単に成果が上がることだけに力を入れるだけで、大きな成果が得られ、事実、認識ギャップを利用するために華々しいイノベーションを必要とすることはあまりなく、海上貨物の輸送と積み込みの分離にしても、トラックや倉庫について行っていたことを応用したに過ぎないのであり、認識ギャップは、産業や社会的部門全体について見られる現象であるのです。
その解決策は、通常、的を絞った単純で小さなイノベーションを行なうことであり、認識ギャップにおいて、本当の課題はお客さまとの価値観が共有出来ていても、努力の方向性が間違っている場合が多く、例えば、先ほどのコンテナー船の場合でも、お客さまの価値観はコストの高くない、迅速な荷物の配送であり、造船所も船の運航会社もそれに向かって、出来る範囲の努力を行なってきたのですが、ほとんどの関係者はコンテナー船にすれば良いと見抜けなかったのです。
また、コンテナー船の場合、港湾の荷役設備に大きな投資が必要であり、現在は香港とかシンガポールでは巨大な港湾設備が備わっているのですが、あの状態まで持っていくことが最初は構想出来なかったのだと思います。
麺専門店に来店されるほとんどのお客さまは、美味しい麺料理を高すぎない、妥当な価格で食べたいと思っているはずですが、お店の店主はこれについて、新しいアプローチを取ろうとしないで、昔ながらのやり方を買えようとしていないので、手打ちに負けない、驚くような美味しい麺料理を、比較的低価格で提供出来る仕組みが出来ているのですが、それを取り入れようとしていないのです。
コンテナー船の技術は以前から、トラック市場ではあったのですが、貨物船市場に導入されるのが遅くなったのと同じで、一部のその技術を利用した人だけが、多くのお客さまを集めて繁栄し、今の時代は、技術面は大変進化しているので、それを利用しようと思えばいくらでも出来るのに、利用していない人が余りにも多く、成功する人とそうでない人の差は、世の中の動きに注意しているかどうかが、非常に大きいのです。
一昨日のシンガポールへ到着した日は、ホテル近くにあるショッピングセンターのフードコートで現地料理の夕食を取った後、松原先生の誕生日であったので、ささやかなお祝いをスタッフたちと一緒に行ないました。
昨日からラーメン学校が始まり、私のマネッジメントの説明の後、製麺実習と元ダレ作りの指導が行なわれました。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
本日のテーマは「奮闘精神」です。
昨日の夕方、スタッフたち総勢4名でシンガポールに到着し、到着した時間が夕方の6時くらいで、まだ太陽の位置が西の空の上の方にあり、外は昼のように明るく、シンガポールは常夏の国だから、日本の感覚から言えば、日没は少なくとも8時過ぎだと思ったのです。
出迎えにきてくれた、ビジネス・パートナーのジェイソンにシンガポールの日没を聞いて驚いたのは夜の7時半で、確かに7時半になれば、外は急に真っ暗になっていて、また、日の出は朝の7時で、思っていたより遅いのです。
日本の夏の時期は、朝の5時付近で明るくなり、日没は夕方8時近くまで明るいので、常夏の国のシンガポールは、もっと明るい時間が長いと思っていたのですが、日照時間は年中同じでそれほど長くないのです。
羽田からシンガポールまでのフライトは約7時間近くですが、その間ずっと、一昨日の全社方針発表会と営業会議で発表した内容の、当社の新しい価値感について考え続けてきたのです。
そこで気付いたのは、ビジネスには奮闘精神が欠かせないこと、奮闘精神を持ち続けると年齢に関係なく、いつまでも若々しく、若者でいることが出来ることで、これはビジネスだけでなく、人生においても同様に、奮闘精神が必要で、これからの日本の超高齢化社会を老人社会から、若々しい世代に引き戻すには、すべての人たちが心の中に奮闘精神を持ち続けなければいけないのです。
そうしないと、本当に日本が超高齢化社会になり、老人ばかりの日本になってしまい、世界から本当に取り残されてしまうのです。
sildenafil citrate over the counter
反対に高齢者が多い日本になっても、高齢者がいつまでも奮闘精神を持ち、奮闘を止めずに死ぬまで続ければ、日本はいつまでも若い国でいられるのです。
また、当社が何度も倒産の憂き目に遭いながら、不死鳥のように、奇跡のように生き延びてくることが出来たのは、奮闘精神、ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップの精神を持ち続けてくることが出来たことです。
いくら年齢的に若くても、奮闘精神を失うとすでに老人の域で、今の日本には、若年寄が多くなっているのではと思ったのです。
最近、草食男子と肉食女子という言葉が流行っているのですが、草食男子は奮闘精神を失った若い男性であり、肉食女子というのは、奮闘精神を持ち続けている若い女性であるとすると、意味が通じやすいのです。
当社では、女性比率が55%以上になっている何よりの理由が奮闘精神を持ち合わせている肉食女子が頑張っていることであり、当社が非常に厳しい製麺機業界の中で、唯一強いポジションを保ち続けることが出来ている理由でもあるのです。
会社が若々しく、存在し続けることが出来るのは、社内に創業以来の奮闘精神の文化があり、全員が奮闘し続けているためなのです。
これは企業規模に一切関係なく、企業規模が非常に大きく、社員数が何万人もいるアップル、グーグル、GE、PG、ジョンソン等、成功し続けている企業、永く成功している企業は、奮闘精神を持ち続けている企業であったのです。
だから、当社の価値感の最初に持ってこなければいけなかったのは、今回、価値感として明確にした、奮闘精神であり、また、当社は創業のころよりずっと厳しい環境の中で、奮闘精神を持ち続け、企業運営をしてきたのです。
だから、どんなに厳しい状況になっても乗り越えることが出来たのですが、同時に、奮闘精神を持ち続けるには、現状に甘んじることなく、現状の安心領域から常に逸脱する、背伸びをし続けることが重要です。
要するに、簡単には達成できないような、常に大きな野望を持ち続けることにより、奮闘精神を持ち続けることが出来、小さい、ささやかな目標では、奮闘精神を持ち続けることは難しいのです。
奮闘精神を持ち続けるには、精神的にアグレッシブであり続けることが必要で、ハングリー精神を持ち続け、現状肯定ではなく、現状否定の精神が重要であるのです。
だから、これから当社のスタッフに常に問うことは、「君は奮闘精神を持っているか?」、「奮闘精神を持ち続けているか?」、「その仕事で、奮闘精神を持っていると言えるのか?」と聞き続けていけば良いのです。
第2次世界大戦前の日本人にあって、今の日本人の多くが無くしてしまったものが奮闘精神であり、大和魂ではなかろうかと思います。
奮闘精神とは、自分のためではなく、人のための要素が大きく、自分のためだけであれば、何もそこまで奮闘しなくても、生きていける場合が多いのです。
第2次世界大戦末期に、多くの若者が日本のために命を落としていったのが、特攻隊で、鹿児島の知覧には、若い命を南の海に散らした多くの若者の遺書が残っています。
その若者の多くは、自分が命を捨てると日本が戦争に勝つと思って命を捨てたのではなく、日本はいずれ負けるが、日本が戦争に負けても、日本の国民はこんなに勇敢な国民だったと称賛されるような日本であり、戦後の日本が、国際社会の中で立派に再建できる礎になるために、自分たちは命を捧げるのだと、書かれている遺書が多く見られるのです。
従って、大和魂こそ、奮闘精神であり、日本に伝わる武士道こそ、奮闘精神であり、奮闘精神とは、単なる闘いではなく、自分の心を常に戦闘状態に保つ、心の状態であるのです。
われわれは、素晴らしい日本に伝わっている伝統的な精神文化を継承し、それを次世代に伝え続けていかねばならず、日本人の多くがかって持っていた奮闘精神を呼び起こし、それを世界中に伝えることも、われわれにとって大切で、当社の3つ目の使命である、「日本の美味しい麺文化を世界中に広める」ことにも、美味しい麺文化とともに、日本の精神性である、不屈の奮闘精神、大和魂、武士道を世界中に広めることでもあるのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「業績ギャップは需給のギャップ」
ここに、似たような問題を抱える産業がもう一つあり、製紙業にも、生産プロセスにかかわる業績ギャップがあるのですが、製紙業界では、このギャップをイノベーションの機会として利用する方法を、まだ開発しておらず、あらゆる先進国とほとんどの途上国が、紙の需要を伸ばしてきたにも関わらず、製紙業の業績はかんばしくなく、史上最高の利益を3年続けると、そのあとで必ず過剰設備と不況の年が5年続くのですが、製紙業界ではいまだに、製鉄業の電炉に相当するものを発見するに至っていないのが、大きな課題なのです。
パルプの繊維が、モノマーであることが認識されたのは100年以上も前のことであり、これをポリマーによってつくることなど、さほど困難ではないはずであり、無駄の多い非効率的な機械的プロセスを効率的な化学的プロセスに変えることが出来、すでに衣料用繊維については、1880年に開発したレーヨンによって、これを実現しているのですが、巨額の研究開発費を投じているにも関わらず、そのような紙の開発には、誰も成功していないのです。
これらの例が示すように、業績ギャップをイノベーションの機会として利用するためには、まず、解決すべき問題を明確にしなければならず、そして、既知の技術と既存の資源を利用してイノベーションを実現しなければならないので、開発のための努力が必要なのですが、革新的な知的発見を必要とする状況であるならば、起業家の出番はまだ早く、機は熟していないと言うべきであり、しかもイノベーションは、複雑であってはならず、単純でなければならないのと、華々しいものではなく、当たり前のものでなければならないのです。
以上より、よく分かるのは業績ギャップの原因は、需要と供給のギャップであり、需要が供給を上回れば、業績が上がり、需要が供給を下回ったときには、業績が下がり、それをビジネスに非常に有効に活用しているのはフェラーリで、新しいモデルを開発して、もし需要が世界中で4千台あるとすれば、3999台しか作らず、常に需要を少し下回る供給しかしないので、高い価格を守り通せ、同じような戦略を取っているのが、ブランドのルイ・ヴィトンで、フェラーリと同様に、需要と供給のバランスを巧みに操り、決して作り過ぎをしないのです。
高炉一貫製鉄業、製紙業、いずれの場合も装置産業であり、1回の設備投資が巨大で、設備投資により一気に供給が増え、需要を上回り、価格バランスが崩れ、業績が悪化する、業界の構造的要因で、需要と供給のバランスを緩和して、価格下落を防ぐことが出来るのが、製鉄業では電炉であり、われわれのビジネスにおいても、どんなビジネスにおいても、業績が落ちる原因は、需要と供給のバランスが大本の原因であり、その面白い事例がコーヒー・チェーンのドトールとスターバックスなのです。
セルフ式コーヒーは、日本では最初にドトールが口火を切り、その後、スターバックスが参入してきたのですが、今は、スターバックスはドトールの約2倍の売上に達し、私の宿泊するホテルの隣にドトールがあり、たまに利用するのが、気になるのがタバコの臭いで、分煙にはなっているのですが、禁煙席でも匂い、その点、スターバックスは完全に禁煙を貫いていて、タバコを吸わない私でもまったく気にならないし、スターバックスでは、第3の場所を活用して、PCを開き、コンセントを使って仕事をし、価格はドトールの1.5倍ほどですが、まったく気にならないのです。
ドトールとスターバックスの差こそ、需要と供給の差で、禁煙を好むお客さま、雰囲気を好むお客さまの数が、喫煙で価格の安いコーヒーを好むお客さまの数を上回り、それぞれのお客さまの需要と供給の差であったのです。
この様に、需要と供給のギャップにより、業績のギャップが生まれているので、業績ギャップの原因になっている需要と供給のギャップに注目することが大切であり、どんなビジネスでも業績を落としているビジネスは、需給ギャップが生じていて、需給ギャップが改善されると、自然に業績ギャップは改善されるのです。
コーヒーの原料であるコーヒー豆の輸入量は漸減しているにも関わらず、セブン・イレブンがコーヒーを始め、コメダ珈琲が郊外型店舗で活躍しているのも、需要と供給のバランスで、新しいタイプの需要が増え、古いタイプの需要が減り、需要と供給のバランスで業績が決まり、われわれは常に、新しい需要を創り出していかねばならず、まさに、ビジネスの本質は顧客創造にほかならず、新しい需要の目を見つけ続けることが、マーケテイングであり、それを結果として成功させるのが、イノベーションであるのです。
「医療の例」
社会部部門にも業績ギャップは存在し、先進国における医療サービスは、その典型で、1929年では、医療サービスにかかる費用はGNPの1%をはるかに下回っていたのですが、そのわずか50年後の1980頃には、病院を中心とする医療サービスは、あらゆる先進国でGNPが増大しているにも関わらず、アメリカでは7%から11%に達し、しかも医療サービスの生産性は向上するどころか低下し、サービスの質よりも費用の方が急激に上昇していて、3倍から5倍の速さで増加し、ドラッカーの想定通り、2012年の日本における対GDP当たりの医療費は10.3%、ドイツ11.3%、イギリス9.3%、フランス11.6%、アメリカは16.9%に達し、今後も伸び続けることが想定され、先進国では今後も、高齢者人口の増大に伴い、医療に対する需要は伸び続け、しかも費用は年齢と相関関係にあり、医療サービスの費用は、今後さらに急速に上昇を続けるのですが、医療サービスの費用の上昇の現象の本当の原因は、明らかにされているわけではなく、イギリスとアメリカでは、すでに的を絞り込んだイノベーションが行なわれ、成功していて、いずれも国の医療システムの欠陥を機会としてとらえているのです。
イギリスの民間医療保険は成長を続け、専門医による診断と手術を保証する企業内福祉制度として人気を得ていて、イギリスでは、医療費削減のため、政府管掌保険は疾病を優先させ、整形外科については保険金の給付を限定していて、関節炎による股関節の変形など、生命に関係ない手術は数年待たされるのですが、この民間医療保険は、その種の手術についても直ちに保険金を払うのですが、これに対し、医療費の上昇などに配慮せず、あらゆるニーズに応えようとしているアメリカでは、入院費の個人負担が爆発的に上昇していて、そこにイノベーションの機会が生まれたのです。
すなわち、病院機能の解体で、スキャナー、コバルト照射装置、自動検査装置、リハビリテーション装置など、高額の医療器具を必要としない医療サービスが、新事業として続々病院の外に出され、妊産婦と新生児のための宿泊施設的な妊産婦センター、入院や術後措置を必要としない手術のための外科センター、神経科センター、高齢者医療センターであり、これらの医療施設は、病院に代わるものではなく、集中治療や緊急治療の役割は病院が担い、これらの医療部門の新事業は、今日の医療に関わる業績ギャップを、イノベーションの機会として捉えたものであり、これらいずれも、産業や社会的部門におけるイノベーションとして理解し易い例なのです。
まさに業績ギャップが、なぜ大きなイノベーションの機会となるかを教えてくれ、産業や社会的部門の内部では、誰もがギャップの存在に気づきながら、無視せざるを得ず、それに気づかない多くのライバルはあちらをいじり、こちらを直し、こちらの火を消し、あちらの穴を埋めるのに忙しいので、誰かが行なったイノベーションと闘うどころか、それを検討する余裕さえなく、取り返しがつかなくなるまで気付きもしないのです。
その間、イノベーションを行なったものは、誰にも煩わされることがなく、成果を独り占めでき、社会部門における業績ギャップも、需要と供給のギャップで起きていて、新しい需要に新しい供給が追い付いておらず、古い需要には供給が間に合っていて、需給のギャップが起き、従って、われわれは常に新しい需要の起きている現場を理解しなければいけないので、それには、街に出て、現場を確認しなければいけないのです。
先日も博多の街に出て、新しい上質な蕎麦店が2時頃でもひっきりなしにお客さまが来店しているのを見て、新しい需要は起きているのに、ほとんどの人は気付かず、古い需要を追いかけ続け、供給過剰で業績が上がらず、新しい需要は、街に出て自分の目で見て、確認する他はないのです。
画像は、昨日の続きで、一昨日の全員集合しての経営方針発表会での結婚のお祝い、スタッフたちの誕生日会のお祝い等です。
皆、奮闘精神に満ち溢れたスタッフばかりですが、この日ばかりは、全員、感動していたのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。
本日のテーマは「苦しい奮闘を長期にわたって続ける」です。
昨日の全社員を集めた経営方針発表会の折に、当社は現在まで、約5年前から始まった冬の真っ只中であったことを説明したのです。
季節の四季は巡り、現在の日本は、少し前に冬が終わり、春の桜の季節の到来ですが、会社にも同じように四季があり、好むと好まざるにかかわらず、春夏秋冬が巡りくるのです。
当社は創業以来ずっと冬のような状態でしたが、特に20年前は当社にとってたいへん熾烈で、厳冬の時期を迎えていたのですが、20年前の冬と比べると、今回の冬は、会社の状態がぜんぜん異なるので、冬の厳しさはまったく異なることを話したのです。
20年前の冬は、当社の状態はまだ会社としての十分な体をなしておらず、自力だけでは生き残ることが出来ず、多くの方がたのお世話になり、生き延びることが出来たのです。
20年前の冬を体験している当社のスタッフは、すでに私を含め7名だけですが、最古参の山本常務が20年前の当時を思い出し、20年前は現在のようにスタッフ同士が強い力で結びついておらず、助け合う状態が作れていなかったと言っていたのが印象的でした。
そう言われてみると、その通りだったことを思い出し、20年前と現在の当社は、人、物、金、すべてにおいてまったく異なり、この20年間で当社は見違えるような状態になることが出来たのです。
今回の当社の冬は、5年前の秋から冬の入れ替わりの時期から始まり、約5年間続き、この5年間はスタッフと一緒に冬を乗り越えるために、苦しい奮闘を続けた5年間でした。
同時に思い出したのは、当社は創業以来ずっと、苦しい奮闘を長期にわたって続け、苦しい奮闘がなかった時期がないので、つねに苦しい奮闘を長期にわたって続けるのが当たり前の体質になっていることを再発見したのです。
奮闘者を根幹とし、苦しい奮闘を長期にわたって続けるDNAは、当社の社内に継承し続けなければいけない大切なものであることを再発見したのです。
また、昨年の社内で起きたさまざまな人間に関する問題は、当社の価値感の不十分さを浮き彫りにしてしまったのです。
そして私は、価値観の上部に自己批判の精神がなかったことを発見し、そのために長い間で、徐々に私を含めてスタッフの心の中に、自慢する心、慢心がいつしか住みついてしまっていたのです。
20年前まではたいへん厳しい冬であったのですが、春の訪れと共に、冬であった時代を忘れ、会社の業績が上向き、成長を続け、新しい社員の増加とともに、だんだんと厳しい冬を過ごしてきたことを忘れ去り、いつしか慢心が住みついたのです。
従って、現在のわれわれにとって必須であり、無くしてはいけない価値感は、自己批判であり、自分たちはまだ大したことがない、十分ではない、自分たちの能力は知れているということの理解が必要であったのです。
それを社内でうるさく伝え続けることが必要であったのですが、私も厳しい冬の時期を過ごしてきたことを忘れ去っていたのです。
従って、今回は当社の価値感を全面的に見直し、次のような価値感に改めたのです。
1. 顧客を中心に据え、奮闘者を根幹とし、苦しい奮闘を長期にわたって続ける(顧客とのコミュニケーション)
2. 自己批判(内省、フィードバック、自己とのコミュニケーション)
3. オープンな姿勢と進取の精神(アライアンス、イノベーション)
4. 効率の追求(利益、コスト)
そして、使命についても次の通りです。
1.麺ビジネス成功支援会社
2.人生の成功ストーリー販売会社
3.日本の美味しい麺文化を世界中に広める
使命1について、今までは麺専門店繁盛支援会社であったのですが、麺専門店以外からのお客さまが増えるに従い、今までの使命で価値感であれば、実態に合っていないのが分かったのです。
使命2以下は、以前のままで問題ないのですが、このように世の中の変化に合わせて、使命も進化していかねばならないのです。
この様に、価値観、使命は常にその深い意味を理解し、変わり続けなければいけないのです。
丁度1年前の昨年2月21日から始まった、半年間以上に及ぶ、「イノベーションと起業家精神」の学びの最終のまとめに取り組んでいきます。
「ギャップを探す – 第2の機会」
ここでいうギャップとは、現実にあるものとあるべきものとの乖離、あるいは誰もがそうあるべきとしているものとの乖離であり、不一致であり、原因は分からないことがあり、検討さえつかないこともあるのですが、それにも関わらず、ギャップの存在は、イノベーションの機会を示す兆候であり、それは、地質学でいう「断層」の存在を示し、まさに断層はイノベーションへの招待であり、断層では、わずかな力が、社会を動かし、経済構造や社会構造に変化をもたらす不安定状態を生み出すのです。
このギャップは、通常、マネッジメントに提示され、検討を加えられるような数字や報告の形では現れないで、定量的というよりは定性的であり、ギャップとは、予期せぬ成功や失敗と同じように、すでに起こった変化や起こり得る変化の兆候であり、ギャップは予期せぬ事象と同じように、1つの産業、市場、プロセスの内部に存在するので、その産業や市場、プロセスの内部、或いは周辺にいる者は、ハッキリ認識することが出来、まさに彼らの目の前にあるのですが、同時に、ギャップは、それを当然のこととして受け止めてしまいがちな、内部の者が見逃しやすいものであり、彼らは「ずっとそうだった」と言うのですが、多くの場合、その「ずっと」が、実は最近のことにすぎなく、イノベーションの機会としてのギャップは、以下のように、幾つかに分類できるのです。
1.業績ギャップ
2.認識ギャップ
3.価値観ギャップ
4.プロセス・ギャップ
「業績ギャップ」
製品やサービスに対する需要が順調に伸びているならば、業績も順調に伸びていなければならないし、需要が順調に伸びている産業では、利益を上げることは容易なはずであり、しかも、上げ潮に乗っているはずであり、そのような産業にありながら業績が上がっていないのであれば、何らかのギャップが存在すると見るべきであり、それらのギャップは、1つの産業全体、あるいは、社会的部門全体におけるマクロ的な現象であることが多いのです。
通常、それらのギャップをイノベーションの機会として利用するのは、中小の専門企業であり、しかも、この機会を利用する者は、長期にわたってその利益を享受することが出来、予期せぬできごとによるイノベーションは、大企業の方が有利であったのですが、ギャップをイノベーションの機会として利用出来るのは、中小の専門企業であり、長期にわたり、その利益を享受出来るので、われわれ中小企業は最もギャップに注目すべきなのです。
ほかの企業や社会的機関が、この危険な競争相手に気づくのは、かなり経ってからであり、ほかの企業や社会的機関は、需要の増大と業績不振とのギャップを埋めるのに忙しく、誰かほかの者が何か別のこと、成果の上がること、需要の増大を利していることに気づかないのです。
しかし、イノベーションを行なうためには、必ずしも、ものごとが動くべきであるのに、動かない原因を知ろうとして苦労する必要はなく、「このギャップをイノベーションの機会として利用するためにはどうすべきか、何がそれを機会に変えてくれるか、何が出来るか」を問えばよいのです。
「鉄鋼業と製紙業の例」
業績ギャップは行動を要求し、問題が明らかでなくとも、とるべき行動が明らかなことがあり、もちろん、問題が明らかでありながら、取るべき行動が明らかでないこともあり、鉄鋼業における電炉の例は、ギャップをイノベーションの機会として利用することに成功した良い例であり、第一次大戦後から今日に至るおよそ50年間、先進国の高炉メーカーがブーム的な好業績をあげたのは、戦時中だけで、鉄鋼に対する需要は、少なくとも1973年までは着実に伸びていましたが、平時における高炉メーカーの業績は、失望させられることが多く、この業績ギャップの原因は昔から明らかだったのです。
高炉の場合、需要の増加に応じた生産量の増加の最小単位がきわめて大きく、必要とされる設備投資が巨額にのぼり、生産能力が大幅に増大してしまうからであり、新設の高炉の稼働率は、需要が新たな生産能力に追いつくまでの間、低いものとならざるを得なく、しかも、戦時を除き、需要は徐々にしか増加せず、需要が増加しているときに、生産設備の増設を行なわないことは、シェアの喪失、ときには恒久的な喪失を意味するので、そのようなリスクを冒せる高炉メーカーはないので、高炉が高収益は享受できるのはごく限られた期間、すなわちあらゆる高炉メーカーが、設備の更新を開始してから完成するまでのわずかな期間と言うことになるのです。
その上、1870年代に発明された製鉄のプロセスそのものが、これも昔から知られているように、基本的に不経済であり、物理の法則に反し、従って経済の法則に反し、物理の世界では、温度の変化は、重力や慣性に対する抵抗に次いで大きなエネルギーを要求し、一貫製鉄所では、加熱と冷却を4度繰り返し、そのうえ高熱の重量物を持ち上げ、相当の距離を運ばねばならないので、このような高炉の特有の弱みを緩和するイノベーションを行なえば、鉄鋼の生産コストを大幅に引き下げられることは、かなり前から明らかになっていたのです。
そして、電炉が行なったことが、まさにそれであり、電炉は、決して小さな製鉄所ではなく、最低規模の電炉さえ、年間売上1億ドルであるのですが、最低規模の一貫製鉄所と比べて、6分の1から、10分の1に過ぎず、従って、電炉は、すでに市場に存在する需要に合わせて、生産能力の増大を小刻みに行なうことが出来、しかも、電炉は一度加熱するだけであり、冷却を行なわず、そのまま全プロセスを終了し、電炉は、原料として鉄鉱石の代わりに鉄屑を使い、最終製品も鋼板や棒鋼に特化しているので、高炉が労働集約的であるのに対し、オートメ化が容易であり、電炉の生産コストは高炉の半分以下であるのです。
各国の政府、労働組合、一貫製鉄所は、あらゆる方策をもって電炉の発展を抑えようとしたのですが、電炉は増え続けていて、2000年には、アメリカで消費される鉄鋼の半分以上が電炉によるものかもしれないのですが、その間、高炉のよる大規模一貫製鉄所のシェアは低下していったのです。
私は機械工学出身でしたが、上記の高炉一貫生産製鉄所のジレンマを知らなかったので、改めてドラッカー博士の見識の広さに驚くと同時に、一つの産業の中にこのような問題の存在にも驚き、ライバルとの競争に明け暮れる以上に、業界の構造にメスを入れ、自社が存在している、業界の特質を理解することの大切さを改めて理解しました。
多分、どのような業界でも深く掘りすると、恐らくこのようなギャップ、ジレンマを抱えているはずで、ほとんどの業者は、ライバル業者との間の競争に明け暮れていて、このようなギャップの存在を掘り下げようとしている者はいないのです。
日本の外食産業は、ピークの1997年(18年前)まで右肩上がりで成長し、その後、ほぼ一貫して右肩下がりで落ち続け、それはまさに、1995年にピークを打った生産年齢人口の推移と、ほぼ同じ推移を辿っているのですが、生産年齢人口の減少幅(12%)よりも落ち幅が大きく、ピーク時より約20%程度減少しているのです。
この余分な落ち幅がギャップであり、サラリーマンの小遣いの半減(ピーク比)が大きく影響をしているはずで、サラリーマンの小遣いの半減が、居酒屋市場を直撃して、居酒屋市場はピークと比べると、市場規模を3分の2以下にしているのですが、外食市場全体の数字に比較して、うどん蕎麦店市場は堅調で、2014年のデータでも過去最高の市場規模を誇っているのは、生産年齢人口の落ち込みを完全にカバーしているシニア世代の影響が大きく、以上より、私はこれからうどん蕎麦、ラーメン店が狙っていくべきお客さまは、女性とシニアであるとの結論を導き出し、この事実を麺学校で指導し、現に、サラリーマンを対象の麺専門店ビジネスは苦戦し、女性、シニアを狙っている坂東太郎とか、ラッキー・ピエロのような飲食店が成功しているのです。
当社の場合も、麺市場の規模と、製麺機市場の間のギャップの存在に気づいていて、製麺機を購入するお客さまは、新規にうどん蕎麦店、ラーメン店を開業するお客さまと、既に開業しているお客さまが大きな需要者であり、新規開業者が増えれば増える毎に、需要は大きくなり、製麺機市場は、麺市場の景気の波に左右されたのですが、現在は景気よりも製麺機を使用する人手の過不足に影響をされているのです。
画像は、昨日の創業40周年記念植樹祭、食堂での全社経営方針発表会、社員の結婚のお祝い、誕生日のプレゼント等で、最後にサプライズで慰労金を配ると、全員が盛り上がったのです。
今日も最高のパワーで、スーパー・ポジテイブなロッキーです。